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【配信者必見】UPS(無停電電源装置)完全ガイド|停電・瞬断から配信を守る方法
「配信中に突然停電して、放送が途切れてしまった…」
そんな経験はありませんか?落雷や電力会社のトラブル、ブレーカー落ちなど、停電はいつ起きるかわかりません。
特に収益化している配信者にとって、配信の中断は収入に直結する深刻な問題です。そこで活躍するのがUPS(無停電電源装置)です。
UPSとは?配信者が知っておくべき基礎知識
UPSの役割
UPS(Uninterruptible Power Supply)は、停電時にバッテリーから電力を供給する装置です。
UPSができること:
- 停電時に瞬時にバッテリー給電に切り替え
- PCやルーターを数分〜十数分動作させる
- その間に安全にシャットダウンまたは配信終了
- 瞬断(0.5秒未満の停電)による再起動を防止
停電の種類とリスク
| 停電の種類 | 発生原因 | 持続時間 | UPSなしの影響 |
|---|---|---|---|
| 瞬断 | 落雷、電力系統切替 | 0.1〜0.5秒 | PC再起動、配信中断 |
| 短時間停電 | 事故、過負荷 | 数秒〜数分 | 全機器停止、データ損失 |
| 長時間停電 | 災害、大規模故障 | 数時間〜 | 長時間の配信不可 |
UPSの給電方式
UPSには主に3つの給電方式があります。
| 常時商用給電 | 通常時:商用電源をそのまま使用 / 停電時:バッテリーに切替 |
|---|---|
| 切替時間 | 常時商用:5〜10ms / ラインインタラクティブ:2〜4ms / 常時インバータ:0ms |
| 価格帯 | 常時商用:安い / ラインインタラクティブ:中 / 常時インバータ:高い |
| 用途 | 常時商用:家庭・小規模 / ラインインタラクティブ:配信者向け / 常時インバータ:業務用 |
配信者におすすめ:常時商用給電またはラインインタラクティブ
切替時間が数ミリ秒程度なら、PCは問題なく動作し続けます。高価な常時インバータ方式は、医療機器やサーバー向けで、配信用途にはオーバースペックです。
配信環境に必要なUPS容量の計算
必要容量の目安
UPSの容量は「VA(ボルトアンペア)」と「W(ワット)」で表されます。
計算式:
必要なVA = 接続機器の合計消費電力(W) ÷ 0.6〜0.7
配信環境の消費電力例
| 機器 | 消費電力目安 |
|---|---|
| デスクトップPC(一般) | 150〜300W |
| デスクトップPC(ゲーミング) | 300〜600W |
| ノートPC | 45〜90W |
| モニター(24〜27インチ) | 20〜40W |
| ルーター | 10〜20W |
| モデム | 10〜15W |
| 外付けHDD/SSD | 5〜15W |
| Webカメラ | 5W以下 |
| オーディオIF | 5〜10W |
用途別の推奨容量
| 用途 | 想定構成 | 推奨容量 |
|---|---|---|
| ノートPC配信 | ノートPC+モニター+ルーター | 300VA以上 |
| 一般PC配信 | デスクトップ+モニター×2+周辺機器 | 500〜750VA |
| ゲーミングPC配信 | ゲーミングPC+モニター×2+周辺機器 | 1000VA以上 |
おすすめUPS【用途別】
【一般配信向け】500VA/300Wクラス
CyberPower CPJ500(定番モデル)
配信者に人気のCyberPowerのエントリーモデル。正弦波出力なので、電源に敏感な機器も安心して接続できます。
【中規模配信向け】550VA/330Wクラス
APC BR550S-JP E
UPS業界の世界シェアNo.1、APCの家庭向けモデル。AVR(自動電圧調整)機能で、電圧変動からも機器を保護します。
オムロン BW55T
日本メーカーのオムロン製。国内サポートが充実しているのが強みです。
【ゲーミングPC向け】1200VA/780Wクラス
CyberPower CP1200PFCLCDJP
ゲーミングPCやハイエンド環境向け。液晶パネルでバッテリー残量や負荷状況をリアルタイムで確認できます。
UPSの設置方法
接続の優先順位
UPSのコンセントには限りがあるため、優先順位を決めて接続します。
必須(最優先):
- PC本体
- ルーター/モデム(ネット接続維持のため)
推奨: 3. メインモニター(1台) 4. 外付けストレージ
不要(UPS以外の電源タップへ):
- サブモニター
- 照明
- スピーカー
- 充電器類
設置場所の注意点
- 通気性を確保:UPSは発熱するため、密閉空間に置かない
- 水平に設置:傾けるとバッテリー液漏れの原因に
- 直射日光を避ける:高温はバッテリー寿命を縮める
- 重いものを上に置かない:排熱口を塞がない
初回設定
- 充電:使用前に8時間以上充電する
- 自己診断:電源を入れて正常動作を確認
- 負荷テスト:接続機器を動かしながらUPSの負荷率を確認
- 管理ソフトインストール(推奨):自動シャットダウン設定
UPSの活用テクニック
自動シャットダウン設定
多くのUPSには、停電時にPCを自動シャットダウンするソフトウェアが付属しています。
設定例(CyberPower PowerPanel Personal):
- ソフトウェアをインストール
- 「シャットダウン設定」を開く
- 「バッテリー残量が20%になったらシャットダウン」に設定
- シャットダウン前に実行するコマンドを設定(配信ソフトの終了など)
配信終了のワークフロー
停電が発生した場合の理想的な対応:
停電発生(UPSがバッテリー給電に切替)
↓(即座に)
視聴者に「停電が発生しました」とアナウンス
↓(1〜2分)
配信を正常に終了(OBSの「配信終了」ボタン)
↓(1分)
作業中のファイルを保存
↓
PCをシャットダウン
バッテリー管理
UPSのバッテリーは消耗品です。定期的なメンテナンスが必要です。
| 項目 | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
| 自己診断テスト | 月1回 | UPSの診断機能を実行 |
| 負荷テスト | 3ヶ月に1回 | 実際にコンセントを抜いて動作確認 |
| バッテリー交換 | 2〜3年に1回 | 交換用バッテリーを購入して交換 |
停電・瞬断が発生しやすい状況と対策
落雷シーズン(6〜9月)
夏場は雷による停電・瞬断が最も多い季節です。
リスクが高い状況:
- 積乱雲が発達している時間帯(午後〜夕方)
- 急に空が暗くなってきたとき
- 雷鳴が聞こえ始めたとき
対策:
- 配信前に天気予報をチェック
- 雷注意報が出ている場合は配信時間を調整
- UPSは必須(落雷による瞬断が多い)
- 雷がひどい場合は配信を中止する勇気も必要
電力需要ピーク時期
夏場のエアコン使用や冬場の暖房使用で電力需要が増加する時期は、電圧低下や計画停電のリスクがあります。
対策:
- ラインインタラクティブ方式のUPSならAVR機能で電圧を安定化
- 電力使用状況をチェック(東京電力パワーグリッドなどで確認可能)
- 電力使用率90%超えの日は警戒
古い建物・電気設備
築年数が古い建物は、電気設備が老朽化していて不安定なことがあります。
よくある問題:
- 同時に電気機器を使うとブレーカーが落ちる
- エアコン起動時に照明がちらつく
- 電子レンジ使用中にPCが不安定になる
対策:
- 配信環境の電源は専用回路から取る
- 電子レンジなど大電力機器は配信中に使わない
- ブレーカー容量の増設を検討(電気工事)
配信スタイル別・UPS選びのポイント
ゲーム実況配信者
特徴:
- 消費電力が大きい(ゲーミングPC + 複数モニター)
- 配信時間が長い傾向
- ゲームの進行状況が保存されない場合のダメージが大きい
推奨構成:
UPS:1000VA/600W以上
接続機器:
1. ゲーミングPC(必須)
2. ルーター/モデム(必須)
3. メインモニター(推奨)
バッテリー稼働時間の目安:5〜10分
注意点:
- ゲーミングPCの消費電力を正確に把握する
- 高負荷ゲーム中は消費電力が上がることを考慮
- オートセーブのないゲームは、定期的に手動セーブを
雑談・ASMR配信者
特徴:
- 消費電力は比較的低い
- 機材構成がシンプル
- 配信の「雰囲気」が重要(突然の中断はダメージ大)
推奨構成:
UPS:500VA/300W程度
接続機器:
1. PC(必須)
2. ルーター(必須)
3. オーディオIF(推奨・USB給電なら不要)
4. 照明(スタンドアロン型の場合)
バッテリー稼働時間の目安:10〜20分
注意点:
- オーディオインターフェースがUPS給電の恩恵を受けるか確認
- USB給電の機器はPC経由で給電されるためUPS接続不要
VTuber・バーチャル配信者
特徴:
- トラッキングソフト・VR機器などで消費電力が高め
- フェイストラッキング用PCを別途使用する場合も
- 配信中断時のアバター停止が不自然に見える
推奨構成:
UPS:750〜1000VA程度
接続機器:
1. 配信用PC(必須)
2. トラッキング用PC(使用時)
3. ルーター(必須)
バッテリー稼働時間の目安:5〜10分
注意点:
- 2台のPCを使う場合は容量に注意
- VRヘッドセットは充電式が多いため別途考慮
トラブルシューティング
UPSがビープ音を出す
症状別の対処:
| ビープ音パターン | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 連続音 | バッテリー給電中(停電発生) | 正常。作業を保存してシャットダウン |
| 断続音(ゆっくり) | バッテリー残量低下 | すぐにシャットダウン |
| 断続音(速い) | 過負荷 | 接続機器を減らす |
| 長いビープ1回 | 自己診断失敗 | サポートに連絡 |
バッテリー持ち時間が短い
考えられる原因:
- バッテリーの劣化(2年以上使用)
- 接続機器の消費電力が増えた
- 高温環境での使用
対処:
- バッテリー交換を検討
- 接続機器の消費電力を再計算
- 設置場所の温度を確認
UPSからPCに電力が供給されない
チェックポイント:
- UPS自体の電源が入っているか
- 接続しているのがバッテリーバックアップ付きコンセントか
- 過負荷でシャットダウンしていないか
- バッテリーが完全に放電していないか
バッテリー交換のタイミングと方法
交換時期の目安
交換を検討すべきサイン:
- 購入から2〜3年が経過
- 自己診断テストで「バッテリー交換」警告
- 停電時の稼働時間が著しく短くなった
- UPSが異常に熱くなる
- バッテリーが膨らんでいる(危険!すぐに使用中止)
交換バッテリーの入手方法
- メーカー純正品:最も安心だが高価
- 互換バッテリー:安価だが品質にばらつき
- バッテリー交換サービス:作業を依頼できる
おすすめ:純正品または信頼できる互換品
交換の手順(一般的な例)
1. UPSの電源をオフにする
2. 壁のコンセントからUPSを抜く
3. すべての接続機器をUPSから外す
4. バッテリーカバーを開ける(ネジまたはスナップ式)
5. バッテリーケーブルを抜く(赤→黒の順番が一般的)
6. 古いバッテリーを取り出す
7. 新しいバッテリーを入れる
8. ケーブルを接続(黒→赤の順番)
9. カバーを閉じる
10. コンセントに接続して8時間以上充電
予算別おすすめ構成
【2万円以下】最小構成
UPS:CyberPower CPJ500(約18,000円)
接続機器:PC+ルーターのみ
バッテリー稼働時間:10分程度(軽負荷時)
配信者の入門としては十分な構成。まずはこれで停電対策を始めましょう。
【3万円前後】標準構成
UPS:CyberPower CP900PFCLCD(約28,000円)
接続機器:PC+モニター×1+ルーター
バッテリー稼働時間:8分程度(中負荷時)
モニターまで保護したい方向け。配信終了までの作業時間に余裕ができます。
【4万円以上】万全構成
UPS:CyberPower CP1200PFCLCDJP(約36,000円)
接続機器:ゲーミングPC+モニター+周辺機器
バッテリー稼働時間:5〜8分程度(高負荷時)
ゲーミングPCユーザー向け。高消費電力の環境でも安心です。
サージプロテクター vs UPS
「サージプロテクター(雷ガード)があればUPSは不要?」という質問をよく見かけます。
| 機能 | サージプロテクター | UPS |
|---|---|---|
| 雷サージ保護 | ○ | ○ |
| 停電時の給電 | × | ○ |
| 瞬断保護 | × | ○ |
| 電圧安定化 | △(一部モデル) | ○(ラインインタラクティブ) |
| 価格 | 1,000〜3,000円 | 15,000〜30,000円 |
結論:両方の機能が必要なら、UPSを選ぶべき
UPSには通常、サージ保護機能も搭載されています。配信者なら、停電・瞬断対策ができるUPSの方が安心です。
よくある質問
まとめ
まとめ
配信者がUPSを導入するメリットと選び方- 停電・瞬断から配信環境を保護できる
- 500VA/300Wクラスで一般的な配信環境に対応
- ゲーミングPCなら1000VA以上を検討
- 正弦波出力のモデルを選ぶ
- バッテリーは2〜3年で交換が必要
配信者にとって、停電による配信中断は収益や信頼に関わる問題です。UPSは「保険」として、導入しておいて損はない機材です。
特に落雷が多い季節や、古い建物に住んでいる方は、早めの導入をおすすめします。
よくある質問
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