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【ゲーム配信】ノートPCの熱対策完全ガイド|熱暴走を防いで快適に配信する方法

【ゲーム配信】ノートPCの熱対策完全ガイド|熱暴走を防いで快適に配信する方法

公開日
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「ゲーム配信中にPCが熱くなって、カクついたりフリーズしたりする…」

ノートPCでゲーム配信をしている方なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

ノートPCの熱問題は、放置すると配信事故やPCの故障につながる深刻な問題です。この記事では、ゲーム配信者向けにノートPCの熱対策を徹底解説します。

この記事でわかること - ノートPCが熱くなる原因と影響 - 効果的な冷却対策の方法 - おすすめの冷却グッズ - 配信時の設定最適化テクニック

ノートPCが熱くなる原因

ゲーム配信時の負荷状況

ゲーム配信中のノートPCは、以下のような重い処理を同時に行っています。

処理内容使用するパーツ負荷レベル
ゲームの描画GPU
ゲームの処理CPU中〜高
配信エンコードCPU/GPU
OBSの動作CPU/RAM
Discord通話CPU低〜中
ブラウザ(コメント確認)CPU/RAM

これだけの処理を同時に行えば、発熱するのは当然です。

デスクトップPCとの違い

デスクトップPCは大型の冷却ファンやヒートシンクを搭載できますが、ノートPCは薄型軽量化のために冷却機構がコンパクトです。

冷却性能の比較
パーツデスクトップ:大型ファン×複数 / ノート:小型ファン×1-2
エアフローデスクトップ:大容量 / ノート:限定的
ヒートシンクデスクトップ:大型 / ノート:小型・薄型
拡張性デスクトップ:水冷化可能 / ノート:外部冷却のみ

サーマルスロットリングとは

CPUやGPUが一定温度を超えると、自己保護のために性能を下げる機能が「サーマルスロットリング」です。

サーマルスロットリングが発生すると:

  • ゲームのFPSが急激に落ちる
  • 配信がカクつく
  • 処理が追いつかずコマ落ちする

これが配信中に起きると、視聴者に不快な体験を与えてしまいます。

熱対策の基本:3つのアプローチ

ノートPCの熱対策は、大きく3つのアプローチがあります。

1. 外部からの冷却強化

冷却パッドやファンを使って、外部から強制的に冷やす方法です。最も手軽で効果的な対策。

2. 負荷の軽減

ゲームや配信の設定を最適化して、発熱自体を抑える方法です。コストゼロで始められます。

3. 環境の改善

室温管理やPCの設置方法を見直す方法です。地味ですが効果は大きいです。

おすすめ冷却パッド【価格帯別】

【3,000円以下】エントリーモデル

コスパ最強の6ファンモデル

2,000円以下でこの性能は破格です。まずは手軽に試したい方におすすめ。

6ファン搭載の定番モデル

静音性を重視する方におすすめ。配信中もファン音が気になりません。

【3,000〜5,000円】スタンダードモデル

人気No.1の高性能モデル

Amazonでも高評価を獲得している定番モデル。金属メッシュデザインで放熱性も抜群です。

【8,000円以上】ハイエンドモデル

大型ノートPC向け高性能モデル

17インチ以上のゲーミングノートを使っている方には、このクラスがおすすめです。

特許取得の最強冷却

本格的なゲーミングノートユーザー向け。遠心ファンによる強制冷却で、他の製品とは次元の違う冷却効果を発揮します。

冷却パッドの効果的な使い方

設置のコツ

  1. 平らな場所に設置する 冷却パッドが傾いていると、ファンの効率が落ちます。

  2. 吸気口を確保する 冷却パッドの下にも空間が必要です。布団の上や膝上での使用は避けましょう。

  3. PCの排気口と干渉しないようにする ノートPCの排気口(多くは側面か背面)を塞がないように注意。

風量調節の目安

状況推奨風量備考
通常作業低〜中静音重視
ゲームプレイのみバランス重視
ゲーム配信中〜高冷却重視
真夏の配信全力冷却
ファンを最大にすると騒音が気になる場合があります。マイクが環境音を拾いやすいなら、中程度の風量に抑えてヘッドセットを使用しましょう。

設定による熱対策

ゲーム設定の最適化

冷却グッズを使う前に、まずは設定を見直しましょう。

グラフィック設定の優先順位:

設定項目配信向け推奨負荷への影響
解像度1920×1080
フレームレート上限60fps
影の品質中〜低
テクスチャ品質
アンチエイリアスFXAA
エフェクト品質中〜低
描画距離
配信するなら、144fpsより60fpsの方が安定します。視聴者の多くは60fps以上を見分けられないため、フレームレートを抑えてでも安定性を優先しましょう。

OBS設定の最適化

エンコーダーの選択:

  • GPU搭載の場合:ハードウェアエンコーダー(NVENC/AMF)を使用
  • GPUが弱い場合:x264でプリセットを「veryfast」に

出力設定の目安:

配信:
- 解像度:1280×720(720p)または 1920×1080(1080p)
- ビットレート:4000〜6000kbps
- フレームレート:30または60fps

録画:
- 録画品質:高品質、ファイルサイズ中
- エンコーダー:NVENC(推奨)

電源設定の確認

Windows の電源プランが「省電力」になっていると、パフォーマンスが制限されて逆効果になることがあります。

推奨設定:

  1. 「電源オプション」を開く
  2. 「高パフォーマンス」を選択
  3. 「詳細な電源設定」で冷却ポリシーを「アクティブ」に

環境改善による熱対策

室温管理

室温が高いと、どんな冷却グッズを使っても効果が薄れます。

目安:

  • 理想的な室温:20〜25℃
  • 許容範囲:〜28℃
  • 要注意:30℃以上

エアコンがない部屋では、扇風機をPCに向けて当てるだけでも効果があります。

PCの設置場所

避けるべき場所:

  • 直射日光が当たる場所
  • 布団や毛布の上
  • 密閉された棚の中
  • 壁に密着した場所

推奨の設置方法:

  • 硬い平面の上に置く
  • 排気口周辺に10cm以上の空間を確保
  • 可能なら少し高い位置に設置

内部清掃(上級者向け)

ホコリが詰まると冷却効率が大幅に低下します。

清掃の目安:

  • 軽いホコリ除去:3〜6ヶ月に1回
  • 本格的な内部清掃:1年に1回
ノートPCの分解は保証対象外になる可能性があります。自信がない方は、PCショップに依頼しましょう(3,000〜5,000円程度)。

温度モニタリングのすすめ

おすすめの監視ソフト

HWiNFO64(無料)

  • CPU・GPU温度をリアルタイム表示
  • ログ機能で温度変化を記録可能
  • 配信中も軽量に動作

使い方:

  1. HWiNFO64をダウンロード・インストール
  2. 「Sensors-only」モードで起動
  3. 配信中は最小化して温度を監視

温度の目安

温度帯状態対応
〜60℃正常問題なし
60〜80℃やや高い冷却強化を検討
80〜90℃高温冷却対策が必要
90℃〜危険即座に負荷を下げる
多くのノートPCは85〜95℃でサーマルスロットリングが発動します。80℃を超えたら対策を考えましょう。

ゲームジャンル別・負荷と対策

FPS・TPSゲーム(Apex、VALORANT、Fortniteなど)

負荷レベル:高

FPS・TPSはフレームレートが勝敗に直結するため、高設定で遊びたくなりますが、配信時は設定を落とすのが現実的です。

推奨設定:

  • 解像度:フルHD(1920×1080)
  • FPS:60〜144fps上限
  • グラフィック:低〜中設定
  • 配信解像度:720p60fpsまたは1080p30fps

対策のポイント:

  • 競技性を損なわない程度に設定を下げる
  • 視認性に影響する設定(影・エフェクト)は下げても問題なし
  • 冷却パッドは必須、できれば中〜高風量で

MMORPG(FF14、原神、PSO2など)

負荷レベル:中〜高

広大なマップと多数のキャラクター表示で負荷が変動します。特にボス戦やエフェクトが多いシーンで温度が上昇。

推奨設定:

  • 解像度:フルHD
  • 他プレイヤーの表示:簡易表示・制限
  • エフェクト:自分以外カット
  • 影:低〜中
  • 遠景描画:中

対策のポイント:

  • レイド・ボス戦の前に温度をチェック
  • 長時間配信が多いので定期的に休憩を挟む
  • 人が多いエリアでは設定を下げる

インディーゲーム・2Dゲーム

負荷レベル:低〜中

比較的軽いゲームが多いですが、油断は禁物。Unityベースのゲームは意外と負荷が高いことも。

推奨設定:

  • 基本的にはデフォルト設定でOK
  • FPS上限は設定しておく(無制限は避ける)

対策のポイント:

  • 冷却パッドは低〜中風量で十分
  • 長時間プレイでも安定しやすい
  • 配信は1080p60fpsでも問題ないことが多い

VRゲーム(VRChat、Beat Saberなど)

負荷レベル:非常に高

VRはPC側でも高負荷ですが、それをさらに配信するとなると最高クラスの負荷になります。

推奨設定:

  • VR側:画質設定を中〜低に
  • 配信側:720p30fpsに抑える
  • リフレッシュレート:72〜90Hz推奨

対策のポイント:

  • VR配信はノートPCには過酷。最強クラスの冷却が必要
  • 室温は必ず25℃以下に
  • 温度監視は必須。90℃超えたらすぐに休憩

配信プラットフォーム別・負荷対策

YouTube Live

特徴:

  • 高ビットレートに対応(最大51Mbps)
  • 遅延を選べる(低遅延・超低遅延・通常)
  • アーカイブが自動保存

負荷軽減設定:

  • 遅延を「通常」にすると負荷が下がる
  • アーカイブ用の録画を無効にできればさらに軽く

Twitch

特徴:

  • ビットレート上限は6000kbps
  • トランスコードが自動(視聴者側で画質選択可能)
  • 低遅延モードがデフォルト

負荷軽減設定:

  • 720p60fps・4500kbpsがバランス良い
  • アフィリエイト未達なら720p30fpsでも十分

ニコニコ生放送

特徴:

  • ビットレート上限が比較的低い
  • コメントが画面上に流れる(ニコニコ特有)

負荷軽減設定:

  • 公式の推奨設定に従う
  • コメント表示のオーバーレイは軽量なものを使用

長時間配信時の熱対策

時間帯別の温度変化

長時間配信では、時間経過とともに温度が上昇していく傾向があります。

【典型的な温度推移】
配信開始〜30分:60〜70℃(安定期)
30分〜2時間:70〜80℃(上昇期)
2時間〜4時間:75〜85℃(高温安定期)
4時間以上:80〜90℃(危険域に近づく)

長時間配信のコツ

  1. 2時間ごとに5〜10分の休憩を入れる

    • PCを冷ます時間を確保
    • 自分自身の休憩にもなる
  2. 休憩中はゲームを終了する

    • タイトル画面に戻るだけでは負荷はあまり変わらない
    • ゲームを完全に終了して冷却に専念
  3. 室温を下げておく

    • 長時間配信前はエアコンで室温を少し低めに
    • 配信中は室温が上がりやすいので余裕を持たせる
  4. 予備の冷却手段を用意

    • USBファンを追加で当てる
    • 保冷剤を併用(ただし結露に注意)

ノートPCの寿命を延ばすコツ

熱によるダメージを最小限に

高温状態での使用を続けると、以下の部品が劣化しやすくなります。

部品劣化の影響対策
バッテリー容量低下、膨張AC電源接続時はバッテリーを80%で止める設定に
ストレージ(SSD)寿命短縮70℃以下を維持
ファン異音、回転数低下定期清掃
サーマルペースト乾燥・性能低下2〜3年で塗り直し検討

バッテリーへの配慮

ゲーム配信中は必ず電源に接続して使いますが、常に100%充電のままだとバッテリーが劣化します。

対策:

  • メーカー提供の充電管理ソフトを使用(60〜80%で充電停止)
  • なければバッテリーを外して使用(可能な機種のみ)

定期メンテナンスのスケジュール

【月次】
- ファン吹き出し口のホコリ除去
- 冷却パッドの清掃

【3ヶ月ごと】
- 温度ログの確認(異常な上昇がないか)
- ファンの異音チェック

【1年ごと】
- 内部清掃(自己責任または業者依頼)
- サーマルペースト交換の検討

予算別おすすめ対策プラン

【0円】今すぐできる対策

□ 電源設定を「高パフォーマンス」に
□ ゲームのグラフィック設定を見直し
□ OBSの設定を最適化
□ 室温を25℃以下に管理
□ PCの下に本を挟んで角度をつける
□ 排気口周辺を10cm以上空ける

【3,000円以下】基本対策

- エントリー冷却パッド:約2,000円
- 温度監視ソフト(無料)
効果:5〜10℃程度の温度低下

【10,000円以下】万全対策

- ハイエンド冷却パッド:約8,000円
- USBファン(追加冷却用):約1,500円
効果:10〜20℃の温度低下

【30,000円以上】プロ仕様

- 最高級冷却パッド:約10,000円
- 外付けGPUボックス:約20,000円〜
  (GPUへの負荷をデスクトップGPUに分散)
- 内部清掃+サーマルペースト交換:約5,000円(業者依頼)
効果:根本的な冷却性能向上

トラブルシューティング

冷却パッドを使っても熱い場合

  1. 風量を最大にする
  2. 室温を下げる(エアコン・扇風機)
  3. ゲーム設定を下げる
  4. 配信解像度を下げる(1080p→720p)
  5. 内部清掃を検討する

配信中にフリーズした場合

  1. 慌てずに数秒待つ(自動復帰の可能性)
  2. 復帰しなければ配信を一時停止
  3. 温度を確認し、下がるまで待機
  4. 設定を下げて再開

ファンがうるさい場合

  1. 風量を下げる
  2. マイクの位置を調整(ファンから離す)
  3. 単一指向性マイクを使用
  4. OBSでノイズ抑制フィルターを追加

よくある質問

冷却パッドを使うとバッテリーの持ちは悪くなりますか?
冷却パッドはPCのUSBポートから給電するため、わずかに消費電力が増えます。ただし、配信時は電源に接続して使うのが基本なので、実質的な影響はありません。
ノートPCスタンドと冷却パッド、どちらがいいですか?
発熱が軽度なら角度調整だけのスタンドでも十分ですが、ゲーム配信のような高負荷作業にはファン付きの冷却パッドがおすすめです。冷却パッドにはスタンド機能も付いている製品が多いので、両方の効果を得られます。
冷却パッドは消耗品ですか?
ファンは消耗品ですが、一般的には2〜3年以上は問題なく使えます。ファンの回転音が大きくなったり、異音がするようになったら交換時期です。
ゲーミングノートPCでも冷却パッドは必要ですか?
はい、必要です。ゲーミングノートは高性能なぶん発熱も大きいため、むしろ冷却パッドの効果を実感しやすいです。特に薄型のゲーミングノートは冷却が追いつかないことが多いです。

まとめ

まとめ

ノートPCでゲーム配信する際の熱対策ポイント
  • 冷却パッドは最も手軽で効果的な対策
  • 3,000円前後のモデルで十分な効果が得られる
  • 設定の最適化でコストゼロの対策も可能
  • 室温管理も冷却効果に大きく影響
  • 温度モニタリングで異常を早期発見

熱対策は「予防」が大切です。熱暴走してからでは遅いので、夏本番を迎える前に準備しておきましょう。

快適な温度で、安定した配信ライフを楽しんでください!

よくある質問

QノートPCでゲーム配信すると熱くなるのはなぜ?
A
ゲームプレイと配信エンコードを同時に行うため、CPUとGPUに大きな負荷がかかります。デスクトップPCと違い、ノートPCは冷却機構がコンパクトなため、熱がこもりやすい構造になっています。
Q熱暴走するとどうなりますか?
A
パフォーマンスの低下(サーマルスロットリング)、フリーズ、強制シャットダウン、最悪の場合は部品の故障につながります。配信中にこれらが起きると、放送事故になりかねません。
Q冷却パッドは本当に効果がありますか?
A
はい、効果があります。冷却パッドを使うことで、CPU温度を5〜15℃程度下げられる場合が多いです。ただし、効果は製品の性能やPCの発熱量によって異なります。
Q夏場は特に対策が必要ですか?
A
はい、室温が高いほどPCの冷却効率は落ちます。エアコンで室温を管理するとともに、冷却パッドの風量を上げるなどの対策が必要です。夏場は通常より5〜10℃程度温度が上がりやすくなります。
Q冷却対策にいくらくらいかかりますか?
A
冷却パッドは2,000〜10,000円程度で購入できます。まずは3,000円前後のエントリーモデルから始めるのがおすすめです。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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