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【歌ってみたの始め方①】準備と著作権のすべて|初心者が絶対に知っておくべきルール

【歌ってみたの始め方①】準備と著作権のすべて|初心者が絶対に知っておくべきルール

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本記事は全5回にわたる「歌ってみたバイブル」の第1回です。

この連載を読めば、知識ゼロからでもプロクオリティの「歌ってみた動画」を投稿できるようになります。

はじめに:「歌ってみた」は誰でもできる最強のコンテンツ

「歌ってみた(Cover)」は、YouTubeやニコニコ動画で最も人気のあるジャンルの一つです。 Ado、Eve、まふまふ...。現在トップアーティストとして活躍している多くの人が、この「歌ってみた」からキャリアをスタートさせました。

「自分には才能がない」「機材が高い」「著作権が怖い」 そう思って足踏みしていませんか?

断言します。正しい知識と手順さえ踏めば、誰でもクオリティの高い作品を作ることができます。 この連載では、機材選びから録音、MIX、動画作成、そして投稿後の宣伝まで、合計3万文字を超える圧倒的なボリュームで徹底解説します。

第1回のテーマは「準備と著作権」です。 地味ですが、ここを無視するとアカウントBAN炎上のリスクがあります。まずは土台をしっかり固めましょう。


1. 歌ってみた制作の全体像(スケジュール)

まず、一つの動画が完成するまでにどれくらいの時間がかかるのか、全体像を把握しましょう。 「明日投稿したい!」と思っても、クオリティを求めるなら不可能です。

標準的な制作フロー(期間:1ヶ月〜2ヶ月)

工程内容所要期間担当
1. 選曲・練習キー合わせ、歌詞覚え、歌い込み1週間自分
2. オケ音源準備本家サイトからDL、ガイドメロ作成1日自分
3. 録音(レコーディング)自宅やスタジオで歌を録音1日〜3日自分
4. MIX(ミックス)音程補正、エフェクト処理1週間〜2週間MIX師
5. イラスト制作サムネ・動画用イラスト作成2週間〜1ヶ月絵師
6. 動画制作(エンコード)歌詞入れ、エフェクト1週間動画師
7. 投稿準備サムネ作成、概要欄記入、予約投稿1日自分

見てわかる通り、「MIX」「イラスト」「動画」を誰かに依頼する場合、待ち時間が発生します。 特にイラストは時間がかかるため、録音と同時、あるいは録音前から依頼をかけておくのが一般的です。

[!IMPORTANT] 初心者の陥る罠 「録音が終わってからイラストを依頼しよう」とすると、完成が1ヶ月以上先になります。 「録音」と「イラスト依頼」は並行して進めるのが鉄則です。


2. 絶対に知っておくべき「著作権」のルール

「人の曲を勝手に歌ってYouTubeに上げていいの?」 これは初心者が最初にぶつかる壁です。結論から言うと、「ルールを守ればOK」です。

YouTubeとJASRAC/NexToneの包括契約

YouTube(Google)は、著作権管理団体であるJASRAC(日本音楽著作権協会)やNexToneと「包括契約」を結んでいます。 これにより、「JASRAC/NexToneが管理している楽曲」であれば、ユーザーは個別に許諾を取ることなく、「歌ってみた」を投稿して収益化まですることができます。

ただし、これには重大な条件があります。

【超重要】「原盤権」には注意せよ!

著作権には大きく分けて2種類あります。

  1. 著作権(作詞・作曲):メロディや歌詞の権利。JASRAC等が管理。
  2. 原盤権(録音権):CDや配信音源そのものの権利。レコード会社等が管理。

YouTubeの包括契約でクリアになるのは「1. 著作権」だけです。 「2. 原盤権」はクリアになりません。

つまり、「CD音源や、公式がYouTubeに上げているMVの音声をそのままバックで流して歌う」のはNG(著作権侵害)です。

正しい「オケ音源(インスト)」の入手方法

では、どうすればいいのか?以下の3つのパターンのいずれかである必要があります。

パターンA:公式が「オフボーカル音源」を配布している場合(推奨)

ボカロPや一部のアーティストは、Piapro(ピアプロ)やDropboxなどで、歌ってみた用のインスト音源(Off Vocal)を公式に配布しています。 これを使用するのはOKです。 ※ただし、利用規約(「非営利に限る」「YouTubeのみ」など)を必ず確認してください。

パターンB:自分で演奏・打ち込みをする

ギターで弾き語りをしたり、DAWで自分で伴奏を打ち込んだりする場合。 これは原盤権が自分に発生するため、完全にOKです。

パターンC:第三者が作った「自作オケ」を借りる

YouTubeなどで「〇〇(曲名) カラオケ」「〇〇 Instrumental」と検索すると、有志が作った伴奏動画が出てきます。 これらを使用する場合、制作者の許可が必要です。 「概要欄にリンクを貼れば使用OK」と書かれている場合もあれば、個別に連絡が必要な場合もあります。無断使用はトラブルの元なので避けましょう。

[!WARNING] 「歌っちゃ王」などのカラオケチャンネル YouTubeにあるカラオケ音源チャンネルは、便利ですが「商用利用(収益化)NG」の場合が多いです。将来的に収益化を目指すなら、公式配布音源を使うか、有償でオケ制作を依頼するのが無難です。


3. 選曲のコツ:自分の「キー」を知ろう

著作権をクリアしたら、次は選曲です。 「好きな曲」を歌うのが一番ですが、初心者は「自分の声域に合った曲」を選ぶことが重要です。

無理なキーはクオリティを下げる

原曲キーにこだわって、高音が叫び声のようになったり、低音が出なくてスカスカになったりしていませんか? プロの歌手でも、ライブではキーを下げて歌うことがあります。「キー変更」は恥ずかしいことではありません。

キー合わせの方法

  1. カラオケに行く(またはアプリを使う)。
  2. 歌いたい曲を入れ、無理なく一番気持ちよく歌えるキーを探す(-2, -4など)。
  3. 録音する際は、そのキーに合わせてオケ音源のピッチを変更する。

DAWソフトを使えば、オケ音源の音質をあまり劣化させずにキーを変更できます(これについては第2回で解説します)。


4. 必要なものリスト(機材・ソフト)

次回詳しく解説しますが、準備段階として「何が必要か」をリストアップしておきます。

必須アイテム

  • パソコン:スマホでも可能ですが、高クオリティを目指すならPC必須。
  • マイク:コンデンサーマイク推奨(AT2020など)。
  • オーディオインターフェース:マイクとPCを繋ぐ機材(AG03など)。
  • ヘッドホン:密閉型推奨。
  • 録音ソフト(DAW):無料のものでOK(Cakewalk, GarageBand)。

あったら良いもの

  • ポップガード:「ボフッ」という吹かれ音を防ぐ。
  • マイクスタンド:正しい姿勢で歌うために必須。
  • リフレクションフィルター:部屋の反響音を抑える。

第1回のまとめ

  1. スケジュール:完成まで1〜2ヶ月かかる。イラスト依頼は早めに。
  2. 著作権:CD音源/公式MV音源は使用不可。「公式配布のオフボーカル」を使おう。
  3. 選曲:無理せず「自分のキー」に合わせてオケを調整しよう。

準備はできましたか? 次回、「第2回:機材選びと高音質レコーディングの極意」では、具体的な機材のセッティングと、プロ顔負けの録音テクニックを解説します。 「宅録でもここまで音が良くなるのか!」と驚くはずです。お楽しみに。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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