【2025年版】配信者のためのキーボード完全ガイド|静音モデルと打鍵音対策
配信中、「キーボードの音うるさいですよ」と視聴者に言われたことはありませんか?
ゲーム配信や雑談配信では、キーボードの打鍵音がマイクに入ってしまうことが大きな悩みです。特にメカニカルキーボードのカチカチ音は、視聴者にとって不快に感じることも。
この記事では、配信者のためのキーボード選びから、打鍵音対策、予算別のおすすめモデルまで徹底解説します。
配信者がキーボード選びで重視すべきポイント
配信用キーボードの必須条件
- 静音性 - マイクに打鍵音が入りにくい
- 操作性 - ゲームプレイに支障がない
- 耐久性 - 長時間使用に耐える
- サイズ - デスクスペースとマウス操作を考慮
配信では「静音性」が最も重要です。いくらゲームが上手くても、打鍵音がうるさければ視聴者は離れてしまいます。
キーボードの種類と配信への適性
メカニカルキーボード
個別のスイッチ(軸)を使用したキーボードで、ゲーミングキーボードの主流です。
メリット
- 正確なキー入力
- 高い耐久性(5,000万〜1億回打鍵)
- 好みの打鍵感を選べる
- キースイッチの交換が可能(ホットスワップ対応モデル)
デメリット
- 打鍵音が大きいモデルが多い
- 価格が高い
- 重量がある
メンブレンキーボード
ゴムドームを使用したシンプルな構造のキーボードです。
メリット
- 静音性が高い
- 価格が安い
- 軽量
デメリット
- 打鍵感が物足りない
- 耐久性が低い
- 反応速度がメカニカルに劣る
静電容量無接点方式
物理的な接点を持たない高級キーボードで、REALFORCEやHHKBが代表的です。
メリット
- 極めて静音
- 超高耐久(1億回以上)
- スムーズな打鍵感
- チャタリング(誤入力)がない
デメリット
- 価格が非常に高い
- 選択肢が少ない
配信者におすすめの方式
- ガチゲーマー配信者 → メカニカル(赤軸・静音軸)
- 雑談・作業配信メイン → 静電容量無接点方式
- 予算重視 → 静音メンブレン
メカニカルキーボードの軸の選び方
メカニカルキーボードは「軸」の種類で打鍵感と打鍵音が大きく変わります。
| 軸の種類 | 打鍵感 | 打鍵音 | 配信向き | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 青軸 | カチカチ | 大 | × | クリック感最高、音は最大 |
| 茶軸 | コリコリ | 中 | △ | バランス型、初心者向け |
| 赤軸 | スコスコ | 小 | ◎ | 滑らか、静音性高い |
| 黒軸 | 重め | 小 | ○ | 押し心地しっかり |
| 銀軸 | 軽い | 中 | ○ | 反応が速い、ゲーム向け |
| ピンク軸 | スコスコ | 極小 | ◎◎ | 静音赤軸、最も静か |
青軸 - 配信には不向き
青軸は「カチッ」という心地よいクリック感が魅力ですが、配信には絶対におすすめしません。
- 打鍵音がとにかく大きい
- マイクに確実に音が入る
- ボイスチャットでも相手に迷惑
青軸は一人でタイピングを楽しむ分には最高ですが、配信やボイスチャットには向いていません。
茶軸 - 妥協点として可
茶軸は青軸と赤軸の中間で、適度なクリック感がありながら音は控えめです。
- 初心者にも扱いやすい
- メカニカルらしい打鍵感
- 赤軸より少しうるさい
配信で使えなくはないですが、静音性を重視するなら赤軸の方がおすすめです。
赤軸 - 配信者の定番
赤軸は配信者に最もおすすめの軸です。
- クリック感がなく滑らか
- 打鍵音が小さい
- 軽いタッチで入力可能
- 長時間使用でも疲れにくい
迷ったら赤軸を選んでおけば間違いありません。
ピンク軸(静音赤軸) - 最高の静音性
ピンク軸は赤軸をさらに静音化したもので、打鍵音を最小限に抑えたい配信者に最適です。
- 赤軸より打鍵音が小さい
- ゴムやシリコンで衝撃を吸収
- ボイスチャットでも気にならないレベル
打鍵音対策:ソフトウェア編
静音キーボードを使っても、完全に無音にはなりません。ソフトウェアで打鍵音を除去しましょう。
OBSのノイズゲート
OBS Studioには標準でノイズゲート機能があり、一定以下の音量をカットできます。
OBSノイズゲートの設定方法
- 音声ミキサー → マイクの歯車 → フィルタ
- +ボタン → ノイズゲートを追加
- 設定値の目安:
- 閉鎖閾値:-32dB〜-26dB
- 開放閾値:-26dB〜-22dB
- 声を出しながら調整し、打鍵音だけカットされるポイントを探す
ノイズゲートは手軽ですが、声が小さいときに途切れることがあるので、適切な調整が必要です。
RTX Voice(NVIDIA Broadcast)
NVIDIAのグラフィックボードを使っている方は、RTX Voice(現在はNVIDIA Broadcastに統合)が非常に効果的です。
RTX Voiceの特徴
- AIがリアルタイムでノイズを除去
- キーボード音、マウスクリック音を強力にカット
- 設定が簡単(マイク設定を「NVIDIA Broadcast」に変更するだけ)
- GTX 600シリーズ以降で使用可能
RTX Voiceを使えば、青軸キーボードでも打鍵音をかなり抑えられます。ただし、完全に消えるわけではないので、静音キーボードとの併用がベストです。
Discord・配信ソフトの設定
各ソフトウェアにもノイズ抑制機能があります。
- Discord:設定 → 音声・ビデオ → ノイズ抑制をON
- OBS:フィルタ → ノイズ抑制(RNNoise推奨)
- Streamlabs:同様のフィルタ機能あり
打鍵音対策:ハードウェア編
マイクの配置を見直す
マイクの位置を変えるだけで、打鍵音の入り方が大幅に変わります。
マイク配置のポイント
- 口元に近づける - 口から3〜10cmが理想
- キーボードから離す - 可能な限り距離を取る
- 単一指向性マイクを使う - キーボード方向の音を拾いにくい
- マイクアームを使う - 位置調整が自由自在
静音リングを装着
メカニカルキーボードに「静音リング」を装着すると、打鍵音を軽減できます。
- キーキャップの下に装着するゴムリング
- 底打ち時の衝撃音を吸収
- 500円〜1,000円程度で購入可能
- CHERRY MX互換スイッチに対応
打鍵感が若干柔らかくなりますが、効果は絶大です。
デスクマットを敷く
キーボードの下にデスクマットを敷くと、振動が吸収されて打鍵音が軽減されます。
- 厚手のデスクマットがおすすめ
- マウスパッド兼用の大型マットが便利
- 見た目もおしゃれになる
スタビライザーのルブ(グリスアップ)
エンターキーやスペースキーなど、大きなキーは「スタビライザー」という部品で支えられています。このスタビライザーにグリスを塗ると、ガタつき音を軽減できます。
- キーボードをある程度分解する必要あり
- 上級者向けのカスタマイズ
- 効果は非常に高い
予算別おすすめキーボード
入門クラス(5,000〜15,000円)
Logicool G213r(約6,000円)
- メンブレン方式で静音
- メカニカルに近い打鍵感
- RGBライティング対応
- コスパ最強の入門モデル
Razer BlackWidow Lite(約10,000円)
配信者に人気の理由
- オレンジ軸(タクタイル)で静音性高い
- コンパクトなテンキーレス設計
- 静音リング付属
- 1万円以下で購入可能
Razer BlackWidow Liteは配信者からの評価が高く、静音性と打鍵感のバランスが優れています。
Logicool G PRO(G-PKB-002)(約12,000〜15,000円)
- プロゲーマー御用達
- GXスイッチ(青/赤/茶から選択可能)
- コンパクトなテンキーレス
- 耐久性に優れたアルミフレーム
赤軸モデルを選べば配信にも使えます。
中級クラス(15,000〜25,000円)
Logicool G PRO X TKL RAPID(約23,000〜25,000円)
ラピッドトリガー搭載の高性能モデル
- 磁気アナログスイッチ採用
- 0.1mmの高精度アクチュエーション
- ラピッドトリガー対応
- 有線接続で低遅延
FPSゲームで競技性を追求する配信者におすすめのモデルです。
SteelSeries Apex Pro TKL(約25,000円)
- OmniPointスイッチで打鍵音が静か
- アクチュエーションポイント調整可能
- 有機ELディスプレイ搭載
- 高い耐久性
Razer Huntsman V3 Pro TKL(約25,000〜33,000円)
- 光学式スイッチで高速反応
- リニアスイッチは静音性高い
- ラピッドトリガー対応
- SOCD対応
上級クラス(25,000円以上)
REALFORCE GX1(約26,000〜33,000円)
静電容量無接点方式の最高峰
- 東プレ製の高品質スイッチ
- 1億回以上の超高耐久
- 極めて静音
- Dual-APC機能(アクチュエーションポイント調整)
- ラピッドトリガー相当の「Dynamic mode」
REALFORCE GX1は配信者にとって理想的なキーボードです。静音性が極めて高く、ゲーミング機能も充実しています。予算に余裕があるなら第一候補になります。
Logicool G PRO X TKL LIGHTSPEED(約26,000〜37,000円)
- ワイヤレス対応
- LIGHTSPEED技術で超低遅延
- GXメカニカルスイッチ
- Bluetoothでマルチデバイス接続可能
Razer Huntsman V3 Pro 8KHz(約37,000〜42,000円)
- 8000Hzポーリングレート
- 最新のラピッドトリガー技術
- 最高レベルの反応速度
- eスポーツ向け最上位モデル
テンキーレスvsフルサイズ
テンキーレス(TKL)のメリット
配信にはTKLがおすすめ
- デスクスペース節約 - マウスを大きく動かせる
- FPSに最適 - ローセンシでも対応
- 見た目がコンパクト - カメラ映えする
- 持ち運びやすい - オフラインイベント参加時に便利
フルサイズのメリット
- テンキーで数字入力が楽
- ゲーム内マクロに割り当て可能
- 配信管理ソフトのショートカットに使える
結論:ゲーム配信メインならTKL、数字入力が多いならフルサイズ
ラピッドトリガーとは?配信者に必要?
最近のゲーミングキーボードで話題の「ラピッドトリガー」について解説します。
ラピッドトリガーの仕組み
従来のキーボードは、キーを押して一定の深さ(アクチュエーションポイント)に達すると入力され、キーを離して一定の位置まで戻ると入力が解除されます。
ラピッドトリガーは、キーの動きに即座に反応する技術です。
ラピッドトリガーのメリット
- キーを少し離すだけで入力解除
- キーを少し押すだけで再入力
- ストッピング(移動停止)が高速化
- VALORANTやCS2で有利になる
配信者にラピッドトリガーは必要か?
結論:FPS配信者以外は不要です。
ラピッドトリガーが効果を発揮するのは、主にVALORANTやCS2などの競技性の高いFPSゲームです。ストッピング(移動を止めて精度を上げる動作)が高速化し、撃ち合いで有利になります。
以下の配信者には不要:
- 雑談配信メイン
- RPGやアクションゲームメイン
- カジュアルにFPSを楽しむ程度
以下の配信者には有効:
- VALORANT、CS2をガチでプレイ
- FPSの大会に出場する
- ランク上位を目指している
SOCD(Simultaneous Opposite Cardinal Directions)とは
ラピッドトリガー搭載モデルの多くは「SOCD」にも対応しています。
SOCDとは、左右のキーを同時押しした際の挙動を制御する機能です。通常は左右同時押しで停止しますが、SOCDを設定すると「後から押した方を優先」などの動作が可能になります。
これもFPSの競技シーンで有利になる機能ですが、カジュアルプレイヤーには不要です。
配信ジャンル別おすすめキーボード
FPS配信者向け
FPS配信者のキーボード選び
- 反応速度重視:銀軸、光学式スイッチ
- ラピッドトリガー:競技志向なら必須
- テンキーレス:マウス操作のスペース確保
- 静音性:赤軸 + RTX Voice
おすすめモデル
- 競技志向:Razer Huntsman V3 Pro、Logicool G PRO X TKL RAPID
- バランス型:Logicool G PRO、SteelSeries Apex Pro
雑談・歌配信者向け
静音性が最優先です。視聴者が声に集中できる環境を作りましょう。
おすすめモデル
- REALFORCE GX1(静電容量無接点、最高の静音性)
- 静音メンブレンキーボード
- ピンク軸搭載モデル
ゲーム実況配信者向け(RPG、アクションなど)
FPSほど反応速度は重要ではありませんが、長時間タイピングする機会が多いため、疲れにくさと静音性がポイントです。
おすすめモデル
- 赤軸のゲーミングキーボード
- 静電容量無接点方式
- 軽い打鍵感のモデル
VTuber・顔出し配信者向け
手元カメラがある場合は見た目も重要です。
- RGBライティング対応モデル
- デザイン性の高いキーボード
- コンパクトでデスクがスッキリ見えるTKL
キーボードと一緒に揃えたいアクセサリー
パームレスト(リストレスト)
長時間のタイピングで手首が疲れる方には必須アイテムです。
- キーボードの高さに合わせて選ぶ
- 素材は低反発フォーム、ジェル、木製など
- 価格は1,000〜5,000円程度
キーキャップ
キーキャップを交換することで、打鍵感や見た目をカスタマイズできます。
- PBT素材:耐久性が高く、テカりにくい
- ABS素材:安価だが、使用でテカる
- カスタムキーキャップで個性を出せる
キーボードスタンド
キーボードに角度をつけることで、タイピングしやすくなる場合があります。ただし、角度が急すぎると手首に負担がかかるので注意。
静音リング
前述の通り、既存のキーボードに装着して打鍵音を軽減するアイテムです。
- CHERRY MX互換スイッチに対応
- 500〜1,000円程度で購入可能
- 打鍵感が少し柔らかくなる
配信者に人気のキーボード比較表
| 製品名 | 価格帯 | 方式 | 静音性 | ラピトリ | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| G213r | 6,000円 | メンブレン | ◎ | × | ★★★☆☆ |
| BlackWidow Lite | 10,000円 | メカニカル | ◎ | × | ★★★★☆ |
| G PRO | 12,000円 | メカニカル | ○ | × | ★★★★☆ |
| G PRO X TKL RAPID | 23,000円 | 磁気式 | ○ | ◎ | ★★★★☆ |
| Apex Pro TKL | 25,000円 | 磁気式 | ○ | ◎ | ★★★★☆ |
| REALFORCE GX1 | 28,000円 | 静電容量 | ◎◎ | ◎ | ★★★★★ |
| Huntsman V3 Pro | 33,000円 | 光学式 | ○ | ◎ | ★★★★☆ |
打鍵音を気にせず配信するための総合対策
打鍵音対策の優先順位
- 静音軸のキーボードを選ぶ(赤軸・ピンク軸・静電容量無接点)
- RTX Voice / NVIDIA Broadcastを導入
- OBSのノイズゲートを設定
- マイクの位置を調整(口元に近づける)
- 静音リング・デスクマットで物理的に軽減
これらを組み合わせることで、打鍵音をほぼ完全に配信から除去できます。
タイピング方法の見直し
キーボードを変えても、タイピング方法が悪ければ打鍵音は大きくなります。
静かにタイピングするコツ
- 力を入れすぎない - 軽くタッチする意識
- 底打ちしない - キーが反応したら離す
- 指を離しすぎない - キーボードの上をスライドするように
- 姿勢を正す - 無駄な力が入りにくくなる
ゲーム中は難しいですが、意識するだけでも打鍵音は軽減されます。
キーボードのメンテナンス
定期的な清掃
- キーキャップを外す - 引き抜き工具を使用
- エアダスターでホコリを飛ばす
- キーキャップを水洗い(完全に乾燥させてから装着)
- スイッチ周りを綿棒で清掃
打鍵音が大きくなったら
- スイッチの劣化(ホットスワップ対応なら交換)
- スタビライザーの劣化(グリスアップで改善)
- 内部のホコリ(清掃で改善)
よくある質問
Q. ゲーミングキーボードと普通のキーボード、配信にはどちらがいい?
A. ゲーム配信ならゲーミングキーボードがおすすめです。
ゲーミングキーボードは反応速度や耐久性が高く、ゲームに適しています。ただし、静音性を最優先するなら、REALFORCEなどの高級キーボードや静音メンブレンも選択肢になります。
Q. ワイヤレスキーボードは配信に使える?
A. 2.4GHz接続のゲーミングモデルなら問題ありません。
Logicool G PRO X TKL LIGHTSPEEDなど、ゲーミング用のワイヤレスキーボードは遅延が非常に少なく、有線とほぼ変わらない反応速度です。Bluetoothは遅延があるため、ゲーム用途には不向きです。
Q. キーボードを2台使い分けるのはアリ?
A. 十分アリです。
ゲーム用に反応速度重視のキーボード、配信管理や普段使い用に静音キーボードを使い分ける配信者もいます。デスクスペースに余裕があれば有効な選択です。
Q. 光るキーボードは配信映えする?
A. カメラに映すなら効果的です。
RGBライティングは見た目がおしゃれで、手元カメラがある配信では映えます。ただし、性能には関係ないので、予算に余裕があれば程度で考えましょう。
まとめ
配信者のキーボード選び まとめ
静音性を重視するなら → REALFORCE GX1、ピンク軸キーボード、静音メンブレン
ゲーム性能と静音性を両立するなら → 赤軸のゲーミングキーボード + RTX Voice
予算を抑えたいなら → Logicool G213r(メンブレン)、Razer BlackWidow Lite
FPSで競技性を追求するなら → ラピッドトリガー対応モデル(G PRO X TKL RAPID、Huntsman V3 Pro)
打鍵音対策の鉄則
- 静音軸を選ぶ(赤軸・ピンク軸)
- RTX Voice / NVIDIA Broadcastを使う
- OBSのノイズゲートを設定
- マイクを口元に近づける
キーボードの打鍵音問題は、適切な製品選びとソフトウェア対策で解決できます。視聴者に快適な配信を届けるために、ぜひこの記事を参考にしてください。
あなたの配信スタイルに合った最適なキーボードを見つけて、より良い配信環境を構築しましょう。
よくある質問
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