【2025年版】配信者のためのマイク完全ガイド|声を武器にする機材選びと設定術
「配信の声が聞き取りにくいと言われた」「もっと良い音質で配信したい」「マイク選びで迷っている」
配信において音声は映像以上に重要です。画質が多少悪くても視聴は続けられますが、音声が聞き取りにくいと視聴者は離れてしまいます。
この記事では、配信者がマイクを選ぶ際に知っておくべき知識から、具体的なおすすめ機種、設定方法まで2025年最新情報を交えて徹底解説します。
この記事でわかること
- マイクの種類と特徴
- 配信環境に合ったマイク選び
- 予算別おすすめマイク
- マイクの設置と設定方法
- 音質を改善するテクニック
なぜ音声が重要なのか
音声は配信の生命線
視聴者は音声が悪いとすぐに離脱します。
画質と音質の重要度比較
| 状況 | 視聴継続 |
|---|---|
| 画質○ 音質○ | 快適に視聴 |
| 画質× 音質○ | 問題なく視聴可能 |
| 画質○ 音質× | すぐに離脱 |
| 画質× 音質× | 即離脱 |
音声が悪いとどうなるか
- 視聴者が内容を理解できない
- 長時間視聴が苦痛
- 「聞きにくい」というコメントが来る
- チャンネル登録されにくい
- プロフェッショナル感がない
マイクの基礎知識
マイクの種類
配信で使われるマイクは主に2種類あります。
コンデンサーマイク
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 音質 | 高音質、繊細な音を捉える |
| 感度 | 高い(環境音も拾う) |
| 電源 | ファンタム電源が必要 |
| 用途 | ボーカル、ASMR、静かな環境 |
| 価格 | やや高め |
ダイナミックマイク
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 音質 | 温かみのある音 |
| 感度 | 低い(環境音に強い) |
| 電源 | 不要 |
| 用途 | ゲーム配信、雑談、騒がしい環境 |
| 価格 | 比較的安価 |
配信者にはダイナミックマイクがおすすめ
多くの配信者にダイナミックマイクをおすすめします。キーボード音、マウスクリック音、エアコン音などの環境音を拾いにくく、ゲーム配信や雑談配信に最適です。コンデンサーマイクは防音環境が整っている場合に選びましょう。
指向性の種類
指向性とはマイクが音を拾う方向のことです。
| 指向性 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| 単一指向性(カーディオイド) | 正面の音を拾う | 配信に最適 |
| 超単一指向性 | より狭い範囲を拾う | 騒がしい環境 |
| 双指向性 | 前後の音を拾う | 対談 |
| 無指向性 | 全方向の音を拾う | 会議、環境音収録 |
配信では単一指向性(カーディオイド)が基本です。
USB vs XLR
USBマイク
- PCに直接接続
- 手軽、初期費用が安い
- オーディオIFの機能は使えない
XLRマイク
- オーディオインターフェースが必要
- 高音質、拡張性が高い
- 初期費用は高くなる
USB vs XLR比較
| 項目 | USBマイク | XLRマイク |
|---|---|---|
| 接続 | 簡単 | オーディオIF必要 |
| 音質 | 良い | より良い |
| 拡張性 | 低い | 高い |
| 初期費用 | 安い | 高い |
| 将来性 | 買い替え必要 | マイクだけ交換可 |
おすすめマイク
USB接続(入門〜中級)
〜10,000円
FIFINE K669
- 価格:約3,000円
- 特徴:入門に最適、コスパ良好
- 種類:コンデンサー
HyperX SoloCast
- 価格:約8,000円
- 特徴:シンプル、高品質
- 種類:コンデンサー
10,000〜20,000円
Blue Yeti Nano
- 価格:約12,000円
- 特徴:定番、複数指向性
- 種類:コンデンサー
audio-technica AT2020USB+
- 価格:約15,000円
- 特徴:プロ品質、モニター機能
- 種類:コンデンサー
RODE NT-USB Mini
- 価格:約13,000円
- 特徴:コンパクト、高品質
- 種類:コンデンサー
20,000円以上
Blue Yeti X
- 価格:約20,000円
- 特徴:最上位USB、多機能
- 種類:コンデンサー
Elgato Wave:3
- 価格:約22,000円
- 特徴:配信特化、Clipguard搭載
- 種類:コンデンサー
USBマイクの注意点
USBコンデンサーマイクは環境音を拾いやすいです。キーボードの打鍵音やエアコン音が気になる場合は、ダイナミックタイプのUSBマイク(Samson Q2Uなど)や、XLRダイナミックマイクを検討しましょう。
XLR接続(中級〜上級)
ダイナミックマイク
SHURE SM58
- 価格:約12,000円
- 特徴:業界標準、超頑丈
- 用途:雑談、歌配信
SHURE SM7B
- 価格:約50,000円
- 特徴:プロ配信者御用達、最高峰
- 用途:本格的な配信、ポッドキャスト
SHURE MV7
- 価格:約30,000円
- 特徴:USB/XLR両対応、SM7B入門版
- 用途:配信全般
Electro-Voice RE20
- 価格:約60,000円
- 特徴:放送局レベル、低音豊か
- 用途:ラジオ、ポッドキャスト
RODE PodMic
- 価格:約15,000円
- 特徴:コスパ良好、配信向け
- 用途:配信全般
コンデンサーマイク
audio-technica AT2020
- 価格:約12,000円
- 特徴:定番、高コスパ
- 用途:静かな環境での配信
RODE NT1-A
- 価格:約25,000円
- 特徴:超低ノイズ
- 用途:ボーカル、ASMR
AKG C214
- 価格:約40,000円
- 特徴:プロ仕様、繊細
- 用途:音楽、高品質配信
オーディオインターフェース
XLRマイクを使う場合、オーディオインターフェース(オーディオIF)が必要です。
オーディオIFの役割
- マイク信号をデジタル変換
- ファンタム電源の供給
- ゲイン(音量)調整
- ヘッドホンモニタリング
- 複数入力の管理
おすすめオーディオIF
入門(〜15,000円)
PreSonus AudioBox USB 96
- 価格:約10,000円
- 入力:2マイク
- 特徴:コスパ良好
中級(15,000〜30,000円)
Focusrite Scarlett Solo
- 価格:約19,000円(Gen4)
- 入力:1マイク+1ライン
- 特徴:定番、高品質
Focusrite Scarlett 2i2
- 価格:約28,000円(Gen4)
- 入力:2マイク
- 特徴:人気No.1、バランス良い
MOTU M2
- 価格:約25,000円
- 入力:2マイク
- 特徴:高音質、メーター付き
上級(30,000円以上)
Universal Audio Volt 276
- 価格:約35,000円
- 入力:2マイク
- 特徴:ビンテージプリアンプ搭載
RME Babyface Pro FS
- 価格:約100,000円
- 入力:2マイク
- 特徴:最高峰、プロ仕様
オーディオIF選びのポイント
- 入力数:マイク1本なら1入力で十分
- ファンタム電源:コンデンサーマイク使用時は必須
- ヘッドホン端子:モニタリング用に必要
- ループバック機能:PCの音を配信に乗せるのに便利
マイクの設置方法
マイクアームの重要性
マイクアームを使うことで自由な位置調整とデスク振動の軽減ができます。
おすすめマイクアーム:
| 製品 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|
| RODE PSA1 | 業界標準、高品質 | 15,000円 |
| Elgato Wave Mic Arm | 内部配線、スタイリッシュ | 15,000円 |
| Blue Compass | 内部配線、高級感 | 15,000円 |
| Amazonベーシック | コスパ良好 | 5,000円 |
マイクの位置と角度
理想的な位置:
- 口元から拳1〜2個分の距離
- 斜め上または横から(息が直接当たらない)
- 画面に被らない位置
NGな位置:
- 真正面の真下:息が当たりポップノイズ
- 遠すぎる:環境音が目立つ
- キーボードの近く:打鍵音が入る
ショックマウントとポップガード
ショックマウント
- マイクの振動を吸収
- デスクの振動やマイクアームの動きを軽減
- ダイナミックマイクには不要な場合も
ポップガード
- 破裂音(パ、ブなど)を軽減
- 息がマイクに直接当たるのを防ぐ
- コンデンサーマイクにはほぼ必須
音声設定と調整
OBSの音声設定
基本設定:
- ソースで「音声入力キャプチャ」を追加
- マイクデバイスを選択
- 音声ミキサーで音量調整
推奨設定:
- サンプルレート:48kHz
- ビットレート:160kbps以上
音声フィルターの活用
OBSには強力な音声フィルターが搭載されています。
推奨フィルター構成(上から順に適用):
-
ノイズ抑制
- 方式:RNNoise推奨
- 効果:環境音を軽減
-
ノイズゲート
- 開放閾値:-26dB程度
- 閉鎖閾値:-32dB程度
- 効果:無音時のノイズをカット
-
コンプレッサー
- 比率:4:1程度
- 閾値:-18dB程度
- 効果:音量を均一化
-
リミッター
- 閾値:-3dB程度
- 効果:音割れ防止
フィルター設定のコツ
フィルターはかけすぎると不自然になります。最小限の設定から始めて、必要に応じて調整しましょう。特にノイズ抑制は強くかけすぎると声がロボットのようになります。
ゲイン調整
ゲイン(入力音量)は音割れしない範囲で最大に設定します。
目安:
- 普通に話して-12dB〜-6dB程度
- 大声を出しても0dBを超えない
- 小さすぎるとノイズが目立つ
環境音対策
主な環境音と対策
| 環境音 | 対策 |
|---|---|
| キーボード音 | 静音キーボード、マイク位置調整 |
| マウスクリック音 | 静音マウス、マイク位置調整 |
| エアコン音 | 風が当たらない位置に、温度設定で風量抑制 |
| PCファン音 | ケースの位置変更、静音化 |
| 外部の音 | 窓を閉める、防音カーテン |
ダイナミックマイクの活用
環境音が気になる場合、ダイナミックマイクへの変更が最も効果的です。
なぜダイナミックマイクが環境音に強いか:
- 感度が低い
- 口元に近づけて使う
- 単一指向性が強い
簡易防音対策
| 対策 | 効果 | 費用 |
|---|---|---|
| 吸音パネル | 反響軽減 | 3,000〜10,000円 |
| リフレクションフィルター | マイク周りの反響軽減 | 5,000〜15,000円 |
| 防音カーテン | 外部音軽減 | 5,000〜15,000円 |
| カーペット/ラグ | 床の反響軽減 | 3,000〜10,000円 |
よくあるトラブルと解決法
音が小さい/聞こえない
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| ゲインが低い | オーディオIFまたはOBSでゲインを上げる |
| マイクが遠い | 口元に近づける |
| ファンタム電源がOFF | オーディオIFでONにする(コンデンサーの場合) |
| 入力デバイスの設定ミス | OBSで正しいデバイスを選択 |
ノイズが入る
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| ゲインが高すぎる | ゲインを下げてマイクを近づける |
| 環境音 | ダイナミックマイクに変更、ノイズゲート使用 |
| 電気的ノイズ | ケーブル確認、USB接続変更 |
| グラウンドループ | 電源タップの見直し |
声がこもる/不自然
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| マイクが近すぎる | 少し離す(近接効果の軽減) |
| 低音が強すぎる | EQで低音をカット |
| 反響が多い | 吸音材を追加 |
| フィルターかけすぎ | ノイズ抑制を弱める |
ポップノイズが入る
原因:「パ」「ブ」などの破裂音で息がマイクに当たる
対策:
- ポップガードを使用
- マイクを斜めに配置
- マイクと口の距離を取る
音が途切れる
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| USB帯域不足 | 別のUSBポートに接続 |
| ドライバー問題 | ドライバー更新、再インストール |
| サンプルレート不一致 | Windows設定とOBSを48kHzに統一 |
| バッファサイズ | オーディオIFのバッファを上げる |
ヘッドセット vs 専用マイク
ヘッドセットマイクの現実
ゲーミングヘッドセットのマイクは手軽ですが、音質には限界があります。
ヘッドセットマイクの特徴:
- 手軽、追加機材不要
- 音質は普通〜低め
- 位置が固定される
- デザインによっては配信映えしない
専用マイクの特徴:
- 高音質
- 位置調整が自由
- 配信者らしい見た目
- 追加投資が必要
ヘッドセットから専用マイクへの移行タイミング
- 配信を継続的に行うことが確定した
- 音質について指摘を受けた
- より本格的な配信を目指したい
- 機材への投資ができる
ワイヤレスマイクの選択肢
最近はワイヤレスマイクも選択肢として増えています。
メリット:
- ケーブルの煩わしさがない
- 動き回れる(実況、料理配信など)
- デスク周りがすっきり
デメリット:
- バッテリー管理が必要
- 遅延の可能性(機種による)
- 有線より高価
おすすめワイヤレスマイク:
- RODE Wireless GO II
- DJI Mic
- Hollyland Lark M1
マイクメンテナンス
日常のケア
- 使用後:ポップガードを外して保管
- 湿気対策:乾燥剤と一緒に保管
- ホコリ対策:カバーをかける
クリーニング
- マイク本体:乾いた柔らかい布で拭く
- ポップガード:水洗い可能なものは洗う
- ショックマウント:ゴム部分の劣化をチェック
マイクの取り扱い注意
- コンデンサーマイクは衝撃に弱い
- 落下させると故障の原因に
- ファンタム電源はマイク接続後にONにする
- 濡らさない、湿気を避ける
予算別おすすめ構成
〜15,000円(入門)
【構成】
USBマイク:HyperX SoloCast(8,000円)
+ 簡易マイクスタンド(2,000円)
【特徴】
・手軽に始められる
・そこそこの音質
・まずは配信を始めたい人向け
15,000〜30,000円(おすすめ)
【構成】
USBマイク:Elgato Wave:3(22,000円)
+ マイクアーム:Amazonベーシック(5,000円)
または
XLRマイク:RODE PodMic(15,000円)
+ オーディオIF:Focusrite Scarlett Solo(19,000円)
+ マイクアーム(5,000円)
【特徴】
・本格的な音質
・長く使える
・多くの配信者に最適
50,000円以上(本格)
【構成】
XLRマイク:SHURE SM7B(50,000円)
+ オーディオIF:MOTU M2(25,000円)
+ マイクアーム:RODE PSA1(15,000円)
+ Cloudlifter(ゲインブースター)(20,000円)
【特徴】
・プロ配信者御用達
・最高の音質
・本格的に活動する人向け
まとめ:マイク選びのポイント
マイク選びのポイント
- 環境に合わせて選ぶ:騒がしいならダイナミック
- 接続方法を決める:手軽ならUSB、本格ならXLR
- 設置環境を整える:マイクアームで最適な位置に
- フィルターを活用:OBSの音声フィルターで調整
- 予算1.5〜3万円:多くの配信者に最適
マイクは配信の声を決める最重要機材です。視聴者があなたの声を心地よく聞けるかどうかは、マイク選びと設定にかかっています。
おすすめの投資順序
- マイク本体:USBマイクから始めてもOK
- マイクアーム:設置の自由度が上がる
- オーディオIF:XLRマイクに移行時
- 防音・吸音対策:環境音が気になれば
最初から完璧な音質は必要ありません。今あるマイクでまず配信を始めて、必要に応じてグレードアップしていきましょう。
良い音声は視聴者にとって最も心地よい体験の一つです。マイクへの投資は、配信者として活動を続ける限り、必ず報われます。
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