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【2025年版】配信者のためのグリーンバック・背景完全ガイド|クロマキー合成から仮想背景まで徹底解説

【2025年版】配信者のためのグリーンバック・背景完全ガイド|クロマキー合成から仮想背景まで徹底解説

公開日
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「配信の背景を変えたい」「ゲーム画面と自分の映像を合成したい」「部屋を見せずに配信したい」——配信を続けていると、背景について悩むことがあります。

これらの悩みを解決するのがグリーンバッククロマキー合成です。プロの映像制作でも使われるこの技術を、配信でも手軽に取り入れることができます。

この記事では、グリーンバックの選び方から、OBSでのクロマキー設定、グリーンバック不要の仮想背景ソフトまで、配信者が知っておくべき背景技術を徹底解説します。

クロマキー合成とは?配信での活用シーン

クロマキー合成の仕組み

クロマキー合成とは、映像から特定の色(キーカラー)を透明にして、別の映像や画像と合成する技術です。テレビの天気予報やバラエティ番組でも使われている、映像制作の基本技術です。

クロマキー合成の原理

  1. 単色の背景(グリーンバック)の前で撮影
  2. ソフトウェアが指定した色を検出
  3. その色の部分を透明に変換
  4. 透明になった部分に別の映像・画像を合成

緑色が使われる理由は、人間の肌色と最も離れた色相であり、デジタルカメラのセンサーが緑に対して高い感度を持つため、きれいに抜けやすいからです。

配信でのクロマキー活用例

ゲーム実況

  • ゲーム画面の上に自分の姿を合成
  • 背景を透過してワイプ風に表示
  • 画面を邪魔しないコンパクトな配置

雑談・トーク配信

  • 部屋を見せずにおしゃれな背景に変更
  • 企業ロゴや配信用デザインの背景
  • 季節やイベントに合わせた背景演出

VTuber・アバター配信

  • 実写映像から背景を除去
  • バーチャル空間との合成
  • リアルとバーチャルの融合演出

グリーンバックの選び方

1. 素材をチェック

グリーンバックの素材選びは、クロマキー合成の品質を左右する重要なポイントです。

素材特徴おすすめ度
ポリエステルシワになりにくい、洗濯可能、軽量
コットン光の反射が少ない、自然な質感
不織布安価、使い捨て可能、シワになりやすい
ペーパー色の均一性が高い、破れやすい

配信用途ではポリエステル製がおすすめです。シワになりにくく、丸洗いできてアイロンがけも可能なため、長期間きれいな状態を保てます。

2. 色の選び方

グリーンバック vs ブルーバック

グリーンバック(緑)を選ぶ場合

  • 一般的な配信・動画制作
  • デジタルカメラでの撮影
  • 明るいシーンの合成

ブルーバック(青)を選ぶ場合

  • 緑色の衣装・小道具を使用する場合
  • 屋外で植物が映り込む可能性がある場合
  • フィルム撮影(映画制作など)

色の濃さも重要です。黄緑に近い明るめの緑の方がきれいに抜けやすく、濃い緑だと合成が難しくなります。

3. サイズの目安

配信スタイル別サイズガイド

  • 顔〜上半身のみ:幅150cm × 高さ180cm
  • 上半身+腕の動き:幅180cm × 高さ200cm
  • 全身・立ち配信:幅200cm × 高さ250cm以上
  • 複数人配信:幅300cm以上

グリーンバックからはみ出た部分は透過されないため、カメラの画角より一回り大きいサイズを選びましょう。

4. 設置方式の種類

設置方式特徴価格帯おすすめ用途
布タイプ(壁掛け)安価、収納しやすい1,000〜3,000円固定設置、低予算
スタンドタイプ安定感あり、高さ調整可能5,000〜15,000円本格的な配信環境
折りたたみ式ワンタッチ設置、持ち運び可能3,000〜10,000円屋外撮影、省スペース
巻き取り式高品質、シワになりにくい15,000〜30,000円プロ仕様、常設
チェア取り付け式省スペース、椅子に固定10,000〜20,000円デスク配信特化

おすすめグリーンバック製品

入門向け(〜5,000円)

UTEBIT グリーンバック 背景布

  • 価格:約1,500〜2,500円
  • サイズ:150×200cm / 180×280cmなど
  • 素材:ポリエステル
  • 特徴:低価格で入門に最適、洗濯可能

Hemmotop クロマキー背景布

  • 価格:約2,000〜3,000円
  • サイズ:複数サイズ展開
  • 素材:ポリエステル
  • 特徴:縫い目が目立ちにくい設計

中級者向け(5,000〜15,000円)

Elgato Green Screen(スタンドタイプ)

  • 価格:約15,000〜20,000円
  • サイズ:148×180cm(展開時)
  • 素材:Dacron®ポリエステル
  • 特徴:ワンタッチ展開・収納、シワになりにくい高品質素材
  • 配信者人気No.1の定番モデル

Neewer クロマキースタンドセット

  • 価格:約8,000〜12,000円
  • サイズ:180×280cm
  • 付属品:スタンド、クランプ、キャリーバッグ
  • 特徴:スタンドセットでコスパ良好

プロ仕様(15,000円〜)

Elgato Green Screen MT(壁掛けタイプ)

  • 価格:約16,000〜18,000円
  • サイズ:148×180cm
  • 設置:壁・天井取り付け
  • 特徴:床スペース不要、ハンドルで簡単展開
  • 2年間のメーカー保証付き

Elgato Green Screen XL

  • 価格:約25,000円
  • サイズ:幅200cm以上のワイドサイズ
  • 特徴:広角レンズでも全身カバー可能

グリーンバックの設置と照明のコツ

設置の基本ルール

失敗しない設置の3原則

  1. シワを徹底的に伸ばす

    • シワがあると影ができて色ムラの原因に
    • スチームアイロンやシワ取りスプレーを活用
    • テンションをかけて張る
  2. 被写体との距離を確保

    • グリーンバックから最低1.5mは離れる
    • 近すぎると影が映り込む
    • 緑色が被写体に反射する「グリーンスピル」を防ぐ
  3. グリーンバックを画角内に収める

    • はみ出した部分は透過されない
    • カメラの画角を事前に確認
    • 余裕を持ったサイズを選ぶ

照明の配置が合成品質を決める

クロマキー合成の品質を最も左右するのが照明です。グリーンバック自体より照明に気を配りましょう。

理想的な照明配置(3灯式)

        [背景用ライト①]      [背景用ライト②]
              ↓                    ↓
    ┌─────────────────────────────────┐
    │         グリーンバック          │
    └─────────────────────────────────┘
                   ↑
               1.5m以上
                   ↑
              【被写体】
                   ↑
           [被写体用ライト③]
                   ↑
              【カメラ】

ポイント

  • グリーンバック用に2灯、被写体用に1灯以上
  • 背景全体を均一に照らす(ムラをなくす)
  • ソフトボックスやディフューザーで光を柔らかく
  • 被写体の影がグリーンバックに落ちないよう調整

照明で避けるべきNG例

よくある照明の失敗

  • 背景が暗い部分と明るい部分がある → 均一に照らすため複数のライトを使用

  • 被写体の影がグリーンバックに落ちている → 被写体とグリーンバックの距離を離す

  • グリーンバックが光って反射している → マット素材を選ぶ、照明の角度を調整

  • 被写体の輪郭が緑色に光っている(グリーンスピル) → 被写体用のバックライトを追加、距離を離す

OBS Studioでのクロマキー設定

基本的な設定手順

Step 1:映像ソースを追加

  1. OBSの「ソース」パネルで「+」をクリック
  2. 「映像キャプチャデバイス」を選択
  3. 使用するWebカメラを選択して「OK」

Step 2:クロマキーフィルタを追加

  1. 追加したソースを右クリック
  2. 「フィルタ」を選択
  3. 左下の「+」から「クロマキー」を追加
  4. フィルタ名を入力(例:「背景透過」)

Step 3:クロマキーの調整

  1. 「色キーの種類」で「緑」を選択
  2. 背景が透過されているか確認
  3. 必要に応じて以下のパラメータを調整

クロマキー設定の詳細パラメータ

パラメータ効果調整のコツ
類似性透過する色の範囲値を上げると広い範囲が透過
滑らかさエッジの滑らかさ値を上げるとソフトな境界線
キー流出低減緑かぶりの除去グリーンスピルを抑える
不透明度全体の透明度100のままでOK
コントラスト明暗の差微調整に使用
輝度明るさ微調整に使用
ガンマ中間調の調整通常は変更不要

きれいに抜けない場合の対処法

トラブルシューティング

背景が完全に抜けない

  1. 「類似性」の値を上げる(200〜400程度)
  2. グリーンバックの照明を均一にする
  3. 「色キーの種類」を「カスタム」にして色を微調整

被写体の一部も透過されてしまう

  1. 「類似性」の値を下げる
  2. 緑色の衣装や小物を避ける
  3. 照明を調整してグリーンスピルを減らす

エッジがギザギザになる

  1. 「滑らかさ」の値を上げる
  2. カメラの解像度を上げる
  3. グリーンバックのシワを取る

輪郭に緑色が残る

  1. 「キー流出低減」の値を上げる
  2. 被写体とグリーンバックの距離を離す
  3. 被写体用のバックライトを追加

グリーンバック不要!仮想背景ソフト

グリーンバックを設置するスペースがない、手軽に始めたい場合は、AIを使った仮想背景ソフトがおすすめです。

NVIDIA Broadcast

NVIDIA Broadcast

  • 価格:無料
  • 対応GPU:GeForce RTX 2060以上
  • 機能:背景除去、背景ぼかし、ノイズ除去、オートフレーム
  • 精度:非常に高い(グリーンバック不要で高品質)

特徴

  • NVIDIA製GPUの専用AIを活用
  • OBSやDiscordなど様々なソフトと連携
  • マイクのノイズ除去機能も搭載
  • 完全無料で高機能

必要スペック

  • GPU:GeForce RTX 2060以上 / Quadro RTX 3000以上
  • CPU:Intel Core i5-8600以上 / AMD Ryzen 5 2600以上
  • メモリ:8GB以上
  • OS:Windows 10以降

XSplit VCam

XSplit VCam

  • 価格:有料(ソースネクストで販売)
  • 対応環境:Windows / Mac
  • 機能:背景除去、背景置換、背景ぼかし

特徴

  • NVIDIA GPUがなくても使用可能
  • 仮想カメラとして動作
  • Zoom、OBS、Discord、Teamsなど幅広く対応
  • Mac版もあり(1ライセンスで両OS対応)

メリット

  • GPUに依存しないためノートPCでも使用可能
  • 背景に任意の画像・動画・Webページを設定可能
  • セットアップが簡単

OBS obs-backgroundremoval プラグイン

obs-backgroundremoval

  • 価格:無料(オープンソース)
  • 対応環境:Windows / Mac / Linux
  • 機能:背景除去、背景置換

特徴

  • OBSに直接組み込むプラグイン
  • 追加ソフト不要でシンプル
  • CPUベースでGPU不要
  • 無料で手軽に始められる

インストール方法

  1. GitHubからプラグインをダウンロード
  2. OBSのプラグインフォルダに配置
  3. OBS再起動でフィルタに追加される

仮想背景ソフト比較

ソフト価格精度GPU必要対応OS
NVIDIA Broadcast無料RTX必須Windows
XSplit VCam有料不要Win/Mac
obs-backgroundremoval無料不要Win/Mac/Linux
Snap Camera無料不要Win/Mac

RTX搭載PCをお持ちならNVIDIA Broadcastが最もおすすめです。非RTXの場合はXSplit VCamobs-backgroundremovalを検討しましょう。

配信スタイル別おすすめ構成

ゲーム実況配信

おすすめ構成

  • グリーンバック:Elgato Green Screen(チェア背面に設置)
  • 照明:LEDリングライト + デスクライト
  • ソフト:OBSクロマキーフィルタ

ポイント

  • ゲーム画面を邪魔しない小さめのワイプ
  • グリーンバックは椅子の背面に収まるサイズでOK
  • 顔だけ映す場合は仮想背景ソフトでも十分

雑談・トーク配信

おすすめ構成

  • グリーンバック:スタンドタイプ(180cm幅以上)
  • 照明:3灯式(背景2灯 + 被写体1灯)
  • ソフト:OBSクロマキー + 背景画像

ポイント

  • 身振り手振りが入るため広めのグリーンバック
  • 照明にこだわると映像品質が大幅アップ
  • 配信のテーマに合わせた背景画像を用意

VTuber・アバター配信

おすすめ構成

  • 背景除去:NVIDIA Broadcast(高精度)
  • 代替:obs-backgroundremoval
  • 組み合わせ:Live2D/3Dモデル + OBS

ポイント

  • 実写映像は使わないためグリーンバック不要の場合も
  • ハンドトラッキング等で実写を使う場合はNVIDIA Broadcast推奨
  • グリーンスピルを気にせずバーチャル空間と合成可能

背景素材の入手先

無料素材サイト

配信背景に使える無料素材

  • Unsplash:高品質な写真素材が無料
  • Pexels:動画素材も豊富
  • Pixabay:イラスト・ベクター素材もあり
  • OKUMONO:配信向け背景素材が豊富
  • ニコニ・コモンズ:配信用素材多数

注意点

  • 商用利用可能か確認
  • クレジット表記の要否を確認
  • 配信での使用が許可されているか確認

自作・カスタム背景

背景を自作する方法

  • Canva:テンプレートから簡単作成
  • Photoshop:本格的なデザイン
  • Figma:無料で高機能なデザインツール
  • 配信用テンプレート:BOOTHなどで購入可能

おすすめの背景デザイン

  • 配信テーマに合った雰囲気
  • 視認性を妨げないシンプルなデザイン
  • チャンネルのブランディングに合った色使い

よくあるトラブルと解決方法

トラブル1:髪の毛の周りが緑色になる

原因:グリーンスピル(緑色の反射) 対策:

  • 被写体とグリーンバックの距離を離す
  • 被写体用のバックライトを追加
  • OBSの「キー流出低減」を上げる

トラブル2:服の一部が透過されてしまう

原因:衣装が緑色に近い 対策:

  • 緑系の服を避ける
  • ブルーバックに変更
  • 「類似性」の値を下げる

トラブル3:エッジがチラチラする

原因:照明のムラ、グリーンバックのシワ 対策:

  • 照明を均一にする
  • グリーンバックのシワを伸ばす
  • 「滑らかさ」の値を調整

トラブル4:合成した背景と馴染まない

原因:照明の方向が背景と合っていない 対策:

  • 合成背景の光源に合わせて照明を調整
  • 被写体の影の方向を揃える
  • 色温度を合わせる

購入前のチェックリスト

グリーンバック購入前の確認事項

□ 配信スタイル(顔のみ/上半身/全身)を決めたか □ 設置スペースの寸法を測ったか □ カメラの画角を確認したか □ 設置方式(布/スタンド/壁掛け)を決めたか □ 照明の準備はできているか □ 被写体とグリーンバックの距離を確保できるか □ 緑色の衣装・小物がないか確認したか □ OBSでのクロマキー設定方法を理解したか

仮想背景ソフトの場合

□ PCスペック(特にGPU)を確認したか □ NVIDIA Broadcast対応GPUを持っているか □ 配信ソフトとの連携方法を確認したか

まとめ

グリーンバックとクロマキー合成を活用することで、配信の映像クオリティを大幅に向上させることができます。

配信者のためのグリーンバック選びまとめ

入門者(〜5,000円) → ポリエステル製の布タイプから始める → まずは仮想背景ソフトを試すのもアリ

本格派(5,000〜15,000円) → Elgato Green Screen(スタンドタイプ) → スタンドセットでコスパ重視

プロ仕様(15,000円〜) → Elgato Green Screen MT(壁掛け) → 常設環境で最高品質を追求

グリーンバック不要で始めたい → NVIDIA Broadcast(RTX GPU必須) → XSplit VCam(有料だがGPU不問) → obs-backgroundremoval(無料)

成功のポイント

  1. 照明が最も重要(グリーンバック以上に)
  2. シワをなくし、均一に照らす
  3. 被写体から1.5m以上離す
  4. OBSの設定を丁寧に調整

グリーンバックは安価な製品でも十分機能しますが、照明の質が合成品質を大きく左右します。まずは手持ちの照明で試してみて、必要に応じて照明機材を追加していくのがおすすめです。

背景を自由に変えられるようになると、配信の演出の幅が大きく広がります。ぜひチャレンジしてみてください。

参考文献・出典

よくある質問

Qグリーンバックとブルーバックはどちらを選ぶべきですか?
A
一般的にはグリーンバック(緑)がおすすめです。緑色は人間の肌色と最も離れた色相で、デジタルカメラのセンサーが緑に対して高い感度を持つため、きれいに抜けやすいです。ただし、緑の衣装を着る場合はブルーバックを選びましょう。
Qグリーンバックなしで背景を透過する方法はありますか?
A
NVIDIA BroadcastやXSplit VCam、OBSのobs-backgroundremovalプラグインを使えば、グリーンバックなしでAIが自動的に人物を切り抜いて背景を透過できます。ただし精度はグリーンバック使用時より劣る場合があります。
Qグリーンバックのサイズはどのくらい必要ですか?
A
上半身のみの配信なら幅150cm×高さ180cm程度で十分です。全身を映したい場合や動きのある配信では、幅200cm以上のワイドサイズがおすすめです。カメラの画角も考慮して余裕を持ったサイズを選びましょう。
Qグリーンバックがうまく抜けない原因は何ですか?
A
主な原因は照明のムラ、グリーンバックのシワ、被写体との距離が近すぎることです。グリーンバック全体に均一な光を当て、シワを伸ばし、被写体から1.5m以上離すことで改善できます。
Q安いグリーンバックと高いグリーンバックの違いは何ですか?
A
高品質なグリーンバックはシワになりにくい素材(Dacron®など)を使用し、色の均一性が高く、光の反射を抑える設計になっています。安価な製品はシワになりやすく、色ムラが出やすいため、クロマキー合成の品質に影響します。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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