歌配信の機材おすすめ一式｜初心者が最低限揃えるべき必須アイテム

「歌ってみた動画を作りたいけど、何を揃えればいいかわからない」

「歌配信を始めたいけど、機材選びで失敗したくない」

「できるだけ安く、でも音質は妥協したくない」

歌配信を始めるには、ゲーム配信とは違う専用の機材が必要です。声を綺麗に録るためのマイク、音をPCに取り込むためのオーディオインターフェース、そして自分の声を確認するためのヘッドホン。

この記事では、歌配信に必要な機材を予算別に紹介し、初心者でも失敗しない選び方を解説します。

歌配信に必要な機材一覧

必須機材（最低限これだけは必要）

1. マイク

• 声を拾う最も重要な機材
• USBマイクかXLRマイクを選択
• 歌配信にはコンデンサーマイクが人気

2. ヘッドホン

• 自分の声を確認するため
• 遅延のないモニタリングが必須
• 密閉型がおすすめ

3. PC または スマホ

• 配信ソフトを動かす
• 最近はスマホ配信も可能

あると便利な機材

4. オーディオインターフェース

• XLRマイクを使う場合は必須
• 音質向上と遅延軽減
• カラオケ音源とのミックス

5. マイクアーム/スタンド

• マイクを最適な位置に固定
• デスクの振動を軽減
• 口元に近づけて音質向上

6. ポップガード

• 息が直接マイクに当たるのを防ぐ
• ポップノイズ（破裂音）を軽減
• 500円〜2,000円程度

プロ仕様で追加したい機材

7. リバーブ/エフェクター

• 声に残響を加える
• カラオケのエコーのような効果
• ソフトウェアでも代用可能

8. 防音・吸音材

• 部屋の反響を抑える
• よりクリアな音質に
• 本格的な録音環境構築

マイクの選び方

USBマイクとXLRマイクの違い

USBマイク

• PCに直接接続
• オーディオインターフェース不要
• 初心者向け、手軽

XLRマイク

• オーディオインターフェース必須
• 音質がより高い
• プロ仕様、拡張性高い

コンデンサーマイクとダイナミックマイク

コンデンサーマイク

• 感度が高く、細かい音も拾う
• 歌声の繊細なニュアンスを表現
• 電源（ファンタム電源）が必要
• 環境音も拾いやすい

ダイナミックマイク

• 感度が低め、環境音を拾いにくい
• 丈夫で扱いやすい
• 電源不要
• 近距離で力強い音

歌配信におすすめは？

静かな環境で繊細な歌声を届けたいならコンデンサーマイク。 雑音が気になる環境や力強いボーカルならダイナミックマイクがおすすめです。

オーディオインターフェースの選び方

オーディオインターフェースとは

マイクの音をPCに取り込むための機器です。XLRマイクを使う場合は必須ですが、USBマイクでも「音質を上げたい」「カラオケ音源と声をミックスしたい」場合に活躍します。

選ぶポイント

1. 入力端子の種類

• XLR入力：コンデンサー/ダイナミックマイク用
• コンボ端子：XLRと標準プラグ両対応
• LINE入力：カラオケ音源などの入力

2. ファンタム電源（48V）

• コンデンサーマイクには必須
• ほとんどの製品に搭載

3. ループバック機能

• PCの音とマイク音を同時に配信
• 歌配信では必須級の機能

4. ダイレクトモニタリング

• 遅延なしで自分の声を確認
• リアルタイムで歌うには必須

ミキサー型とシンプル型

ミキサー型

• 音量調整つまみが複数
• エフェクト機能付きのものも
• 配信中の操作がしやすい

シンプル型

• コンパクトで場所を取らない
• 機能は最低限
• PCソフトで調整

おすすめ機材【予算別セット構成】

【1万円以下】最小構成で始める

まずは歌配信を体験したい方向け。USBマイクだけで始められます。

USB接続で手軽に始められ、将来的にXLR接続にアップグレードできる万能マイク。マイクアームも付属しているので、追加購入の必要がありません。

この構成で必要なもの

• マイク（上記）：約13,000円
• ヘッドホン：お持ちのイヤホンでOK
• 合計：約13,000円

【2万円】コスパ重視の本格構成

XLRマイク+オーディオインターフェースで音質を上げたい方向け。

この構成の合計

• マイク：約6,700円
• オーディオインターフェース：約7,300円
• ヘッドホン：約6,000円
• 合計：約20,000円

【3万円】バランス重視の本格構成

リバーブ機能付きで、より本格的な歌配信を目指す方向け。

この構成の合計

• マイク：約7,700円
• オーディオインターフェース：約9,800円
• ヘッドホン：約7,700円
• 合計：約25,200円

【5万円】プロ仕様の本格構成

音質にこだわる本格派向け。オーディオテクニカの定番組み合わせ。

オーディオテクニカの定番マイクAT2020との組み合わせが最高です。同社のマイクに最適化された設計で、最高の音質を実現。

この構成で追加で必要なもの

• マイク（AT2020）：約15,000円
• ヘッドホン（ATH-M20x）：約7,700円
• XLRケーブル：約1,500円
• 合計：約44,000円

歌配信で音質を上げるコツ

マイクと口の距離

歌配信では、マイクと口の距離が音質に大きく影響します。

理想的な距離

• コンデンサーマイク：10〜15cm
• ダイナミックマイク：5〜10cm

近すぎると

• 近接効果で低音が強くなりすぎる
• 息の音（ポップノイズ）が入る

遠すぎると

• 声が細く聞こえる
• 環境音を拾いやすくなる

ポップガードの重要性

「パ」「ブ」などの破裂音で発生するポップノイズは、ポップガードで軽減できます。

ポップガードの効果

• 息が直接マイクに当たらない
• 破裂音の衝撃を吸収
• マイクへの唾液付着も防止

選び方

• 布製：自然な音質、安価
• 金属製：クリアな音質、耐久性高い

部屋の環境整備

歌配信の音質は、部屋の環境にも左右されます。

反響を抑える

• カーテンやクッションで吸音
• 本棚や家具で反射を分散
• マイクの後ろに吸音材を置く

環境音を減らす

• エアコンの風が当たらない位置
• PCファンから離れた場所
• 窓やドアは閉める

モニタリングの重要性

歌配信では、自分の声をリアルタイムで聴きながら歌うことが重要です。

モニタリングのメリット

• 音程のズレに気づける
• 音量バランスを調整できる
• 自信を持って歌える

注意点

• 遅延（レイテンシー）があると歌いにくい
• ダイレクトモニタリング機能が必須
• イヤホンよりヘッドホン推奨

配信プラットフォーム別の設定

YouTube Liveでの歌配信

必要な設定

• OBSで音声キャプチャの設定
• オーディオインターフェースの入力を選択
• カラオケ音源はデスクトップ音声で

音声フィルター（OBS）

• ノイズゲート：小さい音をカット
• コンプレッサー：音量を均一化
• リミッター：音割れ防止

Twitchでの歌配信

VOD用BGM設定

• Twitch Studio推奨設定を使用
• 著作権に注意（カラオケ音源）

ツイキャスでの歌配信

スマホ配信の場合

• オーディオインターフェースをスマホに接続
• ツイキャス・ライブアプリを使用
• 外部音声入力を有効化

歌配信向けソフトウェア

OBS Studio（無料）

配信ソフトの定番。音声フィルターで歌配信の音質を調整できます。

歌配信向け設定

• ノイズゲート：-32dB程度
• コンプレッサー：比率4:1、アタック6ms
• リミッター：-3dB

歌枠向けプラグイン

Reafir（無料）

• ノイズ除去プラグイン
• 環境音を学習して除去

ReaComp（無料）

• コンプレッサープラグイン
• 音量を均一化

リバーブソフト

Voicemeeter Banana（無料）

• 仮想オーディオミキサー
• リバーブ機能搭載
• 複数の音声ソースをミックス

歌配信でよくある失敗と対策

失敗1：音割れ・クリッピング

症状

• 声が大きい部分で音がバリバリする
• 波形が上限に張り付いている

原因

• マイクゲインが高すぎる
• 声量に対して機材が対応できていない

対策

• ゲインを下げる（-6dB程度のヘッドルームを確保）
• リミッターを使用する
• コンプレッサーで音量を均一化

失敗2：声が小さい・聞こえにくい

症状

• 他の配信者より音量が小さい
• カラオケ音源に声が埋もれる

原因

• マイクから遠すぎる
• ゲインが低すぎる
• マイクの向きが合っていない

対策

• マイクと口の距離を近づける
• ゲインを適切に調整
• マイクの集音部分に向かって歌う

失敗3：環境音・ノイズが入る

症状

• エアコンの音が入る
• キーボードの音が入る
• 部屋の反響が大きい

原因

• マイクの感度が高すぎる
• 環境音対策ができていない
• 吸音材がない

対策

• ダイナミックマイクを検討
• ノイズゲートを設定
• 部屋に吸音材を設置

失敗4：モニタリングで歌いにくい

症状

• 自分の声が遅れて聞こえる
• 音程が取りにくい

原因

• ソフトウェアモニタリングを使用
• レイテンシーが大きい

対策

• ダイレクトモニタリング機能を使用
• オーディオインターフェースのモニター出力を使う
• ASIO対応のソフトウェアを使用

歌配信ステップアップの道筋

ステップ1：USBマイクで始める

期間目安：1〜3ヶ月

まずはUSBマイクで歌配信を体験しましょう。

この段階でやること

• 配信の基本操作を覚える
• マイクとの距離感を掴む
• リスナーの反応を確認
• 自分の声の特徴を知る

必要な機材

• USBマイク：5,000〜15,000円
• ヘッドホン：お持ちのもの

ステップ2：オーディオインターフェースを導入

期間目安：3〜6ヶ月

歌配信に慣れてきたら、音質を上げましょう。

この段階でやること

• XLRマイクへの移行
• リバーブなどエフェクトを試す
• カラオケ音源との本格的なミックス
• 音声フィルターの調整

追加で必要な機材

• オーディオインターフェース：10,000〜20,000円
• XLRマイク：5,000〜15,000円
• XLRケーブル：1,000〜2,000円

ステップ3：モニター環境を整える

期間目安：6ヶ月〜

より正確なモニタリングで歌唱力を上げましょう。

この段階でやること

• プロ仕様のモニターヘッドホン導入
• イヤモニ（インイヤーモニター）の検討
• 音場の調整

追加で必要な機材

• モニターヘッドホン：7,000〜20,000円
• イヤモニ（オプション）：10,000〜50,000円

ステップ4：配信環境の最適化

長期的な目標

本格的な歌配信環境を構築しましょう。

この段階でやること

• 防音・吸音材の設置
• 照明環境の整備
• 配信画面のデザイン改善

追加で検討する機材

• 吸音材：5,000〜20,000円
• リングライト：3,000〜10,000円
• Webカメラ：5,000〜15,000円

歌配信ジャンル別おすすめ構成

J-POP・アニソン歌枠向け

明るくクリアな声質を活かす構成。

おすすめマイク

• コンデンサーマイク
• 高域が伸びるモデル

おすすめエフェクト

• 軽めのリバーブ
• 明るめのEQ設定

ボカロ歌枠向け

繊細なニュアンスを表現する構成。

おすすめマイク

• 感度の高いコンデンサーマイク
• ラージダイヤフラムモデル

おすすめエフェクト

• 中程度のリバーブ
• ウィスパーボイスも拾える設定

弾き語り配信向け

楽器と声のバランスを取る構成。

おすすめマイク

• 楽器用とボーカル用を分ける
• またはステレオマイク

必要な追加機材

• 複数入力対応のオーディオインターフェース
• 楽器用マイクまたはライン入力

カラオケ配信向け

リスナーと一緒に楽しむ構成。

おすすめ構成

• ミキサー型オーディオインターフェース
• リバーブ機能付き
• BGM入力が簡単なもの

歌配信の著作権について

カラオケ音源の利用

使用できる音源

• JOYSOUND/DAMのストリーミング配信
• 著作権フリーのカラオケ音源
• 自分で演奏した音源

注意が必要な音源

• CD音源のカラオケ
• YouTube等からダウンロードした音源
• 配信許可のない楽曲

プラットフォームごとのルール

YouTube

• Content IDで自動検知
• 収益化に影響する場合あり
• 一部楽曲は使用可能

Twitch

• VODミュート機能あり
• 配信中は比較的緩い

よくある質問

まとめ：歌配信機材の揃え方

歌配信を始めるには、マイク・オーディオインターフェース・ヘッドホンの3点セットが基本です。予算に応じて、USBマイクから始めるか、最初からXLR環境を構築するか選びましょう。

まずは手持ちの機材で始めて、必要に応じてアップグレードしていくのがおすすめです。