配信用グリーンスクリーンおすすめ10選｜クロマキー合成で背景を自由に変える方法

「部屋が散らかっているから配信で見せたくない」

「ゲーム画面と自分のワイプを合成したい」

「VTuberみたいにバーチャル背景で配信したい」

グリーンスクリーン（グリーンバック）は、配信の表現を大きく広げる便利なアイテムです。クロマキー合成を使えば、散らかった部屋を隠したり、好きな背景に切り替えたり、ゲーム画面と自分を自然に合成できます。

この記事では、配信用グリーンスクリーンの選び方、おすすめ製品、そしてOBSでの設定方法まで詳しく解説します。

グリーンスクリーンで何ができるのか

クロマキー合成とは

クロマキー合成は、特定の色（通常は緑色）を透明にして、別の映像に置き換える技術です。テレビの天気予報や映画の特殊効果で使われているのと同じ原理です。

配信での活用例

• 部屋の背景を隠してバーチャル背景に変更
• ゲーム画面の一部に自分の映像を合成（ワイプ）
• VTuberとして3Dモデルを配信
• 実写とCGを組み合わせた演出

配信者がグリーンスクリーンを使う理由

プライバシー保護

• 自分の部屋を視聴者に見せたくない
• 引っ越ししても配信環境が変わらない

見栄えの向上

• プロフェッショナルな印象を与える
• 配信のクオリティが上がる
• 背景を自由にカスタマイズ

演出の幅が広がる

• ゲーム画面との自然な合成
• 季節やイベントに合わせた背景変更
• 独自の世界観を演出

グリーンスクリーンの種類と選び方

タイプ1：布タイプ（背景布）

最もシンプルで安価なタイプ。壁に貼ったり、スタンドに吊るして使用します。

こんな人におすすめ

• とにかく安く始めたい
• 常設で使う（畳まない）
• 大きなスクリーンが必要

タイプ2：折りたたみタイプ

フレーム内蔵で、広げるとすぐに使える便利なタイプ。

こんな人におすすめ

• 手軽に出し入れしたい
• 配信時だけ使いたい
• 座って配信がメイン

タイプ3：自立型（ロールアップ）

地面に置くだけで自立するプロ仕様のタイプ。

こんな人におすすめ

• 毎回の設置を楽にしたい
• 本格的な配信環境を構築したい
• 予算に余裕がある

タイプ4：スタンド付きセット

背景布と背景スタンドがセットになったタイプ。

予算別おすすめグリーンスクリーン

【1,000円以下】超低予算で始める

1,000円以下で購入できるコスパ最強のグリーンバック。まずは試してみたいという方に最適です。シワになりやすいので、アイロンがけが必要です。

【3,000円〜5,000円】定番の折りたたみタイプ

スタンドとグリーンバックがセットになったお買い得モデル。高さ調整ができるので、座りでも立ちでも対応可能です。

エレコム製の信頼できるグリーンバック。椅子の背もたれに固定できるので、デスク周りのスペースを取りません。座って配信する方におすすめです。

グリーンとブルーの両面仕様。緑色の服を着る時はブルーバック、それ以外はグリーンバックと使い分けができる便利なモデルです。

【10,000円以上】本格派の自立型

プロ仕様の自立型グリーンバック。床に置いてハンドルを引き上げるだけで設置完了。毎回の設置時間を大幅に短縮できます。

全身を映したい方向けの大型モデル。立って配信したり、動きのある配信をする方に最適です。

OBSでのクロマキー設定方法

基本設定

手順

1. OBSを起動
2. ソースで「映像キャプチャデバイス」を追加（Webカメラ）
3. 追加したソースを右クリック →「フィルタ」
4. 「+」→「クロマキー」を選択
5. 色キーの種類を「緑」に設定
6. 必要に応じて調整

詳細設定のコツ

類似性（Similarity）

• 数値を上げると、より広い範囲の緑色が透明に
• 上げすぎると肌や服まで透けてしまう
• 300〜400程度から調整開始

滑らかさ（Smoothness）

• エッジのギザギザを滑らかにする
• 上げすぎるとボケた印象に
• 50〜100程度が目安

キーカラー流出抑制（Key Color Spill Reduction）

• 緑色の反射が肌に映っている場合に使用
• 50〜100程度から調整

コントラスト / 明るさ / ガンマ

• 背景と人物の境界を調整
• 微調整用、大きく変更する必要はない

きれいに背景を抜くコツ

照明の重要性

グリーンスクリーンをきれいに抜くには、照明が最も重要です。

理想的な照明環境

• グリーンスクリーン全体が均一に明るい
• 人物には別の照明を当てる
• グリーンスクリーンに影ができていない
• 人物とグリーンスクリーンの距離が1m以上

避けたい照明環境

• 窓からの自然光（ムラになりやすい）
• 蛍光灯の直下（影ができる）
• 暗すぎる環境

シワの対策

布タイプのグリーンスクリーンは、シワがあると影ができてうまく抜けません。

シワの取り方

1. スチームアイロンをかける（最も効果的）
2. 霧吹きで水をかけて伸ばす
3. 数日間吊るしておく
4. 布用シワ取りスプレーを使用

服装の注意点

緑色の服や小物は、クロマキーで透明になってしまいます。

避けたい服装

• 緑色の服
• 緑がかった色（カーキ、黄緑など）
• 緑色のアクセサリー
• 緑のロゴが入った服

おすすめの服装

• 黒、白、グレーの服
• 青系の服
• 赤やオレンジの明るい色

人物とスクリーンの距離

人物とグリーンスクリーンが近すぎると、緑色の反射が肌に映ってしまいます。

理想的な距離

• 人物とグリーンスクリーンの距離：1m〜1.5m
• 人物とカメラの距離：1m〜2m

スペースがない場合でも、最低50cm程度は離すようにしましょう。

人気配信者のグリーンスクリーン活用事例

ゲーム実況での活用

人気ゲーム配信者の多くが、グリーンスクリーンを活用しています。

ゲーム画面との合成

• 画面の端に自分のワイプを合成
• ゲーム画面を邪魔しない配置が可能
• 表情やリアクションがより際立つ

演出の幅が広がる

• ホラーゲームで暗い背景に合成
• ゲーム世界に入り込んだような演出
• イベント時の特別背景

VTuber・Vライバーでの活用

VTuberやVライバーにとって、グリーンスクリーンは必須アイテムの一つです。

トラッキングとの併用

• Webカメラでフェイストラッキング
• 3D/2Dモデルをグリーンスクリーン前で操作
• 背景を自由に設定

配信ソフトとの連携

• OBSでクロマキー合成
• VTube StudioやLive2Dとの組み合わせ
• 複数のシーンを切り替え

雑談・トーク配信での活用

雑談配信でもグリーンスクリーンは効果的です。

プライバシー保護

• 部屋の様子を見せずに配信
• 引っ越しても配信環境が変わらない
• 背景で個人情報が映り込まない

気分に合わせた背景変更

• 季節に合わせた背景
• イベント時の装飾
• 視聴者リクエストに対応

グリーンスクリーンと照明の組み合わせ

グリーンスクリーンと照明は切り離せない関係です。適切な照明がなければ、どんなに良いグリーンスクリーンでもきれいに抜けません。

照明の基本配置

2灯式の配置

• グリーンスクリーン用：左右から均一に照らす
• 人物用：キーライト（メイン）を正面やや上から

3灯式の配置

• グリーンスクリーン用：左右から
• キーライト：正面やや上
• フィルライト：影を消す補助光

おすすめの照明

グリーンスクリーンと一緒に使う照明は、以下のポイントで選びましょう。

選ぶポイント

• 色温度調整ができる（5600K前後が基本）
• 明るさ調整ができる
• 光が柔らかい（ディフューザー付き）

配信者に人気の照明

• リングライト：顔を均一に照らせる
• LEDパネルライト：広い範囲を照らせる
• ソフトボックス：影が出にくい柔らかい光

照明トラブルの解決

影ができる場合

• 照明の位置を調整
• 光源を増やす
• ディフューザーを使用

色被りが起きる場合

• 人物とスクリーンの距離を離す
• 人物用の照明を強くする
• OBSの「キーカラー流出抑制」を調整

グリーンスクリーントラブルシューティング

配信中によくあるトラブルと解決方法をまとめました。

背景がうまく抜けない

原因1：照明が均一でない

• 対処：照明の位置を調整、光源を追加
• グリーンスクリーン全体が同じ明るさになるように

原因2：シワや影がある

• 対処：アイロンがけ、テンションをかけて張る
• スチームアイロンが最も効果的

原因3：OBS設定が合っていない

• 対処：類似性の数値を調整
• 300〜400程度から少しずつ上げる

髪の毛や輪郭がギザギザになる

原因：類似性を上げすぎている

• 対処：類似性を下げ、滑らかさを上げる
• 細かい調整は「滑らかさ」で行う

原因：照明のコントラストが強すぎる

• 対処：フィルライトを追加して影を減らす
• ディフューザーで光を柔らかく

緑色が肌に映り込む（グリーンスピル）

原因：人物とスクリーンが近すぎる

• 対処：距離を1m以上離す
• 難しい場合はOBSの「キーカラー流出抑制」を使用

原因：照明がグリーンスクリーンに強く当たりすぎ

• 対処：人物用照明を別に用意
• グリーンスクリーンへの照明を弱める

動くと背景がチラつく

原因：照明が安定していない

• 対処：照明を固定、LEDライトに変更
• 蛍光灯のフリッカー（ちらつき）をチェック

原因：Webカメラの露出が自動になっている

• 対処：露出を手動に固定
• OBSのカメラ設定で調整

グリーンスクリーン設置の実例

ワンルームでの設置例

6畳のワンルームでも、工夫次第でグリーンスクリーンは設置できます。

省スペース設置のコツ

• 椅子固定タイプのグリーンスクリーンを使用
• 使わない時は折りたたんで収納
• デスクの後ろ壁に布タイプを常設

おすすめの構成

• グリーンスクリーン：折りたたみ式（150cm×150cm）
• 照明：リングライト1灯
• 設置場所：椅子の背もたれ

デスク周りへの常設例

本格的に配信する方は、デスク周りに常設するのがおすすめです。

常設のメリット

• 配信のたびに設置する手間がない
• 常に最適な位置で固定できる
• 照明の位置も固定できる

おすすめの構成

• グリーンスクリーン：自立型またはスタンド式
• 照明：LEDパネルライト2灯
• 背景との距離：1m以上確保

立ち配信・全身配信での設置例

ダンスや体を動かす配信には、大型のグリーンスクリーンが必要です。

必要なスペース

• グリーンスクリーン：幅2m×高さ2m以上
• 撮影距離：2m以上
• 照明：複数灯で全体を照らす

注意点

• 床も含めて背景を抜く場合は床用グリーンシートも必要
• 動きに合わせた照明配置
• カメラの画角に注意

グリーンスクリーン以外の選択肢

バーチャル背景機能

最近のOBSやZoomには、グリーンスクリーンなしでバーチャル背景を使える機能があります。

OBS 28.0以降の機能

• 「背景の削除」フィルタで背景を自動検出
• グリーンスクリーン不要
• GPU性能が必要

メリット

• グリーンスクリーンを設置する必要がない
• スペースを取らない

デメリット

• グリーンスクリーンに比べて精度が落ちる
• PCの負荷が高い
• 髪の毛や複雑な形状がうまく抜けないことがある

ブルースクリーン

緑色の代わりに青色のスクリーンを使う方法もあります。

ブルースクリーンを選ぶケース

• 緑色の服やアイテムを使いたい
• 植物や自然の背景と合成したい
• ゲーム画面に緑色が多い

注意点

• 青色の服は透けてしまう
• グリーンより若干ノイズが出やすい

グリーンスクリーンの設置場所

デスク後ろに設置

最も一般的な設置方法です。

メリット

• カメラの画角に収まりやすい
• 座って配信する場合に最適
• コンパクトなスクリーンで対応可能

必要なサイズ

• 幅：100〜150cm
• 高さ：100〜150cm

壁一面に設置

部屋の壁一面にグリーンスクリーンを設置する方法。

メリット

• 動き回っても対応可能
• 全身を映せる
• 見切れの心配がない

必要なサイズ

• 幅：200cm以上
• 高さ：200cm以上

天井から吊るす

天井にレールを設置して、カーテンのように吊るす方法。

メリット

• 使わない時は巻き上げられる
• 常設でも邪魔にならない
• シワになりにくい

必要な工事

• 天井にカーテンレールを設置
• 賃貸では難しい場合あり

よくある質問

まとめ：グリーンスクリーンで配信の幅を広げよう

グリーンスクリーンは、配信のクオリティと表現の幅を大きく広げるアイテムです。初期費用も安く、1,000円以下から始められます。

まずは安価な布タイプから試してみて、配信に合わせて設備を拡充していくのがおすすめです。