【みんなの0円物件】タダで手に入る空き家を配信スタジオにリノベーション｜夢の配信拠点を作る方法

「自分だけの配信スタジオを持ちたい」「防音を気にせず大声で叫びたい」「賃貸だと機材を置くスペースが足りない…」

配信者なら誰もが一度は夢見る専用の配信スタジオ。でも、都会で物件を買うのは現実的じゃないし、賃貸では改装もできない…。

そんな悩みを解決するかもしれないのが、「みんなの0円物件」という選択肢です。

空き家を自分好みの配信スタジオに改造する（2025年12月現在）

この記事では、0円物件の仕組みから、配信スタジオとしてリノベーションするまでの具体的なプロセス、必要な費用、注意点までを詳しく解説します。

みんなの0円物件とは

サービスの概要

「みんなの0円物件」は、無償譲渡される空き家・土地・店舗などを掲載している不動産マッチングサイトです。

項目	内容
運営	一般社団法人
URL	https://zero.estate/
掲載物件	空き家、土地、店舗、別荘など
価格	0円（無償譲渡）
対象エリア	全国

なぜ「0円」で譲られるのか

「タダで家がもらえるなんて怪しい…」と思うかもしれませんが、実は合理的な理由があります。

理由	詳細
固定資産税の負担	使っていなくても毎年税金がかかる
管理・維持費	草刈り、修繕、害虫対策などの費用
空き家の劣化	放置すると価値が下がり、取り壊し費用も発生
売れない物件	過疎地域では買い手がつかない
相続放棄したい	管理責任から解放されたい

つまり、所有者にとっては「持っているだけで負担」なので、タダでも引き取ってほしいのです。

掲載されている物件の特徴

特徴	割合（目安）
築30年以上	70%以上
地方・過疎地域	80%以上
要修繕	60%以上
駅から遠い	70%以上

配信スタジオに向いている物件の選び方

すべての0円物件が配信スタジオに適しているわけではありません。配信用途で物件を選ぶ際のポイントを解説します。

必須条件

1. インターネット回線が引ける

回線種別	配信適性
光回線（フレッツ光など）	◎ 最適
ケーブルテレビ回線	○ 可能
ホームルーター（5G/4G）	△ 不安定な場合あり
ADSL	× 帯域不足
回線なし	× 配信不可

確認方法：

• NTT東日本/西日本のエリア検索
• フレッツ光以外の光回線（NURO光、auひかりなど）も確認
• 最悪の場合、携帯電波が入るかどうか

2. 電気が通っている（または引ける）

• 既存の契約があるか
• 電気工事が必要な場合の費用
• アンペア数の確認（配信機材は意外と電力を使う）

3. 構造的に問題がない

• 雨漏りがないか
• 床が抜けていないか
• シロアリ被害がないか
• 傾いていないか

あると望ましい条件

条件	理由
隣家と距離がある	防音対策が楽になる
駐車場がある	機材の搬入、車での移動
2階建て以上	1階を生活、2階を配信に分けられる
倉庫・離れがある	完全に配信専用スペースにできる
水回りが使える	最低限の生活インフラ

避けるべき物件

【重要】0円物件にかかる税金と費用

0円物件は「物件自体は無料」ですが、取得・維持には費用がかかります。ここを甘く見ると後悔します。

贈与税について【最重要】

個人から個人への無償譲渡は「贈与」となり、贈与税が発生する可能性があります。

項目	内容
課税対象	不動産の「固定資産税評価額」
基礎控除	年間110万円
税率	10%〜55%（累進課税）

贈与税の計算例：

固定資産税評価額	基礎控除後	贈与税額（目安）
100万円	0円	0円
200万円	90万円	約9万円
500万円	390万円	約53万円
1,000万円	890万円	約177万円
2,000万円	1,890万円	約586万円

事前確認方法：

1. 所有者に「固定資産税評価証明書」を取得してもらう
2. または「固定資産税納税通知書」の評価額を確認
3. 評価額が110万円を超える場合は贈与税を計算

不動産取得税

不動産を取得すると、都道府県から不動産取得税が課税されます。

項目	内容
課税主体	都道府県
税率	土地・住宅：3%、住宅以外の建物：4%
課税標準	固定資産税評価額
軽減措置	住宅用地・新築住宅には軽減あり

不動産取得税の計算例（土地+建物）：

固定資産税評価額	税率	不動産取得税（目安）
100万円	3%	約3万円
300万円	3%	約9万円
500万円	3%	約15万円
1,000万円	3%	約30万円

注意：

• 取得後60日以内に都道府県税事務所へ申告が必要
• 軽減措置を受けるには申告が必須
• 古い空き家は軽減措置が適用されないことも

登記費用

所有権移転登記にかかる費用です。

登記費用の計算例：

固定資産税評価額	登録免許税	司法書士報酬	合計（目安）
100万円	2万円	5万円	約7万円
300万円	6万円	5万円	約11万円
500万円	10万円	6万円	約16万円
1,000万円	20万円	7万円	約27万円

固定資産税（毎年）

不動産を所有している限り、毎年かかる税金です。

項目	税率
固定資産税	評価額 × 1.4%
都市計画税	評価額 × 0.3%（都市計画区域内）

年間固定資産税の目安：

固定資産税評価額	年間税額（目安）
100万円	約1.4万円
300万円	約4.2万円
500万円	約7万円
1,000万円	約14万円

その他の維持費用（年間）

みんなの0円物件の公式情報によると、空き家の年間維持費は約20万円とされています。

項目	費用目安（年間）
固定資産税	1〜10万円
火災保険	1〜3万円
草刈り・庭の手入れ	2〜5万円
水道基本料金	1〜2万円
電気基本料金	1〜2万円
修繕費（積立目安）	5〜10万円
合計	約10〜30万円/年

取得時費用の総額シミュレーション

固定資産税評価額300万円の物件を取得する場合：

これにリノベーション費用（100〜300万円）が加わります。

リノベーション費用の目安

リノベーション費用の目安

物件の状態によって大きく変わりますが、配信スタジオとして使える状態にするための目安です。

工事内容	費用目安	備考
最低限の修繕	50〜100万円	水回り、電気、窓など
防音工事（1部屋）	30〜100万円	本格的な防音室
DIY防音対策	5〜20万円	吸音材、防音カーテン
内装工事	30〜80万円	壁・床・天井の張り替え
電気工事	10〜30万円	コンセント増設、アンペア変更
断熱工事	20〜50万円	夏冬の配信環境改善
エアコン設置	10〜20万円	配信中の温度管理

総費用の目安

プラン	費用目安	内容
最小構成	100〜150万円	最低限の修繕 + DIY防音
標準構成	200〜300万円	しっかり修繕 + 本格防音
フル構成	400〜600万円	全面リノベ + 完全防音室

配信スタジオとしての改修ポイント

0円物件を配信スタジオにリノベーションする際の、配信特化のポイントを解説します。

自分だけの配信スタジオを作る（2025年12月現在）

1. 防音対策

配信で最も重要なのが防音です。

対策	効果	費用	DIY
吸音パネル	残響を減らす	2〜5万円	○
防音カーテン	窓からの音漏れ軽減	1〜3万円	○
遮音シート	壁・床の遮音性向上	3〜10万円	△
防音室（組み立て式）	高い遮音性	30〜80万円	△
本格防音工事	最高の遮音性	50〜150万円	×

0円物件のメリット：

• 賃貸と違い、壁に穴を開けられる
• 大規模な防音工事が可能
• 隣家との距離があれば、そもそも防音の必要性が低い

2. 電源・配線計画

配信機材は意外と電力を使います。

機材	消費電力目安
ゲーミングPC	300〜800W
モニター（2枚）	50〜100W
照明	50〜200W
エアコン	500〜1500W
その他（ルーター等）	50〜100W

推奨アンペア数： 40A以上（できれば60A）

コンセント配置のポイント：

• 配信デスク周りに集中配置
• タコ足配線を避けられる数を確保
• 専用回路（ブレーカー）があると安心

3. ネットワーク環境

項目	推奨
回線速度	上り50Mbps以上
接続方式	有線LAN
ルーター位置	配信部屋の近く
予備回線	スマホテザリング or ホームルーター

光回線が引けない場合の代替案：

• ホームルーター（5G対応）
• Starlink（衛星インターネット）
• 携帯回線の固定利用

4. 空調・温度管理

配信中は機材からの発熱もあり、温度管理が重要です。

対策	内容
エアコン設置	配信部屋専用が理想
断熱工事	古い家は断熱性能が低い
換気計画	機材の熱を逃がす
窓の二重化	断熱 + 防音効果

5. 照明計画

ライティング	用途
メインライト	顔を明るく照らす
フィルライト	影を和らげる
バックライト	背景との分離
環境光	部屋全体の雰囲気

リノベーション時のポイント：

• ライト用の電源を確保（コンセント位置）
• 天井にフック・レールを設置
• 自然光をコントロールできる窓（遮光カーテン）

0円物件を活用する際の注意点【必読】

0円物件には魅力的な面がある一方、見落としがちな落とし穴も多くあります。

契約前の確認事項

確認項目	内容	確認方法
固定資産税評価額	贈与税・取得税の計算に必須	所有者に評価証明書を請求
所有権の確認	登記簿謄本で権利関係を確認	法務局で取得（600円）
抵当権・差押えの有無	ローンが残っていないか	登記簿謄本で確認
接道義務	建て替えができるか	市区町村の建築課
都市計画	用途地域、建築制限	市区町村の都市計画課
ライフライン	電気・水道・ガス・ネット	各事業者に確認
隣地との境界	境界トラブルの有無	現地確認、境界標の有無
固定資産税の滞納	滞納があると差押えの可能性	所有者に確認

税金関連の注意点

税金の申告スケジュール：

税金	申告期限	届出先
贈与税	翌年2月1日〜3月15日	税務署
不動産取得税	取得後60日以内	都道府県税事務所
登記	速やかに（法的義務あり）	法務局

物件自体のリスク

立地・生活面のリスク

将来的なリスク

専門家に相談すべきこと

専門家	相談内容	費用目安
税理士	贈与税・不動産取得税の計算	1〜3万円
司法書士	登記手続き、権利関係	3〜8万円
建築士・ホームインスペクター	建物の状態、修繕費用の見積もり	5〜10万円
不動産業者	地域の相場、将来性	無料相談あり

活用事例とアイデア

0円物件 × 配信の可能性を広げるアイデアを紹介します。

事例1: 配信専用の別荘

• メイン拠点は都会、配信拠点は地方
• 週末だけ配信合宿
• 自然の中でのアウトドア配信
• 複数の配信者でシェアして維持費を分担

事例2: 地方移住 × フルタイム配信

• 完全移住して配信を本業に
• 生活コストを下げて配信収入で生活
• 地域の魅力を発信するローカル配信者
• 自治体の移住支援制度と組み合わせ

事例3: コミュニティスペース化

• 配信者仲間が集まるスタジオ
• オフ会・イベントの会場
• 機材の試用スペース
• コラボ配信の拠点

事例4: コンテンツとしてのリノベ

• リノベーション過程を配信コンテンツに
• DIY配信、ビフォーアフター動画
• 同じように配信拠点を作りたい人への参考に
• 物件取得からの全工程をドキュメンタリー化

成功のためのステップ

0円物件で配信スタジオを作るための、具体的なステップを紹介します。

ステップ1: 物件探し（1〜3ヶ月）

1. みんなの0円物件で条件に合う物件を探す
2. 複数の候補をリストアップ
3. エリアのネット回線状況を確認
4. Google マップで周辺環境をチェック

ステップ2: 現地調査（1〜2回）

1. 実際に現地を訪問
2. 建物の状態を確認（できれば専門家と）
3. 近隣の雰囲気を確認
4. ライフラインの状況を確認
5. 所有者と面談

ステップ3: 費用見積もり

1. 必要な修繕をリストアップ
2. 業者に見積もりを依頼（複数社）
3. DIYで対応できる部分を検討
4. 総費用を算出

ステップ4: 契約・取得

1. 契約条件の確認
2. 司法書士に依頼して登記
3. 各種届出（固定資産税など）

ステップ5: リノベーション

1. 優先順位を決めて工事
2. ライフライン整備（電気・水道・ネット）
3. 防音・断熱工事
4. 内装・設備工事
5. 配信機材の設置

ステップ6: 配信開始！

1. テスト配信で環境確認
2. 問題があれば調整
3. 本格稼働

まとめ

0円物件は、「タダでお得な物件をゲット」という甘い話ではありません。リスクと費用を理解した上で、しっかり準備すれば、都会では実現できない理想の配信環境を手に入れられる可能性があります。

特に、賃貸では絶対にできない本格的な防音工事や、思いっきり声を出せる環境は、配信者にとって大きな魅力です。

興味がある方は、まずは「みんなの0円物件」のサイトを覗いてみてください。夢の配信拠点が見つかるかもしれません。

よくある質問

関連情報

参考サイト

• みんなの0円物件: https://zero.estate/
• 家いちば（空き家売買）: https://www.ieichiba.com/
• LIFULL HOME'S 空き家バンク: https://www.homes.co.jp/akiyabank/

移住支援制度

多くの自治体が移住者向けの支援制度を設けています。0円物件と組み合わせることで、さらにコストを抑えられる可能性があります。

• 移住支援金（最大100万円）
• 空き家リフォーム補助金
• 定住促進住宅

各自治体のホームページで確認してみてください。

画像クレジット

本記事で使用している画像の一部は Unsplash より提供されています。

• リノベーション工事の画像: Photo by Stefan Lehner on Unsplash
• 配信スタジオの画像: Photo by Steven Neumann on Unsplash