卸売業の資金繰り改善術｜在庫負担と売掛金サイトの課題を解決【2025年版】

「今月の仕入れ代金の支払いが迫っているのに、売掛金の入金は来月末…」

「在庫を抱えすぎて資金繰りが苦しい…」

「取引先からの入金サイトが長くて、常にキャッシュフローが厳しい…」

卸売業や問屋を経営されている方なら、このような資金繰りの悩みを一度は経験されたことがあるのではないでしょうか。

卸売業は、メーカーと小売店の間に立って商品を流通させる重要な役割を担っていますが、その一方で特有の資金繰り課題を抱えています。仕入れ代金の支払いと販売代金の回収にタイムラグがあり、在庫を抱える必要があるため、常に運転資金が必要になります。

本記事では、卸売業特有の資金繰り課題を明らかにし、実践的な改善方法を詳しく解説します。特に、売掛金を早期に現金化できる「ファクタリング」という資金調達手段に注目し、日本初のマーケットプレース型ファクタリングプラットフォーム「CashBridge」の活用法もご紹介します。

卸売業特有の資金繰り課題とは

卸売業は、製造業や小売業とは異なる特有の資金繰り課題を抱えています。まずは、その課題を正確に理解することから始めましょう。

仕入れと売上の間にある大きなタイムラグ

卸売業の最大の課題は、仕入れ代金の支払いと売上代金の回収の間に大きなタイムラグがあることです。

一般的な卸売業の資金フローは以下のようになります：

1. 仕入れ（支払い発生）: メーカーや商社から商品を仕入れる際、通常は月末締めの翌月末払いなど、30～60日後に支払いが発生します
2. 在庫保管: 仕入れた商品は倉庫で保管され、この間も保管コストが発生します
3. 販売（売掛金発生）: 小売店や事業者に販売しますが、多くの場合は掛け売りとなります
4. 入金: 販売先からの入金は、月末締めの翌月末払い、または翌々月払いなど、販売から30～90日後になることが一般的です

このタイムラグの間、卸売業者は自己資金で運転資金を賄う必要があります。特に、事業が成長している場合や季節変動が大きい業種では、この運転資金の負担が非常に大きくなります。

在庫負担による資金の固定化

卸売業では、顧客からの注文に迅速に対応するため、一定量の在庫を常に保持する必要があります。この在庫は現金が商品に変わった状態であり、資金が固定化されていることを意味します。

在庫負担の問題点：

1. 資金の拘束: 在庫が多ければ多いほど、現金が使えない状態になります
2. 保管コスト: 倉庫代、管理人件費、保険料などのコストが継続的に発生します
3. 在庫リスク: 商品の陳腐化、流行の変化、破損・劣化などのリスクがあります
4. 機会損失: 在庫に縛られた資金を、他の投資や成長機会に使えません

特に、以下のような業種では在庫負担が大きくなります：

• 季節商品を扱う卸売業: 夏物衣料、冬物衣料、季節家電など
• 流行性の高い商品: ファッション雑貨、玩具、電子機器など
• 多品種展開の業種: 文具卸、雑貨卸、部品卸など

売掛金サイトの長期化

近年、小売業の大型化や競争激化により、売掛金の支払いサイトが長期化する傾向があります。

売掛金サイトの実態：

• 大手小売チェーン: 月末締めの翌々月払い（60～90日サイト）が一般的
• 中小小売店: 月末締めの翌月末払い（30～60日サイト）
• ネット通販事業者: 入金確認後の発送が一般的だが、卸契約の場合は掛け売りになることも

一方、卸売業者が仕入れる際のサイトは30～60日程度が一般的です。つまり、仕入れ代金の支払いよりも売上代金の回収が遅れることになり、その差額分の運転資金を常に確保する必要があります。

季節変動による資金需要の波

多くの卸売業では、季節によって売上や仕入れに大きな変動があります。この季節変動が資金繰りをさらに複雑にしています。

季節変動の例：

• 衣料品卸: 春夏物の仕入れ（1～3月）、秋冬物の仕入れ（7～9月）で大量仕入れが必要
• 玩具卸: クリスマス商戦前（10～11月）に大量仕入れ
• 食品卸: お歳暮（11～12月）、お中元（6～7月）シーズンに売上集中
• 建築資材卸: 建築業の繁忙期（春・秋）に売上が増加

繁忙期前には大量仕入れのための資金が必要になる一方、閑散期には在庫過多と資金繰りの悪化に悩まされることになります。

与信リスクと貸し倒れ

卸売業では多数の取引先と取引を行うため、取引先の倒産や支払い遅延のリスクを常に抱えています。

与信リスクの特徴：

• 取引先数が多い: 小売業、飲食店、工務店など、多数の事業者と取引
• 小口取引が多い: 1件あたりの取引金額は比較的小さいが、件数が多い
• 与信管理の難しさ: すべての取引先の財務状況を詳細に把握するのは困難
• 貸し倒れの影響: 粗利率が10～20%程度の卸売業では、1件の貸し倒れで多数の取引の利益が消える

卸売業で使える資金調達方法の比較

卸売業が利用できる主な資金調達方法を比較し、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

銀行融資（プロパー融資・信用保証協会付融資）

特徴:

• 金融機関から資金を借り入れる方法
• プロパー融資（銀行独自の融資）と信用保証協会付融資がある
• 長期的な設備投資や運転資金に利用される

メリット:

• 金利が比較的低い（年1～3%程度）
• まとまった金額の調達が可能
• 長期返済が可能（運転資金で3～5年、設備資金で5～10年）
• 信用保証協会付融資は比較的審査に通りやすい

デメリット:

• 審査に時間がかかる（1～2ヶ月程度）
• 財務状況や事業計画の提出が必要
• 担保・保証人が必要な場合がある
• 赤字企業や創業間もない企業は審査が厳しい
• 借入金として負債に計上される

適しているケース:

• 長期的な設備投資や事業拡大の資金
• 財務状況が良好で時間的余裕がある場合
• まとまった金額（数百万円～数億円）を調達したい場合

商工中金・日本政策金融公庫

特徴:

• 政府系金融機関による融資
• 中小企業支援を目的としているため、民間銀行より柔軟な対応

メリット:

• 民間銀行よりも審査基準が柔軟
• 金利が低い（年1～2%程度）
• 創業融資や小規模事業者向けの制度が充実
• 長期返済が可能

デメリット:

• 審査に時間がかかる（1～2ヶ月程度）
• 融資実行までのプロセスが長い
• 事業計画書の提出が必須
• 借入金として負債に計上される

適しているケース:

• 創業間もない企業の運転資金
• 民間銀行の審査が厳しい企業
• 長期的な事業拡大のための資金

ビジネスローン（銀行系・ノンバンク系）

特徴:

• 比較的審査が緩く、スピーディーな融資が特徴
• 担保・保証人不要の商品が多い

メリット:

• 審査が早い（最短即日～1週間程度）
• 担保・保証人が不要
• 手続きが簡便
• 赤字企業でも利用できる可能性がある

デメリット:

• 金利が高い（年3～15%程度）
• 借入限度額が低い（数十万円～数千万円程度）
• 返済期間が短い（1～5年程度）
• 借入金として負債に計上される

適しているケース:

• 緊急の資金需要がある場合
• 少額の短期資金を調達したい場合
• 銀行融資の審査に通らない場合

手形割引

特徴:

• 受け取った約束手形を期日前に金融機関に買い取ってもらう方法
• 手形の振出人（支払人）の信用力が重視される

メリット:

• 比較的審査が早い（数日～1週間程度）
• 自社の信用力よりも手形振出人の信用力が重視される
• 運転資金の早期確保ができる

デメリット:

• 割引料（手数料）が発生する（年率換算で3～10%程度）
• 手形の不渡りリスクを負う（償還請求権あり）
• 手形取引自体が減少傾向にある
• 手形の額面金額しか調達できない

適しているケース:

• 手形での取引が多い業種
• 手形の期日まで待てない場合
• 振出人の信用力が高い場合

ファクタリング

特徴:

• 売掛金をファクタリング会社に売却して現金化する方法
• 2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがある

メリット:

• 最短即日で資金化が可能
• 売掛先の信用力が重視され、自社の財務状況が悪くても利用可能
• 償還請求権なし（ノンリコース）の場合、貸し倒れリスクを転嫁できる
• 負債として計上されない（オフバランス化）
• 取引先に知られずに利用できる（2社間ファクタリング）

デメリット:

• 手数料が比較的高い（2社間で8～18%、3社間で2～9%）
• 売掛金の金額が上限となる
• 一部の悪質業者も存在する（業者選定が重要）

適しているケース:

• 緊急の資金需要がある場合
• 売掛金の回収サイトが長い場合
• 銀行融資を受けられない、または受けたくない場合
• 負債を増やしたくない場合
• 季節変動に対応したい場合

資金調達方法の比較表

ファクタリングが卸売業に向いている5つの理由

ファクタリングは、卸売業の資金繰り課題を解決するのに特に適した資金調達方法です。その理由を詳しく見ていきましょう。

理由1: 売掛金を即座に現金化できる

卸売業の最大の課題である「売掛金の回収サイトが長い」という問題を、ファクタリングは直接的に解決します。

通常の取引フロー:

• 3月15日: 商品販売（売掛金120万円発生）
• 4月30日: 仕入れ代金支払い（100万円支出）
• 5月31日: 売掛金入金（120万円入金）

この場合、4月30日から5月31日まで、約1ヶ月間の資金ギャップがあります。

ファクタリング利用時:

• 3月15日: 商品販売（売掛金120万円発生）
• 3月20日: ファクタリング会社に売掛金売却（110万円即日入金、手数料10万円）
• 4月30日: 仕入れ代金支払い（100万円支出）← 余裕を持って支払える
• 5月31日: 取引先からファクタリング会社に入金

ファクタリングを利用すれば、売掛金を即座に現金化でき、仕入れ代金の支払いや次の仕入れに充てることができます。

理由2: 自社の財務状況に関係なく利用できる

ファクタリングの審査では、売掛先（取引先）の信用力が最も重視されます。自社の財務状況が厳しい場合でも、取引先が信用力のある企業であれば、ファクタリングを利用できる可能性が高いです。

銀行融資とファクタリングの審査の違い:

項目	銀行融資	ファクタリング
主な審査対象	自社の財務状況・事業計画	売掛先の信用力
赤字企業	審査が厳しい	利用可能な場合が多い
創業間もない企業	審査が厳しい	利用可能な場合が多い
税金滞納	審査に影響大	審査への影響は限定的
重視される点	返済能力	売掛金の回収可能性

卸売業では、以下のような状況でもファクタリングを利用できる可能性があります：

• 事業拡大期で一時的に赤字が出ている
• 創業から間もなく、銀行融資の実績がない
• 季節変動で一時的に資金繰りが厳しい
• 大口取引の獲得で急激に売上が伸びている

理由3: 負債として計上されない（オフバランス化）

ファクタリングは売掛金の「売却」であり、「借入」ではありません。そのため、貸借対照表の負債に計上されません。

オフバランス化のメリット:

1. 財務指標の改善

   • 自己資本比率が下がらない
   • 借入金比率が上がらない
   • ROA（総資産利益率）の悪化を防げる

2. 銀行融資への影響がない

   • 銀行融資の審査で不利にならない
   • 今後の融資枠に影響しない
   • 既存の借入の条件変更に影響しない

3. 信用情報への影響がない

   • 信用情報機関に記録されない
   • 他の金融機関に知られることがない

理由4: 貸し倒れリスクを転嫁できる（ノンリコースの場合）

ファクタリングには「ノンリコース（償還請求権なし）」と「リコース（償還請求権あり）」の2種類がありますが、多くのファクタリング会社はノンリコースを採用しています。

ノンリコースのメリット:

売掛先が倒産して売掛金が回収不能になった場合でも、ファクタリング利用者（卸売業者）が返済する義務はありません。つまり、貸し倒れリスクをファクタリング会社に転嫁できます。

卸売業にとってのメリット:

卸売業では多数の取引先と取引を行うため、貸し倒れリスクが常に存在します。ファクタリングを利用することで：

• 与信管理の負担を軽減できる
• 新規取引先との取引リスクを低減できる
• 取引先の倒産リスクを分散できる
• 安心して売上を拡大できる

理由5: 柔軟に利用できる（必要な時だけ利用）

ファクタリングは、必要な時に必要な金額だけ利用できる柔軟性があります。

柔軟性のメリット:

1. 都度利用が可能

   • 継続的な契約義務がない（一部のサービスを除く）
   • 資金需要がある時だけ利用できる
   • 利用しない月はコストがかからない

2. 利用額を調整できる

   • 必要な売掛金だけを売却できる
   • 複数の売掛金から選択できる
   • 一部だけの売却も可能（サービスによる）

3. 季節変動に対応

   • 繁忙期前の大量仕入れ資金を確保
   • 閑散期は利用を控えてコスト削減
   • 年間を通じた柔軟な資金計画が可能

卸売業での活用例:

• 繁忙期前（9～11月）: 大量仕入れのためにファクタリングを活用
• 繁忙期（12～1月）: 売上増加に伴う売掛金をファクタリングで現金化
• 閑散期（2～8月）: ファクタリングの利用を控え、銀行融資や自己資金で対応

実践的な資金繰り改善テクニック

ファクタリングだけでなく、日々の業務改善によっても資金繰りを大幅に改善できます。ここでは、卸売業で実践できる資金繰り改善テクニックをご紹介します。

在庫回転率の改善

在庫回転率を上げることで、資金効率が大幅に向上します。

在庫回転率の計算式:

在庫回転率 = 売上高（または売上原価） ÷ 平均在庫高

例えば、年間売上高が1億円、平均在庫高が2,000万円の場合：

• 在庫回転率 = 1億円 ÷ 2,000万円 = 5回転/年
• 在庫保有期間 = 365日 ÷ 5回転 = 73日

在庫回転率を上げる具体的な方法:

1. ABC分析で重点商品を絞る

すべての商品を同じように管理するのではなく、売上への貢献度によってA・B・Cにランク分けし、管理方法を変えます。

ABC分析の方法:

• Aランク（売上の70～80%を占める商品）: 在庫を厚めに持ち、欠品を防ぐ
• Bランク（売上の15～25%を占める商品）: 適正在庫を維持
• Cランク（売上の5～10%を占める商品）: 在庫を薄くし、場合によっては都度仕入れに切り替える

この分析により、重要でない商品の在庫を削減し、資金効率を高められます。

2. 需要予測の精度を高める

過去の販売データを分析し、需要予測の精度を高めることで、過剰在庫や欠品を防げます。

需要予測の方法:

• 過去3年分の月別販売データを分析
• 季節変動パターンを把握
• 前年同月比、前月比を確認
• 新商品の初動売上を注視
• 取引先からの情報を収集（セール計画、出店計画など）

3. リードタイムの短縮

仕入れのリードタイム（発注から納品までの期間）を短縮することで、在庫を減らせます。

リードタイム短縮の方法:

• 仕入れ先との関係強化（優先的な納品を依頼）
• 物流の効率化（混載便の活用、配送ルートの最適化）
• 緊急対応可能な仕入れ先の確保
• デジタル発注システムの導入（FAX発注からの脱却）

4. 滞留在庫の早期処分

売れない在庫は資金を圧迫するだけでなく、保管コストもかかります。早めに処分しましょう。

滞留在庫の処分方法:

• 割引販売: 仕入れ値＋保管コスト以上で売れれば損失を最小化できる
• 返品交渉: メーカーとの関係次第では返品や交換が可能な場合も
• 他の卸業者への転売: 業種や地域が違えば需要がある場合も
• セール品としてまとめ売り: 小売店にセット販売やバーゲン品として提案

与信管理の徹底

取引先の倒産や支払い遅延を防ぐため、与信管理を徹底しましょう。

与信管理の基本ステップ:

1. 新規取引先の与信審査

新規取引を始める前に、必ず与信審査を行います。

審査項目:

• 企業情報（設立年、資本金、代表者、所在地など）
• 財務情報（決算書、試算表など）
• 取引実績（他社との取引状況）
• 信用調査会社の情報（帝国データバンク、東京商工リサーチなど）
• 業界での評判
• 代表者の人柄や経営姿勢

審査結果に基づく対応:

• 信用力が高い: 通常の与信限度額を設定
• 信用力が普通: 低めの与信限度額から開始、取引実績に応じて増額
• 信用力が低い: 現金取引または前払い取引を提案
• 信用力が著しく低い: 取引を見送る

2. 与信限度額の設定

取引先ごとに与信限度額を設定し、それを超える売掛金を持たないようにします。

与信限度額の目安:

• 上場企業・大手企業: 月商の2～3ヶ月分
• 中堅企業: 月商の1～2ヶ月分
• 中小企業: 月商の0.5～1ヶ月分
• 零細企業・個人事業主: 月商の0.5ヶ月分以下

与信限度額を超える受注があった場合は、前受金や分割納品などで対応します。

3. 定期的な与信見直し

取引先の経営状況は常に変化します。少なくとも年1回、できれば半年に1回は与信を見直しましょう。

見直しのタイミング:

• 決算期（決算書を入手できたタイミング）
• 大型受注があったとき
• 支払い遅延があったとき
• 業界に大きな変化があったとき（競合の台頭、法規制の変更など）
• 信用調査会社の評価が変わったとき

4. 売掛金の回収管理

売掛金の回収状況を常にモニタリングし、遅延の兆候を早期に発見します。

回収管理のポイント:

• 売掛金管理表の作成: 取引先ごと、請求書ごとに管理
• 入金予定日の確認: 入金予定日をカレンダーに記入
• 入金確認の迅速化: 毎日、銀行口座をチェック
• 遅延時の即座の対応: 入金予定日の翌日には電話で確認
• 訪問による回収: 電話で解決しない場合は訪問

支払いサイトの交渉

仕入れ先との支払いサイトを延ばす、あるいは販売先からの入金サイトを短くすることで、資金繰りを改善できます。

仕入れ先との支払いサイト延長交渉

交渉のポイント:

1. 長期的な関係性をアピール

   • 「今後も長期的に取引を継続したい」
   • 「取引量を増やす予定がある」

2. 段階的な延長を提案

   • いきなり「60日→90日」ではなく、「60日→75日→90日」と段階的に

3. 取引条件全体を見直す

   • 支払いサイトだけでなく、発注ロット、配送条件なども含めて交渉

4. 信用力を高める

   • 決算書を提示して財務の健全性をアピール
   • 過去の取引実績（遅延なし）を強調

注意点:

• 無理な交渉は関係悪化につながる
• 支払いサイトを延ばす代わりに価格が上がる場合もある
• 延ばしすぎると仕入れ先の資金繰りを圧迫し、供給が不安定になることも

販売先からの入金サイト短縮交渉

交渉のポイント:

1. 早期支払い割引を提案

   • 「通常60日サイトのところ、30日で支払っていただければ1%割引します」

2. 支払い方法の多様化

   • クレジットカード決済、電子決済の導入
   • 分割払いや前払いの選択肢を提供

3. Win-Winの提案

   • 「在庫リスクを当社が負担する代わりに、支払いサイトを短くしていただけませんか」
   • 「専属配送を提供する代わりに、支払いサイトを短縮していただけませんか」

現実的な対応:

大手小売チェーンなどの場合、支払いサイトの短縮は困難です。その場合は：

• ファクタリングで売掛金を早期に現金化
• 他の取引先で短いサイトを実現
• 仕入れサイトを延ばすことで相殺

年間資金繰り計画の策定

卸売業では季節変動が大きいため、年間を通じた資金繰り計画が重要です。

年間資金繰り計画の作り方:

1. 月別の売上・仕入れ計画を立てる

過去のデータを基に、月別の売上・仕入れを予測します。

計画表の例（衣料品卸の場合）:

月	売上予測	仕入れ予測	入金時期	支払い時期	資金需要
1月	500万円	300万円（春物）	2月末	2月末	大
2月	700万円	600万円（春物）	3月末	3月末	大
3月	1,000万円	500万円	4月末	4月末	中
4月	800万円	300万円	5月末	5月末	小
...	...	...	...	...	...

2. 資金ギャップを把握する

各月の資金ギャップ（支払い額 - 入金額）を計算し、資金需要の大きい月を特定します。

3. 資金調達計画を立てる

資金ギャップが大きい月について、どのように資金を調達するかを計画します。

資金調達計画の例:

• 1～2月（春物仕入れ）: ファクタリングで前月売上の売掛金を早期現金化
• 7～8月（秋冬物仕入れ）: 銀行融資（運転資金）を実行
• 10～11月（クリスマス商戦前）: ファクタリングで売掛金を早期現金化

4. 定期的な見直し

計画は3ヶ月ごとに見直し、実績と比較して修正します。

CashBridgeを活用した効率的なファクタリング

ファクタリングを活用する際、どのファクタリング会社を選ぶかは非常に重要です。手数料、サービス内容、信頼性などが会社によって大きく異なるためです。

そこでおすすめなのが、CashBridge（キャッシュブリッジ）という日本初のマーケットプレース型ファクタリングプラットフォームです。

CashBridgeとは

CashBridgeは、ファクタリングを利用したい企業（売り手）と、ファクタリングサービスを提供する会社（買い手）をマッチングするプラットフォームです。

従来のファクタリング:

• 1社ずつファクタリング会社に問い合わせ
• 複数社の条件を比較するのが困難
• 手数料が不透明
• 悪質業者に当たるリスク

CashBridgeの場合:

• 1回の申込みで複数のファクタリング会社からオファーを受けられる
• 条件を簡単に比較できる
• 売り手側の手数料は無料
• プラットフォームが審査しているため、悪質業者の心配がない

CashBridgeの5つのメリット

1. 売り手手数料が無料

CashBridgeでは、売り手（ファクタリングを利用する企業）の手数料は完全無料です。

通常のファクタリング:

• 売掛金100万円
• 手数料10%（10万円）
• 入金額90万円

CashBridge:

• 売掛金100万円
• CashBridge利用料0円
• ファクタリング会社の手数料10%（10万円）
• 入金額90万円

ファクタリング会社への手数料は発生しますが、CashBridgeの利用自体に追加コストはかかりません。

2. 複数のオファーを比較できる

CashBridgeに売掛金情報を登録すると、複数のファクタリング会社からオファー（買取条件の提示）を受けられます。

オファーの比較例:

ファクタリング会社	手数料率	買取金額	入金スピード
A社	8%	92万円	最短即日
B社	10%	90万円	最短2時間
C社	12%	88万円	即日

このように条件を一覧で比較でき、最も有利な条件を選択できます。

3. 相互レビュー・評価機能で透明性が高い

CashBridgeでは、売り手と買い手（ファクタリング会社）が相互にレビュー・評価を行う仕組みがあります。

売り手による買い手の評価:

• 対応の速さ
• 説明のわかりやすさ
• 手数料の妥当性
• 総合評価

買い手による売り手の評価:

• 情報提供の正確性
• コミュニケーションの円滑さ
• 総合評価

この相互評価により、悪質な業者が排除され、優良な業者が選ばれやすい仕組みになっています。

4. 最短即日で資金化

CashBridgeに登録されているファクタリング会社の多くは、最短即日での資金化に対応しています。

資金化までの流れ:

1. CashBridgeに売掛金情報を登録（所要時間: 約5分）
2. ファクタリング会社からオファーが届く（数時間～1日）
3. 条件を比較して選択（所要時間: 約5分）
4. 必要書類を提出（メール・アップロード）
5. 審査・契約（最短数時間）
6. 入金（最短即日）

緊急の資金需要にも対応できます。

5. 2社間・3社間ファクタリングの両方に対応

CashBridgeでは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの両方を取り扱っています。

2社間ファクタリング:

• 取引先に知られずに利用できる
• 手数料は高め（8～18%程度）
• 審査・入金が早い

3社間ファクタリング:

• 取引先の承諾が必要
• 手数料は低め（2～9%程度）
• 審査に時間がかかる場合がある

状況に応じて選択できます。

CashBridgeの利用が向いている卸売業者

CashBridgeは以下のような卸売業者に特におすすめです：

1. 複数の取引先を持つ卸売業

多数の取引先から発生する売掛金を、状況に応じて柔軟に現金化できます。

活用例:

• A社の売掛金（支払いサイト90日）→ ファクタリングで早期現金化
• B社の売掛金（支払いサイト30日）→ 通常通り入金を待つ
• C社の売掛金（大口、信用力高い）→ 3社間ファクタリングで低コスト現金化

2. 季節変動が大きい業種

繁忙期前の大量仕入れ資金を、ファクタリングで確保できます。

活用例（玩具卸）:

• 9～10月: クリスマス商戦前の大量仕入れのため、ファクタリングで資金確保
• 11～12月: 売上増加に伴う売掛金を順次ファクタリング
• 1～8月: ファクタリングの利用を控え、コスト削減

3. 成長中の卸売業

事業拡大に伴う運転資金需要を、銀行融資の審査を待たずに確保できます。

活用例:

• 新規大口取引先の獲得により、一時的に仕入れ資金が大量に必要
• 銀行融資の審査中だが、仕入れのタイミングを逃したくない
• 新商品の仕入れで一時的に資金が必要

4. 銀行融資が難しい卸売業

創業間もない、赤字、税金滞納などの理由で銀行融資が難しい場合でも、取引先の信用力があればファクタリングを利用できます。

CashBridge利用の流れ（ステップバイステップ）

実際にCashBridgeを利用する流れを詳しく見ていきましょう。

ステップ1: 会員登録（無料）

CashBridgeの公式サイトから会員登録を行います。

登録に必要な情報:

• 会社名
• 代表者名
• 所在地
• 電話番号
• メールアドレス
• 事業内容

登録は無料で、数分で完了します。

ステップ2: 売掛金情報の登録

現金化したい売掛金の情報を登録します。

登録する情報:

• 売掛先企業名
• 売掛金額
• 請求書発行日
• 入金予定日
• 取引内容
• 希望する資金化スピード
• 2社間 or 3社間ファクタリングの希望

ステップ3: オファーを受ける

登録した売掛金情報を見たファクタリング会社から、オファー（買取条件）が届きます。

オファーに含まれる情報:

• 買取可能金額
• 手数料率
• 入金までの期間
• 必要書類
• ファクタリング会社の情報
• 過去の評価・レビュー

複数のオファーを比較検討できます。

ステップ4: ファクタリング会社を選択

最も条件の良いファクタリング会社を選択し、正式に申込みを行います。

選択のポイント:

• 手数料の低さ
• 入金スピード
• 過去の評価・レビュー
• 対応の丁寧さ

ステップ5: 必要書類の提出

選択したファクタリング会社から必要書類の案内があるので、提出します。

一般的な必要書類:

• 請求書（売掛金の証明）
• 通帳のコピー（入金実績の確認）
• 決算書（直近1～2期分）
• 商業登記簿謄本
• 代表者の身分証明書
• 取引先との基本契約書（あれば）

書類はメールやアップロード機能で提出できます。

ステップ6: 審査・契約

ファクタリング会社が審査を行い、問題がなければ契約に進みます。

審査のポイント:

• 売掛先の信用力（最重要）
• 売掛金の実在性
• 二重譲渡の有無

審査結果は最短数時間～1日程度で通知されます。

ステップ7: 入金

契約が完了すると、ファクタリング会社から指定口座に入金されます。

入金のタイミング:

• 最短即日
• 通常1～3営業日

手数料を差し引いた金額が入金されます。

ステップ8: 売掛金の回収（3社間の場合）

3社間ファクタリングの場合、売掛先から直接ファクタリング会社に入金されます。2社間ファクタリングの場合は、一旦自社に入金された後、ファクタリング会社に支払います。

よくある質問（FAQ）

Q1: 卸売業でファクタリングを使うメリットは何ですか？

卸売業では仕入れと売上の入金にタイムラグがあり、在庫を抱える必要があるため、常に資金繰りが厳しくなりがちです。ファクタリングを使えば、売掛金を早期に現金化できるため、仕入れ資金の確保や在庫投資が円滑になります。また、取引先の支払いサイトが長い場合でも、資金繰りを改善できます。

Q2: 在庫回転率を上げるにはどうすればいいですか？

在庫回転率を上げるには、①需要予測の精度を高める、②ABC分析で重点商品を絞る、③滞留在庫を早めに処分する、④適正在庫量を設定する、⑤リードタイムを短縮する、などの施策が有効です。在庫管理システムの導入も検討しましょう。

Q3: CashBridgeは他のファクタリングサービスと何が違いますか？

CashBridgeは日本初のマーケットプレース型ファクタリングプラットフォームです。複数のファクタリング会社から同時にオファーを受けられるため、最も条件の良いファクタリング会社を選べます。また、売り手側の手数料は無料で、相互レビュー・評価機能により透明性の高い取引ができます。

Q4: ファクタリングと融資の違いは何ですか？

ファクタリングは売掛金の売買であり、融資ではありません。そのため、借入金として計上されず、貸借対照表のスリム化につながります。また、審査では取引先の信用力が重視されるため、自社の業績が厳しい場合でも利用しやすいのが特徴です。銀行融資の審査に影響を与えないメリットもあります。

Q5: 卸売業で与信管理はなぜ重要ですか？

卸売業では多数の取引先に掛け売りを行うため、取引先の倒産リスクを常に抱えています。与信管理を徹底することで、貸し倒れリスクを最小化し、資金繰りの安定化につながります。取引開始時の与信審査、定期的な与信見直し、与信限度額の設定などが重要です。

Q6: 季節変動が大きい業種ですが、資金繰りのコツはありますか？

季節変動が大きい業種では、繁忙期前の仕入れ資金確保と閑散期の資金管理が重要です。①年間資金繰り計画の策定、②繁忙期前のファクタリング活用、③閑散期の固定費削減、④在庫の圧縮、⑤取引先との支払い条件交渉などを検討しましょう。ファクタリングは柔軟に利用できるため、季節変動への対応に適しています。

Q7: ファクタリングを使うと取引先に知られますか？

ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。2社間ファクタリングでは、取引先に知られずに売掛金を現金化できます。3社間ファクタリングは取引先の承諾が必要ですが、手数料が低い傾向があります。CashBridgeではどちらの方式も取り扱っており、状況に応じて選択できます。

Q8: ファクタリングの手数料の相場はどのくらいですか？

ファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングで8～18%程度、3社間ファクタリングで2～9%程度が一般的な相場です。ただし、取引先の信用力、売掛金の金額、継続利用の有無などによって変動します。CashBridgeでは複数のファクタリング会社から見積もりを取れるため、相場より有利な条件を引き出せる可能性があります。

まとめ

卸売業の資金繰り課題は、業種特有の構造的な問題です。しかし、適切な対策を講じることで、大幅に改善できます。

卸売業の資金繰りは、経営の根幹に関わる重要な課題です。銀行融資を基軸としつつ、ファクタリングを補完的に活用することで、資金繰りを安定化させ、事業の成長につなげることができます。

特にCashBridgeのようなマーケットプレース型のプラットフォームを活用すれば、複数のファクタリング会社を比較して最も有利な条件を引き出せるため、コストを抑えながら効率的に資金調達ができます。

在庫管理、与信管理、そしてファクタリングの適切な活用により、卸売業特有の資金繰り課題を克服し、安定した経営基盤を築いていきましょう。

※ 本記事の内容は2025年12月時点の情報に基づいています。ファクタリングサービスの利用条件や手数料は変更される場合がありますので、最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

画像クレジット

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• a large warehouse filled with lots of shelves: Photo by Lance Chang on Unsplash
• aerial view of vehicles in parking area: Photo by Marcin Jozwiak on Unsplash
• closeup photo of parking lot: Photo by Hannes Egler on Unsplash
• gray and red metal shopping cart in store: Photo by Veronika Koroleva on Unsplash
• a man and a woman in a warehouse: Photo by Centre for Ageing Better on Unsplash
• black android smartphone on brown wooden table: Photo by Tech Daily on Unsplash
• white printer paper with red and green round sticker: Photo by Markus Spiske on Unsplash
• person holding paper near pen and calculator: Photo by Kelly Sikkema on Unsplash
• person holding pencil near laptop computer: Photo by Scott Graham on Unsplash