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【配信者向け】スポンサー・案件獲得の営業術|メディアキット作成ガイド

【配信者向け】スポンサー・案件獲得の営業術|メディアキット作成ガイド

公開日
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「企業案件が欲しいけど、どうやって営業すればいいかわからない」「メディアキットって何を書けばいいの?」——そんな悩みを持つ配信者は多いのではないでしょうか。

企業案件は配信者にとって大きな収益源になるだけでなく、信頼性や知名度を高める重要な機会です。しかし、ただ待っているだけでは案件は舞い込んできません。能動的に営業し、自分の価値を伝える必要があります。

この記事では、企業案件を獲得するための営業術と、プロフェッショナルなメディアキットの作成方法を徹底解説します。

この記事でわかること

  • 企業案件獲得のための営業戦略
  • メディアキット作成の全手順(テンプレート付き)
  • 実績の魅せ方とデータの活用法
  • 提案書の書き方とメール営業のコツ
  • 案件交渉と契約時の注意点

第1章:企業案件獲得のマインドセット

1-1. 「待ち」から「攻め」への転換

多くの配信者が「企業から声がかかるまで待つ」スタンスでいますが、これでは機会を逃します。

企業の担当者は、毎日何百人ものインフルエンサーをチェックしているわけではありません。 むしろ、予算が決まってから慌てて探し始めることが多いのです。

つまり、あなたから提案することで、企業の「困りごと」を解決できる可能性があります。

営業のメリット

  • 企業が「知らなかった才能」として認識してくれる
  • 自分の得意分野・強みに合った案件を選べる
  • 報酬交渉の主導権を握れる
  • 継続的な関係構築につながる

1-2. 企業が求めているもの

企業が配信者に案件を依頼する目的は、主に以下の3つです。

  1. 認知拡大:新商品やサービスを知ってもらう
  2. 購買促進:実際に商品を買ってもらう
  3. ブランドイメージ向上:好感度を上げる

重要なのは、「登録者数が多い」だけでは不十分ということです。企業が本当に欲しいのは、

  • ターゲット層にリーチできるか(年齢・性別・興味関心)
  • エンゲージメントが高いか(視聴者との関係性)
  • ブランドイメージに合うか(世界観の一致)

つまり、数よりも質です。ニッチなジャンルで濃いファンを持つ配信者は、大手よりも価値があることもあります。

1-3. 案件獲得に必要な3つの準備

企業案件を獲得するために、以下の3つを整えましょう。

  1. 実績の可視化:データで示せる成果
  2. 営業ツール:メディアキット、提案書
  3. 連絡窓口:企業が連絡しやすい環境

これらが揃っていないと、いくら営業しても成果は出ません。


第2章:メディアキット作成の全手順

2-1. メディアキットとは?

メディアキット(Media Kit)とは、自分のメディア(チャンネル)の価値を企業に伝えるための営業資料です。

企業の担当者が、「この配信者と組むべきか?」を判断するために必要な情報をまとめた1枚〜数枚のドキュメントです。

メディアキットに含めるべき情報

  1. チャンネル概要:どんな内容を発信しているか
  2. 視聴者データ:誰が見ているか(年齢・性別・地域)
  3. リーチとエンゲージメント:どれだけの人に届くか
  4. 過去の実績:どんな案件をやってきたか
  5. 料金表:いくらで何ができるか
  6. 連絡先:どうやって依頼するか

2-2. 【実践】Canvaでメディアキットを作る

デザインツール「Canva」を使えば、プロ級のメディアキットを無料で作成できます。

STEP 1: Canvaでテンプレートを選ぶ

  1. Canvaにアクセス(https://www.canva.com/)
  2. 検索バーに「メディアキット」または「Media Kit」と入力
  3. テンプレートを選択(A4サイズ推奨)

STEP 2: チャンネル概要セクションを作る

含めるべき情報:

  • チャンネル名・ロゴ
  • 配信ジャンル(ゲーム配信、歌ってみた、VTuberなど)
  • キャッチフレーズ(一言で表現)
  • 活動開始時期
  • 配信スタイル(週3回配信、ライブ中心、動画投稿型など)

例:

【チャンネル名】まるお Gaming Channel
【ジャンル】FPSゲーム実況・解説
【キャッチフレーズ】初心者から上級者まで楽しめるゲーム攻略チャンネル
【活動開始】2023年4月
【配信スタイル】週4回ライブ配信 + 毎日YouTube投稿

STEP 3: 数字で示す「リーチ」

企業が最も気にするのが「どれだけの人に届くか」です。

記載すべき数字:

項目記載例
YouTube登録者数15,000人
月間総再生回数250,000回
平均視聴維持率45%(業界平均30%)
Twitterフォロワー8,000人
Twitchフォロワー3,500人
平均同時視聴者数120人

ポイント:

  • 単なる数字だけでなく、成長率も示す(「前月比+20%」など)
  • 業界平均との比較を入れる(「平均を15%上回る」など)

STEP 4: 視聴者データ(オーディエンス分析)

YouTube Studioの「視聴者」タブから以下のデータを取得します。

記載すべき項目:

  • 年齢層:18-24歳(35%)、25-34歳(40%)、35-44歳(20%)、その他(5%)
  • 性別:男性(75%)、女性(25%)
  • 地域:日本(85%)、その他(15%)
  • 視聴デバイス:スマートフォン(60%)、PC(30%)、その他(10%)

視覚化のコツ: 円グラフや棒グラフを使って直感的に伝える(Canvaで簡単に作成可能)。

STEP 5: エンゲージメント指標

数だけでなく、質を示すことが重要です。

指標数値意味
平均いいね率8%動画1本あたりの再生数に対するいいねの割合
コメント率2%視聴者の積極的な参加度
クリック率(CTR)6.5%サムネイルの訴求力
視聴者維持率45%最後まで見られる割合

計算方法:

  • いいね率 = いいね数 ÷ 再生数 × 100
  • コメント率 = コメント数 ÷ 再生数 × 100

STEP 6: 過去の実績(ポートフォリオ)

企業案件の実績があれば必ず記載します。初めての場合は、自主的なレビュー動画でも構いません。

記載例:

【過去のコラボレーション実績】

■ 株式会社〇〇ゲーミングデバイス
- 案件内容:新作ヘッドセットのレビュー動画
- 再生数:25,000回
- 成果:公式サイトへの流入1,200クリック、購入コンバージョン率3.5%

■ △△エナジードリンク
- 案件内容:配信中の商品プレースメント
- リーチ:延べ視聴者数15,000人
- 成果:Twitterキャンペーン参加者500名増加

実績がない場合の対処法:

  • 自主レビュー:好きな商品を自分で買ってレビューし、その動画の成果を記載
  • コラボ実績:他の配信者とのコラボ企画の成果
  • バズった動画:特に再生数が伸びた動画とその要因分析

STEP 7: サービス内容と料金表

提供できるサービスを明確に示します。

サービス内容料金(目安)納期
YouTube動画制作(10分)50,000円〜2週間
ライブ配信でのPR(30分)30,000円〜応相談
Twitter投稿(3投稿セット)15,000円〜1週間
長期アンバサダー契約応相談3ヶ月〜

料金設定の考え方:

  • 登録者数×2〜4円を基準に
  • 作業時間(撮影・編集)を考慮
  • 競合の料金も調査

柔軟性を示す: 「予算に応じてカスタマイズ可能」と記載することで、企業の門戸を広げます。

STEP 8: 連絡先と行動喚起(CTA)

最後に、どうやって連絡すればいいかを明確に示します。

記載例:

【お仕事のご依頼・お問い合わせ】

Email: [email protected]
Twitter DM: @example_channel
応募フォーム: https://forms.gle/xxxxx

お気軽にご相談ください。
まずは無料で貴社の課題をヒアリングさせていただきます。

ポイント:

  • 複数の連絡手段を用意(企業によって好みが異なる)
  • 返信の目安時間を明記(「24時間以内に返信」など)

2-3. メディアキットのデザインのコツ

① ブランドカラーを統一する

自分のチャンネルのイメージカラー(ロゴやサムネで使う色)を使います。統一感があると、プロフェッショナルに見えます。

② 余白を活かす

情報を詰め込みすぎると読みにくくなります。適度な余白で見やすくしましょう。

③ フォントは2種類まで

見出し用とボディ用の2種類に絞ると、洗練された印象になります。

④ PDF形式で保存

Canvaから「PDFでダウンロード」を選択。ファイル名は「メディアキット_チャンネル名_2025.pdf」のように、わかりやすく。


第3章:実績の魅せ方

3-1. 数字を「ストーリー」にする

ただ数字を並べるだけでは、企業の心には響きません。数字の背後にあるストーリーを伝えましょう。

悪い例: 「登録者数10,000人です」

良い例: 「開始1年で登録者10,000人を達成。特に20代男性ゲーマー層から高い支持を得ており、『わかりやすい解説』が評価されています。視聴者の80%が動画を最後まで視聴する高いエンゲージメント率を誇ります」

3-2. ケーススタディを作る

過去の案件や自主企画で、具体的な成果を示します。

ケーススタディの構成:

  1. 課題:企業(または自分)が抱えていた問題
  2. 施策:何をしたか
  3. 結果:どうなったか(数字で)
  4. 学び:次に活かせること

例:

【ケーススタディ:ゲーミングマウスレビュー動画】

■ 課題
新作ゲーミングマウスの認知度が低く、ターゲット層(FPSプレイヤー)へのリーチが不足

■ 施策
- 実際に1週間使用し、詳細レビュー動画を制作
- プロゲーマー視点での使用感を解説
- 購入リンクを概要欄に設置

■ 結果
- 再生数:32,000回(チャンネル平均の2倍)
- いいね率:12%(通常の1.5倍)
- リンククリック数:1,800(CVR 5.6%)
- 企業からの追加依頼を獲得

■ 学び
「実際に使った感想」を正直に伝えることで、視聴者の信頼を獲得し、高いCVRを実現

3-3. 成長グラフを見せる

時系列での成長を視覚化すると、勢いがあることを示せます。

  • 登録者数の推移(月次)
  • 再生回数の推移
  • エンゲージメント率の推移

Canvaの「グラフ」機能を使えば、簡単に挿入できます。


第4章:提案書の書き方

4-1. 提案書とメディアキットの違い

  • メディアキット:自分のことを説明する資料(常に同じ)
  • 提案書:特定の企業に向けた、カスタマイズされた企画書

提案書は、企業ごとに内容を変える必要があります。

4-2. 提案書の構成

① 表紙

  • 提案タイトル
  • 提案先企業名
  • 自分のチャンネル名
  • 日付

② エグゼクティブサマリー(要約)

1ページで提案の全体像を示します。忙しい担当者は、ここしか読まないこともあります。

記載内容:

  • 企業の課題認識
  • 自分が提供できる価値
  • 期待される成果
  • 予算と期間

③ 企業の課題分析

企業のことを調べた上で、課題を指摘します。これが「ただの売り込み」と「価値ある提案」の分かれ目です。

例:

【御社の現状分析】

御社の新作エナジードリンク「〇〇」は、成分や味では競合を上回っているものの、
若年層(18-25歳)への認知度が課題と拝察いたします。

特に、ゲーマー・配信者といった「長時間集中が必要な層」へのリーチが、
今後の市場拡大のカギになると考えております。

④ 提案内容

何をするかを具体的に書きます。

例:

【提案内容】

■ タイトル:「〇〇エナジーで24時間ゲーム配信チャレンジ」

■ 企画概要
- 24時間耐久ゲーム配信を実施
- 配信中、〇〇エナジーを飲みながら集中力を維持
- 視聴者に「集中力を支えるドリンク」としての価値を訴求

■ 配信形式
- YouTube・Twitch同時配信
- 配信前後にTwitterで告知(3投稿)
- 配信アーカイブをYouTube動画として編集・公開

■ 期待効果
- リーチ:延べ視聴者数20,000人(推定)
- エンゲージメント:コメント・投げ銭での盛り上がり
- UGC創出:視聴者が「#〇〇エナジーで配信」と投稿する文化形成

⑤ スケジュール

いつ何をするかを明確にします。

日程内容
提案承認後1週間企画詳細の打ち合わせ
2週間後事前告知開始(Twitter・YouTube投稿)
3週間後配信実施(24時間)
4週間後レポート提出(成果データ)

⑥ 料金と契約条件

明確な料金を提示します。曖昧にすると、企業は判断できません。

例:

【料金】
総額:150,000円(税別)

【内訳】
- 24時間配信出演料:100,000円
- 動画編集・投稿:30,000円
- Twitter投稿・運用:20,000円

【支払条件】
配信実施後、成果レポート提出と同時に請求書を発行

⑦ 成果測定方法

何をもって成功とするかを定義します。

  • 配信の総視聴者数
  • YouTube動画の再生数
  • Twitterのインプレッション数
  • 購入につながったクリック数(トラッキングリンク使用)

4-3. 提案のバリエーション

企業の予算に合わせて、複数のプランを用意すると、選んでもらいやすくなります。

例:

プラン内容料金
ライトTwitter投稿3回30,000円
スタンダードYouTube動画1本 + Twitter投稿80,000円
プレミアムライブ配信 + 動画 + Twitter + 月間サポート200,000円

第5章:営業メールの書き方

5-1. 件名で勝負が決まる

企業の担当者は、1日に何十通もメールを受け取ります。件名で興味を引けないと、開封すらされません。

悪い件名:

  • 「お仕事のご相談」
  • 「コラボのお願い」
  • 「案件希望です」

良い件名:

  • 「【ご提案】御社〇〇商品×当チャンネル(登録者1万人)のタイアップ企画」
  • 「ゲーマー向け商品PRに関するご提案(実績:再生数平均2万回)」
  • 「【無償ご提供】新商品レビュー企画のご案内」

ポイント:

  • 具体的な数字を入れる
  • 企業名・商品名を入れる
  • メリットを示唆する

5-2. メール本文の構成

① 挨拶と自己紹介(簡潔に)

株式会社〇〇
マーケティング部 ご担当者様

初めてご連絡させていただきます。
YouTube「まるお Gaming Channel」を運営しております、〇〇と申します。

登録者数15,000人、主にFPSゲーム実況を中心に、
20代男性ゲーマー層に向けた配信を行っております。

② 企業を選んだ理由(熱意を示す)

この度、御社の新作ゲーミングヘッドセット「〇〇」を拝見し、
その音質とノイズキャンセリング機能に大変感銘を受けました。

私のチャンネルの視聴者層(FPSプレイヤー)にとって、
まさに求めていた製品であると確信し、ご連絡させていただきました。

ポイント: 「誰でもいいから営業している」と思われないように、その企業を選んだ理由を具体的に書く。

③ 提案内容(簡潔に)

【ご提案内容】
- 製品レビュー動画の制作(15分程度)
- 実際のゲームプレイ中の使用感を詳細レポート
- 購入リンクを概要欄に設置し、視聴者への購買導線を確保

【想定成果】
- 再生数:20,000〜30,000回(過去実績ベース)
- リーチ:20代男性ゲーマー層(当チャンネルの視聴者の85%)

④ 実績の簡潔な紹介

【過去の実績】
- 〇〇社ゲーミングマウスレビュー:再生数32,000回、CVR 5.6%
- △△社配信ソフトウェアPR:登録者500人増加

⑤ 添付資料の案内

詳細につきましては、添付のメディアキットをご覧ください。
ご不明点やご要望がございましたら、お気軽にお申し付けください。

⑥ クロージング(次のアクション)

まずは一度、オンラインでのお打ち合わせの機会をいただけますと幸いです。

ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

5-3. メール営業の成功率を上げるコツ

① ターゲットを絞る

100社に同じ内容を送るより、10社に完全カスタマイズしたメールを送る方が成功率は高いです。

② タイミングを考える

  • 新商品発表直後:PR予算がある可能性が高い
  • 四半期の始め:予算が組まれるタイミング
  • セール前:プロモーション需要が高まる

③ 無償提案から始める

いきなり有償案件を提案するのではなく、「まずは製品を送ってください。レビューします(無償)」という提案も効果的です。

企業にとってはリスクが低く、配信者にとっては実績を作るチャンスです。


第6章:営業先の見つけ方

6-1. 自分のジャンルに合った企業をリストアップ

例:ゲーム配信者の場合

  • ゲーミングデバイスメーカー(マウス、キーボード、ヘッドセット)
  • PCメーカー
  • 配信ソフトウェア(OBS、Streamlabs)
  • エナジードリンク・食品
  • ゲームタイトル(運営会社)

6-2. 企業の連絡先を見つける方法

① 公式サイトの「お問い合わせ」

多くの企業サイトに「プレス・メディア関係の方」という問い合わせフォームがあります。

② IR情報・プレスリリース

上場企業の場合、IR情報に広報担当の連絡先が記載されていることがあります。

③ LinkedInで担当者を探す

「〇〇株式会社 マーケティング」で検索し、担当者に直接メッセージを送る方法もあります。

④ 代理店経由

広告代理店や、インフルエンサーマーケティング会社に登録する方法もあります。

主なプラットフォーム:

  • UUUM(YouTuber向け)
  • AttendMe(VTuber向け)
  • BitStar(インフルエンサー向け)

6-3. 競合分析

他の配信者がどんな案件を受けているかをリサーチします。

  • YouTube動画の概要欄に「#PR」「#案件」と記載されているものをチェック
  • Twitterで「#PR」「#企業案件」を検索

第7章:案件交渉と契約の注意点

7-1. 報酬交渉のポイント

① 最初に希望額を伝える

企業から「いくらでできますか?」と聞かれたら、曖昧にせず明確な金額を提示します。

悪い例: 「ご予算に合わせます」

良い例: 「通常、動画1本で5万円からお受けしております。企画内容によって調整可能です」

② 安売りしない

初めての案件だからといって、極端に安い金額で受けると、以降もその金額が基準になってしまいます。

適正価格を守りましょう。

③ 成果報酬型も検討する

「固定報酬3万円 + 売上の5%」のようなハイブリッド型も、企業にとって提案しやすい場合があります。

7-2. 契約書のチェックポイント

口頭での約束だけでなく、必ず契約書を交わすようにしましょう。

確認すべき項目:

項目チェック内容
納品物何を納品するか(動画の長さ、投稿数)
納期いつまでに納品するか
報酬金額・支払い時期・振込手数料の負担
著作権動画の著作権は誰に帰属するか
修正回数何回まで無料で修正対応するか
二次利用企業が広告に転用できるか
競合避止同業他社の案件を受けられないか

特に注意:競合避止条項

「契約期間中、同じジャンルの他社案件を受けてはいけない」という条項がある場合、期間と範囲を必ず確認してください。

7-3. トラブルを避けるために

① 事前に企画内容の承認を得る

勝手に作って「イメージと違う」と言われないように、台本やサムネ案を事前に共有します。

② 炎上リスクのある案件は断る

  • 根拠のない効果を謳う健康食品
  • ギャンブル系(法律に触れる可能性)
  • 過去に炎上した企業

短期的な利益よりも、長期的な信用を優先しましょう。

③ 開示義務を守る

日本では2023年10月からステルスマーケティング規制が施行されました。

企業案件であることを隠すと、景品表示法違反になります。必ず「#PR」「#広告」と明記してください。


第8章:継続案件を獲得する方法

8-1. 成果レポートを提出する

案件が終わったら、必ず成果をレポートにまとめて提出します。

レポートに含める内容:

  • 再生数・視聴維持率
  • いいね・コメント数
  • クリック数(トラッキングリンク)
  • 視聴者の反応(コメント抜粋)
  • 改善提案(次回に向けて)

これにより、「この人はちゃんと成果を出してくれる」という信頼を得られ、次回の依頼につながります。

8-2. 長期契約(アンバサダー)を提案する

単発案件よりも、月額契約や年間契約の方が、配信者にとっても企業にとっても安定します。

提案例:

【長期アンバサダー契約のご提案】

月額50,000円で、以下のサービスを提供いたします。

- 月1本のPR動画制作
- 配信中の商品露出(週4回)
- Twitterでの定期的な投稿(月4回)
- 新商品の先行レビュー

契約期間:6ヶ月〜

8-3. 紹介を依頼する

良い関係を築けたら、「他に紹介していただける企業はありませんか?」と聞いてみましょう。

企業の担当者同士のネットワークで、次の案件につながることがあります。


第9章:よくある失敗と対策

失敗1:営業メールが無視される

原因:

  • 件名が弱い
  • 企業のメリットが伝わっていない
  • 添付ファイルが重すぎる

対策:

  • 件名に数字と具体性を入れる
  • 企業の課題を調べてから送る
  • PDFは5MB以下に圧縮

失敗2:報酬が安すぎる

原因:

  • 相場を知らない
  • 交渉を恐れている

対策:

  • 他の配信者の事例を調べる
  • 「登録者数×2〜4円」を基準に
  • 安売りしない勇気を持つ

失敗3:案件後に音信不通

原因:

  • 成果報告をしていない
  • 次の提案をしていない

対策:

  • 必ず成果レポートを提出
  • 「次回はこんな企画もできます」と提案

まとめ:営業は「価値の交換」

企業案件獲得の5ステップ

  1. 準備:メディアキットと実績を整える
  2. 調査:企業の課題を理解する
  3. 提案:カスタマイズした企画書を送る
  4. 交渉:適正な報酬で契約する
  5. 報告:成果を可視化し、次につなげる

覚えておくべきこと

  • 営業は「お願い」ではなく「価値の提案」
  • 数より質(エンゲージメントが重要)
  • 安売りせず、適正価格を守る
  • 継続的な関係を築くことが最大の資産

企業案件は、ただの収入源ではなく、信頼と実績を積み重ねる場です。

最初は断られることもあるでしょう。しかし、諦めずに改善を続ければ、必ず道は開けます。

この記事で紹介したメディアキットと提案書を武器に、あなたも企業案件を獲得し、配信者としての次のステージへ進んでください。


参考資料・テンプレート

おすすめツール

  • Canva:メディアキット作成(https://www.canva.com/)
  • Googleスライド:提案書作成
  • Notion:案件管理・進捗トラッキング

参考記事

  • 景品表示法(ステマ規制):消費者庁公式サイト
  • YouTubeアナリティクスの見方:YouTube公式ヘルプ
  • インフルエンサーマーケティング市場規模:サイバー・バズ調査

※ 本記事の情報は2025年11月時点のものです。法律や規制は変更される可能性があるため、最新情報をご確認ください。

よくある質問

Qメディアキットとは何ですか?
A
メディアキットとは、企業に対して自分のチャンネルやメディアの価値を説明するための営業資料です。チャンネル概要、視聴者データ、過去の実績、料金表などをまとめた1枚のドキュメントで、企業が案件を検討する際の判断材料となります。
Qどれくらいの規模になったら企業案件に応募できますか?
A
登録者数5,000人程度から企業案件の獲得は可能です。ただし、重要なのは登録者数よりも「エンゲージメント率」と「視聴者属性の明確さ」です。ニッチなジャンルで濃いファンを持っている場合、数千人でも案件獲得のチャンスはあります。
Q企業案件の報酬相場はどのくらいですか?
A
一般的な相場は「登録者数×2〜4円」です。登録者1万人なら2〜4万円、10万人なら20〜40万円程度。ただし、ジャンル、視聴者層、再生数によって大きく変動します。企業によっては成果報酬型(アフィリエイト)の場合もあります。
Qメディアキットはどのツールで作成すればよいですか?
A
Canva、Googleスライド、PowerPointなどが一般的です。Canvaには無料のメディアキット用テンプレートがあり、デザイン初心者でも見栄えの良い資料を作成できます。PDF形式で保存し、メールに添付できるようにしましょう。
Q営業メールはどのように送ればよいですか?
A
件名は簡潔に「【ご提案】〇〇チャンネル×御社のコラボレーションについて」など。本文では、企業の課題を理解していることを示し、自分がどう貢献できるかを具体的に提案します。メディアキットを添付し、まずは無償コラボの提案から始めるのも効果的です。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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