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【OBS軽量化】低スペックPCでも快適に配信する設定方法|カクつき・コマ落ち解消テクニック

【OBS軽量化】低スペックPCでも快適に配信する設定方法|カクつき・コマ落ち解消テクニック

公開日
読了目安13

「OBSで配信しようとしたら、カクカクして全然使えない…」

PCのスペックが低いと、OBSの設定次第では配信がまともにできないことがあります。しかし、適切な設定を行えば、低スペックPCでも快適な配信は可能です。

この記事でわかること - OBSが重くなる原因と対策 - 低スペックPC向けの最適な設定値 - エンコーダーの選び方 - 配信を安定させるテクニック

OBSが重くなる原因を理解しよう

OBSの処理フロー

OBSで配信する際、PCは以下の処理を同時に行っています。

ゲーム描画(GPU)
    ↓
画面キャプチャ(CPU/GPU)
    ↓
シーン合成(ソース重ね合わせ)
    ↓
エンコード(CPU or GPU)
    ↓
配信サーバーへ送信

このどこかがボトルネックになると、カクつきやコマ落ちが発生します。

負荷の原因ランキング

順位原因影響度対策難易度
1エンコード設定簡単
2出力解像度・FPS簡単
3ゲームの負荷
4ソース・フィルター数簡単
5プレビュー表示簡単

これらを一つずつ最適化していきましょう。

エンコーダーの選び方

エンコーダーの種類

OBSで使えるエンコーダーは主に4種類あります。

エンコーダー比較
x264CPU使用 / 高画質だが高負荷 / どのPCでも使用可
NVENCNVIDIA GPU使用 / 低負荷で高画質 / NVIDIA専用
AMD AMFAMD GPU使用 / 低負荷 / AMD専用
Intel QSVIntel内蔵GPU使用 / 低負荷 / Intel CPU専用

選び方フローチャート

NVIDIA GPUあり?
  → Yes → NVENCを使用(最もおすすめ)
  → No →
      AMD GPUあり?
        → Yes → AMD AMFを使用
        → No →
            Intel CPUあり?
              → Yes → Intel QSVを検討
              → No → x264(負荷に注意)
ハードウェアエンコーダー(NVENC/AMF/QSV)を使えるなら、必ず使いましょう。CPUの負荷を大幅に軽減でき、ゲームと配信を両立しやすくなります。

エンコーダー設定の確認方法

  1. OBSを開く
  2. 「設定」→「出力」→「出力モード:詳細」
  3. 「配信」タブ→「エンコーダ」を確認

NVENCが選択肢にない場合:

  • NVIDIA GPUがない
  • ドライバーが古い
  • OBSが古い

低スペックPC向けOBS設定

出力設定(配信タブ)

推奨設定:

エンコーダ:NVENC(またはAMF/QSV)
    ※なければx264

レート制御:CBR
ビットレート:3000〜4500 Kbps(720p)/ 4500〜6000 Kbps(1080p)

【NVENCの場合】
プリセット:P5: Slow(品質重視)またはP4: Medium
    ※カクつく場合はP3以下に
マルチパスモード:1パス
プロファイル:high
Look-ahead:オフ
心理視覚チューニング:オン

【x264の場合】
CPUプリセット:veryfast(最重要!)
    ※カクつく場合はsuperfast/ultrafastに
プロファイル:main
チューン:なし
x264のプリセット「veryfast」は必須設定です。medium以上にすると、エンコード品質は上がりますがCPU負荷が跳ね上がります。低スペックPCでは「veryfast」以上の速度プリセットを選びましょう。

映像設定

推奨設定:

基本(キャンバス)解像度:1920×1080(モニター解像度に合わせる)
出力(スケーリング)解像度:1280×720(低スペック推奨)
縮小フィルタ:バイリニア(最も軽い)
FPS:30(安定重視)または 60(滑らか重視)

解像度とFPSの組み合わせ:

設定負荷画質おすすめ用途
720p/30fps雑談配信
720p/60fps軽いゲーム配信
1080p/30fps実況・解説配信
1080p/60fps高スペックPC向け

詳細設定

推奨設定:

プロセス優先度:通常以上
    ※高にするとゲームに影響する場合あり

レンダラー:Direct3D 11

カラーフォーマット:NV12
色空間:709
色範囲:一部

ソースとフィルターの最適化

不要なソースを削除

使っていないソース(画像、テキスト、ブラウザソースなど)は、非表示ではなく削除しましょう。非表示でもメモリを消費します。

ブラウザソースの注意点

ブラウザソースは意外と重いです。

軽量化のコツ:

  • アラートやチャット表示は1つにまとめる
  • 更新頻度を下げる
  • 使わないときは削除する
  • WebSocketを使うオーバーレイは負荷が高い

フィルターの使用を最小限に

フィルターはリアルタイム処理のため、数が増えると負荷も増えます。

負荷の高いフィルター:

  • クロマキー(グリーンバック)
  • LUT(色調補正)
  • シャープ化
  • ぼかし

比較的軽いフィルター:

  • 色補正(明るさ・コントラスト程度)
  • ゲイン(音量調整)
  • ノイズ抑制(RNNoise)

プレビュー関連の軽量化

スタジオモードを無効化

スタジオモード(プレビューと配信画面を分けて表示)は便利ですが、負荷が増えます。低スペックPCでは無効にしましょう。

プレビューの無効化

配信中は右クリック→「プレビューを有効にする」のチェックを外すと、さらに軽くなります。

ただし、画面を確認できなくなるため、安定した配信が確立できてから試しましょう。

ゲーム側の設定

OBSだけでなく、ゲーム側の設定も重要です。

フレームレート制限

ゲームのFPSを無制限にすると、GPUが全力で動作して配信に回すリソースがなくなります。

推奨設定:

  • 配信30fpsなら、ゲーム60fps上限
  • 配信60fpsなら、ゲーム60〜120fps上限

グラフィック設定を下げる

設定項目推奨理由
解像度フルHD以下GPUメモリ節約
影の品質低〜中描画負荷大幅減
アンチエイリアスFXAA or オフGPU負荷軽減
テクスチャVRAM節約
エフェクト低〜中CPU/GPU両方に影響

ゲームモード・フルスクリーン

  • Windowsの「ゲームモード」をオンにする
  • ゲームは「フルスクリーン」または「ボーダーレスウィンドウ」で実行
  • OBSでのキャプチャは「ゲームキャプチャ」を使用(ウィンドウキャプチャより軽い)

キャプチャ方式の選び方

キャプチャ方式の比較

方式負荷対応範囲備考
ゲームキャプチャDirectX/OpenGL/Vulkanゲーム最もおすすめ
ウィンドウキャプチャほぼすべてのウィンドウ汎用的
画面キャプチャ全画面最終手段

基本方針:ゲームキャプチャ > ウィンドウキャプチャ > 画面キャプチャ

ゲームキャプチャの設定

モード:特定のウィンドウをキャプチャ
ウィンドウ:対象のゲームを選択
カーソルをキャプチャ:ゲームに応じてオン/オフ
アンチチート互換性フックを使用する:オフ(問題があればオン)

トラブルシューティング

「エンコードが高負荷」警告が出る

原因:エンコード処理が間に合っていない

対策:

  1. x264の場合→プリセットをsuperfast/ultrafastに
  2. ビットレートを下げる
  3. 解像度を720pに下げる
  4. FPSを30に下げる

「レンダリングラグ」が発生する

原因:GPU側の処理が間に合っていない

対策:

  1. ゲームのグラフィック設定を下げる
  2. ゲームのFPSを制限する
  3. NVENCを使用(GPUリソースを効率的に使う)
  4. プレビューを無効化

配信画面がカクカクするがゲームは滑らか

原因:配信側のFPSが落ちている

対策:

  1. 出力FPSを30に下げる
  2. キャプチャ方式を「ゲームキャプチャ」に変更
  3. OBSのプロセス優先度を上げる

配信プラットフォーム別・最適設定

YouTube Live

特徴:

  • 高ビットレートに対応(最大51Mbps)
  • 解像度やFPSの制限が緩い
  • アーカイブ自動保存

低スペックPC向け推奨設定:

解像度:1280×720
FPS:30
ビットレート:3000〜4500 Kbps
エンコーダ:NVENC推奨
キーフレーム間隔:2秒

YouTubeは高ビットレートに対応しているため、720p/30fpsでもビットレートを高めに設定することで、見栄えの良い配信が可能です。

Twitch

特徴:

  • ビットレート上限6000 Kbps
  • アフィリエイト以上でトランスコード
  • 低遅延モードがデフォルト

低スペックPC向け推奨設定:

解像度:1280×720
FPS:30または60
ビットレート:3000〜4500 Kbps
エンコーダ:NVENC推奨
キーフレーム間隔:2秒

Twitchは6000 Kbps上限があるため、720p/60fpsで4500 Kbpsが現実的なバランスです。

ニコニコ生放送

特徴:

  • ビットレート上限が低め
  • プレミアム会員でも制限あり
  • コメント機能が特徴的

低スペックPC向け推奨設定:

解像度:1280×720
FPS:30
ビットレート:2000〜3000 Kbps
エンコーダ:NVENC推奨
キーフレーム間隔:2秒

ニコ生はビットレート制限が厳しいため、無理に高画質を狙わず安定性を重視しましょう。

ツイキャス

特徴:

  • スマホ配信がメイン層
  • コミュニティ機能が充実
  • 配信時間制限あり

低スペックPC向け推奨設定:

解像度:1280×720または864×480
FPS:30
ビットレート:2000〜3000 Kbps

ツイキャスは視聴者の多くがスマホのため、720p以下でも問題ありません。

配信ジャンル別・OBS設定のコツ

ゲーム実況

ポイント:

  • 動きの激しいゲームはビットレートを高めに
  • FPSを60に上げると滑らかに見える
  • ゲームキャプチャを使うと負荷軽減

設定例(低スペック):

解像度:720p
FPS:60(カクつくなら30)
ビットレート:4000〜4500 Kbps
ゲームのFPS制限:60fps
ゲームの画質:中〜低

雑談配信

ポイント:

  • 動きが少ないため低ビットレートでOK
  • 30fpsで十分
  • カメラ映像は意外と軽い

設定例(低スペック):

解像度:720p
FPS:30
ビットレート:2500〜3500 Kbps
カメラ解像度:720p以下

お絵かき・作業配信

ポイント:

  • 画面の変化が少ないため低ビットレートでOK
  • 高解像度の方がディテールが伝わる
  • ウィンドウキャプチャで十分

設定例(低スペック):

解像度:720p(余裕があれば1080p)
FPS:30
ビットレート:2500〜4000 Kbps
キャプチャ方式:ウィンドウキャプチャ

歌枠・音楽配信

ポイント:

  • 音質を重視(オーディオビットレートは下げない)
  • 映像は720p/30fpsで十分
  • 音声エンコーダ設定に注意

設定例(低スペック):

解像度:720p
FPS:30
映像ビットレート:3000 Kbps
音声ビットレート:160〜192 Kbps(下げすぎない)
音声サンプリングレート:48kHz

OBS以外の軽量化テクニック

Windows設定の最適化

ゲームモードをオン:

設定 → ゲーム → ゲームモード → オン

視覚効果を最小化:

システムの詳細設定 → パフォーマンス → 視覚効果
→「パフォーマンスを優先する」に変更

バックグラウンドアプリを無効化:

設定 → プライバシーとセキュリティ → バックグラウンドアプリ
→ 不要なアプリをオフに

不要なプロセスを終了

配信中は以下のアプリを終了しましょう:

  • ブラウザ(配信用以外)
  • クラウドストレージ同期(OneDrive、Dropboxなど)
  • Windows Update(配信前にチェック)
  • ウイルス対策ソフトのフルスキャン
  • その他の常駐アプリ

GPUの設定(NVIDIA)

NVIDIAコントロールパネル設定:

  1. 「3D設定の管理」を開く
  2. 「プログラム設定」でOBSを追加
  3. 以下を設定:
    • 電源管理モード:パフォーマンス最大化を優先
    • スレッドによる最適化:オン
    • 低遅延モード:オン

回線の安定化

配信が途切れる原因はPCだけでなく、回線の問題も多いです。

チェックポイント:

  • 有線LAN接続にする(WiFiは不安定)
  • ルーターを再起動する
  • 同時に大容量ダウンロードをしない
  • 家族のネット利用状況を確認

パフォーマンス監視のすすめ

OBS統計パネルの見方

配信中は「表示」→「統計」でパフォーマンスを監視できます。

注目すべき項目:

項目正常値問題発生
レンダリングラグ0%1%以上で注意
エンコードラグ0%1%以上で注意
ドロップフレーム0%発生したら回線を確認
CPU使用率50%以下70%超えで注意

タスクマネージャーでの確認

Ctrl+Shift+Escでタスクマネージャーを開き、以下を確認:

  • CPU使用率:80%を超えていないか
  • GPU使用率:NVENC使用時は100%でもOK
  • メモリ使用率:80%を超えていないか
  • ネットワーク使用率:配信ビットレートと比較

設定の段階的な調整方法

ステップ1:最低設定から始める

まずは確実に安定する設定から:

解像度:720p
FPS:30
ビットレート:2500 Kbps
エンコーダ:NVENC(なければx264 superfast)

ステップ2:安定を確認

10分程度配信して以下をチェック:

  • カクつきがないか
  • コマ落ちがないか
  • 配信が途切れないか
  • CPU使用率が70%以下か

ステップ3:段階的に上げる

安定していれば、以下の順で設定を上げる:

  1. FPSを60に(最も効果が大きい)
  2. ビットレートを上げる(500 Kbpsずつ)
  3. 解像度を1080pに(余裕があれば)

ステップ4:限界を見極める

カクつきや警告が出たら、一段階前の設定に戻す。 安定 > 高画質 を常に意識しましょう。

スペック別おすすめ設定

超低スペック(Core i3以下/メモリ8GB以下)

解像度:1280×720(720p)
FPS:30
エンコーダ:ハードウェア優先(NVENC/AMF/QSV)
    なければx264 ultrafast
ビットレート:2500〜3500 Kbps

低スペック(Core i5/メモリ8〜16GB)

解像度:1280×720(720p)
FPS:60
エンコーダ:ハードウェア優先
    x264ならveryfast
ビットレート:3500〜4500 Kbps

中スペック(Core i5以上/メモリ16GB/GPU搭載)

解像度:1920×1080(1080p)
FPS:60
エンコーダ:NVENC/AMF
    x264ならfaster
ビットレート:5000〜6000 Kbps

よくある質問

配信と録画を同時にできますか?
低スペックPCでは厳しいです。どうしても必要なら、録画品質を「低ファイルサイズ」に設定するか、配信サイトのアーカイブ機能を活用しましょう。YouTubeやTwitchはアーカイブが自動保存されるため、同時録画は不要な場合が多いです。
M1/M2 Macでも配信できますか?
はい、できます。Apple Silicon搭載MacではOBSがネイティブ対応しており、ハードウェアエンコーダーも利用可能です。ただし、ゲームのラインナップがWindowsより少ない点は注意が必要です。
古いノートPCでも配信できますか?
スペックによります。第4世代Core i5以上、メモリ8GB以上、内蔵GPUまたは専用GPU搭載であれば、720p/30fpsの軽量設定で配信可能な場合があります。まずは試してみて、カクつくようなら設定を下げましょう。
OBSのバージョンは最新にすべきですか?
基本的には最新バージョンを推奨します。パフォーマンスの改善やバグ修正が含まれていることが多いです。ただし、メジャーアップデート直後は不安定な場合もあるため、安定してから更新するのも一つの選択です。
OBS以外の軽い配信ソフトはありますか?
Streamlabs Desktop(旧Streamlabs OBS)、XSplit Broadcasterなどがありますが、根本的な解決にはなりません。OBSを軽量化する方が確実です。
配信中にDiscordを使うと重くなりますか?
多少影響があります。Discordの「ハードウェアアクセラレーション」をオフにすると軽くなる場合があります(設定→詳細設定)。
録画だけなら1080p/60fpsでできますか?
配信より負荷が低いため、可能な場合が多いです。ただし、x264でmedium以上のプリセットは避けましょう。

まとめ

まとめ

低スペックPCでOBSを軽量化するポイント
  • ハードウェアエンコーダー(NVENC/AMF/QSV)を最優先で使用
  • x264なら「veryfast」以上の高速プリセットを選択
  • 720p/30fpsから始めて、安定したら徐々に上げる
  • ゲームキャプチャを使用して負荷を軽減
  • ゲーム側のグラフィック設定も最適化する
  • 不要なソース・フィルターは削除してメモリ節約
  • OBS統計パネルでパフォーマンスを常時監視
  • Windows設定の最適化も忘れずに実施

低スペックPCでも、設定を最適化すれば十分に配信できます。最初から高画質を目指すのではなく、まずは安定した配信環境を構築してから、徐々に設定を上げていきましょう。

配信は画質よりも「途切れないこと」が大切です。カクつきや配信落ちのない、安定した配信を目指して、視聴者に快適な視聴体験を届けましょう!

よくある質問

QOBSが重くてカクカクする原因は何ですか?
A
主な原因は、エンコード負荷(CPU/GPU)、高すぎる解像度・フレームレート設定、不要なソースやフィルター、PCのスペック不足です。設定を最適化することで改善できます。
Q配信と録画を同時にすると重くなりますか?
A
はい、同時に行うとエンコード負荷が2倍近くになります。低スペックPCでは配信のみにするか、録画品質を下げることをおすすめします。
Qグラボがなくても配信できますか?
A
できますが、CPUエンコード(x264)を使うことになり負荷が高くなります。Intel Quick SyncやAMD AMFなど、内蔵GPUのエンコーダーを活用することで軽減できます。
Q720pと1080p、どちらがいいですか?
A
低スペックPCなら720p(1280×720)をおすすめします。画質は落ちますが、安定した配信が可能です。視聴者の多くはスマホで見ているため、720pでも十分なクオリティです。
Qゲーム側の設定も変えるべきですか?
A
はい、OBSだけでなくゲームの画質設定を下げることで、全体的な負荷を軽減できます。特にフレームレート上限を60fpsに制限するのが効果的です。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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