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【2025年最新】OBSマイク設定完全ガイド|音声フィルターから音質向上まで徹底解説
「OBSでマイクの設定がよくわからない...」
「音声フィルターは何を使えばいい?」
「プロ配信者のようなクリアな音声にしたい」
OBS Studio(以下OBS)は無料で高機能な配信ソフトですが、マイク設定は初心者にとって難しいポイントです。
設定を間違えると、ノイズが多い、音量が小さい、声がこもるなどの問題が発生します。
この記事では、OBSのマイク設定を基本から応用まで2万文字以上で徹底解説します。
音声フィルターの設定値、トラブルシューティング、プロ級の音質を目指すテクニックまで、この記事を読めばOBSのマイク設定をマスターできます。
OBSでマイクを設定する前に確認すること
OBSでマイクを設定する前に、OS側の設定を確認しましょう。ここが正しく設定されていないと、OBSで問題が発生します。
Windowsの音声設定
入力デバイスの確認
-
設定を開く
- Windowsキー + I で設定アプリを開く
- 「システム」→「サウンド」を選択
-
入力デバイスを確認
- 「入力」セクションで使用するマイクが選択されているか確認
- マイクに向かって話し、入力レベルメーターが動くことを確認
-
デバイスのプロパティを確認
- 「入力」の下にある「デバイスのプロパティ」をクリック
- 「無効にする」がオフになっていることを確認
- 「ボリューム」が適切なレベル(50〜100%)になっていることを確認
サンプリングレートの統一
重要:サンプリングレートの不一致は音質劣化やノイズの原因になります。
-
コントロールパネルを開く
- 「サウンド」を検索して開く
- 「録音」タブを選択
-
マイクのプロパティを開く
- 使用するマイクを右クリック→「プロパティ」
- 「詳細」タブを選択
-
既定の形式を設定
- 「2チャンネル、16ビット、48000Hz(DVDの音質)」を選択
- OBSの設定と合わせる
排他モードの設定
- マイクのプロパティ→「詳細」タブ
- 「排他モード」の設定を確認
- 「アプリケーションによりこのデバイスを排他的に制御できるようにする」
- チェックを外すと複数アプリで同時使用可能
- チェックを入れると1つのアプリが独占使用
推奨設定:
- 配信のみの場合:チェックを入れる(音質優先)
- Discord等と併用する場合:チェックを外す
Macの音声設定
入力デバイスの確認
-
システム設定を開く
- Appleメニュー→「システム設定」
- 「サウンド」を選択
-
入力を選択
- 「入力」タブで使用するマイクを選択
- 入力音量を調整
Audio MIDI設定でサンプリングレート設定
-
Audio MIDI設定を開く
- Spotlight(Command + Space)で「Audio MIDI設定」を検索
- または「アプリケーション」→「ユーティリティ」から起動
-
デバイスを選択
- 左側のリストから使用するオーディオデバイスを選択
-
フォーマットを設定
- 「フォーマット」を「48,000Hz」「2ch-24bit」に設定
- 複数のデバイス(入力・出力)がある場合はすべて統一
オーディオインターフェースを使用する場合
オーディオインターフェースを使用している場合は、専用ドライバーのインストールと設定が必要です。
ドライバーのインストール
主要メーカーのドライバーダウンロードページ:
- Focusrite: Focusrite Control
- YAMAHA: Yamaha Steinberg USB Driver
- MOTU: MOTU Pro Audio Installer
- PreSonus: Universal Control
インストール手順:
- メーカー公式サイトからドライバーをダウンロード
- インストーラーを実行
- 再起動
バッファサイズの設定
バッファサイズは遅延と安定性のトレードオフです。
| バッファサイズ | 遅延 | CPU負荷 | 安定性 |
|---|---|---|---|
| 64 samples | 約1.3ms | 高い | 低い |
| 128 samples | 約2.7ms | 中程度 | 中程度 |
| 256 samples | 約5.3ms | 低い | 高い |
| 512 samples | 約10.7ms | 非常に低い | 非常に高い |
推奨設定:
- 配信用途:256〜512 samples(安定性優先)
- リアルタイム演奏:64〜128 samples(低遅延優先)
ダイレクトモニタリング
オーディオインターフェースのダイレクトモニタリング機能を使うと、遅延なく自分の声を聴けます。
主な製品での設定:
- YAMAHA AG03MK2: 本体のMONITOR MUTEをオフ
- Focusrite Scarlett: DIRECTボタンをオン
- Elgato Wave XLR: Wave Linkアプリで設定
OBSでマイクを認識させる基本設定
手順1:OBSの設定を開く
- OBSを起動
- 画面右下の「設定」をクリック
- 左メニューから「音声」を選択
手順2:マイクデバイスを選択
設定箇所:
- グローバル音声デバイス → マイク音声
- 「既定」または使用するマイク/オーディオインターフェースを選択
手順3:サンプリングレートの設定
設定箇所:
- 設定 → 音声 → サンプリングレート
推奨設定:
- サンプリングレート: 48kHz
- チャンネル: ステレオ(または使用環境に合わせて)
サンプリングレートは、マイク、オーディオインターフェース、Windows設定と統一することが重要です。不一致があると、リサンプリング処理でノイズや遅延の原因になります。
手順4:マイクが認識されているか確認
音声ミキサーの「マイク」のレベルメーターを確認します。
- 声を出すとメーターが動く → 正常
- メーターが動かない → 設定を見直し
音声ミキサーの基本操作
OBSのメイン画面下部にある「音声ミキサー」で、音量やミュートを管理できます。
音量調整
各ソースの下にあるスライダーで音量を調整します。
目安:
- マイク音量のピークが-6dB〜-3dB程度になるように調整
- 0dBを超えると音割れの原因に
ミュート
スピーカーアイコンをクリックでミュート/解除。
配信中にミュートしたい場合は、ここをクリックするか、ホットキーを設定します。
音声の詳細設定
音声ミキサーの歯車アイコン(または右クリック)→「オーディオの詳細プロパティ」で詳細設定を開けます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 音量(%) | 0〜1000%で音量調整 |
| モノラルに変換 | ステレオ音声をモノラルに |
| 同期オフセット | 音声の遅延調整(ms単位) |
| 音声モニタリング | モニターのみ/モニターと出力/オフ |
| トラック | マルチトラック録画用 |
OBSの音声フィルター完全解説
OBSには標準で複数の音声フィルターが搭載されています。これらを正しく設定することで、プロ級の音質を実現できます。
フィルターの追加方法
- 音声ミキサーのマイクを右クリック
- 「フィルタ」を選択
- 左下の「+」ボタンでフィルターを追加
フィルターの処理順序
重要:フィルターは上から順に処理されます。
順序を間違えると期待通りの効果が得られません。
推奨順序:
1. ノイズ抑制(Noise Suppression)
2. ゲイン(Gain)※必要な場合のみ
3. ノイズゲート(Noise Gate)
4. コンプレッサー(Compressor)
5. リミッター(Limiter)
この順序で設定する理由を解説します。
フィルター1:ノイズ抑制(Noise Suppression)
概要
常時ノイズを除去するフィルターです。ホワイトノイズや環境音を軽減します。
方式の選択
| 方式 | 特徴 | CPU負荷 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| RNNoise | AIベース、高品質、自動調整 | 低い | 推奨 |
| Speex | 従来型、手動調整可能 | 低い | 代替 |
| NVIDIA Noise Removal | NVIDIA GPU使用、最高品質 | GPU使用 | RTX持ちに最適 |
RNNoiseの設定
RNNoiseは機械学習ベースのノイズ除去で、設定項目は特にありません。
方式: RNNoise
有効にするだけで自動的に最適なノイズ除去が行われます。
メリット:
- 声の品質をほとんど落とさない
- 設定不要で手軽
- CPU負荷が低い
デメリット:
- 抑制レベルの調整ができない
- 極端なノイズには対応しきれない場合がある
Speexの設定
Speexは従来型のノイズ除去で、抑制レベルを手動調整できます。
方式: Speex
抑制レベル: -10dB〜-30dB
抑制レベルの目安:
- -10dB: 軽度のノイズ除去(声への影響最小)
- -20dB: 中程度のノイズ除去(バランス型)
- -30dB: 強力なノイズ除去(声がこもる可能性)
注意: 抑制レベルを上げすぎると、声の高周波成分もカットされて「こもった音」になります。
NVIDIA Noise Removalの設定
NVIDIA RTX GPUを持っている場合は、最も強力なノイズ除去が可能です。
方式: NVIDIA Noise Removal
NVIDIA Broadcastがインストールされていれば選択可能です。
GPU処理のため、CPU負荷を増やさずに高品質なノイズ除去ができます。
ノイズ抑制のトラブルシューティング
Q. 声がこもって聞こえる
A. 抑制が強すぎます。RNNoiseに変更するか、Speexの抑制レベルを下げてください。
Q. ノイズが消えない
A. ノイズ抑制だけでは限界があります。ノイズゲートを併用するか、NVIDIA Noise Removalを試してください。
フィルター2:ゲイン(Gain)
概要
マイク入力の音量を増幅または減衰させるフィルターです。
いつ使うか
- マイクの入力音量が小さいとき
- オーディオインターフェースのゲインを最大にしても足りないとき
設定方法
ゲイン: 0dB〜10dB程度
注意点:
- ゲインを上げるとノイズも増幅される
- 必ずノイズ抑制の後に配置する
- できればオーディオインターフェース側でゲインを調整し、OBS側のゲインは使わない方がベター
推奨設定
ゲイン: 3dB〜6dB(必要な場合のみ)
0dBで十分な音量が得られる場合は、このフィルターは追加しないでください。
フィルター3:ノイズゲート(Noise Gate)
概要
一定音量以下の音をカットするフィルターです。話していないときのノイズを消すのに有効です。
動作の仕組み
- 音量が「開放閾値」を超えるとゲートが開く(マイクがON)
- 音量が「閉鎖閾値」を下回るとゲートが閉じる(マイクがOFF)
設定項目の詳細
| 項目 | 説明 | 単位 |
|---|---|---|
| 閉鎖閾値(Close Threshold) | この音量以下でマイクがカット | dB |
| 開放閾値(Open Threshold) | この音量以上でマイクが開く | dB |
| アタック(Attack Time) | 開くまでの時間 | ms |
| ホールド(Hold Time) | 開いた状態を維持する時間 | ms |
| リリース(Release Time) | 閉じるまでの時間 | ms |
推奨設定値
閉鎖閾値: -35dB
開放閾値: -30dB
アタック: 10ms
ホールド: 200ms
リリース: 150ms
設定のコツ
閾値の設定
-
まず閉鎖閾値を調整
- 無音時(話していない時)にマイクがカットされる最小値を探す
- 数値を徐々に上げていき、環境音がカットされるポイントを見つける
-
開放閾値は閉鎖閾値より5〜10dB高く設定
- 例:閉鎖閾値-35dB、開放閾値-30dB
- この差がないとゲートがバタつく(頻繁に開閉する)
タイミングの設定
- アタック: 短いほど反応が速い(10〜25ms推奨)
- ホールド: 長いほど語尾が切れにくい(100〜200ms推奨)
- リリース: 自然に閉じるための時間(100〜150ms推奨)
ノイズゲートのトラブルシューティング
Q. 声の出だしが切れる
A. 開放閾値が高すぎるか、アタックが長すぎます。開放閾値を下げるか、アタックを短くしてください。
Q. 語尾が切れる
A. ホールドを長くしてください(200〜300ms)。
Q. ゲートがバタつく(頻繁に開閉する)
A. 開放閾値と閉鎖閾値の差を広げてください(5〜10dB)。
Q. 環境音がまだ入る
A. 閉鎖閾値を上げるか、ノイズ抑制と併用してください。
フィルター4:コンプレッサー(Compressor)
概要
音量の大小差を縮めて、聞きやすくするフィルターです。小さな声と大きな声の差を均一化します。
なぜコンプレッサーが必要か
- 配信では視聴者のボリューム設定はバラバラ
- 小声が聞こえにくい、大声がうるさいという問題を解決
- 安定した音量で聞きやすい配信に
設定項目の詳細
| 項目 | 説明 | 単位 |
|---|---|---|
| 比率(Ratio) | 圧縮の強さ | x:1 |
| 閾値(Threshold) | 圧縮が始まる音量 | dB |
| アタック(Attack) | 圧縮が始まるまでの時間 | ms |
| リリース(Release) | 圧縮が解除されるまでの時間 | ms |
| 出力ゲイン(Output Gain) | 圧縮後の音量調整 | dB |
| サイドチェーン/ダッキングソース | 別ソースで圧縮を制御 | - |
推奨設定値
初心者向け設定:
比率: 4:1
閾値: -18dB
アタック: 6ms
リリース: 60ms
出力ゲイン: 0dB(必要に応じて調整)
より積極的な圧縮:
比率: 6:1
閾値: -20dB
アタック: 3ms
リリース: 100ms
出力ゲイン: 3dB
各設定項目の解説
比率(Ratio)
圧縮の強さを決定します。
- 2:1: 軽い圧縮(自然な音)
- 4:1: 中程度の圧縮(配信向け)
- 6:1: 強い圧縮(音量差を大きく縮める)
- 10:1以上: 非常に強い圧縮(リミッターに近い)
例:比率4:1の場合 閾値を4dB超えた音は、1dBの超過として出力されます。
閾値(Threshold)
圧縮が始まる音量レベルです。
- -10dB: 大声だけ圧縮(控えめ)
- -18dB: 通常の声から圧縮(バランス型)
- -25dB: 小声から圧縮(積極的)
アタック(Attack)
圧縮が始まるまでの時間です。
- 1〜5ms: 速い反応(パンチのある音、ゲーム向け)
- 6〜15ms: 中程度(トーク向け)
- 20ms以上: 遅い反応(自然な音)
リリース(Release)
圧縮が解除されるまでの時間です。
- 30〜60ms: 速いリリース(ポンピングに注意)
- 60〜100ms: 中程度(推奨)
- 100ms以上: 遅いリリース(自然だがダイナミクス低下)
出力ゲイン(Output Gain)
圧縮によって下がった音量を補正します。
圧縮後に音量が下がったと感じたら、2〜6dB程度上げてください。
コンプレッサーのトラブルシューティング
Q. 声が潰れて聞こえる
A. 比率が高すぎるか、閾値が低すぎます。比率を4:1以下に、閾値を上げてください。
Q. ポンピング(音量が揺れる)が起きる
A. リリースが短すぎます。100ms以上に設定してください。
Q. 効果がわからない
A. 閾値が高すぎて圧縮がかかっていない可能性があります。閾値を下げてください。
フィルター5:リミッター(Limiter)
概要
音割れを防ぐ最終防衛ラインです。設定した閾値を超えた音を強制的にカットします。
いつ使うか
- 突然の大声や叫び声で音割れを防ぎたいとき
- コンプレッサーだけでは抑えきれない大音量があるとき
推奨設定値
閾値: -3dB
リリース: 60ms
設定のポイント
- 閾値は-3dB〜-1dB程度に設定
- あまり低く設定すると常にリミッターがかかり、音が潰れる
- リミッターはあくまで「保険」として使用
コンプレッサーとリミッターの違い
| 項目 | コンプレッサー | リミッター |
|---|---|---|
| 目的 | 音量差を縮める | 音割れを防ぐ |
| 圧縮比率 | 2:1〜10:1程度 | ∞:1(完全カット) |
| 使用場面 | 常時 | 大音量時のみ |
| 音への影響 | 緩やかに圧縮 | 強制的にカット |
その他の音声フィルター
OBSには上記以外にもフィルターがあります。必要に応じて使用してください。
イコライザー(EQ)
周波数帯域ごとに音量を調整するフィルターです。
使用例:
- 低音をカットして明瞭度を上げる
- 高音を持ち上げて抜けを良くする
- 特定の周波数のノイズをカット
注意: EQは奥が深く、間違った設定は音質を悪化させます。初心者は使用しないか、プリセットを活用しましょう。
VST 2.xプラグイン
外部のオーディオプラグインを読み込めます。
おすすめ無料VSTプラグイン:
- ReaPlugs: 高品質なコンプレッサー、EQなど
- TDR Nova: パラメトリックEQ
- Voxengo SPAN: スペクトラムアナライザー
反転(Invert Polarity)
音声の位相を反転します。
通常は使用しませんが、マルチマイク収録で位相の問題が発生したときに使用します。
配信スタイル別の推奨設定
ゲーム実況・配信
ゲーム配信では、ゲーム音と声のバランスが重要です。
マイク設定:
ノイズ抑制: RNNoise
ノイズゲート: 閉鎖-32dB、開放-27dB
コンプレッサー: 比率4:1、閾値-18dB
リミッター: -3dB
ポイント:
- ノイズゲートでキーボード音をカット
- コンプレッサーで声量を安定させる
- ゲーム音に負けないようにする
ゲーム音との音量バランス:
- マイク: -6dB〜-3dB(ピーク)
- ゲーム: -18dB〜-12dB程度
- 声がゲーム音より少し大きいくらいが聞きやすい
雑談配信
雑談配信では、自然な音声が重要です。
マイク設定:
ノイズ抑制: RNNoise
ノイズゲート: なし or 控えめ
コンプレッサー: 比率3:1、閾値-15dB
リミッター: -3dB
ポイント:
- ノイズゲートは控えめまたは使わない
- 自然な声の抑揚を活かす
- 笑い声や相槌がカットされないように
歌配信
歌配信では、音質と表現力が重要です。
マイク設定:
ノイズ抑制: RNNoise(控えめ)
ノイズゲート: なし
コンプレッサー: 比率2:1、閾値-12dB
リミッター: -1dB
ポイント:
- ノイズ抑制は控えめに(声質への影響を避ける)
- ノイズゲートは使わない(ブレスを活かす)
- コンプレッサーは軽めに(ダイナミクスを維持)
ASMR配信
ASMRでは繊細な音を拾うため、特別な設定が必要です。
マイク設定:
ノイズ抑制: なし or 最小限
ノイズゲート: なし
コンプレッサー: 比率2:1、閾値-10dB
リミッター: -3dB
ポイント:
- ノイズ処理は最小限(繊細な音を消さない)
- ノイズは物理的に対策する
- 高品質なコンデンサーマイクを使用
配信プラットフォーム別の推奨設定
各配信プラットフォームによって推奨される音声ビットレートや設定が異なります。
YouTube Live
YouTubeは比較的高いビットレートに対応しています。
推奨音声設定:
音声ビットレート: 128kbps〜320kbps
サンプリングレート: 48kHz
チャンネル: ステレオ
音声コーデック: AAC
OBS設定(出力→配信):
- 音声ビットレート: 160kbps(標準)または320kbps(高音質)
特徴:
- アーカイブ用に高ビットレートを推奨
- 遅延設定によって音声品質への影響は少ない
- スーパーチャット通知音は別途対策が必要
Twitch
Twitchは比較的低遅延での配信が一般的です。
推奨音声設定:
音声ビットレート: 128kbps〜160kbps
サンプリングレート: 48kHz
チャンネル: ステレオ
音声コーデック: AAC
OBS設定(出力→配信):
- 音声ビットレート: 160kbps(推奨最大値)
特徴:
- Twitchは音声ビットレートの上限が320kbpsだが、実用上160kbpsで十分
- VOD保存時の音声品質も考慮
- 低遅延モードでも音声品質への影響は少ない
ニコニコ生放送
ニコニコは比較的低ビットレートで配信することが多いです。
推奨音声設定:
音声ビットレート: 96kbps〜128kbps
サンプリングレート: 44.1kHz または 48kHz
チャンネル: ステレオ
音声コーデック: AAC
OBS設定:
- 全体のビットレート上限があるため、映像と音声のバランスを考慮
特徴:
- 総ビットレートに制限がある場合がある
- 音声を重視する配信では音声ビットレートを優先
ツイキャス
ツイキャスは手軽さが特徴で、設定もシンプルです。
推奨音声設定:
音声ビットレート: 96kbps〜128kbps
サンプリングレート: 44.1kHz
チャンネル: ステレオ
特徴:
- モバイル視聴が多いため、過度に高音質にする必要はない
- 安定性を優先した設定が推奨
ミラティブ
スマホゲーム配信が中心のプラットフォームです。
推奨音声設定:
音声ビットレート: 96kbps〜128kbps
サンプリングレート: 44.1kHz または 48kHz
チャンネル: ステレオ
特徴:
- スマホ視聴者が多いため、帯域に配慮
- ゲーム音とマイク音のバランスが重要
Discord配信(Go Live)
Discord内での画面共有配信です。
推奨音声設定:
音声品質: 高(Discord設定)
OBS仮想カメラ使用時: 128kbps
特徴:
- Discord側の音声設定も確認が必要
- OBS仮想カメラを使う場合は、OBSの音声も出力される
よくある失敗例と解決策
初心者がやりがちな設定ミスとその解決方法をまとめました。
失敗例1:マイクをデスクトップ音声に設定してしまう
症状:
- マイクで話してもデスクトップ音声のメーターが動く
- マイク音声のメーターが動かない
原因:
- OBSの設定で「デスクトップ音声」にマイクを設定している
解決策:
- 設定→音声→グローバル音声デバイス
- 「デスクトップ音声」を「既定」またはスピーカー/ヘッドホンに
- 「マイク音声」を正しいマイクデバイスに設定
失敗例2:フィルターの順番が逆
症状:
- ノイズ抑制が効かない
- 声が変に加工される
- 期待通りの効果が得られない
原因:
- フィルターの処理順序(上から下)を理解していない
- 例:コンプレッサーの後にノイズ抑制を入れている
解決策: 正しい順序でフィルターを並べ替える:
1. ノイズ抑制
2. ゲイン(必要な場合)
3. ノイズゲート
4. コンプレッサー
5. リミッター
フィルターはドラッグ&ドロップで並べ替え可能です。
失敗例3:ゲインを上げすぎてノイズまみれ
症状:
- サーッというノイズがひどい
- 声が割れる
原因:
- マイクゲイン(OBS)を上げすぎている
- オーディオインターフェースのゲインとOBSのゲイン両方を上げている
解決策:
- OBSのゲインフィルターを削除または0dBに
- オーディオインターフェースのゲインで調整
- マイクを口元に近づける(最も効果的)
失敗例4:ノイズゲートが強すぎて声が途切れる
症状:
- 話し始めが切れる
- 語尾が聞こえない
- 「あー」「うーん」が消える
原因:
- 開放閾値が高すぎる
- ホールド時間が短すぎる
解決策:
開放閾値: -30dB〜-35dB(より低く)
閉鎖閾値: -35dB〜-40dB(開放より5〜10dB低く)
ホールド: 200ms〜300ms(より長く)
失敗例5:コンプレッサーで声が潰れる
症状:
- 声が平坦で表現力がない
- 常にコンプレッサーがかかっている
- 音が「詰まった」感じ
原因:
- 閾値が低すぎる
- 比率が高すぎる
解決策:
比率: 3:1〜4:1(より低く)
閾値: -15dB〜-12dB(より高く)
まずは比率を2:1まで下げて、徐々に調整していきましょう。
失敗例6:エコーが発生する
症状:
- 自分の声がエコーのように聞こえる
- 視聴者から「エコーしてる」と言われる
原因:
- スピーカーの音をマイクが拾っている
- OBSのモニタリング設定が「モニターと出力」になっている
解決策:
- ヘッドホン/イヤホンを使用する
- 音声ミキサー→オーディオの詳細プロパティ→音声モニタリング→「モニターオフ」
- スピーカーを使う場合はマイクから離す
失敗例7:Discordと同時使用できない
症状:
- OBSを起動するとDiscordのマイクが使えない
- またはその逆
原因:
- Windowsの排他モードが有効になっている
解決策:
- サウンド設定→録音→マイク→プロパティ
- 「詳細」タブ
- 「アプリケーションによりこのデバイスを排他的に制御できるようにする」のチェックを外す
失敗例8:録画ファイルに音声が入っていない
症状:
- 配信では音声が出ているのに録画には音がない
- 特定のトラックだけ音がない
原因:
- マルチトラック録画で、録画用トラックにマイクを割り当てていない
解決策:
- 音声ミキサー→歯車アイコン→オーディオの詳細プロパティ
- マイクの「トラック」欄で、録画に使用するトラック(通常1)にチェック
ステップバイステップ設定チュートリアル
実際にゼロからOBSのマイク設定を行う手順を解説します。
STEP 1:事前準備(5分)
1-1. マイクの接続確認
- USBマイク:直接PCに接続
- XLRマイク:オーディオインターフェース経由で接続
1-2. ドライバーの確認
- オーディオインターフェース使用時は最新ドライバーをインストール
- デバイスマネージャーでエラーがないことを確認
1-3. Windowsサウンド設定
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンド」を選択
- 「録音」タブでマイクが認識されているか確認
- マイクに向かって話し、レベルメーターが動くことを確認
STEP 2:OBS基本設定(3分)
2-1. OBSの設定を開く
- OBSを起動
- 画面右下「設定」をクリック
2-2. 音声設定
- 左メニューから「音声」を選択
- 設定項目を入力:
- サンプリングレート: 48kHz
- チャンネル: ステレオ
- マイク音声: 使用するマイクを選択
- 「OK」をクリック
2-3. 動作確認
- 音声ミキサーの「マイク」のメーターが動くことを確認
- 声を出してピーク(最大値)が-6dB〜-3dB程度になるよう確認
STEP 3:音声フィルター設定(10分)
3-1. フィルター画面を開く
- 音声ミキサーのマイクを右クリック
- 「フィルタ」を選択
3-2. ノイズ抑制を追加
- 左下「+」→「ノイズ抑制」
- 名前: そのままでOK
- 方式: RNNoise
- 「閉じる」をクリック
3-3. ノイズゲートを追加
- 左下「+」→「ノイズゲート」
- 設定:
- 閉鎖閾値: -32dB
- 開放閾値: -26dB
- アタック: 10ms
- ホールド: 200ms
- リリース: 100ms
3-4. コンプレッサーを追加
- 左下「+」→「コンプレッサー」
- 設定:
- 比率: 4:1
- 閾値: -18dB
- アタック: 6ms
- リリース: 60ms
- 出力ゲイン: 0dB
3-5. リミッターを追加
- 左下「+」→「リミッター」
- 設定:
- 閾値: -3dB
- リリース: 60ms
3-6. フィルター順序を確認
上から以下の順番になっていることを確認:
- ノイズ抑制
- ノイズゲート
- コンプレッサー
- リミッター
違う場合はドラッグ&ドロップで並べ替えます。
STEP 4:テストと微調整(5分)
4-1. 録画でテスト
- 「録画開始」ボタンをクリック
- 通常の声量で話す
- 大声を出す
- 小声で話す
- 無言で環境音を確認
- 30秒〜1分程度録画して停止
4-2. 録画を確認
- ファイル→録画を表示
- 録画ファイルを再生
- チェックポイント:
- 通常の声が聞きやすいか
- 大声で音割れしていないか
- 小声でも聞こえるか
- 無音時にノイズがないか
4-3. 問題があれば調整
- 音が小さい: コンプレッサーの出力ゲインを上げる(2〜4dB)
- ノイズが残る: ノイズゲートの閉鎖閾値を上げる
- 声が途切れる: ノイズゲートの開放閾値を下げる
- 声が潰れる: コンプレッサーの比率を下げる(3:1へ)
STEP 5:本番前の最終確認
5-1. 配信テスト
YouTubeやTwitchで非公開テスト配信を行い、実際の音声を確認します。
5-2. 視聴者目線で確認
- 別デバイス(スマホなど)で視聴
- スピーカーとイヤホン両方でチェック
5-3. 設定の保存
シーンコレクションをエクスポートして設定をバックアップしておきましょう。
マルチトラック録画の設定
マルチトラック録画を使うと、マイク音声とゲーム音を別々のトラックに録画できます。後から編集でノイズ除去や音量調整が可能になります。
設定手順
1. 出力設定
- 設定 → 出力 → 録画タブ
- 出力モード: 詳細
- 音声トラック: 使用するトラックにチェック(例:1と2)
2. 音声トラックの割り当て
- 音声ミキサーで各ソースを右クリック
- 「オーディオの詳細プロパティ」
- 各ソースで使用するトラックにチェック
例:
- トラック1: ゲーム音 + マイク(配信用)
- トラック2: マイクのみ(編集用)
- トラック3: ゲーム音のみ(編集用)
3. 録画ファイルの確認
録画ファイル(MP4/MKV)を動画編集ソフトで開くと、複数の音声トラックが含まれています。
対応編集ソフト:
- DaVinci Resolve
- Premiere Pro
- VEGAS Pro
マイクモニタリングの設定
自分の声をヘッドホンで聴きながら配信したい場合の設定です。
方法1:OBSのモニタリング機能
- 音声ミキサーでマイクを右クリック
- 「オーディオの詳細プロパティ」
- 「音声モニタリング」を変更
| 設定 | 説明 |
|---|---|
| モニターオフ | 自分の声は聞こえない |
| モニターのみ(出力はミュート) | 自分だけ聞こえる(配信には出ない) |
| モニターと出力 | 自分も聞こえて配信にも出る |
方法2:オーディオインターフェースのダイレクトモニター
オーディオインターフェースにダイレクトモニター機能がある場合は、そちらを使う方が遅延が少なくおすすめです。
対応製品例:
- YAMAHA AG03MK2
- Focusrite Scarlettシリーズ
- MOTU M2/M4
トラブルシューティング
マイクが認識されない
確認事項:
-
デバイスの接続確認
- USBがしっかり接続されているか
- ケーブルが断線していないか
-
Windowsの設定確認
- 設定 → システム → サウンド → 入力デバイス
- マイクが認識されているか、ミュートになっていないか
-
OBSの設定確認
- 設定 → 音声 → マイク音声で正しいデバイスを選択
-
他のアプリとの競合
- DiscordやZoomなど他のアプリがマイクを独占使用していないか
- 他のアプリを終了してから試す
-
管理者権限
- OBSを管理者として実行
音量が小さい
対処順序:
- マイクを口元に近づける(5〜15cm)
- オーディオインターフェースのゲインを上げる
- Windowsのマイク音量を確認
- OBSのゲインフィルターを追加
音割れ(クリッピング)する
対処順序:
- オーディオインターフェースのゲインを下げる
- マイクから少し離れる
- OBSのリミッターを設定
- コンプレッサーを設定
遅延がある
対処方法:
-
同期オフセットを調整
- 音声ミキサー → オーディオの詳細プロパティ
- 同期オフセットで遅延を調整(ms単位)
-
ダイレクトモニターを使用
- オーディオインターフェースのダイレクトモニター機能を使う
エコーが入る
原因と対処:
-
スピーカーの音をマイクが拾っている
- ヘッドホンを使用する
- スピーカー音量を下げる
-
OBSのモニタリング設定
- モニタリングがオンになっていて、スピーカーから出ている
- 「モニターオフ」に設定
ステレオで録音されない
確認事項:
- 設定 → 音声 → チャンネル → ステレオに設定
- マイク自体がモノラルの場合はステレオにならない
プロ配信者の設定を再現する
多くのプロ配信者が使用している設定をベースにした推奨設定です。
基本構成
【フィルター順序】
1. ノイズ抑制: RNNoise
2. ノイズゲート
- 閉鎖閾値: -32dB
- 開放閾値: -26dB
- アタック: 10ms
- ホールド: 200ms
- リリース: 100ms
3. コンプレッサー
- 比率: 5:1
- 閾値: -18dB
- アタック: 5ms
- リリース: 80ms
- 出力ゲイン: 4dB
4. リミッター
- 閾値: -2dB
- リリース: 60ms
さらにクオリティを上げるには
-
高品質マイクを使用
- SHURE SM7B、Elgato Wave DXなど
-
オーディオインターフェースを導入
- Elgato Wave XLR、MOTU M2など
-
物理的な防音対策
- 吸音パネル、リフレクションフィルター
-
外部プラグインを活用
- VSTプラグインでより高度な処理
OBSの便利な音声機能
ホットキーの設定
音声関連のホットキーを設定すると便利です。
設定箇所:
- 設定 → ホットキー
おすすめホットキー:
- マイクをミュート: F1
- マイクをミュート解除: F2
- プッシュトゥトーク: 任意のキー
シーン別の音声設定
シーンごとに音声ソースを変えることができます。
例:
- 配信シーン: マイク + ゲーム音
- 休憩シーン: BGMのみ
- エンディング: BGM + マイク
音声モニターデバイスの設定
モニタリング用の出力先を指定できます。
設定箇所:
- 設定 → 音声 → モニタリングデバイス
ヘッドホンをモニタリングデバイスに設定すると、スピーカーには出さずヘッドホンだけで自分の声を確認できます。
よくある質問
Q. OBSのバージョンでフィルターは変わる?
A. 基本的なフィルター(ノイズ抑制、ノイズゲート、コンプレッサー、リミッター)はどのバージョンでも利用可能です。RNNoiseはOBS 26.0以降で利用可能です。
Q. 音声ビットレートはいくつに設定すべき?
A. 配信では128〜160kbps、録画では256〜320kbpsがおすすめです。
設定箇所:
- 設定 → 出力 → 音声ビットレート
Q. マイクとデスクトップ音声のバランスはどうする?
A. 一般的に、マイク音量をデスクトップ音声より5〜10dB程度大きくします。
目安:
- マイク: -6dB〜-3dB(ピーク)
- デスクトップ: -18dB〜-12dB(ピーク)
Q. フィルター設定を保存できる?
A. シーンコレクションを書き出すことで、設定全体を保存できます。
手順:
- シーンコレクション → エクスポート
- JSONファイルとして保存
Q. 配信と録画で別々の設定にできる?
A. マルチトラック録画を使えば、配信用と録画用で異なる音声設定が可能です。
まとめ
この記事では、OBSのマイク設定を基本から応用まで解説しました。
まとめ
OBSマイク設定の基本 1. マイクデバイスを正しく設定 2. サンプリングレートを統一(48kHz推奨) 3. 音声フィルターを正しい順序で設定 4. 配信スタイルに合わせて調整まとめ
推奨フィルター構成 1. ノイズ抑制(RNNoise): 環境音・ホワイトノイズを除去 2. ノイズゲート: 話していない時のノイズをカット 3. コンプレッサー: 音量差を縮めて聞きやすく 4. リミッター: 音割れを防止音声設定は一度で完璧にならなくても大丈夫です。配信しながら少しずつ調整し、自分に最適な設定を見つけていきましょう。
クリアな音声は視聴者体験を大きく向上させます。この記事を参考に、プロ級の音質を目指してください。
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