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【完全版】配信のマイクノイズ対策ガイド|環境音・サーノイズを消す方法を徹底解説
「配信を聞き返したら、サーというノイズがずっと入っていた...」
「視聴者から『キーボード音がうるさい』と言われた」
「エアコンの音が配信に入ってしまう」
配信者にとって、マイクノイズは永遠の敵です。
どんなに面白い配信でも、ノイズが気になると視聴者は離れてしまいます。研究によると、視聴者は映像の乱れより音声の乱れに3倍敏感に反応するとされています。
この記事では、配信で発生するあらゆるノイズの原因と対策を徹底解説します。
ハードウェア対策からソフトウェア設定、物理的な防音対策まで、2万文字以上で網羅的に解説するので、この記事を読めばノイズ問題を完全に解決できます。
配信で発生する6種類のノイズ
まず、配信で発生するノイズの種類を理解しましょう。ノイズの種類によって対策が異なります。
1. ホワイトノイズ(サーッという音)
特徴: 常に「サーッ」「シャーッ」という音が入る
主な原因:
- マイクやオーディオインターフェースのゲインを上げすぎ
- 安価なマイクやケーブルの品質問題
- USB規格の不一致
- 電源ノイズ
- マイクプリアンプの熱ノイズ
2. 環境音(エアコン、ファン、外の音など)
特徴: 配信環境の周囲の音がマイクに入る
主な原因:
- エアコンや空気清浄機の動作音
- PCの冷却ファンの音
- 冷蔵庫のコンプレッサー音
- 外の車や電車の音
- 家族の生活音
3. 操作音(キーボード、マウスなど)
特徴: ゲーム中のキーボードやマウスの音が入る
主な原因:
- メカニカルキーボードの打鍵音
- マウスのクリック音
- コントローラーのボタン音
- デスクへの振動
4. ポップノイズ(破裂音)
特徴: 「パ」「バ」「ブ」などの音で「ボフッ」という低音が入る
主な原因:
- 破裂音(パ行、バ行など)で息がマイクに直撃
- マイクとの距離が近すぎる
- ポップガードを使用していない
5. 反響音・部屋鳴り
特徴: 声がエコーがかかったように聞こえる、こもった音になる
主な原因:
- 部屋の壁や天井での音の反射
- 硬い床(フローリングなど)
- 家具が少なく音が反響しやすい環境
- マイクが部屋の反響を拾っている
6. 電気的ノイズ(ハムノイズ、バズノイズ)
特徴: 「ブーン」「ジー」という低周波の音が入る
主な原因:
- 電源のアース問題
- ケーブルの接触不良
- 近くの電子機器からの電磁干渉
- USBポートの問題
- 安価な電源アダプター
ノイズ対策の基本原則:S/N比を理解する
ノイズ対策で最も重要な概念がS/N比(Signal to Noise Ratio)です。
S/N比とは、目的の音(Signal:声)とノイズ(Noise)の比率のことです。
S/N比 = 目的の音の音量 ÷ ノイズの音量
S/N比が高いほど、クリアな音声になります。
S/N比を高める2つのアプローチ
アプローチ1:目的の音を大きくする(Signalを上げる)
- マイクを口元に近づける
- 正しい指向性のマイクを使う
- 声をしっかり出す
アプローチ2:ノイズを小さくする(Noiseを下げる)
- 環境音の発生源を減らす
- ノイズを拾いにくいマイクを使う
- ソフトウェアでノイズを除去する
最も効果的なのは「マイクを口元に近づける」ことです。
マイク距離を半分にすると、声の音量は約6dB上がります。一方、環境音はほとんど変わらないため、相対的にS/N比が大幅に改善します。
ハードウェアによるノイズ対策
マイク選びでノイズを減らす
マイクの種類によって、ノイズの拾いやすさが大きく異なります。
ダイナミックマイク vs コンデンサーマイク
| 項目 | ダイナミックマイク | コンデンサーマイク |
|---|---|---|
| 環境音 | 拾いにくい | 拾いやすい |
| 感度 | 低い | 高い |
| 推奨環境 | 一般的な自宅 | 防音環境 |
| 代表製品 | SM7B、K688 | AT2020、NT1 |
環境音対策には断然ダイナミックマイクがおすすめです。
ダイナミックマイクは構造上、小さな音に反応しにくく、強い音(口元からの声)にのみ反応します。そのため、エアコンやPCファンの音を拾いにくいのです。
指向性パターンの選び方
| 指向性 | 環境音の拾いやすさ | おすすめ環境 |
|---|---|---|
| 無指向性(全指向性) | 拾いやすい | 複数人収録 |
| 単一指向性(カーディオイド) | 普通 | 一般的な配信 |
| 超単一指向性(スーパーカーディオイド) | 拾いにくい | ノイズの多い環境 |
| 双指向性 | やや拾いやすい | 対面インタビュー |
配信には単一指向性(カーディオイド)または超単一指向性がおすすめです。
正面からの音を最も感度よく拾い、側面や背面からの音(環境音)を抑制します。
マイクの正しいセッティング
どんなに良いマイクでも、セッティングが間違っていると効果を発揮できません。
最適なマイク距離
| マイクタイプ | 推奨距離 | 備考 |
|---|---|---|
| ダイナミック | 5〜15cm | 拳1個分が目安 |
| コンデンサー | 15〜30cm | やや離しても可 |
近づけすぎると:
- 近接効果で低音が過度に強調される
- ポップノイズが発生しやすい
- 声がこもって聞こえる
離れすぎると:
- 環境音の割合が増える
- 声が遠く聞こえる
- ゲインを上げる必要がありノイズ増加
マイクの角度
口の正面にマイクを向けると、破裂音(パ・バ行)で息が直撃しポップノイズが発生します。
推奨:斜め15〜45度の角度
口元の斜め下または斜め横からマイクを向けることで、ポップノイズを軽減しつつ十分な音量を確保できます。
オーディオインターフェースの選び方と設定
ゲイン設定の重要性
ゲインは「マイク入力の増幅率」です。
ゲインを上げすぎると:
- ホワイトノイズが増幅される
- 音割れしやすくなる
- S/N比が悪化する
ゲインが低すぎると:
- 音量が小さすぎる
- 後からソフトウェアで増幅するとノイズも増える
適切なゲイン設定の目安:
- マイクを口元の適切な位置にセット
- 通常の声量で話しながらゲインを調整
- OBSの音声メーターで-12dB〜-6dB程度を目指す
- 大声を出しても0dBを超えないことを確認
USB規格の不一致問題
意外と見落とされがちなのが、USB規格の不一致によるノイズです。
USB 2.0仕様のオーディオインターフェースをUSB 3.0ポートに接続すると、データ転送速度の不一致からノイズが発生することがあります。
対策:
- USB 2.0の機器はUSB 2.0ポートに接続する
- マザーボード直結のポートを使う(フロントパネルより安定)
- USB 2.0ハブを経由して接続する
電源ノイズ対策
PCと同じ電源タップから電源を取ると、電気的ノイズの原因になることがあります。
対策:
- オーディオ機器専用の電源タップを使う
- フェライトコアを取り付ける
- アース付きの電源を使用する
ケーブルの品質
安価なケーブルはシールドが不十分で、外部からの電磁干渉を受けやすくなります。
XLRケーブルのおすすめ:
| メーカー | 製品名 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| CANARE | EC03B | ¥2,000〜 | 国産、業務用定番 |
| MOGAMI | 2534 | ¥3,000〜 | 高品質、ノイズに強い |
| audio-technica | ATL458A | ¥1,500〜 | コスパ良好 |
USBケーブルのおすすめ:
- フェライトコア付きのケーブル
- シールド付きケーブル
- 長さは1〜2m程度(長すぎるとノイズの原因に)
ソフトウェアによるノイズ対策
ハードウェア対策で取り切れないノイズは、ソフトウェアで除去します。
OBS Studioのノイズ除去フィルター
OBS Studioには標準でノイズ除去フィルターが搭載されています。
フィルターの設定方法
- OBSのソース一覧でマイクを右クリック
- 「フィルタ」を選択
- 「+」ボタンでフィルターを追加
推奨フィルター構成と順序
フィルターは上から順に処理されるため、順序が重要です。
推奨順序:
1. ノイズ抑制
2. ゲイン(必要な場合のみ)
3. ノイズゲート
4. コンプレッサー
5. リミッター
1. ノイズ抑制(Noise Suppression)
常時ノイズを除去するフィルターです。
設定オプション:
| 方式 | 特徴 | CPU負荷 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| RNNoise | AIベース、高品質 | 低い | 推奨 |
| Speex | 従来型、やや劣化 | 低い | 代替 |
| NVIDIA Broadcast | NVIDIA GPU使用 | GPU使用 | RTX持ちにおすすめ |
RNNoiseがおすすめです。
RNNoiseは機械学習ベースのノイズ除去で、声の品質をほとんど落とさずにホワイトノイズや環境音を除去できます。
RNNoiseの設定:
方式: RNNoise
抑制レベル: 特に設定項目なし(自動)
Speexの設定:
方式: Speex
抑制レベル: -10dB〜-30dB
(声がこもる場合は抑制レベルを下げる)
2. ゲイン(Gain)
マイク入力が小さい場合に使用します。
ゲイン: 0dB〜10dB程度
注意: ゲインを上げるとノイズも増幅されるため、ノイズ抑制の後に配置します。ノイズ抑制で除去してからゲインを上げることで、クリーンな増幅が可能です。
ただし、できればオーディオインターフェース側でゲインを調整し、OBS側のゲインは使わないのが理想です。
3. ノイズゲート(Noise Gate)
一定音量以下の音をカットするフィルターです。話していない時のノイズを消すのに有効です。
設定項目の解説:
| 項目 | 説明 | 推奨値 |
|---|---|---|
| 閉鎖閾値 | この音量以下でマイクがカット | -35dB〜-25dB |
| 開放閾値 | この音量以上でマイクが開く | -30dB〜-20dB |
| アタック | 開くまでの時間 | 10ms〜25ms |
| ホールド | 開いた状態を維持する時間 | 100ms〜200ms |
| リリース | 閉じるまでの時間 | 100ms〜150ms |
設定のコツ:
-
まず「閉鎖閾値」を調整
- 無音時にマイクがカットされる最小値を探す
- 低すぎると環境音が入り、高すぎると声が切れる
-
「開放閾値」は閉鎖閾値より5dB程度高く設定
- 開放閾値 > 閉鎖閾値 の関係を維持
-
アタック、ホールド、リリースは推奨値で開始
- 声の出だしが切れる場合はアタックを短く
- 語尾が切れる場合はホールドを長く
4. コンプレッサー(Compressor)
音量の大小差を縮めて、聞きやすくするフィルターです。
設定項目の解説:
| 項目 | 説明 | 推奨値 |
|---|---|---|
| 比率 | 圧縮の強さ | 4:1〜6:1 |
| 閾値 | 圧縮が始まる音量 | -20dB〜-10dB |
| アタック | 圧縮が始まるまでの時間 | 3ms〜6ms |
| リリース | 圧縮が解除されるまでの時間 | 60ms〜100ms |
| 出力ゲイン | 圧縮後の音量調整 | 必要に応じて |
コンプレッサーの効果:
- 小さな声と大きな声の差が縮まる
- 常に安定した音量で配信できる
- 突然の大声で視聴者の耳を痛めない
5. リミッター(Limiter)
音割れを防ぐ最終防衛ラインです。
閾値: -3dB〜-1dB
リリース: 60ms
リミッターは閾値を超えた音を強制的にカットします。設定は-3dB〜-1dB程度で、音割れを確実に防ぎます。
専用ノイズ除去ソフトウェア
OBS標準のフィルター以外にも、より強力なノイズ除去ソフトウェアがあります。
NVIDIA Broadcast
NVIDIAのGPUを使用したリアルタイムノイズ除去ソフトウェアです。
特徴:
- GPUで処理するためCPU負荷が低い
- 非常に強力なノイズ除去
- 背景のぼかしやアイコンタクト機能も搭載
- 無料で使用可能
必要条件:
- NVIDIA GeForce RTX シリーズ(RTX 20以降)
- Windows 10/11
設定方法:
- NVIDIA Broadcastをインストール
- マイク設定でノイズ除去を有効化
- OBSでマイク入力を「NVIDIA Broadcast」に変更
RTX Voice(旧版)
NVIDIA Broadcastの前身で、GeForce GTX 600シリーズ以降で使用可能です。
Krisp
AIベースのノイズキャンセリングソフトウェアです。
特徴:
- Windows/Mac対応
- 非常に高精度なノイズ除去
- Discord、Zoom、OBSなど様々なアプリで使用可能
料金:
- 無料プラン:週120分まで
- 有料プラン:月額$8〜
SteelSeries Sonar
SteelSeries製のオーディオ管理ソフトウェアです。
特徴:
- ゲーミングに最適化
- マイクのノイズ除去機能搭載
- イコライザーやコンプレッサーも搭載
- 無料で使用可能(SteelSeries製品不要)
物理的なノイズ対策
ソフトウェアに頼る前に、できる限り物理的にノイズを減らすことが重要です。
ポップガード(ポップフィルター)
ポップノイズ(破裂音)を防ぐフィルターです。
種類と特徴:
| タイプ | 素材 | 特徴 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| ファブリック | ナイロン布 | 安価、交換可能 | ¥500〜2,000 |
| メタル | ステンレスメッシュ | 耐久性高、音質への影響少 | ¥2,000〜5,000 |
| フォーム | スポンジ | マイク直付け、手軽 | ¥500〜1,500 |
おすすめ製品:
設置のコツ:
- マイクから5〜10cm離して設置
- 近すぎると効果が薄れる
- 遠すぎると邪魔にならないが効果も下がる
ショックマウント
デスクの振動がマイクに伝わるのを防ぐサスペンションです。
振動ノイズの原因:
- キーボードのタイピング
- マウスの操作
- デスクを叩く
- 床の振動
多くの配信向けマイク(AT2040、PodMicなど)はショックマウント内蔵ですが、SM58やSM7Bなどには別途必要です。
リフレクションフィルター
マイク周辺の反響を抑える半円形の吸音パネルです。
効果:
- 部屋の反響音を軽減
- ボーカルの明瞭度向上
- 簡易的な防音効果
おすすめ製品:
| 製品 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| sE Electronics Reflexion Filter Pro | ¥27,500 | 業界標準、高品質 |
| CLASSIC PRO CAR900 | ¥5,980 | コスパ最強 |
| Marantz Pro Sound Shield | ¥6,600 | 軽量、取り付け簡単 |
吸音パネル
部屋の壁に取り付けて、反響を抑えるパネルです。
種類:
| タイプ | 特徴 | 効果 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| ウレタンフォーム | 軽量、安価 | 高音域の吸音 | ¥1,000〜5,000 |
| グラスウール | 高性能、重い | 全帯域の吸音 | ¥5,000〜20,000 |
| 吸音カーテン | 設置簡単 | 中程度の吸音 | ¥3,000〜10,000 |
設置のコツ:
- マイクの正面と背後に優先的に設置
- 角は特に反響しやすいので対策を
- 全面を覆う必要はなく、ポイントを押さえる
デスク周りの対策
静音キーボード
メカニカルキーボードの打鍵音は配信の大敵です。
対策:
- 静音軸(ピンク軸、静音赤軸など)のキーボードを使用
- 静音化リング(O-Ring)を装着
- メンブレンキーボードに変更
- キーボードとマイクの距離を離す
静音キーボードのおすすめ:
| 製品 | 軸 | 特徴 |
|---|---|---|
| REALFORCE R3 | 静電容量無接点 | 最高の静音性 |
| Logicool G515 | 静音スイッチ | ロープロファイル |
| 東プレ REALFORCE | 静電容量無接点 | 業務用定番 |
静音マウス
クリック音が気になる場合は、静音マウスに変更しましょう。
おすすめ:
- Logicool G PRO X SUPERLIGHT 2(ゲーミング)
- Logicool M650(一般用)
デスクマット
デスク全体を覆うマットは、打鍵音やマウス操作音の軽減に効果があります。
Windows/Macのシステム設定でノイズを減らす
OBSだけでなく、OS側の設定も重要です。
Windowsの設定
サウンド設定の最適化
- 設定 → システム → サウンド → マイクのプロパティ
- 以下を確認・調整:
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 音量(レベル) | 80〜100% |
| マイクブースト | 0〜+10dB(できれば0dB) |
| AGC(自動ゲイン調整) | オフ |
| ノイズ抑制 | オフ(OBSで行うため) |
| エコーキャンセル | オフ(OBSで行うため) |
マイクブーストについて:
マイクブーストは音量を増幅しますが、同時にノイズも増幅されます。できるだけ使わず、オーディオインターフェースのゲインで調整しましょう。
排他モードの設定
- サウンド設定 → マイクのプロパティ → 詳細
- 「排他モード」の設定を確認
排他モードとは: 特定のアプリケーションがマイクを独占使用できるモードです。
- 有効の場合: OBSなどが高品質で音声を取得可能
- 無効の場合: 複数アプリで同時使用可能だが品質が下がる可能性
配信専用PCなら排他モード有効がおすすめです。
サンプリングレートの統一
マイク、オーディオインターフェース、Windows設定、OBS設定のサンプリングレートを統一します。
推奨設定:
- サンプリングレート: 48kHz
- ビット深度: 24bit
不一致があると、リサンプリング処理でノイズや遅延の原因になります。
Macの設定
Audio MIDI設定
- アプリケーション → ユーティリティ → Audio MIDI設定
- 使用するマイク/オーディオインターフェースを選択
- フォーマットを確認
推奨設定:
- フォーマット: 48kHz / 24bit
システム環境設定
- システム環境設定 → サウンド → 入力
- 入力レベルを調整
Macの場合、入力レベルはシンプルなスライダーのみです。詳細な設定はオーディオインターフェースのソフトウェアで行います。
配信プラットフォーム別の音声設定
Twitch
Twitchは音声ビットレートの推奨値を公開しています。
推奨設定:
- 音声ビットレート: 160kbps
- 音声コーデック: AAC
- サンプリングレート: 48kHz
ビットレートが低すぎると、音質が劣化してノイズのように聞こえることがあります。
YouTube Live
推奨設定:
- 音声ビットレート: 128kbps以上(256kbps推奨)
- 音声コーデック: AAC
- サンプリングレート: 44.1kHzまたは48kHz
YouTubeは高ビットレートに対応しているので、256kbpsを推奨します。
Discord配信
Discordのゴーライブ機能を使う場合:
推奨設定:
- 音声処理: オフ(OBSのフィルターを使うため)
- ノイズ抑制: オフまたはKrisp
- エコー除去: オフ
- 自動感度調整: オフ
Discord自体のノイズ処理とOBSのフィルターが競合すると、音質が劣化する可能性があります。どちらか一方に統一しましょう。
配信スタイル別のノイズ対策
ゲーム実況・配信
ゲーム配信では、キーボードやマウスの音が最大の敵です。
推奨構成:
- マイク: ダイナミックマイク(FIFINE K688、AT2040など)
- 指向性: スーパーカーディオイド
- マイク位置: 口元5〜10cm
- キーボード: 静音軸メカニカルまたはメンブレン
OBS設定のポイント:
- ノイズゲートを積極的に使用
- ゲームとマイクを別トラックで録画
- 後から編集でノイズ除去も可能に
雑談配信
雑談配信では、自然な音声とクリアさのバランスが重要です。
推奨構成:
- マイク: コンデンサーまたはダイナミック
- 環境: できるだけ静かな部屋
- リフレクションフィルター: 反響を抑える
OBS設定のポイント:
- ノイズ抑制は控えめに
- コンプレッサーで音量を安定させる
- 自然な音声を維持
歌配信・ASMR
高音質が求められる歌配信やASMRには、特別な配慮が必要です。
推奨構成:
- マイク: 高品質コンデンサーマイク
- 環境: 吸音処理された部屋
- ポップガード: 必須
- ショックマウント: 必須
OBS設定のポイント:
- ノイズ抑制は最小限(声質への影響を避ける)
- ノイズゲートも控えめに(ブレスや余韻を活かす)
- 環境ノイズは物理的に対策する
Webカメラ配信
Webカメラの内蔵マイクを使う場合は、ノイズ対策が難しくなります。
対策:
- 可能であれば外部マイクを使用
- OBSのノイズ抑制(RNNoise)を最大限活用
- NVIDIA Broadcastを併用
Webカメラのマイクは全指向性が多く、環境音を拾いやすいです。できれば専用マイクを導入しましょう。
予算別・おすすめノイズ対策セットアップ
予算5,000円以下:最小構成
構成:
- マイク: 既存のUSBマイクまたはヘッドセット
- ソフトウェア: OBS RNNoise(無料)
ポイント:
- マイクを口元に近づける(これだけで大きく改善)
- OBSのノイズ抑制を有効化
- ノイズゲートで無音時をクリーンに
予算1〜2万円:コスパ重視
構成:
- マイク: FIFINE K688(約¥10,000)
- ポップガード: フォームタイプ(約¥500)
- マイクアーム: Amazonベーシック(約¥3,500)
ポイント:
- USB/XLR両対応で将来性あり
- ダイナミックマイクで環境音対策
- マイクアームで最適な位置に設置
予算3〜5万円:本格構成
構成:
- マイク: Elgato Wave DXまたはAT2040(約¥15,000)
- オーディオIF: Focusrite Scarlett Solo(約¥15,000)
- マイクアーム: RODE PSA1+(約¥16,500)
- XLRケーブル: CANARE(約¥2,000)
ポイント:
- XLR接続で高音質
- 高品質プリアンプでノイズ低減
- しっかりしたマイクアームで振動対策
予算5〜10万円:プロ級構成
構成:
- マイク: SHURE SM7B(約¥60,000)
- オーディオIF: Elgato Wave XLR(約¥22,000)
- マイクアーム: Elgato Wave Mic Arm LP(約¥15,000)
- ポップガード: STEDMAN Proscreen XL(約¥5,000)
- 吸音パネル: 各種(約¥10,000)
ポイント:
- 業界標準マイクで最高の音質
- 高ゲインインターフェースでSM7Bを最大限活用
- 物理的な防音対策も万全
ノイズの種類別・具体的な対策まとめ
ホワイトノイズ(サーッという音)対策
| ゲイン設定の確認 | 上げすぎていないか確認 |
|---|---|
| USB接続の確認 | USB2.0機器はUSB2.0ポートへ |
| ケーブル交換 | シールド付きの高品質ケーブルに |
| 電源の分離 | オーディオ機器専用の電源タップ |
| OBS設定 | RNNoiseでノイズ抑制 |
エアコン・ファン音対策
| マイク変更 | ダイナミックマイクを使用 |
|---|---|
| マイク距離 | 口元5〜10cmに近づける |
| ゲイン調整 | 適切なレベルまで下げる |
| 指向性確認 | カーディオイドで背面の音を抑制 |
| OBS設定 | ノイズゲートで無音時をカット |
| 物理対策 | エアコンの風向きを変更 |
キーボード・マウス音対策
| マイク変更 | ダイナミックマイク+スーパーカーディオイド |
|---|---|
| マイク距離 | できるだけ口元に近づける |
| キーボード交換 | 静音軸または静音化リング |
| マウス交換 | 静音マウスに変更 |
| デスクマット | 振動を吸収 |
| 配置変更 | キーボードをマイクから離す |
ポップノイズ対策
| ポップガード | メタル製がおすすめ |
|---|---|
| マイク角度 | 斜め15〜45度に設置 |
| マイク距離 | 近すぎないように(10cm程度) |
| フォームカバー | マイクに直接装着 |
反響音・部屋鳴り対策
| マイク変更 | ダイナミックマイクを使用 |
|---|---|
| リフレクションフィルター | マイク背後に設置 |
| 吸音パネル | 壁に設置 |
| カーテン | 厚手の吸音カーテンに変更 |
| カーペット | 床に敷いて反射を抑制 |
| 家具配置 | 本棚など布製品を増やす |
電気的ノイズ(ハムノイズ)対策
| 電源分離 | オーディオ機器専用の電源タップ |
|---|---|
| アース確認 | 3Pプラグの機器はアース接続 |
| ケーブル確認 | 接触不良がないか確認 |
| ケーブル交換 | バランス接続(XLR)を使用 |
| 干渉回避 | 電子機器からマイクを離す |
| フェライトコア | ケーブルに装着 |
よくあるノイズトラブルと解決法
Q. OBSでノイズ抑制を入れると声がこもる
A. 抑制が強すぎます。
対策:
- RNNoiseに変更する(Speexより自然)
- Speex使用時は抑制レベルを下げる(-10dB程度から調整)
- マイクを近づけてS/N比を上げる
Q. ノイズゲートで声の出だしが切れる
A. 閉鎖閾値が高すぎるか、アタックが長すぎます。
対策:
- 閉鎖閾値を下げる(-35dB程度)
- アタックを短くする(10ms程度)
- 声を出す前に少し間を取る習慣をつける
Q. ノイズゲートがバタつく(頻繁に開閉する)
A. 開放閾値と閉鎖閾値の差が小さすぎます。
対策:
- 開放閾値と閉鎖閾値の差を5〜10dB程度にする
- ホールドを長くする(200ms程度)
Q. 配信中だけノイズが入る(録画は大丈夫)
A. 配信ビットレートの問題かエンコーダーの問題です。
対策:
- 音声ビットレートを上げる(128kbps以上推奨)
- エンコーダーの設定を確認
Q. 特定の時間帯だけノイズが入る
A. 電源ノイズや電磁干渉の可能性があります。
対策:
- 近くで動作している電子機器を確認
- 電源タップを変更
- ケーブルの引き回しを変更
Q. マイクをミュートにしてもノイズが聞こえる
A. ミュートの位置が間違っている可能性があります。
対策:
- ミュートがマイク本体、オーディオIF、OBSのどこで行われているか確認
- OBSのモニタリング設定を確認
- ループバック設定を確認
ノイズ対策の失敗例と正しいアプローチ
失敗例1:ノイズ抑制を最大にしてしまう
症状: 声がこもって聞こえる、ロボットのような不自然な音になる
原因: ノイズ抑制フィルター(特にSpeex)を最大に設定すると、声の高周波成分もカットされてしまう
正しいアプローチ:
- まずハードウェア(マイク距離、ゲイン)で改善を試みる
- RNNoiseを使用する(Speexより自然)
- 抑制レベルは控えめに設定
失敗例2:ノイズゲートに頼りすぎる
症状: 声の出だしや語尾が切れる、不自然なON/OFFを繰り返す
原因: ノイズゲートは「音量で切り替え」するため、小さな声や語尾が閾値を下回るとカットされる
正しいアプローチ:
- 閾値を慎重に設定(テスト必須)
- ノイズ抑制と組み合わせて使う
- ノイズゲートは補助的に使用
失敗例3:マイクから離れすぎている
症状: 環境音が目立つ、ゲインを上げるとノイズが増える
原因: マイク距離が遠いと、声と環境音の比率(S/N比)が悪化
正しいアプローチ:
- マイクを口元5〜15cm(ダイナミック)に近づける
- マイクアームで適切な位置に固定
- ゲインを適切なレベルに設定
失敗例4:コンデンサーマイクを使い続ける
症状: どうしても環境音が入る、対策しても改善しない
原因: コンデンサーマイクは構造上、環境音を拾いやすい
正しいアプローチ:
- ダイナミックマイクへの変更を検討
- 物理的な防音対策(吸音パネルなど)
- NVIDIA Broadcastなど強力なノイズ除去ソフト
失敗例5:複数のノイズ処理を重ねすぎる
症状: 音質が劣化する、遅延が発生する
原因: Windows設定、オーディオIF、NVIDIA Broadcast、OBSなど複数でノイズ処理を行うと、処理が重複して音質が劣化
正しいアプローチ:
- ノイズ処理は1か所に集約(OBS推奨)
- 他の処理はオフにする
- シンプルな構成を心がける
環境別のノイズ対策ケーススタディ
ケース1:ワンルームマンションでの配信
環境:
- 6畳ワンルーム
- エアコンの音が気になる
- 隣室や上階の生活音
対策:
- マイク: FIFINE K688(ダイナミック、USB/XLR両対応)
- マイク距離: 口元5〜10cm
- OBS設定: RNNoise + ノイズゲート
- 物理対策: マイク背面にリフレクションフィルター
- 配信時間: 深夜帯を避ける
ケース2:家族がいるリビングでの配信
環境:
- 家族の生活音
- テレビやペットの音
- ドアの開閉音
対策:
- マイク: Audio-Technica AT2040(ハイパーカーディオイド)
- マイク距離: 口元5〜8cm(近め)
- OBS設定: RNNoise + ノイズゲート(閾値高め)
- 物理対策: 吸音パネルで囲む
- 配信告知: 家族に配信時間を伝える
ケース3:PCの冷却ファンがうるさい環境
環境:
- ハイエンドゲーミングPC
- 高負荷時にファンが回る
- デスクトップPC
対策:
- マイク: ダイナミックマイク(スーパーカーディオイド)
- 配置: マイクをPCから離す
- 指向性: PCと反対方向を向ける
- OBS設定: RNNoise + ノイズゲート
- PC対策: ファン回転数の調整、防音ケース
ケース4:外の騒音が気になる環境
環境:
- 幹線道路沿い
- 電車や飛行機の音
- 工事現場
対策:
- マイク: ダイナミックマイク(必須)
- 窓対策: 防音カーテン、二重窓
- OBS設定: NVIDIA Broadcast + OBSフィルター
- 配信時間: 騒音の少ない時間帯を選ぶ
- 物理対策: 部屋全体の防音対策
長期的なノイズ対策計画
ノイズ対策は一度に全て完璧にする必要はありません。段階的に改善していきましょう。
Phase 1:ソフトウェア対策(費用: 無料)
- OBSのノイズ抑制(RNNoise)を設定
- ノイズゲートを設定
- マイクの位置を最適化
期待効果: 50〜70%のノイズ改善
Phase 2:マイク周りの改善(費用: 1〜2万円)
- マイクアームの導入
- ポップガードの導入
- ケーブルの見直し
期待効果: さらに10〜20%の改善
Phase 3:マイクのアップグレード(費用: 1〜5万円)
- ダイナミックマイクへの変更
- オーディオインターフェースの導入
期待効果: さらに10〜20%の改善
Phase 4:物理的な防音対策(費用: 1〜10万円)
- 吸音パネルの設置
- リフレクションフィルターの導入
- 防音カーテンの設置
期待効果: さらに5〜10%の改善
Phase 5:本格的な防音(費用: 10万円〜)
- 簡易防音ブースの導入
- 部屋全体の吸音処理
- 防音工事
期待効果: 完璧に近いノイズ環境
配信前のノイズチェックリスト
配信を始める前に、以下の項目をチェックしましょう。
ハードウェア確認
- マイクが正しく接続されている
- マイクの電源が入っている(コンデンサーマイクのファンタム電源)
- ケーブルが断線していない
- オーディオインターフェースのゲインが適切
- USBが正しいポートに接続されている
環境確認
- エアコンの風がマイクに当たっていない
- PCファンがマイクの近くにない
- 窓やドアが閉まっている
- 環境音の発生源が最小限
OBS設定確認
- マイクが正しく選択されている
- ノイズ抑制フィルターが有効
- ノイズゲートが適切に設定されている
- 音声メーターが-12dB〜-6dBで推移
- モニタリングで音声を確認
テスト配信
- テスト録画で音声を確認
- ヘッドホンでモニタリング
- 視聴者視点で音声チェック
まとめ:ノイズゼロの配信を目指して
この記事では、配信で発生するあらゆるノイズの原因と対策を解説しました。
まとめ
ノイズ対策の基本 1. マイクを口元に近づける(最も効果的) 2. ダイナミックマイクを使う 3. 正しいゲイン設定をする 4. OBSのノイズ抑制(RNNoise)を使う 5. ノイズゲートで無音時をクリーンにまとめ
ノイズ種類別の対策 - ホワイトノイズ: ゲイン調整、USB接続確認、RNNoise - 環境音: ダイナミックマイク、マイク距離調整、ノイズゲート - キーボード音: 静音キーボード、マイク配置変更 - ポップノイズ: ポップガード、マイク角度調整 - 反響音: 吸音パネル、リフレクションフィルター - 電気ノイズ: 電源分離、ケーブル交換ノイズ対策は一度設定すれば終わりではなく、環境の変化に応じて調整が必要です。
定期的に自分の配信を録画して確認し、ノイズがないかチェックする習慣をつけましょう。
クリアな音声は視聴者体験を大きく向上させます。この記事を参考に、ノイズのない快適な配信環境を構築してください。
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