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「サーッ」が消えない人へ|配信マイクのホワイトノイズ、原因別の対処法まとめ【2025年版】

「サーッ」が消えない人へ|配信マイクのホワイトノイズ、原因別の対処法まとめ【2025年版】

公開日
読了目安22

「サーッ」という音が消えない。

配信を始めた人なら、一度は経験したことがあるはずです。せっかく良いマイクを買ったのに、なぜかノイズが入る。OBSでノイズ抑制をかけても完全には消えない。視聴者から「なんかノイズ気になる」とコメントされて凹む...。

実は、マイクノイズには6種類以上のタイプがあり、それぞれ原因と対処法が異なります。間違った対策をしても効果がないどころか、声まで劣化させてしまうことも。

この記事では、配信マイクで発生するノイズを種類別に完全解説し、あなたの環境に合った最適な解決策を提示します。

この記事でわかること - ノイズの種類を音で判別する方法 - 種類別の原因と対処法(ソフト・ハード両面) - OBSのノイズ対策フィルター完全設定ガイド - ノイズが出にくいマイク選びのポイント - 環境ノイズを根本から減らす部屋づくり

まずはノイズの種類を特定しよう

ノイズ対策の第一歩は、何のノイズが発生しているかを正確に把握することです。闇雲に対策しても効果は薄いどころか、逆効果になることもあります。

以下のチェックリストで、あなたのノイズタイプを特定しましょう。

ノイズタイプ診断チャート

音の特徴で判別:

音の特徴ノイズの種類主な原因
「サーッ」「シャーッ」ホワイトノイズ/ヒスノイズマイク・プリアンプの特性、ゲイン過多
「ブーン」「ジー」(低音)ハムノイズ電源ノイズ、グラウンドループ
「ジジジ」「チリチリ」デジタルノイズUSB干渉、電磁波
「カタカタ」「カチカチ」操作音キーボード、マウス、コントローラー
「ボフッ」「パッ」ポップノイズ息、破裂音
「ワンワン」「モワモワ」反響音/ルームノイズ部屋の残響、壁の反射
「ゴー」「フォー」環境音エアコン、PC冷却ファン
複数のノイズが重なっている場合も多いです。まずは一番気になるノイズから対策し、段階的に解決していきましょう。

【タイプ1】ホワイトノイズ/ヒスノイズの対処法

「サーッ」「シャーッ」という高周波のノイズは、最も多く報告されるノイズタイプです。

ホワイトノイズの原因

1. ゲイン(入力感度)の上げすぎ

これが最も多い原因です。マイクの音量が小さいからといってゲインを上げすぎると、マイク自体のノイズフロア(本来持っている最低限のノイズ)まで増幅してしまいます。

2. 安価なプリアンプ/オーディオインターフェース

プリアンプの品質が低いと、信号を増幅する際にノイズが発生します。特に1万円以下のオーディオインターフェースや、USB直結のマイク内蔵プリアンプでは顕著です。

3. マイクの特性

コンデンサーマイクは高感度な分、ノイズフロアも高くなりがちです。特に安価なコンデンサーマイクでは「サーッ」というノイズが目立つことがあります。

ホワイトノイズの対処法

対処法1:ゲインを下げてマイクを近づける

最もシンプルかつ効果的な方法です。

手順:

  1. マイクと口の距離を10〜15cmに近づける
  2. オーディオインターフェースのゲインを下げる
  3. 声がちょうど良い音量になるまで調整

理想的なゲイン設定の目安:

  • OBSの音声ミキサーで、通常の声が-12dB〜-6dB程度になるように
  • 叫んでも0dBを超えないように
ゲイン設定の目安
マイク距離10〜15cm
通常の声-12dB〜-6dB
叫び声-6dB〜0dB(超えない)
ノイズフロア-50dB以下が理想

対処法2:OBSのノイズ抑制フィルターを使う

OBS Studioには強力なノイズ抑制機能が搭載されています。

設定手順:

  1. OBSの「音声ミキサー」でマイクの歯車アイコンをクリック
  2. 「フィルター」を選択
  3. 「+」ボタンから「ノイズ抑制」を追加

方式の選び方:

方式特徴おすすめ
RNNoiseAIベースで強力、CPU負荷中程度PCスペックに余裕がある人
Speex軽量、調整可能低スペックPC、細かく調整したい人
NVIDIA Noise RemovalRTXグラボ専用、最強RTXグラボ搭載PC

RNNoiseの注意点: RNNoiseは強力ですが、声まで不自然に削ってしまうことがあります。違和感がある場合はSpeexに切り替えましょう。

Speexのおすすめ設定:

  • 抑制レベル:-10dB〜-15dB(軽めから始める)
  • 声に影響が出たら数値を小さくする

対処法3:ノイズゲートを併用する

ノイズゲートは、一定以下の音量をカットする機能です。話していないときのノイズを消すのに効果的です。

OBSノイズゲート設定:

  1. フィルターに「ノイズゲート」を追加
  2. 以下の値を設定:
閉鎖閾値:-35dB〜-40dB
開放閾値:-30dB〜-35dB
アタックタイム:6ms
ホールドタイム:120ms
リリースタイム:60ms

ポイント:

  • 閉鎖閾値:この音量以下になるとマイクがミュートされる
  • 開放閾値:この音量以上になるとマイクがオンになる
  • 開放閾値 > 閉鎖閾値 に設定すること
ノイズゲートは話し始めと話し終わりが不自然に切れることがあります。設定値は声を出しながら微調整してください。

対処法4:ハードウェアを見直す

ソフトウェアでの対策に限界を感じたら、ハードウェアのアップグレードを検討しましょう。

優先順位:

  1. オーディオインターフェースのアップグレード(効果大)
    • Focusrite Scarlett、Steinberg UR22Cなど定番モデルに
  2. マイクのアップグレード(効果中)
    • 低ノイズなモデル(RODE NT1など)に変更
  3. プリアンプの追加(効果中〜大)
    • Cloudlifter、FetheadなどをSM7Bなどに使用

【タイプ2】ハムノイズ(ブーン・ジー)の対処法

「ブーン」「ジー」という低い音が常に鳴っている場合、電源由来のハムノイズである可能性が高いです。

ハムノイズの原因

1. グラウンドループ

複数の機器が異なるコンセントから電源を取っている場合、機器間に電位差が生じ、ハムノイズが発生します。

2. 電源ケーブルとの干渉

XLRケーブルやUSBケーブルが電源ケーブルと並走していると、電磁誘導でノイズが乗ります。

3. 照明器具からの干渉

調光機能付きの照明や蛍光灯は、電磁波を発生させてマイクに影響することがあります。

ハムノイズの対処法

対処法1:電源を統一する

PC、オーディオインターフェース、モニターなどを同じ電源タップから取るようにしましょう。

手順:

  1. 品質の良い電源タップを用意(サージ保護付き推奨)
  2. オーディオ関連機器をすべて同じタップに接続
  3. 可能であれば、壁コンセントに直接挿す

対処法2:ケーブルの配線を見直す

守るべきルール:

  • 電源ケーブルとXLR/USBケーブルを垂直に交差させる
  • 並走させる場合は最低15cm以上離す
  • 可能であればシールドケーブルを使用

対処法3:USBハブを避ける

オーディオインターフェースはPCに直接接続してください。USBハブを経由すると、他のデバイスからのノイズが混入する可能性があります。

USB規格も確認:

  • USB2.0のオーディオインターフェースはUSB2.0ポートに接続
  • USB3.0ポートに接続するとノイズが発生することがある

対処法4:照明を見直す

ノイズが出やすい照明:

  • 調光機能付きLED
  • 蛍光灯(特に古いもの)
  • 安価なLED電球

対策:

  • 配信時は調光を100%にする
  • 蛍光灯をLEDシーリングライトに変更
  • マイクから照明を離す

対処法5:グラウンドリフターを使う

どうしてもハムノイズが消えない場合、グラウンドリフターという機器を使うことで解決できる場合があります。

  • 感電のリスクが増す可能性がある
  • 根本的な解決ではない
  • 最終手段として検討する

【タイプ3】デジタルノイズ(ジジジ・チリチリ)の対処法

「ジジジ」「チリチリ」という不規則な高周波ノイズは、デジタル機器からの電磁干渉が原因です。

デジタルノイズの原因

1. USB干渉

PC内部のUSBコントローラーや他のUSBデバイスからの干渉。

2. 電磁波干渉

スマートフォン、Wi-Fiルーター、Bluetooth機器などからの電磁波。

3. PC内部のノイズ

グラフィックボード、電源ユニット、マザーボードからのノイズ。

デジタルノイズの対処法

対処法1:スマホを離す

マイク周辺にスマートフォンを置いていませんか?スマホは常に通信を行っており、強い電磁波を発しています。

対策:

  • スマホはマイクから1m以上離す
  • 配信中は機内モードにする

対処法2:USBポートを変更する

PCのUSBポートによってノイズの出やすさが異なります。

試す順序:

  1. PC背面のUSBポート(マザーボード直結)
  2. 別のUSBコントローラーに接続されているポート
  3. 電源付きUSBハブ(やむを得ない場合)

対処法3:フェライトコアを使う

USBケーブルにフェライトコアを取り付けると、高周波ノイズを軽減できます。

取り付け位置:

  • オーディオインターフェース側に近い位置
  • ケーブルの両端に付けるとより効果的

対処法4:Wi-Fiルーターを離す

Wi-Fiルーターもマイクに影響を与えることがあります。

対策:

  • ルーターをマイクから2m以上離す
  • 有線LANを使用する

【タイプ4】操作音(キーボード・マウス)の対処法

ゲーム配信で最も厄介なのが、キーボードやマウスの操作音です。

操作音の原因

  • メカニカルキーボードの打鍵音
  • マウスのクリック音
  • コントローラーのボタン音
  • デスクに伝わる振動

操作音の対処法

対処法1:マイクの種類を見直す

コンデンサーマイク vs ダイナミックマイク

コンデンサーマイクは高感度な分、周囲の音を拾いやすいです。操作音が気になる場合は、ダイナミックマイクへの変更を検討しましょう。

おすすめダイナミックマイク:

  • SHURE SM58(定番、約12,000円)
  • SHURE SM7B(配信者定番、約55,000円)
  • Audio-Technica AT2040(低価格で高品質、約15,000円)

対処法2:マイクの配置を工夫する

マイクの指向性を活かして、キーボードの音を拾いにくくしましょう。

単一指向性マイクの場合:

  • マイクの背面(リジェクション部分)をキーボードに向ける
  • マイクを口に近づけ、声とノイズの音量差を作る

具体的な配置:

    [マイク] ← 正面(声を拾う)
       |
    [口]
       |
    [キーボード] ← マイクの背面

対処法3:ノイズゲートを活用する

話していないときの操作音はノイズゲートで消せます。

設定のコツ:

  • 閉鎖閾値を操作音より少し上に設定
  • 話し始めが切れないよう開放閾値は低めに

対処法4:物理的な対策

キーボード対策:

  • 静音スイッチのキーボードに変更(赤軸、静音赤軸など)
  • デスクマットを敷いて振動を吸収
  • キーボードの下に吸音材を置く

マウス対策:

  • 静音マウスに変更
  • マウスパッドを厚手のものに

対処法5:NVIDIA Broadcastを使う

RTXグラフィックボードを搭載しているなら、NVIDIA Broadcastの「ノイズ除去」機能が最強です。

設定手順:

  1. NVIDIA Broadcastをインストール
  2. マイクの「ノイズ除去」をON(強度は「強」でOK)
  3. OBSの入力デバイスを「NVIDIA Broadcast」に設定

注意点:

  • GPUリソースを消費する
  • ゲーム中に使用する場合はフレームレートに影響することも

【タイプ5】ポップノイズ(ボフッ・パッ)の対処法

「ボフッ」「パフッ」という破裂音は、発音時の息がマイクに当たることで発生します。

ポップノイズの原因

日本語では「パ」「ピ」「プ」「ペ」「ポ」「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」などの破裂音を発音する際に、強い息が出ます。この息がマイクのダイアフラム(振動板)に当たると、不快な低音が発生します。

ポップノイズの対処法

対処法1:ポップガードを使う

最もシンプルで効果的な対策です。

ポップガードの種類:

種類特徴おすすめ
布製安価、効果は中程度コスパ重視
金属製効果高い、清掃しやすい長期使用
スポンジ(ウインドスクリーン)マイクに直接装着、手軽省スペース

取り付け位置:

  • マイクから5〜10cm離す
  • 口とマイクの間に配置

対処法2:マイクの角度を変える

マイクを口の真正面ではなく、少し斜めに配置することで、息が直接当たるのを防げます。

配置例:

  • 口の正面から15〜30度ずらす
  • または口より少し上/下に配置

対処法3:OBSでローカットフィルターを使う

ポップノイズは低周波成分が多いため、EQでローカットすると軽減できます。

OBS設定:

  1. フィルターに「VST 2.x プラグイン」を追加
  2. ReaEQ(無料)などのEQプラグインを使用
  3. 80Hz以下をカット(ハイパスフィルター)

【タイプ6】反響音・ルームノイズの対処法

「ワンワン」「モワモワ」という反響は、部屋の壁や床からの音の反射が原因です。

反響音の原因

  • 壁が硬い(コンクリート、石膏ボード)
  • 床がフローリング
  • 家具が少ない
  • 天井が高い

反響音の対処法

対処法1:吸音材を設置する

最も効果的な方法は、部屋に吸音材を設置することです。

設置優先順位:

  1. マイクの背後(最重要)
  2. マイクの正面(口の方向)
  3. 左右の壁
  4. 天井

おすすめ吸音材:

対処法2:リフレクションフィルターを使う

マイク周辺だけを防音したい場合、リフレクションフィルターが便利です。

メリット:

  • 部屋全体の工事不要
  • 持ち運び可能
  • 比較的安価

設置方法:

  • マイクの背後に配置
  • マイクを囲むように設置

対処法3:身近なもので代用

予算がない場合、身近なもので対策できます。

効果があるもの:

  • 毛布やタオルを壁にかける
  • 本棚を壁に置く
  • カーテンを厚手のものに変更
  • ラグやカーペットを敷く

意外と効果があるもの:

  • クローゼットの中で収録する(服が吸音材代わり)
  • 布団をかぶって収録する(緊急時)

対処法4:OBSでリバーブ除去(上級者向け)

VSTプラグインを使用して、録音後にリバーブを軽減することも可能です。ただし、完全には除去できず、声質も変化するため、あくまで補助的な対策です。

【タイプ7】環境音(エアコン・PCファン)の対処法

エアコンやPCの冷却ファンなど、常に鳴っている環境音も配信の敵です。

環境音の原因

  • エアコンの送風音
  • PCの冷却ファン
  • 空気清浄機
  • 冷蔵庫
  • 外の交通音

環境音の対処法

対処法1:音源を止める or 遠ざける

当たり前ですが、最も効果的な方法です。

エアコン対策:

  • 配信前に部屋を冷やし/暖め、配信中はOFF
  • 風量を「弱」に設定
  • マイクをエアコンから遠ざける

PCファン対策:

  • PCを机の下に設置
  • 静音ファンに交換
  • ファンカーブを調整(音より性能を優先しない設定に)

対処法2:マイクの指向性を活かす

ダイナミックマイクや単一指向性のコンデンサーマイクは、背面からの音を拾いにくい特性があります。

配置の工夫:

  • マイクの背面を環境音の発生源に向ける
  • マイクと口の距離を近くする

対処法3:ノイズ抑制フィルターを使う

環境音はある程度一定なので、ノイズ抑制フィルターが効果的です。

おすすめ設定:

  • RNNoiseをまず試す
  • 声が不自然になる場合はSpeexに変更
  • Speexの抑制レベルは-10dB程度から

対処法4:NVIDIA Broadcastを使う

RTXグラフィックボード搭載PCであれば、NVIDIA Broadcastの「ノイズ除去」がエアコン音などの環境音に対して最も効果的です。

OBS音声フィルターの正しい順序と設定

複数のフィルターを使用する場合、順序が非常に重要です。

推奨フィルター順序

1. ノイズ抑制(最初に不要なノイズを消す)
2. ノイズゲート(話していないときのノイズをカット)
3. コンプレッサー(音量を均一化)
4. リミッター(音割れ防止)
5. ゲイン(最終的な音量調整)

各フィルターの推奨設定

ノイズ抑制

Speex使用時:

抑制レベル:-10dB

RNNoise使用時:

(設定項目なし、ONにするだけ)

ノイズゲート

閉鎖閾値:-35dB
開放閾値:-30dB
アタックタイム:6ms
ホールドタイム:120ms
リリースタイム:60ms

コンプレッサー

比率:4:1
閾値:-18dB
アタック:3ms
リリース:100ms
出力ゲイン:3dB
サイドチェインソース:なし

リミッター

閾値:-3dB
リリース:60ms
上記の設定値はあくまで目安です。自分の声質やマイク特性に合わせて微調整してください。必ず録音してチェックしましょう。

ノイズが出にくいマイク選びのポイント

根本的なノイズ対策として、ノイズが出にくいマイクを選ぶことも重要です。

ダイナミックマイクがおすすめな人

  • 部屋の防音が不十分
  • エアコンを止められない
  • キーボードの打鍵音が大きい
  • 家族や同居人がいる

おすすめダイナミックマイク:

製品名価格帯特徴
SHURE SM58約12,000円業界標準、耐久性抜群
SHURE SM7B約55,000円配信者御用達、低ノイズ
Audio-Technica AT2040約15,000円ハイパーカーディオイド
Rode PodMic約13,000円ポッドキャスト向け

コンデンサーマイクがおすすめな人

  • 防音室がある
  • 静かな環境で収録できる
  • 繊細な音質を求める
  • 歌配信をする

低ノイズなコンデンサーマイク:

製品名価格帯セルフノイズ
RODE NT1 5th Gen約35,000円4dBA(超低ノイズ)
RODE NT1-A約25,000円5dBA(低ノイズ)
Audio-Technica AT4040約35,000円12dBA
AKG C214約35,000円13dBA
「セルフノイズ」はマイク自体が発するノイズの量を示す指標です。数値が低いほど静か。一般的に15dBA以下であれば配信向けとして十分です。

配信プラットフォーム別・ノイズ対策の注意点

配信プラットフォームによって、ノイズの影響度や対策の優先順位が異なります。

YouTube Live

YouTubeは高ビットレートで配信できるため、ノイズがそのまま視聴者に届きやすいです。

注意点:

  • 音質の良し悪しがダイレクトに伝わる
  • アーカイブに残るため、後から気になることも
  • 長時間配信が多いため、ノイズは視聴者の離脱原因に

優先対策:

  1. ホワイトノイズ対策(OBSフィルター)
  2. 環境音対策(エアコン、PCファン)
  3. 反響音対策(部屋の吸音)

Twitch

Twitchはゲーム配信が中心で、ゲーム音に紛れてノイズが目立ちにくい場合もあります。

注意点:

  • ゲーム音とのバランスが重要
  • キーボード・マウスの操作音が最大の敵
  • BGMがノイズをマスクしてくれることも

優先対策:

  1. 操作音対策(マイク配置、ノイズゲート)
  2. ホワイトノイズ対策
  3. NVIDIA Broadcastの活用

Discord / ボイスチャット

Discordは独自のノイズ抑制機能を持っていますが、過剰に声を削ることがあります

注意点:

  • Krisp(Discord内蔵ノイズ抑制)との兼ね合い
  • 他の通話参加者との音質差
  • 遅延への配慮

優先対策:

  1. Discord側のノイズ抑制設定を確認
  2. OBSフィルターとの併用は注意(二重処理で声が劣化)
  3. 入力感度の調整

ポッドキャスト / 音声コンテンツ

音声のみのコンテンツでは、ノイズが最も目立ちます

注意点:

  • 視覚情報がないため、音声品質が評価の大部分を占める
  • リスナーはイヤホン・ヘッドホンで聴くことが多い
  • 編集で除去することを前提に収録する場合も

優先対策:

  1. 反響音対策(最重要)
  2. ホワイトノイズ対策
  3. 環境音対策
  4. 収録後のノイズ除去編集

トラブルシューティング:よくある失敗パターン

ノイズ対策で陥りがちな失敗パターンと、その解決策を紹介します。

失敗パターン1:フィルターかけすぎで声がロボット化

症状: ノイズを消そうとして複数のフィルターを重ねがけした結果、声が不自然になった。

原因:

  • RNNoiseの過剰適用
  • ノイズゲートの閾値が高すぎる
  • コンプレッサーのかけすぎ

解決策:

  1. 一度すべてのフィルターをOFFにする
  2. 一つずつONにして変化を確認
  3. 声に影響が出始めたらそのフィルターを調整
  4. 「ノイズを完全に消す」より「気にならないレベルに抑える」を目指す

失敗パターン2:ゲインを上げすぎてノイズも増幅

症状: 「声が小さい」と言われてゲインを上げたら、ノイズも一緒に大きくなった。

原因:

  • マイクと口の距離が遠い
  • ゲインで無理やり音量を稼いでいる

解決策:

  1. マイクを口に近づける(10〜15cm)
  2. ゲインは必要最低限に
  3. 音量はOBSのフェーダーで調整
  4. それでも足りなければコンプレッサーで持ち上げる

失敗パターン3:高価なマイクを買ったのにノイズが増えた

症状: コンデンサーマイクにアップグレードしたら、以前より環境音を拾うようになった。

原因:

  • コンデンサーマイクの高感度特性
  • 部屋の防音が不十分
  • エアコン・PCファンの音を拾っている

解決策:

  1. マイクの感度に見合った環境を用意する
  2. 吸音材・リフレクションフィルターを導入
  3. どうしても環境が整わないならダイナミックマイクに変更

失敗パターン4:ノイズゲートで話し始めが切れる

症状: ノイズゲートを設定したら、「あ」「え」などの小さな発声が切れるようになった。

原因:

  • 開放閾値が高すぎる
  • アタックタイムが長すぎる

解決策:

  1. 開放閾値を下げる(-35dB〜-40dB)
  2. アタックタイムを短くする(3〜6ms)
  3. 話し始めを意識的に大きくする習慣をつける

失敗パターン5:USB3.0ポートでノイズ発生

症状: オーディオインターフェースをUSB3.0ポートに接続したら、ジリジリというノイズが発生。

原因:

  • USB2.0機器とUSB3.0ポートの相性問題
  • USB3.0の高周波干渉

解決策:

  1. USB2.0ポートに接続し直す
  2. 別のUSBコントローラーのポートを試す
  3. フェライトコア付きケーブルを使用

Windows / Mac別・ノイズ対策の違い

OSによってノイズ対策のアプローチが異なる場合があります。

Windows固有の対策

1. マイクブースト機能の確認

Windowsには「マイクブースト」という機能があり、これがONだとノイズが増えることがあります。

確認手順:

  1. 設定 → システム → サウンド
  2. 入力デバイスのプロパティ
  3. 追加のデバイスのプロパティ → レベル
  4. 「マイクブースト」を0dBに設定

2. 排他モードの設定

オーディオインターフェースの排他モードを有効にすると、他のアプリからの干渉を防げます。

設定手順:

  1. サウンド設定 → デバイスのプロパティ
  2. 追加のデバイスのプロパティ → 詳細
  3. 「排他モード」のチェックを確認

3. NVIDIA Broadcastの活用

RTXグラフィックボード搭載PCでは、NVIDIA Broadcastが最強のノイズ対策ツールです。

Mac固有の対策

1. 入力レベルの調整

Macはシステム環境設定でマイクの入力レベルを調整できます。

設定手順:

  1. システム環境設定 → サウンド → 入力
  2. 入力音量を調整
  3. 「環境ノイズの低減」をON/OFFで比較

2. Core Audioの特性

MacのCore Audioは低レイテンシーで優秀ですが、ノイズ抑制機能は標準では限定的です。OBSやサードパーティ製のプラグインで対策しましょう。

3. GarageBandでのノイズ除去

Macに標準搭載されているGarageBandには、簡易的なノイズ除去機能があります。収録後の編集に使えます。

録音して確認する習慣をつけよう

ノイズ対策で最も重要なのは、客観的に自分の音声を確認することです。

セルフチェックの方法

1. OBSで録画してチェック

配信前に1〜2分の録画を行い、再生して確認しましょう。

チェックポイント:

  • 無音時のノイズレベル
  • 話し始め・話し終わりの不自然さ
  • 声の明瞭さ
  • 特定の音(パ行、サ行など)での問題

2. ヘッドホンで確認

スピーカーではなく、密閉型ヘッドホンで確認することをおすすめします。イヤホンでもOKです。小さなノイズも聞き取れます。

3. 第三者に聞いてもらう

自分では気にならないノイズも、他人には気になることがあります。配信仲間や友人に音質チェックを依頼しましょう。

定期的なメンテナンス

月1回のチェック項目:

  • マイクのポップガードの汚れ確認
  • ケーブルの接触不良チェック
  • OBSフィルター設定の見直し
  • 部屋の吸音材の状態確認

季節の変わり目のチェック:

  • エアコン使用開始時のノイズ確認
  • 加湿器・除湿機の影響確認
  • 窓を開ける季節の外部ノイズ対策

環境別・おすすめノイズ対策セット

予算5,000円以下

ソフトウェア中心の対策:

  • OBSのノイズ抑制(Speex -10dB)
  • ノイズゲート設定
  • マイク配置の最適化
  • 布製ポップガード(約800円)

予算1万円以下

基本的なハードウェア対策:

  • 金属製ポップガード(約2,000円)
  • 吸音材パネル 6枚(約3,000円)
  • マイクアーム(約3,000円)
  • OBSフィルター設定

予算3万円以下

本格的な対策:

  • ダイナミックマイクへの変更(AT2040等)
  • リフレクションフィルター(約5,000円)
  • 吸音材パネル 12枚(約5,000円)
  • 品質の良いXLRケーブル(約2,000円)

予算5万円以上

プロレベルの対策:

  • SHURE SM7B + Cloudlifter
  • Focusrite Scarlett 2i2
  • リフレクションフィルター
  • 部屋全体の吸音処理

よくある質問(FAQ)

ノイズ抑制をかけると声がロボットみたいになります
RNNoiseの副作用である可能性が高いです。Speexに変更するか、抑制レベルを下げてみてください。また、そもそものノイズが多すぎる場合は、ソフトウェアでの対策に限界があるため、ハードウェアや環境面での対策を優先しましょう。
ノイズゲートを設定すると話し始めが切れます
開放閾値が高すぎる可能性があります。-35dB〜-40dBあたりまで下げてみてください。また、アタックタイムを短く(3〜6ms)することで改善することもあります。
USBマイクでもノイズ対策はできますか?
はい、可能です。OBSのフィルター設定やNVIDIA Broadcastなどのソフトウェア対策は同様に使えます。ただし、USBマイクは内蔵のプリアンプ品質に依存するため、限界がある場合もあります。
RTXグラボがないのですがNVIDIA Broadcastは使えますか?
GTX 10シリーズ以降であれば「RTX Voice」という旧バージョンが使用可能です。ただし、RTXほどの効果は期待できません。OBSのRNNoiseで代用することをおすすめします。
エアコンの音がどうしても消えません
エアコンの送風音は低周波成分が多く、ノイズ抑制だけでは完全に消すのが難しいです。以下を試してください:①エアコンの風向きをマイクから遠ざける ②マイクの背面をエアコンに向ける ③ダイナミックマイクに変更する ④配信前に部屋を冷やしておき、配信中はOFF。
ノイズ対策にいくらかけるべきですか?
まずは無料のソフトウェア対策(OBSフィルター)から始めてください。それでも満足できない場合、マイク周辺のアクセサリ(ポップガード、吸音材)に5,000〜10,000円程度の投資をおすすめします。それでも改善しない場合はマイクやオーディオインターフェースの見直しを検討しましょう。

まとめ

配信のノイズ対策は、以下のステップで進めましょう。

まとめ

ノイズ対策の進め方
  1. ノイズの種類を特定する(音の特徴で判別)
  2. ソフトウェア対策から始める(OBSフィルター、NVIDIA Broadcast)
  3. マイク配置を最適化する(距離、角度、指向性)
  4. 必要に応じてアクセサリを追加(ポップガード、吸音材)
  5. それでもダメならハードウェア見直し(マイク、オーディオインターフェース)

ノイズのない配信は、視聴者に「聴きやすい」という快適さを提供し、あなたの配信の質を大きく向上させます。この記事で紹介した対策を参考に、ぜひノイズのない快適な配信環境を構築してください。

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この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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