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「サーッ」が消えない人へ|配信マイクのホワイトノイズ、原因別の対処法まとめ【2025年版】
「サーッ」という音が消えない。
配信を始めた人なら、一度は経験したことがあるはずです。せっかく良いマイクを買ったのに、なぜかノイズが入る。OBSでノイズ抑制をかけても完全には消えない。視聴者から「なんかノイズ気になる」とコメントされて凹む...。
実は、マイクノイズには6種類以上のタイプがあり、それぞれ原因と対処法が異なります。間違った対策をしても効果がないどころか、声まで劣化させてしまうことも。
この記事では、配信マイクで発生するノイズを種類別に完全解説し、あなたの環境に合った最適な解決策を提示します。
まずはノイズの種類を特定しよう
ノイズ対策の第一歩は、何のノイズが発生しているかを正確に把握することです。闇雲に対策しても効果は薄いどころか、逆効果になることもあります。
以下のチェックリストで、あなたのノイズタイプを特定しましょう。
ノイズタイプ診断チャート
音の特徴で判別:
| 音の特徴 | ノイズの種類 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 「サーッ」「シャーッ」 | ホワイトノイズ/ヒスノイズ | マイク・プリアンプの特性、ゲイン過多 |
| 「ブーン」「ジー」(低音) | ハムノイズ | 電源ノイズ、グラウンドループ |
| 「ジジジ」「チリチリ」 | デジタルノイズ | USB干渉、電磁波 |
| 「カタカタ」「カチカチ」 | 操作音 | キーボード、マウス、コントローラー |
| 「ボフッ」「パッ」 | ポップノイズ | 息、破裂音 |
| 「ワンワン」「モワモワ」 | 反響音/ルームノイズ | 部屋の残響、壁の反射 |
| 「ゴー」「フォー」 | 環境音 | エアコン、PC冷却ファン |
【タイプ1】ホワイトノイズ/ヒスノイズの対処法
「サーッ」「シャーッ」という高周波のノイズは、最も多く報告されるノイズタイプです。
ホワイトノイズの原因
1. ゲイン(入力感度)の上げすぎ
これが最も多い原因です。マイクの音量が小さいからといってゲインを上げすぎると、マイク自体のノイズフロア(本来持っている最低限のノイズ)まで増幅してしまいます。
2. 安価なプリアンプ/オーディオインターフェース
プリアンプの品質が低いと、信号を増幅する際にノイズが発生します。特に1万円以下のオーディオインターフェースや、USB直結のマイク内蔵プリアンプでは顕著です。
3. マイクの特性
コンデンサーマイクは高感度な分、ノイズフロアも高くなりがちです。特に安価なコンデンサーマイクでは「サーッ」というノイズが目立つことがあります。
ホワイトノイズの対処法
対処法1:ゲインを下げてマイクを近づける
最もシンプルかつ効果的な方法です。
手順:
- マイクと口の距離を10〜15cmに近づける
- オーディオインターフェースのゲインを下げる
- 声がちょうど良い音量になるまで調整
理想的なゲイン設定の目安:
- OBSの音声ミキサーで、通常の声が-12dB〜-6dB程度になるように
- 叫んでも0dBを超えないように
| マイク距離 | 10〜15cm |
|---|---|
| 通常の声 | -12dB〜-6dB |
| 叫び声 | -6dB〜0dB(超えない) |
| ノイズフロア | -50dB以下が理想 |
対処法2:OBSのノイズ抑制フィルターを使う
OBS Studioには強力なノイズ抑制機能が搭載されています。
設定手順:
- OBSの「音声ミキサー」でマイクの歯車アイコンをクリック
- 「フィルター」を選択
- 「+」ボタンから「ノイズ抑制」を追加
方式の選び方:
| 方式 | 特徴 | おすすめ |
|---|---|---|
| RNNoise | AIベースで強力、CPU負荷中程度 | PCスペックに余裕がある人 |
| Speex | 軽量、調整可能 | 低スペックPC、細かく調整したい人 |
| NVIDIA Noise Removal | RTXグラボ専用、最強 | RTXグラボ搭載PC |
RNNoiseの注意点: RNNoiseは強力ですが、声まで不自然に削ってしまうことがあります。違和感がある場合はSpeexに切り替えましょう。
Speexのおすすめ設定:
- 抑制レベル:-10dB〜-15dB(軽めから始める)
- 声に影響が出たら数値を小さくする
対処法3:ノイズゲートを併用する
ノイズゲートは、一定以下の音量をカットする機能です。話していないときのノイズを消すのに効果的です。
OBSノイズゲート設定:
- フィルターに「ノイズゲート」を追加
- 以下の値を設定:
閉鎖閾値:-35dB〜-40dB
開放閾値:-30dB〜-35dB
アタックタイム:6ms
ホールドタイム:120ms
リリースタイム:60ms
ポイント:
- 閉鎖閾値:この音量以下になるとマイクがミュートされる
- 開放閾値:この音量以上になるとマイクがオンになる
- 開放閾値 > 閉鎖閾値 に設定すること
対処法4:ハードウェアを見直す
ソフトウェアでの対策に限界を感じたら、ハードウェアのアップグレードを検討しましょう。
優先順位:
- オーディオインターフェースのアップグレード(効果大)
- Focusrite Scarlett、Steinberg UR22Cなど定番モデルに
- マイクのアップグレード(効果中)
- 低ノイズなモデル(RODE NT1など)に変更
- プリアンプの追加(効果中〜大)
- Cloudlifter、FetheadなどをSM7Bなどに使用
【タイプ2】ハムノイズ(ブーン・ジー)の対処法
「ブーン」「ジー」という低い音が常に鳴っている場合、電源由来のハムノイズである可能性が高いです。
ハムノイズの原因
1. グラウンドループ
複数の機器が異なるコンセントから電源を取っている場合、機器間に電位差が生じ、ハムノイズが発生します。
2. 電源ケーブルとの干渉
XLRケーブルやUSBケーブルが電源ケーブルと並走していると、電磁誘導でノイズが乗ります。
3. 照明器具からの干渉
調光機能付きの照明や蛍光灯は、電磁波を発生させてマイクに影響することがあります。
ハムノイズの対処法
対処法1:電源を統一する
PC、オーディオインターフェース、モニターなどを同じ電源タップから取るようにしましょう。
手順:
- 品質の良い電源タップを用意(サージ保護付き推奨)
- オーディオ関連機器をすべて同じタップに接続
- 可能であれば、壁コンセントに直接挿す
対処法2:ケーブルの配線を見直す
守るべきルール:
- 電源ケーブルとXLR/USBケーブルを垂直に交差させる
- 並走させる場合は最低15cm以上離す
- 可能であればシールドケーブルを使用
対処法3:USBハブを避ける
オーディオインターフェースはPCに直接接続してください。USBハブを経由すると、他のデバイスからのノイズが混入する可能性があります。
USB規格も確認:
- USB2.0のオーディオインターフェースはUSB2.0ポートに接続
- USB3.0ポートに接続するとノイズが発生することがある
対処法4:照明を見直す
ノイズが出やすい照明:
- 調光機能付きLED
- 蛍光灯(特に古いもの)
- 安価なLED電球
対策:
- 配信時は調光を100%にする
- 蛍光灯をLEDシーリングライトに変更
- マイクから照明を離す
対処法5:グラウンドリフターを使う
どうしてもハムノイズが消えない場合、グラウンドリフターという機器を使うことで解決できる場合があります。
- 感電のリスクが増す可能性がある
- 根本的な解決ではない
- 最終手段として検討する
【タイプ3】デジタルノイズ(ジジジ・チリチリ)の対処法
「ジジジ」「チリチリ」という不規則な高周波ノイズは、デジタル機器からの電磁干渉が原因です。
デジタルノイズの原因
1. USB干渉
PC内部のUSBコントローラーや他のUSBデバイスからの干渉。
2. 電磁波干渉
スマートフォン、Wi-Fiルーター、Bluetooth機器などからの電磁波。
3. PC内部のノイズ
グラフィックボード、電源ユニット、マザーボードからのノイズ。
デジタルノイズの対処法
対処法1:スマホを離す
マイク周辺にスマートフォンを置いていませんか?スマホは常に通信を行っており、強い電磁波を発しています。
対策:
- スマホはマイクから1m以上離す
- 配信中は機内モードにする
対処法2:USBポートを変更する
PCのUSBポートによってノイズの出やすさが異なります。
試す順序:
- PC背面のUSBポート(マザーボード直結)
- 別のUSBコントローラーに接続されているポート
- 電源付きUSBハブ(やむを得ない場合)
対処法3:フェライトコアを使う
USBケーブルにフェライトコアを取り付けると、高周波ノイズを軽減できます。
取り付け位置:
- オーディオインターフェース側に近い位置
- ケーブルの両端に付けるとより効果的
対処法4:Wi-Fiルーターを離す
Wi-Fiルーターもマイクに影響を与えることがあります。
対策:
- ルーターをマイクから2m以上離す
- 有線LANを使用する
【タイプ4】操作音(キーボード・マウス)の対処法
ゲーム配信で最も厄介なのが、キーボードやマウスの操作音です。
操作音の原因
- メカニカルキーボードの打鍵音
- マウスのクリック音
- コントローラーのボタン音
- デスクに伝わる振動
操作音の対処法
対処法1:マイクの種類を見直す
コンデンサーマイク vs ダイナミックマイク
コンデンサーマイクは高感度な分、周囲の音を拾いやすいです。操作音が気になる場合は、ダイナミックマイクへの変更を検討しましょう。
おすすめダイナミックマイク:
- SHURE SM58(定番、約12,000円)
- SHURE SM7B(配信者定番、約55,000円)
- Audio-Technica AT2040(低価格で高品質、約15,000円)
対処法2:マイクの配置を工夫する
マイクの指向性を活かして、キーボードの音を拾いにくくしましょう。
単一指向性マイクの場合:
- マイクの背面(リジェクション部分)をキーボードに向ける
- マイクを口に近づけ、声とノイズの音量差を作る
具体的な配置:
[マイク] ← 正面(声を拾う)
|
[口]
|
[キーボード] ← マイクの背面
対処法3:ノイズゲートを活用する
話していないときの操作音はノイズゲートで消せます。
設定のコツ:
- 閉鎖閾値を操作音より少し上に設定
- 話し始めが切れないよう開放閾値は低めに
対処法4:物理的な対策
キーボード対策:
- 静音スイッチのキーボードに変更(赤軸、静音赤軸など)
- デスクマットを敷いて振動を吸収
- キーボードの下に吸音材を置く
マウス対策:
- 静音マウスに変更
- マウスパッドを厚手のものに
対処法5:NVIDIA Broadcastを使う
RTXグラフィックボードを搭載しているなら、NVIDIA Broadcastの「ノイズ除去」機能が最強です。
設定手順:
- NVIDIA Broadcastをインストール
- マイクの「ノイズ除去」をON(強度は「強」でOK)
- OBSの入力デバイスを「NVIDIA Broadcast」に設定
注意点:
- GPUリソースを消費する
- ゲーム中に使用する場合はフレームレートに影響することも
【タイプ5】ポップノイズ(ボフッ・パッ)の対処法
「ボフッ」「パフッ」という破裂音は、発音時の息がマイクに当たることで発生します。
ポップノイズの原因
日本語では「パ」「ピ」「プ」「ペ」「ポ」「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」などの破裂音を発音する際に、強い息が出ます。この息がマイクのダイアフラム(振動板)に当たると、不快な低音が発生します。
ポップノイズの対処法
対処法1:ポップガードを使う
最もシンプルで効果的な対策です。
ポップガードの種類:
| 種類 | 特徴 | おすすめ |
|---|---|---|
| 布製 | 安価、効果は中程度 | コスパ重視 |
| 金属製 | 効果高い、清掃しやすい | 長期使用 |
| スポンジ(ウインドスクリーン) | マイクに直接装着、手軽 | 省スペース |
取り付け位置:
- マイクから5〜10cm離す
- 口とマイクの間に配置
対処法2:マイクの角度を変える
マイクを口の真正面ではなく、少し斜めに配置することで、息が直接当たるのを防げます。
配置例:
- 口の正面から15〜30度ずらす
- または口より少し上/下に配置
対処法3:OBSでローカットフィルターを使う
ポップノイズは低周波成分が多いため、EQでローカットすると軽減できます。
OBS設定:
- フィルターに「VST 2.x プラグイン」を追加
- ReaEQ(無料)などのEQプラグインを使用
- 80Hz以下をカット(ハイパスフィルター)
【タイプ6】反響音・ルームノイズの対処法
「ワンワン」「モワモワ」という反響は、部屋の壁や床からの音の反射が原因です。
反響音の原因
- 壁が硬い(コンクリート、石膏ボード)
- 床がフローリング
- 家具が少ない
- 天井が高い
反響音の対処法
対処法1:吸音材を設置する
最も効果的な方法は、部屋に吸音材を設置することです。
設置優先順位:
- マイクの背後(最重要)
- マイクの正面(口の方向)
- 左右の壁
- 天井
おすすめ吸音材:
対処法2:リフレクションフィルターを使う
マイク周辺だけを防音したい場合、リフレクションフィルターが便利です。
メリット:
- 部屋全体の工事不要
- 持ち運び可能
- 比較的安価
設置方法:
- マイクの背後に配置
- マイクを囲むように設置
対処法3:身近なもので代用
予算がない場合、身近なもので対策できます。
効果があるもの:
- 毛布やタオルを壁にかける
- 本棚を壁に置く
- カーテンを厚手のものに変更
- ラグやカーペットを敷く
意外と効果があるもの:
- クローゼットの中で収録する(服が吸音材代わり)
- 布団をかぶって収録する(緊急時)
対処法4:OBSでリバーブ除去(上級者向け)
VSTプラグインを使用して、録音後にリバーブを軽減することも可能です。ただし、完全には除去できず、声質も変化するため、あくまで補助的な対策です。
【タイプ7】環境音(エアコン・PCファン)の対処法
エアコンやPCの冷却ファンなど、常に鳴っている環境音も配信の敵です。
環境音の原因
- エアコンの送風音
- PCの冷却ファン
- 空気清浄機
- 冷蔵庫
- 外の交通音
環境音の対処法
対処法1:音源を止める or 遠ざける
当たり前ですが、最も効果的な方法です。
エアコン対策:
- 配信前に部屋を冷やし/暖め、配信中はOFF
- 風量を「弱」に設定
- マイクをエアコンから遠ざける
PCファン対策:
- PCを机の下に設置
- 静音ファンに交換
- ファンカーブを調整(音より性能を優先しない設定に)
対処法2:マイクの指向性を活かす
ダイナミックマイクや単一指向性のコンデンサーマイクは、背面からの音を拾いにくい特性があります。
配置の工夫:
- マイクの背面を環境音の発生源に向ける
- マイクと口の距離を近くする
対処法3:ノイズ抑制フィルターを使う
環境音はある程度一定なので、ノイズ抑制フィルターが効果的です。
おすすめ設定:
- RNNoiseをまず試す
- 声が不自然になる場合はSpeexに変更
- Speexの抑制レベルは-10dB程度から
対処法4:NVIDIA Broadcastを使う
RTXグラフィックボード搭載PCであれば、NVIDIA Broadcastの「ノイズ除去」がエアコン音などの環境音に対して最も効果的です。
OBS音声フィルターの正しい順序と設定
複数のフィルターを使用する場合、順序が非常に重要です。
推奨フィルター順序
1. ノイズ抑制(最初に不要なノイズを消す)
2. ノイズゲート(話していないときのノイズをカット)
3. コンプレッサー(音量を均一化)
4. リミッター(音割れ防止)
5. ゲイン(最終的な音量調整)
各フィルターの推奨設定
ノイズ抑制
Speex使用時:
抑制レベル:-10dB
RNNoise使用時:
(設定項目なし、ONにするだけ)
ノイズゲート
閉鎖閾値:-35dB
開放閾値:-30dB
アタックタイム:6ms
ホールドタイム:120ms
リリースタイム:60ms
コンプレッサー
比率:4:1
閾値:-18dB
アタック:3ms
リリース:100ms
出力ゲイン:3dB
サイドチェインソース:なし
リミッター
閾値:-3dB
リリース:60ms
ノイズが出にくいマイク選びのポイント
根本的なノイズ対策として、ノイズが出にくいマイクを選ぶことも重要です。
ダイナミックマイクがおすすめな人
- 部屋の防音が不十分
- エアコンを止められない
- キーボードの打鍵音が大きい
- 家族や同居人がいる
おすすめダイナミックマイク:
| 製品名 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| SHURE SM58 | 約12,000円 | 業界標準、耐久性抜群 |
| SHURE SM7B | 約55,000円 | 配信者御用達、低ノイズ |
| Audio-Technica AT2040 | 約15,000円 | ハイパーカーディオイド |
| Rode PodMic | 約13,000円 | ポッドキャスト向け |
コンデンサーマイクがおすすめな人
- 防音室がある
- 静かな環境で収録できる
- 繊細な音質を求める
- 歌配信をする
低ノイズなコンデンサーマイク:
| 製品名 | 価格帯 | セルフノイズ |
|---|---|---|
| RODE NT1 5th Gen | 約35,000円 | 4dBA(超低ノイズ) |
| RODE NT1-A | 約25,000円 | 5dBA(低ノイズ) |
| Audio-Technica AT4040 | 約35,000円 | 12dBA |
| AKG C214 | 約35,000円 | 13dBA |
配信プラットフォーム別・ノイズ対策の注意点
配信プラットフォームによって、ノイズの影響度や対策の優先順位が異なります。
YouTube Live
YouTubeは高ビットレートで配信できるため、ノイズがそのまま視聴者に届きやすいです。
注意点:
- 音質の良し悪しがダイレクトに伝わる
- アーカイブに残るため、後から気になることも
- 長時間配信が多いため、ノイズは視聴者の離脱原因に
優先対策:
- ホワイトノイズ対策(OBSフィルター)
- 環境音対策(エアコン、PCファン)
- 反響音対策(部屋の吸音)
Twitch
Twitchはゲーム配信が中心で、ゲーム音に紛れてノイズが目立ちにくい場合もあります。
注意点:
- ゲーム音とのバランスが重要
- キーボード・マウスの操作音が最大の敵
- BGMがノイズをマスクしてくれることも
優先対策:
- 操作音対策(マイク配置、ノイズゲート)
- ホワイトノイズ対策
- NVIDIA Broadcastの活用
Discord / ボイスチャット
Discordは独自のノイズ抑制機能を持っていますが、過剰に声を削ることがあります。
注意点:
- Krisp(Discord内蔵ノイズ抑制)との兼ね合い
- 他の通話参加者との音質差
- 遅延への配慮
優先対策:
- Discord側のノイズ抑制設定を確認
- OBSフィルターとの併用は注意(二重処理で声が劣化)
- 入力感度の調整
ポッドキャスト / 音声コンテンツ
音声のみのコンテンツでは、ノイズが最も目立ちます。
注意点:
- 視覚情報がないため、音声品質が評価の大部分を占める
- リスナーはイヤホン・ヘッドホンで聴くことが多い
- 編集で除去することを前提に収録する場合も
優先対策:
- 反響音対策(最重要)
- ホワイトノイズ対策
- 環境音対策
- 収録後のノイズ除去編集
トラブルシューティング:よくある失敗パターン
ノイズ対策で陥りがちな失敗パターンと、その解決策を紹介します。
失敗パターン1:フィルターかけすぎで声がロボット化
症状: ノイズを消そうとして複数のフィルターを重ねがけした結果、声が不自然になった。
原因:
- RNNoiseの過剰適用
- ノイズゲートの閾値が高すぎる
- コンプレッサーのかけすぎ
解決策:
- 一度すべてのフィルターをOFFにする
- 一つずつONにして変化を確認
- 声に影響が出始めたらそのフィルターを調整
- 「ノイズを完全に消す」より「気にならないレベルに抑える」を目指す
失敗パターン2:ゲインを上げすぎてノイズも増幅
症状: 「声が小さい」と言われてゲインを上げたら、ノイズも一緒に大きくなった。
原因:
- マイクと口の距離が遠い
- ゲインで無理やり音量を稼いでいる
解決策:
- マイクを口に近づける(10〜15cm)
- ゲインは必要最低限に
- 音量はOBSのフェーダーで調整
- それでも足りなければコンプレッサーで持ち上げる
失敗パターン3:高価なマイクを買ったのにノイズが増えた
症状: コンデンサーマイクにアップグレードしたら、以前より環境音を拾うようになった。
原因:
- コンデンサーマイクの高感度特性
- 部屋の防音が不十分
- エアコン・PCファンの音を拾っている
解決策:
- マイクの感度に見合った環境を用意する
- 吸音材・リフレクションフィルターを導入
- どうしても環境が整わないならダイナミックマイクに変更
失敗パターン4:ノイズゲートで話し始めが切れる
症状: ノイズゲートを設定したら、「あ」「え」などの小さな発声が切れるようになった。
原因:
- 開放閾値が高すぎる
- アタックタイムが長すぎる
解決策:
- 開放閾値を下げる(-35dB〜-40dB)
- アタックタイムを短くする(3〜6ms)
- 話し始めを意識的に大きくする習慣をつける
失敗パターン5:USB3.0ポートでノイズ発生
症状: オーディオインターフェースをUSB3.0ポートに接続したら、ジリジリというノイズが発生。
原因:
- USB2.0機器とUSB3.0ポートの相性問題
- USB3.0の高周波干渉
解決策:
- USB2.0ポートに接続し直す
- 別のUSBコントローラーのポートを試す
- フェライトコア付きケーブルを使用
Windows / Mac別・ノイズ対策の違い
OSによってノイズ対策のアプローチが異なる場合があります。
Windows固有の対策
1. マイクブースト機能の確認
Windowsには「マイクブースト」という機能があり、これがONだとノイズが増えることがあります。
確認手順:
- 設定 → システム → サウンド
- 入力デバイスのプロパティ
- 追加のデバイスのプロパティ → レベル
- 「マイクブースト」を0dBに設定
2. 排他モードの設定
オーディオインターフェースの排他モードを有効にすると、他のアプリからの干渉を防げます。
設定手順:
- サウンド設定 → デバイスのプロパティ
- 追加のデバイスのプロパティ → 詳細
- 「排他モード」のチェックを確認
3. NVIDIA Broadcastの活用
RTXグラフィックボード搭載PCでは、NVIDIA Broadcastが最強のノイズ対策ツールです。
Mac固有の対策
1. 入力レベルの調整
Macはシステム環境設定でマイクの入力レベルを調整できます。
設定手順:
- システム環境設定 → サウンド → 入力
- 入力音量を調整
- 「環境ノイズの低減」をON/OFFで比較
2. Core Audioの特性
MacのCore Audioは低レイテンシーで優秀ですが、ノイズ抑制機能は標準では限定的です。OBSやサードパーティ製のプラグインで対策しましょう。
3. GarageBandでのノイズ除去
Macに標準搭載されているGarageBandには、簡易的なノイズ除去機能があります。収録後の編集に使えます。
録音して確認する習慣をつけよう
ノイズ対策で最も重要なのは、客観的に自分の音声を確認することです。
セルフチェックの方法
1. OBSで録画してチェック
配信前に1〜2分の録画を行い、再生して確認しましょう。
チェックポイント:
- 無音時のノイズレベル
- 話し始め・話し終わりの不自然さ
- 声の明瞭さ
- 特定の音(パ行、サ行など)での問題
2. ヘッドホンで確認
スピーカーではなく、密閉型ヘッドホンで確認することをおすすめします。イヤホンでもOKです。小さなノイズも聞き取れます。
3. 第三者に聞いてもらう
自分では気にならないノイズも、他人には気になることがあります。配信仲間や友人に音質チェックを依頼しましょう。
定期的なメンテナンス
月1回のチェック項目:
- マイクのポップガードの汚れ確認
- ケーブルの接触不良チェック
- OBSフィルター設定の見直し
- 部屋の吸音材の状態確認
季節の変わり目のチェック:
- エアコン使用開始時のノイズ確認
- 加湿器・除湿機の影響確認
- 窓を開ける季節の外部ノイズ対策
環境別・おすすめノイズ対策セット
予算5,000円以下
ソフトウェア中心の対策:
- OBSのノイズ抑制(Speex -10dB)
- ノイズゲート設定
- マイク配置の最適化
- 布製ポップガード(約800円)
予算1万円以下
基本的なハードウェア対策:
- 金属製ポップガード(約2,000円)
- 吸音材パネル 6枚(約3,000円)
- マイクアーム(約3,000円)
- OBSフィルター設定
予算3万円以下
本格的な対策:
- ダイナミックマイクへの変更(AT2040等)
- リフレクションフィルター(約5,000円)
- 吸音材パネル 12枚(約5,000円)
- 品質の良いXLRケーブル(約2,000円)
予算5万円以上
プロレベルの対策:
- SHURE SM7B + Cloudlifter
- Focusrite Scarlett 2i2
- リフレクションフィルター
- 部屋全体の吸音処理
よくある質問(FAQ)
まとめ
配信のノイズ対策は、以下のステップで進めましょう。
まとめ
ノイズ対策の進め方- ノイズの種類を特定する(音の特徴で判別)
- ソフトウェア対策から始める(OBSフィルター、NVIDIA Broadcast)
- マイク配置を最適化する(距離、角度、指向性)
- 必要に応じてアクセサリを追加(ポップガード、吸音材)
- それでもダメならハードウェア見直し(マイク、オーディオインターフェース)
ノイズのない配信は、視聴者に「聴きやすい」という快適さを提供し、あなたの配信の質を大きく向上させます。この記事で紹介した対策を参考に、ぜひノイズのない快適な配信環境を構築してください。
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