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声がビリビリ割れる原因はコレ|マイク音割れの直し方を5分で完全理解【2025年版】

声がビリビリ割れる原因はコレ|マイク音割れの直し方を5分で完全理解【2025年版】

公開日
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「バリバリッ」「ビリビリッ」

配信中や録音時に、こんな音が入っていませんか?これが音割れ(クリッピング)です。

音割れは、視聴者にとって非常に不快な音です。どれだけ良い内容を話していても、音が割れていると「聞き続けたくない」と感じさせてしまいます。

この記事では、マイクの音割れが発生する原因と発生箇所を特定し、5分で理解できる具体的な対処法を解説します。

この記事でわかること - 音割れ(クリッピング)が発生する仕組み - 音割れの発生箇所を特定する方法 - ゲイン・音量調整の正しい手順 - OBSでのリミッター・コンプレッサー設定 - 音割れしにくいマイク選びのポイント - よくある失敗パターンと回避方法

音割れ(クリッピング)とは何か

まず、音割れがなぜ発生するのかを理解しましょう。

デジタルオーディオの限界

デジタル録音では、音声信号を数値(サンプル値)として記録します。この数値には上限と下限があり、音が大きすぎると「上限を超えた部分がカットされる」現象が起きます。

これがクリッピングです。

イメージ図:

正常な波形とクリッピングした波形の比較

波形の頂点が平らにカットされることで、本来の音とは異なる「歪んだ音」になります。これが「バリバリ」「ビリビリ」という不快な音の正体です。

0dBFSの壁

デジタルオーディオでは、0dBFS(デシベル・フルスケール)が音量の上限です。これを超えると、音がクリップします。

各レベルの目安:

レベル状態視覚的な目安
0dBFS上限(クリップ)赤色・警告
-3dBFS危険ゾーン赤〜オレンジ
-6dBFS余裕なしオレンジ〜黄色
-12dBFS適正レベル緑〜黄色
-18dBFS〜余裕あり緑色
プロの世界では、-6dBFS以上には絶対に行かないよう、-12dBFS〜-18dBFS程度でピークを抑えるのが基本です。配信でも同様のセオリーを守りましょう。

音割れの発生箇所を特定する

音割れはオーディオ経路のどこかで発生しています。原因箇所を特定することが、解決への第一歩です。

オーディオ経路の構造

[マイク] → [プリアンプ] → [A/Dコンバーター] → [OS/ドライバー] → [アプリ(OBS等)] → [配信/録音]

この経路のどこでクリッピングが起きているかを特定します。

発生箇所の特定方法

チェック1:オーディオインターフェースのPEAKランプ

多くのオーディオインターフェースには、入力レベルが高すぎるときに点灯するPEAKランプ(クリップインジケーター)があります。

  • 点灯する場合:ゲインが高すぎる。インターフェース側で音割れが発生。
  • 点灯しない場合:ソフトウェア側(OBS等)で音割れが発生している可能性。

チェック2:OBSの音声メーターを確認

OBSの音声ミキサーでマイクのレベルを確認します。

  • 赤色に振り切る:OBSに入力される時点で音が大きすぎる。
  • 赤色にならない:OBS以降の経路(フィルター、配信設定など)に問題がある可能性。

チェック3:録画ファイルで確認

OBSで短時間の録画を行い、ファイルを再生して確認します。

  • 録画ファイルでも音割れ:録音時に既にクリップしている。
  • 録画ファイルは問題なし:配信エンコード時の問題の可能性。
音割れ発生箇所チェックリスト
PEAKランプ点灯ゲインが高すぎる
OBSメーター赤入力レベルが高すぎる
録画で音割れ録音段階でクリップ
配信のみ音割れエンコード設定の問題

原因1:ゲイン(入力感度)が高すぎる

最も多い原因がこれです。

ゲインとは

ゲインは、マイクからの信号を増幅する量を指します。オーディオインターフェースの「GAIN」つまみで調整します。

ゲインが高すぎると:

  • 小さな声でも十分な音量になる
  • しかし、大きな声を出すとクリップする
  • ノイズも一緒に増幅される

正しいゲイン調整手順

ステップ1:ゲインを最小にする

まず、ゲインつまみを最小(左いっぱい)に回します。

ステップ2:通常の声で話しながらゲインを上げる

普段の配信トーンで話しながら、ゲインを少しずつ上げていきます。

目標:

  • OBSのメーターで-12dB程度になるように
  • PEAKランプが点灯しないように

ステップ3:大きな声を出してテスト

ゲームで盛り上がったときや、リアクションで叫ぶときを想定して、大きめの声を出します。

確認ポイント:

  • PEAKランプが点灯しないか
  • OBSのメーターが0dBを超えないか

ステップ4:叫んでもクリップしないレベルに調整

大きな声でもクリップしない程度まで、ゲインを下げます。通常の声が少し小さくなっても、OBSのフィルターで補正できます。

「通常の声で-12dB、叫んでも-3dB以下」が理想的なゲイン設定です。余裕を持たせることで、予想外の大声にも対応できます。

原因2:マイクとの距離が近すぎる

マイクに近づきすぎると、予想以上に音が大きくなります。

近接効果の影響

特にダイナミックマイクでは、近接効果(Proximity Effect)により、マイクに近づくほど低音が強調され、音量も増加します。

近すぎる場合の問題:

  • 音量が急激に上がる
  • 低音が過剰になる
  • ポップノイズも発生しやすい

適切な距離

マイクタイプ推奨距離注意点
ダイナミック5〜15cm近接効果を活かす場合は5cm
コンデンサー10〜20cm感度が高いため離れてもOK
ヘッドセット2〜5cm固定されているため安定

距離を保つための工夫

マイクと口の適切な距離の目安

1. マイクアームを使用する

マイクアームを使用すると、マイクを口の近くに固定できます。無意識に近づきすぎることを防げます。

2. ポップガードを距離の目安にする

ポップガードを10cm程度離して設置し、それより近づかないようにします。

3. 配信中の姿勢を意識する

興奮したときに前のめりになりがちです。椅子に深く座り、背もたれに寄りかかる姿勢を心がけましょう。

原因3:OBS側の設定ミス

ハードウェアに問題がなくても、OBSの設定で音割れが発生することがあります。

問題になりやすい設定

1. フィルターでゲインを上げすぎ

OBSのゲインフィルターで+10dB以上上げていると、簡単にクリップします。

対処法:

  • ゲインフィルターは+6dB以下に抑える
  • それでも足りない場合は、オーディオインターフェース側のゲインを調整

2. コンプレッサーの設定ミス

コンプレッサーの「出力ゲイン」を上げすぎると、圧縮した音がクリップレベルを超えることがあります。

対処法:

  • 出力ゲインは+3dB〜+6dB程度に
  • コンプレッサー後にリミッターを追加

3. リミッターがない

リミッターは「これ以上大きくしない」上限を設定するフィルターです。これがないと、予想外の大声でクリップします。

対処法:

  • フィルターチェーンの最後にリミッターを追加
  • 閾値を-3dB程度に設定

OBSでの音割れ対策設定

具体的なOBSフィルター設定を解説します。

推奨フィルターチェーン

音割れを防ぐための推奨フィルター順序:

1. ノイズ抑制
2. ノイズゲート
3. コンプレッサー ← 音量を均一化
4. リミッター ← 音割れ防止の要
5. ゲイン(必要な場合のみ)

リミッター設定(最重要)

リミッターは音割れ防止の最後の砦です。必ず設定しましょう。

リミッターの動作イメージ

推奨設定:

閾値(Threshold):-3dB
リリースタイム:60ms

設定のポイント:

  • 閾値を-3dBに設定すると、それ以上の音は-3dBに抑えられる
  • クリップ(0dBFS超え)を物理的に防止できる
  • リリースタイムが短すぎると不自然になる

コンプレッサー設定

コンプレッサーで音量を均一化し、リミッターの負担を減らします。

推奨設定:

比率(Ratio):4:1
閾値(Threshold):-18dB〜-24dB
アタック:3〜6ms
リリース:60〜100ms
出力ゲイン:3〜6dB

設定のポイント:

  • 閾値を超えた音声を1/4に圧縮(比率4:1の場合)
  • 出力ゲインで圧縮した分を補填
  • ただし、出力ゲインを上げすぎるとリミッターに頼りきりになる

音割れ対策の完全設定例

配信向け(ゲーム・雑談):

ノイズ抑制:Speex -10dB
ノイズゲート:閉鎖-35dB、開放-30dB
コンプレッサー:比率4:1、閾値-20dB、出力+4dB
リミッター:閾値-3dB、リリース60ms

歌配信向け:

ノイズ抑制:Speex -5dB(軽め)
コンプレッサー:比率3:1、閾値-24dB、出力+3dB
リミッター:閾値-6dB、リリース100ms
歌配信では、ダイナミックレンジ(音量の幅)を活かすため、コンプレッサーは軽めに設定します。リミッターの閾値も少し下げて余裕を持たせます。

Windows / Mac側の設定確認

OS側の設定も確認しましょう。

Windows の確認事項

1. マイクブーストの確認

Windowsの「マイクブースト」が高すぎると、音割れの原因になります。

確認手順:

  1. 設定 → システム → サウンド
  2. 入力デバイスのプロパティ
  3. 追加のデバイスのプロパティ → レベル
  4. 「マイクブースト」を0dBまたは+10dBに設定

2. 自動ゲイン調整の無効化

一部のアプリ(Zoom、Teams等)は自動ゲイン調整を行い、予想外に音量を上げてしまうことがあります。

対処法:

  • 各アプリの設定で「自動ゲイン調整」をOFF
  • 「排他モード」を許可して、他アプリからの干渉を防ぐ

macOS の確認事項

1. 入力音量の確認

システム環境設定 → サウンド → 入力 で、入力音量が高すぎないか確認します。

2. Core Audio設定

Audio MIDI設定で、入力フォーマットが適切か確認します。通常は48kHz/24bitで問題ありません。

Discord / Zoom での音割れ対策

通話アプリでの音割れ対策も解説します。

Discord

1. 入力感度を調整

ユーザー設定 → 音声・ビデオ → 入力感度

  • 「入力感度を自動調整する」をOFFにして手動設定
  • スライダーを調整して、叫んでも音が歪まないレベルに

2. 自動ゲイン調整をOFF

詳細設定で「自動ゲイン調整」をOFFにします。これがONだと、音量が勝手に上がることがあります。

Zoom

1. マイク音量を手動設定

設定 → オーディオ → マイク

  • 「自動で音量を調整する」をOFF
  • スライダーで音量を調整

2. 背景雑音抑制の確認

「背景雑音抑制」を「低」または「自動」に設定。「高」だと音声処理が過剰になることがあります。

音割れしにくいマイク選び

根本的な対策として、音割れしにくいマイクを選ぶことも重要です。

最大SPL(音圧レベル)に注目

マイクのスペックに「最大SPL」という項目があります。これは「マイクが歪まずに受け止められる最大音量」を示します。

SPLの目安:

SPL評価用途
120dB以下低い静かな環境向け
130dB標準一般的な配信向け
140dB以上高い大声・楽器録音向け

音割れしにくいマイクの特徴

1. ダイナミックマイク

ダイナミックマイクは構造上、大音量に強いです。叫びがちな配信者にはダイナミックマイクがおすすめ。

おすすめ機種:

  • SHURE SM58(最大SPL:未公開だが非常に高い)
  • SHURE SM7B(最大SPL:180dB)
  • Audio-Technica AT2040(最大SPL:未公開)

2. 高SPLコンデンサーマイク

コンデンサーマイクでも、最大SPLが高いモデルを選べば大丈夫です。

おすすめ機種:

  • RODE NT1(最大SPL:132dB)
  • AKG C214(最大SPL:156dB)
  • Audio-Technica AT4040(最大SPL:145dB)

オーディオインターフェース別・ゲイン調整のコツ

オーディオインターフェースによって、ゲイン調整の勘所が異なります。主要機種別のコツを紹介します。

Focusrite Scarlett シリーズ

特徴:

  • ゲインノブにハロー(リング状LED)があり、レベルを視覚的に確認できる
  • 緑→黄→赤で音量レベルを表示
  • Airボタンで高音が持ち上がる(音割れには影響しない)

調整のコツ:

  • ハローが黄色〜緑の境界になるよう調整
  • 赤に常時点灯する場合はゲインを下げる
  • 叫んでも赤が一瞬しか光らないレベルが理想

Steinberg UR シリーズ

特徴:

  • PEAKランプで音割れを警告
  • HIGHスイッチで+12dBのブーストが可能
  • ループバック機能搭載

調整のコツ:

  • HIGHスイッチはダイナミックマイク使用時のみON
  • PEAKランプが点灯したらゲインを下げる
  • dspMixFxでリアルタイムにレベルを確認

YAMAHA AG シリーズ(AG03MK2等)

特徴:

  • ミキサー機能付きでフェーダーでの調整が可能
  • コンプレッサー/EQが内蔵
  • ループバック機能搭載

調整のコツ:

  • ゲインノブとフェーダーの両方で調整
  • 内蔵コンプレッサーを活用して音割れを軽減
  • AG Controller(ソフト)で詳細設定

MOTU M2 / M4

特徴:

  • 高解像度のカラーディスプレイでレベル確認
  • 非常に低ノイズなプリアンプ
  • ループバック対応

調整のコツ:

  • ディスプレイで正確なdB値を確認
  • -12dB程度でピークするよう調整
  • ゲインに余裕があるため細かい調整が可能

Universal Audio Volt シリーズ

特徴:

  • Vintage Preamp機能で音に色付け
  • 高品質なプリアンプ
  • 76 Compressor風のアナログ感

調整のコツ:

  • Vintage Preamp使用時はやや控えめにゲイン設定
  • 色付けによって音量感が変わるため要確認
  • 専用ソフトでリアルタイムモニタリング

音割れした録音データの修復方法

既に録音してしまった音割れデータを、ある程度修復する方法を紹介します。

  • 完全な修復は不可能
  • 軽度の音割れのみ対応可能
  • 元の波形情報は失われている

無料ツールでの修復

Audacity(無料)

  1. Audacityで音割れしたファイルを開く
  2. エフェクト → クリップ修復
  3. 閾値とリダクションを調整
  4. プレビューで確認しながら適用

注意: 効果は限定的です。軽度の音割れなら改善できることもあります。

有料ツールでの修復

iZotope RX(有料・高機能)

RXシリーズの「De-clip」モジュールは、音割れ修復に特化した機能です。

  1. 音割れした部分を選択
  2. De-clipモジュールを適用
  3. 閾値を調整して修復

注意: 有料ソフトでも完全な修復は不可能ですが、Audacityより高品質な結果が得られます。

修復よりも再録音

可能であれば、再録音するのが最善の対策です。修復にかける時間と労力を考えると、設定を見直して録り直す方が効率的なことが多いです。

プロ配信者の音割れ対策設定

人気配信者がどのような設定で音割れを防いでいるか、参考にしてみましょう。

パターン1:ゲーム実況者(叫びがち)

機材構成:

  • マイク:SHURE SM7B(ダイナミック)
  • プリアンプ:Cloudlifter CL-1
  • インターフェース:Focusrite Scarlett 2i2
  • 距離:5cm(近接効果を活用)

OBS設定:

ノイズ抑制:RNNoise
ノイズゲート:閉鎖-40dB、開放-35dB
コンプレッサー:比率6:1、閾値-18dB、出力+5dB
リミッター:閾値-2dB(厳しめ)

ポイント:

  • ダイナミックマイクで音割れ耐性を確保
  • リミッターを厳しめに設定して叫び対策
  • 近接効果で低音を補強しつつ、マイク距離で音量を安定

パターン2:歌配信者

機材構成:

  • マイク:RODE NT1 5th Gen(コンデンサー)
  • インターフェース:Universal Audio Volt 2
  • 距離:15cm
  • ポップガード:必須

OBS設定:

ノイズ抑制:Speex -5dB
コンプレッサー:比率3:1、閾値-24dB、出力+3dB
リミッター:閾値-6dB

ポイント:

  • ダイナミクスを活かすためコンプレッサーは控えめ
  • リミッターは余裕を持たせて-6dBに
  • 高音のサビ前にゲインを下げる運用も

パターン3:ポッドキャスター

機材構成:

  • マイク:Electro-Voice RE20
  • インターフェース:Focusrite Scarlett Solo
  • 距離:10cm
  • リフレクションフィルター使用

OBS設定:

ノイズ抑制:Speex -10dB
ノイズゲート:閉鎖-35dB、開放-30dB
コンプレッサー:比率4:1、閾値-20dB、出力+4dB
リミッター:閾値-3dB

ポイント:

  • 一定のペースで話すため、コンプレッサーで均一化
  • リミッターは標準的な-3dB
  • 編集時にも軽くリミッターを適用

トラブルシューティング:それでも音割れする場合

すべての対策を試しても音割れが解消しない場合、以下を確認してください。

ケーブル・接続の問題

症状: 断続的に「バリバリ」という音が入る

対処法:

  • XLRケーブル、USBケーブルを交換
  • コネクタ部分を確認(緩んでいないか)
  • 別のUSBポートを試す

電源ノイズの混入

症状: 「ジー」という音と一緒に歪みが発生

対処法:

  • 電源タップを変更
  • 電源ケーブルとXLRケーブルを離す
  • アース接続を確認

マイク自体の故障

症状: どの設定でも音が歪む

対処法:

  • 別のマイクで試す
  • マイクをメーカーに点検依頼
  • 新しいマイクを購入

オーディオインターフェースの故障

症状: マイクを変えても音が歪む

対処法:

  • 別のオーディオインターフェースで試す
  • ドライバーを再インストール
  • メーカーサポートに問い合わせ

音割れ対策の実践チェックリスト

以下のチェックリストで、音割れ対策が完了しているか確認しましょう。

ハードウェア編

  • オーディオインターフェースのゲインを適切に設定した
  • PEAKランプが点灯しないことを確認した
  • マイクと口の距離を10〜15cm程度に調整した
  • ポップガードを設置した

ソフトウェア編(OBS)

  • リミッターを追加し、閾値を-3dBに設定した
  • コンプレッサーを追加し、出力ゲインを適切に設定した
  • ゲインフィルターは+6dB以下に抑えた
  • 音声メーターが赤に振り切らないことを確認した

OS編

  • Windowsのマイクブーストを確認した
  • 自動ゲイン調整をOFFにした

テスト編

  • 通常の声でテスト録画した
  • 大きな声(叫び声)でテスト録画した
  • 録画ファイルを再生して音割れがないことを確認した

よくある失敗パターンと回避方法

失敗パターン1:「音が小さい」と言われてゲインを上げすぎる

状況: 視聴者から「声が小さい」とコメントされ、ゲインを大幅に上げた結果、叫んだときに音が割れるようになった。

回避方法:

  1. ゲインは少しずつ上げる(+3dBずつ)
  2. ゲインを上げる前に、マイク距離を確認
  3. ゲインでなくOBSのフィルター(コンプレッサー)で調整

失敗パターン2:リミッターなしで配信

状況: 普段は問題ないが、盛り上がったときに「バリバリッ」と音が割れてしまう。

回避方法:

  1. 必ずリミッターを設定する
  2. 閾値は-3dB〜-6dBに設定
  3. 予想外の大声でもクリップしないようにする

失敗パターン3:コンプレッサーの出力ゲインを上げすぎる

状況: コンプレッサーをかけて音量を均一化したが、出力ゲインを上げすぎて結局クリップする。

回避方法:

  1. 出力ゲインは+3dB〜+6dBに抑える
  2. 足りない分はオーディオインターフェースのゲインで調整
  3. リミッターで最終的な上限を設定

失敗パターン4:配信と録画で設定が違う

状況: 配信では問題ないが、録画を確認すると音が割れている(またはその逆)。

回避方法:

  1. OBSの「詳細出力モード」で音声設定を確認
  2. 録画と配信で同じオーディオトラックを使用しているか確認
  3. 音声ビットレートが適切か確認(128kbps以上推奨)

配信タイプ別・音割れ対策のポイント

ゲーム配信

リスク: ゲームで盛り上がったときに叫びやすい

対策:

  • リミッター必須(閾値-3dB)
  • コンプレッサーで音量差を圧縮
  • ダイナミックマイク推奨

歌配信

リスク: 高音やサビで声量が上がる

対策:

  • リミッター(閾値-6dB、余裕を持つ)
  • コンプレッサーは軽めに(ダイナミクスを活かす)
  • リハーサルで最大音量を確認

雑談配信

リスク: リアクションで急に声が大きくなる

対策:

  • コンプレッサーでしっかり均一化
  • リミッター閾値-3dB
  • ノイズゲートで無音時の音も管理

コラボ配信

リスク: 複数人の音量バランスが崩れる、笑い声で音割れ

対策:

  • 各参加者がリミッターを設定
  • OBSで各音声トラックの音量を調整
  • 全体のミックスにもリミッターを適用

よくある質問(FAQ)

リミッターをかけると声が潰れませんか?
閾値を-3dB程度に設定し、通常の声が-12dB程度であれば、リミッターが働くのは叫んだときだけです。普段の声には影響しません。もし常にリミッターが働いている場合は、ゲインが高すぎる可能性があります。
コンプレッサーとリミッターの違いは何ですか?
コンプレッサーは閾値を超えた音を「圧縮」し、比率に応じて音量を下げます(例:4:1なら4dB超過分を1dBに)。リミッターは「これ以上絶対に大きくしない」という上限を設定するもので、比率が∞:1のコンプレッサーとも言えます。両方を使うことで、音量の均一化と音割れ防止を両立できます。
音割れを修復する方法はありますか?
録音済みの音割れを完全に修復することは困難です。Adobe Auditionの「クリップ修復」やiZotope RXの「De-clip」など専用ツールで軽減できることがありますが、完全ではありません。録音時に音割れを防ぐことが最も重要です。
ヘッドセットマイクでも音割れしますか?
はい、ヘッドセットマイクでも音割れします。特にゲーミングヘッドセットは感度が高いものが多く、叫ぶとクリップしやすいです。OS側でマイク音量を下げるか、OBSでリミッターを設定してください。
音割れとノイズの違いは何ですか?
音割れ(クリッピング)は「大きすぎる音がカットされて歪む現象」で、バリバリ・ビリビリという音になります。ノイズは「不要な音が混入する現象」で、サーッ・ブーンなどの音です。対処法も異なるため、どちらの問題かを正しく特定することが重要です。

まとめ

音割れ対策のポイントをまとめます。

まとめ

マイク音割れ対策の基本
  1. ゲインを適切に設定(叫んでも0dBを超えないレベルに)
  2. マイク距離を確認(10〜15cm程度)
  3. OBSでリミッターを設定(閾値-3dB、最後の砦)
  4. コンプレッサーで均一化(出力ゲインは控えめに)
  5. テスト録画で確認(実際の声で確認する)

音割れのない配信は、視聴者に「聴きやすい」「プロっぽい」という印象を与えます。この記事で紹介した対策を実践して、クリアな音質の配信を実現してください。

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この記事を書いた人

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モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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