医療・介護業界の資金調達ガイド｜診療報酬・介護報酬の入金サイクル対策【2025年版】

医療法人や介護事業所の経営者の皆様、こんな資金繰りの悩みを抱えていませんか？

「診療報酬の入金が2ヶ月後で、それまでのスタッフの給与支払いが厳しい」「新しい医療機器を導入したいが、手元資金が不足している」「介護報酬の入金サイクルが長く、事業拡大のタイミングを逃してしまう」

医療・介護業界は他業界と比較して特殊な報酬体系を持っており、資金繰りに独特の課題があります。診療報酬・介護報酬は国民健康保険団体連合会（国保連）や社会保険診療報酬支払基金（社保）から支払われますが、請求から入金までに約2ヶ月のタイムラグが発生します。

この記事では、医療・介護業界特有の資金繰り課題を分析し、診療報酬ファクタリング・介護報酬ファクタリングを中心とした効果的な資金調達方法を徹底解説します。特に2025年現在、国内初のマーケットプレース型ファクタリングプラットフォーム「CashBridge」を活用することで、従来よりも有利な条件で資金調達できる方法をご紹介します。

医療・介護業界特有の資金繰り課題

医療・介護業界の資金繰りは、一般的な事業会社とは大きく異なる特性を持っています。まずはこれらの課題を正確に理解することが、適切な資金調達戦略を立てる第一歩です。

診療報酬・介護報酬の2ヶ月遅れ入金問題

医療・介護業界最大の資金繰り課題は、報酬の入金サイクルの長さです。

診療報酬・介護報酬の入金スケジュールは以下のようになっています：

つまり、1月に提供した医療・介護サービスの報酬が実際に入金されるのは3月末～4月初旬となり、サービス提供から入金まで約2～3ヶ月のタイムラグが発生します。

この間も事業所は以下の支出を継続する必要があります：

• 人件費（医師・看護師・介護士の給与、社会保険料）
• 医薬品・医療材料費（診療に使用する薬剤・消耗品）
• 設備維持費（医療機器のメンテナンス、リース料）
• 施設運営費（家賃・光熱費・通信費）

特に人件費比率が高い医療・介護業界では、この入金サイクルの遅れが深刻な資金ショートを引き起こすリスクがあります。

人件費比率の高さと固定費負担

医療・介護業界は典型的な労働集約型産業であり、売上に占める人件費比率が非常に高いという特徴があります。

人件費は固定費であり、売上が減少しても簡単には削減できません。医師・看護師・介護士などの専門職は採用が難しく、一度退職されると補充が困難なため、経営が苦しくても人員削減は最後の手段となります。

さらに医療・介護業界では以下の固定費も発生します：

• 医療機器のリース料・減価償却費（CT・MRI・レントゲンなど高額機器）
• 施設の賃料・ローン返済（建物・土地の固定費）
• 医療用ガス・水道光熱費（24時間稼働の施設も多い）
• 医療廃棄物処理費用（感染性廃棄物の適正処理）
• 保険料（医療賠償責任保険・施設賠償責任保険）

これらの固定費は診療報酬・介護報酬の入金前でも支払期日が到来するため、常に2～3ヶ月分の運転資金を確保しておく必要があります。

設備投資と改装コストの負担

医療・介護業界では、質の高いサービスを提供し続けるために定期的な設備投資が不可欠です。

医療機器の更新サイクル

医療機器は技術進歩が早く、5～10年で更新が必要になります：

• 高額医療機器（CT・MRI・内視鏡など）：1台数千万～数億円
• 診察機器（超音波診断装置・心電計など）：1台数百万円
• 電子カルテシステム：導入費用1,000万～5,000万円
• 滅菌装置・手術用機器：定期的な更新が必須

施設のバリアフリー化・感染対策設備

近年の法改正や社会的要請により、以下の設備投資が求められています：

• バリアフリー改修（スロープ設置・エレベーター・多機能トイレ）
• 感染対策設備（陰圧室・換気システム・自動ドア）
• 耐震補強工事（既存建物の安全性向上）
• 省エネ設備（LED照明・空調システムの更新）

これらの設備投資は数百万～数千万円規模になることが多く、診療報酬の入金待ちでは対応できないため、別途資金調達が必要になります。

季節変動と患者数の波

医療・介護サービスの需要には季節変動があり、収入が不安定になりやすいという課題もあります。

繁忙期と閑散期の売上差

• 冬季（12月～3月）：インフルエンザ・風邪などで外来患者増加
• 春季（4月～5月）：健康診断シーズンで検診収入増加
• 夏季（6月～8月）：患者数がやや減少（熱中症対応は増加）
• 秋季（9月～11月）：比較的安定した患者数

介護業界でも、要介護認定の申請時期や施設の空き状況によって収入が変動します。

閑散期には診療報酬・介護報酬が減少しますが、固定費（人件費・家賃など）は変わらず発生するため、繁忙期の収益を閑散期に繰り越す資金管理が求められます。

返戻（レセプト差し戻し）リスク

診療報酬・介護報酬は「請求したら必ず全額入金される」わけではありません。返戻（レセプト差し戻し）のリスクがあります。

返戻が発生する主なケース

• 診療内容の記載不備（病名と処方の整合性が取れない）
• 算定要件の不備（加算の算定条件を満たしていない）
• 保険資格の確認ミス（患者の保険証情報が誤っている）
• 介護度の変更（要介護認定が変更されていた）

返戻が発生すると、修正して再請求する必要があり、入金がさらに1～2ヶ月遅れることになります。その間の資金繰りは一層厳しくなります。

診療報酬ファクタリング・介護報酬ファクタリングの仕組み

医療・介護業界の資金繰り課題を解決する有力な手段が、診療報酬ファクタリング・介護報酬ファクタリングです。ここでは、その仕組みと特徴を詳しく解説します。

ファクタリングとは何か

ファクタリングとは、売掛債権（売掛金）を期日前にファクタリング会社に売却し、早期に資金化するサービスです。

一般的なファクタリングでは、企業が取引先に対して持っている「商品を納品したが代金はまだ受け取っていない」という債権を、ファクタリング会社に買い取ってもらいます。

診療報酬・介護報酬ファクタリングも基本的な仕組みは同じですが、売掛先が国保連・社保という公的機関である点が大きな特徴です。

ファクタリングの基本構造

1. 医療機関・介護事業所：診療・介護サービスを提供し、レセプト請求を行う
2. 国保連・社保：診療報酬・介護報酬を約2ヶ月後に支払う（売掛先）
3. ファクタリング会社：診療報酬・介護報酬債権を買い取り、即座に資金を提供

診療報酬ファクタリングの流れ

診療報酬ファクタリングの具体的な流れは以下の通りです。

ステップ1：診療サービスの提供とレセプト請求

• 1月：患者に診療サービスを提供
• 2月10日：社保・国保連にレセプト（診療報酬明細書）を提出
• この時点で「診療報酬債権」が確定

ステップ2：ファクタリング会社への申込

• 2月中旬：ファクタリング会社に診療報酬債権の買取を申し込む
• 必要書類を提出（レセプトコピー、通帳コピー、決算書など）
• CashBridgeの場合は、オンラインで債権情報をアップロード

ステップ3：審査と見積もり

• ファクタリング会社が診療報酬債権を審査
• CashBridgeでは複数の買い手から見積もり（オファー）が提示される
• 手数料は通常1～5%程度

ステップ4：契約と資金化

• 条件の良いオファーを選んで契約
• 最短即日～数営業日で指定口座に入金
• 例：1,000万円の診療報酬債権を手数料2%で売却
  • 入金額：980万円（1,000万円 - 20万円）

ステップ5：診療報酬の入金と精算

• 3月末：社保・国保連から診療報酬が入金（1,000万円）
• ファクタリング会社に診療報酬をそのまま支払う
• これで取引完了

介護報酬ファクタリングの特徴

介護報酬ファクタリングは、基本的に診療報酬ファクタリングと同じ仕組みですが、いくつかの違いがあります。

介護報酬ファクタリングの特性

• 売掛先は国保連のみ（社保はない）
• 手数料はやや高め（2～6%程度）：診療報酬より返戻リスクが高いため
• 審査期間がやや長い：介護給付費明細書の内容確認が複雑
• 取り扱う会社が少ない：専門知識が必要なため、対応できるファクタリング会社が限られる

介護報酬ファクタリングが向いている事業所

• 訪問介護事業所：人件費比率が高く、報酬入金までの資金繰りが厳しい
• デイサービス：利用者数の変動が大きく、収入が不安定
• 介護施設（特養・老健）：新規開設時や増床時の設備投資資金
• 居宅介護支援事業所：ケアマネージャーの増員や事業拡大時

診療報酬ファクタリングの手数料相場と計算例

診療報酬・介護報酬ファクタリングの手数料は、一般的な売掛債権ファクタリングと比較して大幅に低いのが特徴です。

手数料相場の比較

診療報酬・介護報酬ファクタリングの手数料が低い理由は、売掛先が国保連・社保という公的機関で、貸し倒れリスクがほぼゼロだからです。

具体的な計算例

ケース1：クリニックが診療報酬1,500万円をファクタリング（2社間、手数料2%）

• 診療報酬債権額：1,500万円
• 手数料：1,500万円 × 2% = 30万円
• 実際の入金額：1,470万円
• 年利換算（2ヶ月前倒しで資金化）：2% ÷ (2ヶ月 / 12ヶ月) = 12% / 年

ケース2：介護施設が介護報酬800万円をファクタリング（3社間、手数料3%）

• 介護報酬債権額：800万円
• 手数料：800万円 × 3% = 24万円
• 実際の入金額：776万円
• 年利換算：3% ÷ (2ヶ月 / 12ヶ月) = 18% / 年

医療・介護業界で使える資金調達方法の比較

診療報酬・介護報酬ファクタリング以外にも、医療・介護業界で利用できる資金調達手段は複数あります。ここでは主要な資金調達方法を比較し、それぞれの特徴・メリット・デメリットを整理します。

銀行融資（運転資金・設備資金）

特徴

• 金融機関から借入を行い、毎月元本と利息を返済
• 運転資金融資と設備資金融資に分かれる
• 医療法人・社会福祉法人専門の融資商品も存在

メリット

デメリット

向いているケース

• 高額な医療機器の購入（CT・MRI・内視鏡など数千万円規模）
• 施設の新築・増築（建物・土地の取得）
• 長期的な事業拡大資金（分院展開、新規事業など）
• 財務基盤が安定している医療法人

医療機器リース

特徴

• 医療機器をリース会社から借りて使用し、毎月リース料を支払う
• 所有権はリース会社にあり、リース期間終了後に買い取りまたは返却

メリット

デメリット

向いているケース

• 開業時の医療機器導入（初期投資を抑えたい）
• 最新技術の機器を定期更新したい（5年ごとに最新モデルに）
• キャッシュフローを平準化したい（一時的な大きな支出を避ける）
• 減価償却の管理を簡素化したい

補助金・助成金

特徴

• 国や自治体が提供する返済不要の資金
• 医療・介護業界向けの専門補助金も多数存在

主な補助金・助成金

• 医療提供体制施設整備交付金：病床機能の転換・統合
• 介護ロボット導入支援事業：介護業務の効率化
• IT導入補助金：電子カルテ・業務システム導入
• 働き方改革推進支援助成金：労働環境改善
• キャリアアップ助成金：非正規職員の正社員化

メリット

デメリット

向いているケース

• 計画的な設備投資（半年～1年後の導入予定）
• 介護ロボットやICT機器の導入
• 職員の研修・キャリアアップ支援
• 事業計画の策定・実行支援

診療報酬・介護報酬ファクタリング

特徴

• 診療報酬・介護報酬債権を売却し、即座に資金化
• 借入ではなく債権譲渡

メリット

デメリット

向いているケース

• 給与支払いのための緊急資金（月末の支払期日に間に合わない）
• 設備投資の頭金（高額医療機器の一部支払い）
• 季節変動の補填（閑散期の運転資金）
• 新規開業・拡大時の一時的な資金ニーズ
• 銀行融資の審査待ち期間のつなぎ資金

各資金調達方法の比較表

ファクタリングが医療・介護業界に向いている理由

診療報酬・介護報酬ファクタリングは、医療・介護業界の資金繰り課題に非常に適した資金調達手段です。ここでは、その理由を詳しく解説します。

売掛先が公的機関で審査が通りやすい

ファクタリングの審査では、売掛先（債権の支払い元）の信用力が最も重視されます。

一般的な企業間取引では、売掛先が倒産したり支払いを延滞したりするリスクがありますが、診療報酬・介護報酬の売掛先は国保連・社保という公的機関です。

診療報酬・介護報酬ファクタリングの審査ポイント

• 売掛先の信用力：国保連・社保 → 倒産リスクゼロ、100点満点
• 医療機関・介護事業所の信用力：重要度は低い（赤字でも問題ない場合が多い）
• 返戻リスク：レセプトの審査状況・過去の返戻率を確認
• 債権の実在性：レセプト請求が実際に行われているか

つまり、医療機関・介護事業所自体の経営状態が赤字でも、診療報酬・介護報酬債権が確実に発生していればファクタリングを利用できる可能性が高いのです。

返済負担がなく財務を圧迫しない

ファクタリングは「借入」ではなく「債権の売却」です。そのため、貸借対照表上の負債には計上されません。

借入とファクタリングの財務への影響比較

銀行融資の場合

• 貸借対照表：借入金（負債）が増加
• 自己資本比率：低下（総資産に対する自己資本の割合が減る）
• 毎月の返済義務：元本 + 利息の支払いが発生
• 追加融資：負債が増えると新規借入が難しくなる

ファクタリングの場合

• 貸借対照表：売掛金が減少、現金が増加（資産の組み替えのみ）
• 自己資本比率：変わらない
• 返済義務：なし（売掛金が入金されたらファクタリング会社に支払うだけ）
• 追加融資：負債が増えないため、銀行融資の枠に影響しない

入金サイクルの長さを解消できる

診療報酬・介護報酬の最大の課題である「2ヶ月遅れの入金」を、ファクタリングによって解消できます。

入金サイクル改善の具体例

通常の入金スケジュール

• 1月：診療サービス提供
• 2月10日：レセプト請求
• 3月末：入金（サービス提供から約2ヶ月後）

ファクタリング利用時

• 1月：診療サービス提供
• 2月10日：レセプト請求
• 2月中旬：ファクタリング申込
• 2月下旬：即日～数日で資金化（サービス提供から約1ヶ月後）

入金サイクルが1ヶ月短縮されることで得られるメリット

• 人件費の支払いに余裕ができる（給与日に確実に支払える）
• 医薬品・医療材料の仕入れ資金を確保できる（在庫切れを防ぐ）
• 設備投資のタイミングを逃さない（チャンスを活かせる）
• 季節変動による資金ショートを防げる（閑散期も安定）

スピーディーな資金調達が可能

医療・介護業界では、急な資金ニーズが発生することがあります。

緊急資金ニーズの例

• 給与支払日が迫っているが、手元資金が不足
• 高額医療機器の購入チャンスが突然訪れた（在庫処分品・展示品など）
• 施設の緊急修繕が必要（水漏れ・空調故障など）
• 優秀な医師・看護師の採用チャンス（採用費・引っ越し費用の支援）
• 新規患者が急増し、医薬品・材料の追加仕入れが必要

このような緊急時に、銀行融資では間に合いません。審査に数週間～数ヶ月かかるためです。

ファクタリングのスピード

• 申込から審査：数時間～1営業日
• 契約から入金：最短即日（遅くとも2～3営業日）
• トータル：最短即日～3営業日で資金化

CashBridgeのようなマーケットプレース型ファクタリングでは、複数の買い手から同時にオファーを受けられるため、さらにスピーディーです。

医療・介護業界専門のファクタリング会社が多い

診療報酬・介護報酬ファクタリングは、医療・介護業界に特化したファクタリング会社が多数存在します。

専門ファクタリング会社の強み

• 医療・介護業界の商習慣を理解している
• レセプト請求の仕組みを熟知している
• 返戻リスクを適切に評価できる
• 医療法人・社会福祉法人の財務を理解している
• スムーズな審査・柔軟な対応が期待できる

CashBridgeには、こうした医療・介護業界専門のファクタリング会社も多数登録しています。複数の専門会社から見積もりを受けることで、業界に精通した買い手との取引が可能になります。

実践的な資金繰り改善テクニック

診療報酬・介護報酬ファクタリングを活用することは重要ですが、それだけでなく日々の資金繰り管理を改善することで、より安定した経営が実現できます。ここでは、医療・介護業界で実践できる資金繰り改善テクニックを紹介します。

資金繰り表の作成と定期的な更新

資金繰り改善の第一歩は、資金繰り表の作成です。資金繰り表とは、現金の入金と出金を時系列で管理し、将来の現金残高を予測するツールです。

資金繰り表の基本項目

• 月初現金残高：前月末の現金残高
• 入金予定：診療報酬・介護報酬の入金、自費収入、補助金など
• 出金予定：人件費、医薬品・材料費、家賃、リース料、光熱費など
• 月末現金残高：月初残高 + 入金 - 出金

医療・介護業界特有の注意点

• 診療報酬・介護報酬は2ヶ月後の入金で記載（1月診療分は3月末入金）
• 返戻リスクを考慮（入金予定額の95～98%で計算）
• 季節変動を反映（冬季は患者数増、夏季は減少など）
• 人件費は固定費として確実に計上（賞与も忘れずに）

支払いサイトの調整と交渉

資金繰り改善のもう一つの重要なポイントは、支払いサイト（支払期日）の調整です。

支払いサイトを延ばす交渉

• 医薬品・医療材料の仕入先：支払いを月末締め翌月末払い → 翌々月15日払いに延長
• リース会社：支払日を月末 → 月初に変更（診療報酬入金後に設定）
• 家賃・光熱費：可能であれば支払日を月末 → 月初に調整

交渉のポイント

• 長期取引先には「継続取引を前提に」と前置きして交渉
• 一度にすべてを変更しようとせず、段階的に調整
• 「診療報酬の入金サイクルが長い」という業界特性を説明

自費診療の拡大と即時収入の確保

診療報酬・介護報酬は入金が2ヶ月後ですが、自費診療や自費サービスは即時収入になります。

自費診療・自費サービスの例

医科クリニック

• 美容医療（しみ取り、脱毛、ボトックス）
• 予防接種（インフルエンザ、肺炎球菌など）
• 健康診断（人間ドック、企業健診）
• 自由診療（AGA治療、ED治療、禁煙外来）

歯科クリニック

• インプラント
• 審美歯科（ホワイトニング、セラミック）
• 矯正歯科

介護事業所

• 保険外サービス（庭の手入れ、大掃除、買い物代行）
• 自費デイサービス（保険適用外の特別プログラム）
• 有料オプション（個別リハビリ、特別食）

自費診療拡大のメリット

複数月分の診療報酬をまとめてファクタリング

資金繰りに大きな余裕を持たせたい場合や、大型設備投資を計画している場合は、複数月分の診療報酬・介護報酬をまとめてファクタリングすることも有効です。

まとめてファクタリングの例

• 11月・12月・1月の3ヶ月分の診療報酬債権を一度に売却
• 合計額：3,000万円（月平均1,000万円 × 3ヶ月）
• 手数料2%：60万円
• 入金額：2,940万円

まとめてファクタリングのメリット

• 大型設備投資の頭金にできる（CT・MRI・内視鏡など）
• 新規開業・分院展開の初期費用を賄える
• 季節変動の影響を受けにくくなる（数ヶ月分の運転資金を一度に確保）
• 手数料を交渉しやすい（大口取引のため、手数料を下げてもらえる可能性）

返戻率を下げる取り組み

診療報酬・介護報酬の返戻（レセプト差し戻し）が発生すると、入金がさらに1～2ヶ月遅れ、資金繰りが悪化します。返戻率を下げる取り組みも重要です。

返戻を減らすための対策

レセプト請求の精度向上

• 病名と処方の整合性チェック（自動チェックソフトの導入）
• 算定要件の再確認（加算の算定条件を満たしているか）
• 保険証の確認徹底（初診時・月初の保険証確認）

スタッフ教育

• レセプト作成スタッフの研修（最新の診療報酬改定内容を学ぶ）
• 医師・看護師への周知（算定可能な処置・指導料の理解）
• 事例検討会の実施（過去の返戻事例を共有）

レセプト点検の外部委託

• 専門業者によるレセプト点検（請求前に第三者がチェック）
• 返戻率の高い項目を重点的に確認

季節変動を見越した資金計画

医療・介護業界では、季節によって患者数・利用者数が変動します。この変動を見越した資金計画が重要です。

季節変動のパターン

• 冬季（12月～2月）：風邪・インフルエンザで外来患者増 → 診療報酬増
• 春季（4月～5月）：健康診断シーズン → 健診収入増
• 夏季（6月～8月）：患者数やや減少 → 診療報酬減
• 秋季（9月～11月）：比較的安定

季節変動への対応策

• 繁忙期（冬季）の収益を閑散期（夏季）に繰り越す
• 閑散期前にファクタリングで運転資金を確保
• 固定費の見直し（夏季に不要な経費を削減）
• 自費診療の強化（夏季に予防接種キャンペーンなど）

CashBridgeの活用法

ここまで診療報酬・介護報酬ファクタリングの仕組みや医療・介護業界での活用方法を解説してきましたが、ここからは具体的にCashBridgeを使った資金調達の方法を詳しく説明します。

CashBridgeとは

CashBridgeは、国内初のマーケットプレース型ファクタリングプラットフォームです。従来のファクタリングでは、1社ずつファクタリング会社に問い合わせて見積もりを取る必要がありましたが、CashBridgeでは複数の買い手（ファクタリング会社）から同時にオファーを受けられる仕組みになっています。

CashBridgeの特徴

従来のファクタリングとCashBridgeの違い

従来のファクタリング

1. ファクタリング会社A社に問い合わせ → 見積もり受領（手数料3%）
2. ファクタリング会社B社に問い合わせ → 見積もり受領（手数料4%）
3. ファクタリング会社C社に問い合わせ → 見積もり受領（手数料2.5%）
4. 最も条件の良いC社と契約

問題点：1社ずつ問い合わせる手間がかかる、比較に時間がかかる

CashBridgeの場合

1. CashBridgeに診療報酬債権情報を登録
2. 複数の買い手から同時にオファーが届く（A社3%、B社4%、C社2.5%）
3. 最も条件の良いC社を選んで契約

メリット：一度の登録で複数見積もり、比較が簡単、時間短縮

CashBridgeの売り手手数料無料の仕組み

CashBridgeの大きな特徴は、売り手（医療機関・介護事業所）の利用料が完全無料という点です。

無料で提供できる理由

CashBridgeは、買い手（ファクタリング会社）からプラットフォーム利用料を受け取るビジネスモデルです。売り手は一切費用を負担せず、買い手が提示する手数料のみで取引できます。

売り手が負担する費用

• プラットフォーム利用料：0円
• 登録料：0円
• 年会費：0円
• 成約手数料：0円
• かかる費用：買い手が提示する手数料のみ

複数オファーを比較して最適な条件を選べる

CashBridgeの最大のメリットは、複数の買い手から同時にオファーを受けられることです。

オファー比較の流れ

1. 債権情報の登録：診療報酬・介護報酬債権の金額・入金予定日などを入力
2. オファーの受領：数時間～1営業日以内に複数の買い手からオファーが届く
3. 条件の比較：手数料・入金スピード・買い手の評価を比較
4. 最適なオファーを選択：最も条件の良いオファーを選んで契約

オファー比較の具体例

例：診療報酬債権1,000万円をファクタリング

• A社のオファー：手数料2%（入金額980万円）、入金まで2営業日、評価4.5
• B社のオファー：手数料3%（入金額970万円）、即日入金可能、評価4.8
• C社のオファー：手数料1.5%（入金額985万円）、入金まで3営業日、評価4.2

選択のポイント

• 手数料重視：C社（1.5%）
• スピード重視：B社（即日入金）
• 総合評価重視：B社（評価4.8で即日対応）

このように、自分のニーズに合わせて最適なオファーを選べます。

レビュー・評価機能で信頼性を確認

CashBridgeには、買い手・売り手を相互に評価するレビュー機能があります。これにより、取引の透明性が高まり、安心して利用できます。

レビュー機能の内容

• 買い手の評価：過去の取引で売り手が買い手を評価（対応の速さ、誠実さなど）
• 売り手の評価：買い手が売り手を評価（債権の正確性、スムーズな対応など）
• 評価の公開：すべてのユーザーが評価を閲覧可能

レビューで確認できること

• 買い手の対応スピード：「即日対応してくれた」「審査が早かった」
• 買い手の誠実さ：「説明が丁寧だった」「手数料が明確だった」
• トラブルの有無：「契約後に追加費用を請求された」などの悪質な買い手を避けられる

医療・介護業界での利用ステップ

CashBridgeを使って診療報酬・介護報酬をファクタリングする具体的なステップを解説します。

ステップ1：CashBridgeに登録

• CashBridge公式サイトから無料会員登録
• 医療法人・個人クリニック・介護事業所の基本情報を入力
• 本人確認書類（代表者の身分証明書）をアップロード

ステップ2：診療報酬・介護報酬債権の登録

• 債権額：例）1,000万円
• 入金予定日：例）2025年3月31日（社保・国保連からの入金日）
• 債権の種類：診療報酬 or 介護報酬
• 必要書類のアップロード：レセプトコピー、入金実績がわかる通帳コピーなど

ステップ3：複数の買い手からオファーを受領

• 債権登録後、数時間～1営業日以内に複数の買い手からオファーが届く
• オファー内容：手数料、入金スピード、買い手の評価など

ステップ4：オファーを比較して選択

• 手数料・入金スピード・買い手の評価を比較
• 最も条件の良いオファーを選択

ステップ5：契約と資金化

• 選んだ買い手と契約手続き（オンラインで完結）
• 最短即日～数営業日で指定口座に入金

ステップ6：診療報酬の入金と精算

• 社保・国保連から診療報酬が入金されたら、そのままファクタリング会社に支払う
• 取引完了、買い手・売り手を相互評価

CashBridgeを使うべきタイミング

CashBridgeを活用すべき具体的なタイミングを紹介します。

タイミング1：給与支払日が迫っているが手元資金が不足

• 月末の給与支払いに間に合わない → CashBridgeで即日資金化

タイミング2：高額医療機器の購入チャンス

• 展示品・在庫処分品の医療機器が格安で出ている → 複数月分をまとめてファクタリング

タイミング3：新規開業・分院展開の初期費用

• 開業資金の一部をファクタリングで調達 → 銀行融資と併用

タイミング4：季節変動の資金ショート対策

• 夏季の閑散期に備えて、春季の診療報酬をファクタリング

タイミング5：銀行融資の審査待ち期間のつなぎ資金

• 銀行融資の審査に数週間～数ヶ月かかる間、CashBridgeで一時的に資金調達

よくある質問

診療報酬ファクタリングは医療法人でも利用できますか？

はい、医療法人・個人クリニック・歯科医院・介護事業所など、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会から診療報酬・介護報酬を受け取る事業者であれば利用可能です。CashBridgeでは医療・介護業界専門のファクタリング会社も多数登録しているため、業界特有の審査基準に対応しています。

診療報酬ファクタリングの手数料相場はどのくらいですか？

診療報酬ファクタリングの手数料相場は1～5%程度です。一般的な売掛債権ファクタリング（手数料10～30%）と比較して低い理由は、国保連・社保から確実に入金されるため貸し倒れリスクが極めて低いためです。CashBridgeでは複数の買い手から見積もりを受けられるため、より低い手数料での調達が期待できます。

介護報酬ファクタリングと診療報酬ファクタリングの違いは？

基本的な仕組みは同じですが、介護報酬の方が若干手数料が高い傾向にあります（2～6%程度）。これは介護報酬の審査が複雑で返戻（請求差し戻し）リスクがやや高いためです。また、介護報酬は国保連からの入金のみとなるため、社保からの入金もある診療報酬と比較すると取り扱うファクタリング会社が少ない場合があります。

ファクタリング利用は銀行融資に影響しますか？

診療報酬・介護報酬ファクタリングは売掛債権の譲渡であり借入ではないため、貸借対照表上の負債には計上されません。そのため自己資本比率が悪化せず、銀行融資への悪影響は基本的にありません。むしろ資金繰りが改善されることで、経営状態が良好と判断される可能性もあります。ただし、頻繁な利用は資金繰りの逼迫を示唆する可能性があるため、計画的な利用が重要です。

CashBridgeの売り手手数料無料は本当ですか？追加費用はかかりませんか？

はい、CashBridgeのプラットフォーム利用料（売り手手数料）は完全無料です。かかる費用は買い手（ファクタリング会社）が提示する手数料のみで、隠れた費用や追加料金は一切ありません。登録料・年会費・成約手数料などもすべて無料です。これは買い手からのプラットフォーム利用料でシステムを運営しているためです。

最短どのくらいで資金化できますか？

最短即日での資金化が可能です。CashBridgeに診療報酬・介護報酬の請求データをアップロードすると、複数の買い手から数時間～1営業日以内にオファーが届きます。条件の良いオファーを選んで契約すれば、最短で当日中に入金されます。ただし、初回利用時は審査に1～2営業日かかる場合があります。

どのような書類が必要ですか？

基本的に必要な書類は、①診療報酬明細書（レセプト）または介護給付費明細書、②国保連・社保からの入金が確認できる通帳コピー、③医療法人の場合は登記簿謄本・決算書、④代表者の身分証明書などです。CashBridgeでは書類のアップロードもオンラインで完結するため、来店や郵送は不要です。必要書類は買い手によって若干異なるため、オファー時に確認できます。

2ヶ月後の診療報酬をファクタリングできますか？それとも請求後すぐですか？

診療報酬は請求から入金まで約2ヶ月かかりますが、ファクタリングは「請求が確定した時点」から利用可能です。例えば1月診療分は2月10日に請求確定し、3月末に入金されますが、2月10日以降であればファクタリングで即座に資金化できます。つまり最大2ヶ月分の資金を前倒しで調達できるということです。

まとめ

医療・介護業界は、診療報酬・介護報酬の入金サイクルが2ヶ月遅れという特殊な事情により、資金繰りに独特の課題を抱えています。人件費比率が高く、固定費の負担も大きいため、適切な資金管理と計画的な資金調達が経営の安定に不可欠です。

医療・介護業界で安定した経営を続けるためには、診療報酬・介護報酬の入金サイクルの長さを理解し、適切なタイミングでファクタリングを活用することが重要です。CashBridgeのようなマーケットプレース型プラットフォームを利用すれば、複数の買い手から最も有利な条件を選んで資金調達できます。

資金繰りの悩みを解消し、患者・利用者への質の高いサービス提供に集中するために、ぜひCashBridgeを活用してみてください。

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• Empty hospital bed: Photo by Zoshua Colah on Unsplash
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• Health at home Care Center: Photo by Dr.Kanapon Phumratprapin on Unsplash
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