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資金繰り表の作り方|テンプレート付きで初心者でも簡単に作成【2025年版】

資金繰り表の作り方|テンプレート付きで初心者でも簡単に作成【2025年版】

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資金繰り表の作り方|テンプレート付きで初心者でも簡単に作成【2025年版】

「売上はあるのに、なぜか手元に現金がない…」

経営者なら誰もが一度は経験するこの悩み。その原因は、売上と実際の入金のタイミングがズレているからです。このズレを可視化し、将来の資金不足を事前に予測するのが「資金繰り表」です。

資金繰り表は、企業の生命線とも言えるキャッシュフローを管理するための必須ツール。適切に活用すれば、突然の資金ショートを防ぎ、計画的な資金調達が可能になります。

本記事では、資金繰り表の基本から実践的な作成方法、テンプレートの活用法、さらには資金不足時の対処法まで、初心者でも今日から実践できる内容を徹底解説します。

この記事でわかること - 資金繰り表の基本構成と重要性 - 初心者でも作成できるステップバイステップの作り方 - 無料で使えるテンプレートと活用法 - 資金繰り表から見える経営課題の発見方法 - 資金不足時のファクタリング活用術 - CashBridgeを使った効率的な資金調達方法

資金繰り表とは?なぜ必要なのか

資金繰り表のイメージ

資金繰り表の定義と役割

資金繰り表とは、企業の現金の出入りを時系列で記録・予測し、将来の資金残高を把握するための管理表です。

会計上は黒字でも、入金と支払のタイミングがズレれば資金ショートを起こす可能性があります。これを「勘定合って銭足らず」と言います。資金繰り表は、この致命的な事態を未然に防ぐための早期警戒システムなのです。

損益計算書との違い

損益計算書(P/L)は「売上がいつ発生したか」を基準に作成されますが、資金繰り表は「実際にお金がいつ動いたか」を記録します。この違いが、黒字倒産を防ぐ鍵となります。

資金繰り表が必要な3つの理由

1. 資金ショートの予防

資金繰り表を作成することで、1ヶ月後、3ヶ月後の資金残高が予測できます。資金不足が予測された時点で、融資の申込みやファクタリングの検討など、事前に対策を打つことができます。

2. 経営判断の精度向上

新規設備投資や人材採用を検討する際、資金繰り表があれば「今投資しても大丈夫か」を数字で判断できます。感覚ではなく、データに基づいた経営判断が可能になります。

3. 金融機関との信頼関係構築

銀行から融資を受ける際、資金繰り表の提出を求められることがあります。日頃から精度の高い資金繰り表を作成していれば、金融機関からの信頼度が向上し、融資審査もスムーズになります。

資金繰り表を作成すべき事業者

以下に該当する事業者は、特に資金繰り表の作成が重要です:

  • 売掛金の回収サイトが長い事業(建設業、卸売業など)
  • 季節変動が大きい事業(観光業、イベント業など)
  • 在庫を多く抱える事業(小売業、製造業など)
  • 起業後3年以内のスタートアップ
  • 借入金の返済がある事業
  • 資金ショートを事前に予測できる
  • 資金調達のタイミングを計画的に判断できる
  • 金融機関への説明資料として活用できる
  • 経営の「見える化」が進む
  • 無駄な支出を発見しやすくなる
  • 資金効率の改善ポイントが明確になる
  • 作成に一定の時間と手間がかかる
  • 予測精度を高めるには実績データの蓄積が必要
  • 更新を怠ると意味がなくなる
  • 売上予測が外れると資金繰り予測も狂う

資金繰り表の基本構成と項目

資金繰り表の構成図

資金繰り表は大きく分けて「収入の部」「支出の部」「財務の部」の3つから構成されます。

資金繰り表の基本フォーマット

標準的な資金繰り表は、以下の構成になります:

資金繰り表の基本構成
前月繰越前月末の現預金残高
営業収入売上代金の回収、現金売上など
営業支出仕入代金、人件費、経費の支払など
営業収支営業収入 - 営業支出
財務収入借入金の受入、増資など
財務支出借入金の返済、利息支払など
財務収支財務収入 - 財務支出
当月繰越前月繰越 + 営業収支 + 財務収支

収入の部の詳細項目

営業収入

  • 現金売上
  • 売掛金回収(前々月分、前月分、当月分)
  • 受取手形の期日入金
  • その他の営業収入

営業外収入

  • 受取利息・配当金
  • 雑収入
  • 保険金収入など

財務収入

  • 短期借入金
  • 長期借入金
  • 増資・出資受入
  • ファクタリングによる売掛金の早期現金化

支出の部の詳細項目

営業支出

  • 仕入代金支払(買掛金、現金仕入)
  • 人件費(給与、賞与、法定福利費)
  • 家賃・地代
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 広告宣伝費
  • 交通費
  • 消耗品費
  • 外注費
  • 租税公課

営業外支出

  • 支払利息
  • 雑支出

財務支出

  • 短期借入金返済
  • 長期借入金返済
  • リース料
  • 配当金支払

項目設定のポイント

資金繰り表の項目は、自社の事業特性に合わせてカスタマイズすることが重要です。

項目設定の基本ルール:

  1. 重要度の高い項目は独立させる

    • 金額の大きい経費は独立項目として管理
    • 例:人件費、仕入代金、家賃など
  2. 支払サイトごとに分ける

    • 売掛金回収は「前々月分」「前月分」「当月分」に分割
    • 買掛金支払も同様に分割管理
  3. 月によって変動する項目を明確化

    • 賞与、税金、保険料など
    • 年間スケジュールと連動させる
配信者・クリエイター特有の項目

配信ビジネスやコンテンツ制作を行う場合、以下の項目も追加検討してください:

  • プラットフォーム収入(YouTube、Twitch等)
  • スーパーチャット・投げ銭収入
  • 企業案件収入
  • アフィリエイト収入
  • 機材購入費
  • ソフトウェアサブスクリプション費用
  • スタジオ・撮影場所レンタル費

※プラットフォーム収入は支払サイトが長い場合が多いため、入金タイミングの正確な把握が重要です。

資金繰り表の作り方(ステップバイステップ)

資金繰り表作成のステップ

初めて資金繰り表を作成する方でも、以下のステップに従えば確実に作成できます。

ステップ1:前月繰越(期首残高)の確認

資金繰り表の起点となるのが「前月繰越」です。これは前月末時点の現預金残高を指します。

確認方法:

  • 通帳残高(すべての銀行口座)
  • 現金手元有高
  • 小口現金
注意点 会計帳簿上の現預金残高と、実際の通帳・手元現金が一致しているか必ず確認してください。ズレがある場合は、原因を特定して修正します。

ステップ2:営業収入の予測

売上と実際の入金は異なります。入金タイミングを正確に把握することが重要です。

入金予測の手順:

  1. 売上の発生時期を確認

    • 当月の売上予測を立てる
    • 既存の受注残を確認
  2. 入金サイトを確認

    • 現金売上:当月入金
    • 売掛金:翌月末払い、翌々月末払いなど
    • 手形:振出日から期日までの期間
  3. 過去の入金実績を参照

    • 取引先ごとの入金遅延傾向
    • 季節変動パターン

具体例:

売上100万円、回収条件「翌月末払い」の場合:

  • 1月売上100万円 → 2月末入金
  • 2月売上120万円 → 3月末入金

これを資金繰り表に反映させます。

売掛金回収の遅延リスク

取引先の経営状況悪化や、支払遅延が常態化している場合、予定通りの入金がないこともあります。安全を見て、入金予測は保守的に設定することをおすすめします。

もし売掛金の回収遅延リスクが高い場合、ファクタリングを活用することで確実に資金化できます。

ステップ3:営業支出の予測

支出は収入よりも予測しやすい項目です。

支出予測のポイント:

固定費(毎月ほぼ一定の支出)

  • 家賃・地代
  • リース料
  • 定額制のサブスクリプション費用
  • 保険料(月割)

変動費(売上や活動量に応じて変動)

  • 仕入代金
  • 外注費
  • 広告宣伝費
  • 交通費・通信費

人件費

  • 給与(支払日を明確に)
  • 賞与(年2回なら該当月に計上)
  • 法定福利費

不定期支出

  • 税金(法人税、消費税、固定資産税など)
  • 保険料(年払い)
  • 設備投資
支出管理のコツ 過去6ヶ月〜1年分の支出データを分析し、平均値や季節変動を把握してください。Excelのピボットテーブルを使えば、勘定科目ごとの月別推移が簡単に確認できます。

ステップ4:財務収支の計上

借入金の返済や新規借入を計上します。

財務収入:

  • 銀行からの借入予定
  • 増資・出資の受入予定
  • ファクタリングによる売掛金の早期現金化

財務支出:

  • 借入金返済(元金)
  • 借入金利息
  • リース債務の返済
返済予定表の活用

銀行からの借入金については、返済予定表(償還表)が発行されます。これをもとに、毎月の返済額(元金+利息)を資金繰り表に正確に反映させてください。

ステップ5:当月繰越の計算

すべての収支を計上したら、当月繰越(月末残高)を計算します。

計算式:

当月繰越 = 前月繰越 + 営業収入 - 営業支出 + 財務収入 - 財務支出

この計算を月ごとに繰り返し、少なくとも3ヶ月〜6ヶ月先まで予測を作成します。

ステップ6:予実管理と更新

資金繰り表は作成したら終わりではなく、実績と比較して精度を高めていくことが重要です。

予実管理のサイクル:

  1. 月初に前月実績を記録

    • 予測値と実績値を並べて比較
    • ズレの原因を分析
  2. 予測値の修正

    • 実績をもとに今後の予測を見直し
    • 新しい情報(大口受注、設備投資計画など)を反映
  3. ローリング予測

    • 常に3〜6ヶ月先までの予測を維持
    • 月次で予測期間を延長(ローリング方式)
予実差異分析のポイント

予測と実績のズレが大きい項目を特定し、次回からの予測精度を向上させます。特に以下の項目はズレが発生しやすいので注意:

  • 売掛金の回収時期
  • 大口仕入の支払タイミング
  • 不定期の設備投資

資金繰り表テンプレートの活用方法

テンプレートのイメージ

一から資金繰り表を作成するのは大変です。無料で公開されているテンプレートを活用すれば、初心者でも簡単に作成できます。

おすすめの無料テンプレート

1. Excelベースのテンプレート

Excelで作成されたテンプレートは、自社の事業に合わせてカスタマイズしやすいのが特徴です。

主な提供元:

  • 日本政策金融公庫
  • 中小企業庁
  • 各地の商工会議所
  • 会計ソフトメーカー(弥生、freeeなど)

メリット:

  • 自由にカスタマイズ可能
  • オフラインでも作業できる
  • 関数を使った自動計算が便利

デメリット:

  • 複数人での共同編集が難しい
  • バージョン管理が煩雑になりがち

2. Googleスプレッドシート版

クラウドベースのスプレッドシートは、複数人での共有・編集がスムーズです。

メリット:

  • リアルタイムでの共同編集が可能
  • 自動保存されるため、保存忘れがない
  • スマホ・タブレットからもアクセス可能

デメリット:

  • インターネット接続が必要(オフライン編集も可能だが制限あり)
  • Excelに比べて関数の種類が少ない場合がある

テンプレートのカスタマイズ方法

テンプレートをダウンロードしたら、自社の事業に合わせてカスタマイズします。

カスタマイズのステップ:

1. 不要な項目を削除

テンプレートには汎用的な項目が多数含まれています。自社に関係のない項目は削除してシンプルにしましょう。

例:

  • 手形取引がない場合 → 「受取手形」「支払手形」の項目を削除
  • 借入金がない場合 → 「借入金利息」の項目を削除

2. 必要な項目を追加

自社特有の収支項目を追加します。

例(配信ビジネスの場合):

  • YouTube広告収入
  • スーパーチャット収入
  • 企業案件収入
  • 機材購入費
  • 編集外注費

3. 支払サイトに合わせた列を設定

取引先の支払サイトに応じて、売掛金・買掛金の列を調整します。

例:

  • 「売掛金回収(前々月分)」
  • 「売掛金回収(前月分)」
  • 「売掛金回収(当月分)」

4. 自動計算式の確認

テンプレートに組み込まれている計算式が正しく動作するか、サンプルデータを入力して確認します。

カスタマイズの注意点

計算式のセル(SUM関数など)を誤って削除しないよう注意してください。編集前にファイルのバックアップを取ることをおすすめします。

実際の入力例

具体的な数字を使って、資金繰り表への入力方法を見てみましょう。

前提条件:

  • 前月繰越:500万円
  • 当月売上予測:200万円(すべて翌月末払い)
  • 前月売上(当月入金分):180万円
  • 仕入支払:80万円
  • 人件費:100万円
  • 家賃:30万円
  • その他経費:20万円
  • 借入金返済:10万円

資金繰り表への記入:

項目金額(万円)
前月繰越500
営業収入
売掛金回収(前月分)180
営業支出
仕入代金-80
人件費-100
家賃-30
その他経費-20
営業収支-50
財務支出
借入金返済-10
財務収支-10
当月繰越440

この例では、当月末の予測残高は440万円となります。

ポイント 当月の売上200万円は、入金が翌月のため、当月の収入には計上されません。この「売上」と「入金」のタイムラグが資金繰り管理の重要なポイントです。

クラウド会計ソフトとの連携

最近では、クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード、弥生会計オンラインなど)に資金繰り表機能が組み込まれています。

メリット:

  • 会計データと自動連携するため、入力の手間が削減
  • 銀行口座やクレジットカードとの自動同期
  • リアルタイムでの資金残高把握

デメリット:

  • 月額利用料が発生
  • 自由度の高いカスタマイズには制限がある場合も

おすすめの使い分け:

  • 小規模・個人事業主 → Excelテンプレートで十分
  • 中規模以上・複数人管理 → クラウド会計ソフトの検討価値あり

資金繰り表から見える課題と対策

データ分析のイメージ

資金繰り表を作成すると、企業の財務状況における課題が明確に見えてきます。

よくある資金繰りの課題

1. 慢性的な資金不足

毎月の資金繰りがギリギリで、常に資金ショートの不安を抱えている状態です。

原因:

  • 利益率の低さ
  • 売掛金の回収サイトが長すぎる
  • 在庫の過剰保有
  • 無駄な固定費

対策:

  • 利益率の見直し(値上げ、コスト削減)
  • 売掛金回収の早期化交渉
  • 在庫管理の最適化
  • 固定費の削減(賃料交渉、不要な契約解除)

2. 季節変動による資金不足

特定の時期に資金が不足する場合です(例:賞与支払月、税金納付月など)。

対策:

  • 年間資金計画の作成
  • 資金不足が予測される月の数ヶ月前から資金確保を計画
  • 短期借入枠(当座貸越)の設定
  • ファクタリングの活用

3. 急激な売上増による運転資金不足

売上が増えることは喜ばしいことですが、仕入や人件費が先行して支出され、売掛金の回収まで時間がかかるため、一時的に資金不足に陥ることがあります。

対策:

  • 成長に見合った運転資金の確保
  • 売掛金の早期現金化(ファクタリング)
  • 設備投資のタイミング調整
「成長による資金不足」の罠

売上が伸びているのに資金繰りが苦しいのは、運転資金の増加が原因です。売上が2倍になれば、仕入や人件費も増えるため、必要な運転資金も増加します。この状況を「黒字倒産」と呼びます。

資金繰り表を使った改善提案

資金繰り表を定期的に分析することで、以下のような改善策が見えてきます。

入金サイクルの短縮

売掛金の回収期間を短縮できれば、資金繰りは大幅に改善します。

具体的な方法:

  • 前払い・前受金の導入
  • 請求書発行の早期化
  • 回収条件の見直し交渉(翌々月払い → 翌月払い)
  • 早期入金割引の提供
  • ファクタリングの活用

支払サイクルの調整

支払タイミングを後ろ倒しにできれば、資金繰りに余裕が生まれます。

具体的な方法:

  • 仕入先との支払条件交渉(当月払い → 翌月払い)
  • クレジットカード決済の活用(支払を1〜2ヶ月先送り)
  • 手形払いの活用(ただし手形割引の手数料に注意)

固定費の見直し

毎月確実に出ていく固定費を削減できれば、資金繰りは安定します。

見直しポイント:

  • 使用頻度の低いサブスクリプションサービスの解約
  • オフィス賃料の見直し・移転検討
  • 不要な保険契約の解約
  • 通信費の見直し(格安SIM、光回線の乗り換え)
  • 突然の資金ショートリスクの低減
  • 銀行融資の審査が通りやすくなる
  • 経営者の精神的ストレス軽減
  • 新規投資の判断がしやすくなる
  • 取引先との交渉力向上

ケーススタディ:資金繰り改善の実例

事例:配信機材レンタル事業(従業員5名)

改善前の課題:

  • 売掛金の回収サイトが翌々月末払い(約60日)
  • 機材購入費が先行して発生
  • 季節変動が大きく、閑散期に資金不足

資金繰り表による可視化:

  • 年間を通じた資金の動きをグラフ化
  • 7月・8月・12月に資金不足が発生すると予測

実施した改善策:

  1. 大口取引先に早期入金割引(2%オフ)を提案 → 翌月払いに変更
  2. 小口取引は前払い制度を導入
  3. 閑散期に備えて、繁忙期の利益を積み立て
  4. 高額機材の購入はファクタリングで資金確保

結果:

  • 平均入金サイクルが60日 → 35日に短縮
  • 閑散期の資金不足が解消
  • 銀行融資枠の増枠に成功

資金不足が予測された時のファクタリング活用

ファクタリングのイメージ

資金繰り表を作成した結果、将来的に資金不足が予測された場合、どのような資金調達手段があるでしょうか。

資金調達手段の比較

資金不足への対処法は複数ありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

1. 銀行融資

メリット:

  • 金利が低い(年1〜3%程度)
  • 長期の資金調達が可能

デメリット:

  • 審査に時間がかかる(数週間〜1ヶ月)
  • 審査が厳しい(業績悪化時は難しい)
  • 担保・保証人が必要な場合がある

2. ビジネスローン(ノンバンク)

メリット:

  • 審査が比較的緩い
  • 融資までのスピードが速い

デメリット:

  • 金利が高い(年5〜15%)
  • 借入限度額が低い場合が多い

3. ファクタリング

メリット:

  • 最短即日で資金化可能
  • 売掛金を売却するため負債にならない
  • 取引先の与信で審査されるため、自社の業績が悪くても利用可能

デメリット:

  • 手数料が発生する(ただし売り手手数料無料のサービスもあり)
  • 売掛金の範囲内でしか調達できない
ファクタリングが有効なケース - 急な資金需要が発生した(支払期日が迫っている) - 銀行融資の審査が通らない、または時間がかかる - 売掛金はあるが入金まで時間がかかる - 負債を増やしたくない

ファクタリングの基本的な仕組み

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、入金期日前に現金化するサービスです。

通常の取引:

1月:商品納品・請求書発行
 ↓(2ヶ月後)
3月:売掛金入金

ファクタリング利用時:

1月:商品納品・請求書発行
 ↓(即日〜数日)
1月:ファクタリングで現金化(手数料を差し引いた金額)
 ↓(2ヶ月後)
3月:取引先からファクタリング会社へ入金

このように、入金を最大2ヶ月早めることができます。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリング

ファクタリングには大きく2つの種類があります。

2社間ファクタリング

利用企業とファクタリング会社の2社間で完結する方式。取引先に知られずに利用できます。

メリット:

  • 取引先に知られない
  • 手続きが迅速

デメリット:

  • 手数料が高め(10〜30%)

3社間ファクタリング

利用企業、ファクタリング会社、取引先の3社で契約する方式。取引先の承諾が必要です。

メリット:

  • 手数料が低め(1〜10%)
  • 回収リスクがファクタリング会社に移転

デメリット:

  • 取引先に知られる
  • 取引先の承諾が必要
どちらを選ぶべきか

取引先との関係性を重視する場合は2社間ファクタリング、手数料を抑えたい場合は3社間ファクタリングが適しています。ただし、近年は売り手手数料無料のサービスも登場しているため、選択肢が広がっています。

ファクタリングを資金繰り表に反映させる方法

ファクタリングを利用する場合、資金繰り表への記載方法は以下の通りです。

例:売掛金100万円を手数料10%でファクタリング

項目金額(万円)備考
前月繰越300
ファクタリング入金90100万円 - 手数料10万円
ファクタリング手数料-10支出として計上
その他営業収支-50
当月繰越330

手数料がかかる場合は、収入から手数料を差し引いた金額が実際の入金額となります。

ただし、売り手手数料無料のファクタリングサービスを利用する場合、手数料負担がないため、資金繰り表の予測がシンプルになります。

売り手手数料無料のメリット

従来のファクタリングでは手数料が10〜30%と高額でしたが、売り手手数料無料のサービスでは、売掛金の額面がそのまま入金されます。これにより、資金繰り計画が立てやすくなります。

CashBridgeの活用法

CashBridgeのイメージ

資金繰り表で資金不足が予測された場合、早期に資金調達手段を確保することが重要です。ここでは、国内初のマーケットプレース型ファクタリングプラットフォーム「CashBridge」の活用法を紹介します。

CashBridgeとは

CashBridgeは、売掛債権を持つ企業(売り手)と、債権を購入したい買い手をマッチングするプラットフォームです。

従来のファクタリングとの違い:

項目従来のファクタリングCashBridge
手数料売り手が10〜30%負担売り手は無料
相手1社のみ複数の買い手からオファー
透明性手数料が不透明オファー条件が明確
評価なし相互レビュー機能

CashBridgeの3つの特徴

1. 売り手手数料無料

最大の特徴は、売掛債権を売却する企業(売り手)の手数料が無料であることです。

従来のファクタリングでは、売掛金100万円に対して10〜30%の手数料が発生し、実際の入金額は70〜90万円となっていました。CashBridgeでは、売り手側の手数料負担がないため、売掛金の額面に近い金額を受け取ることができます。

2. 複数オファーの比較が可能

CashBridgeでは、1つの売掛債権に対して複数の買い手からオファーを受けることができます。

メリット:

  • 条件の良いオファーを選択できる
  • 市場原理により適正な条件が提示される
  • 交渉の余地がある

3. 相互レビュー・評価機能

売り手と買い手が相互に評価・レビューを行うシステムにより、信頼性の高い取引が実現します。

メリット:

  • 悪質な業者を避けられる
  • 過去の取引実績が見える
  • 安心して取引できる
  • 売り手手数料が無料
  • 複数のオファーから最適な条件を選べる
  • 最短即日で資金化が可能
  • 相互評価システムで安心
  • 2社間・3社間ファクタリングの両方に対応
  • オンラインで完結、書類提出もスムーズ

CashBridgeの利用手順

CashBridgeを利用した資金調達の流れは以下の通りです。

ステップ1:アカウント登録

公式サイトから会員登録を行います。

必要な情報:

  • 企業情報(法人名、代表者名、所在地など)
  • 連絡先情報
  • 本人確認書類

ステップ2:売掛債権の登録

資金化したい売掛債権の情報を登録します。

登録情報:

  • 取引先企業名
  • 請求書金額
  • 入金予定日
  • 請求書のアップロード

ステップ3:オファーの受領

複数の買い手からオファーが届きます。

オファー内容:

  • 買取希望金額
  • 買取条件
  • 買い手の評価・レビュー

ステップ4:オファーの選択

条件を比較し、最も有利なオファーを選択します。

選択基準:

  • 買取金額の高さ
  • 入金スピード
  • 買い手の信頼性(評価・レビュー)

ステップ5:契約・入金

選択したオファーに対して承諾し、契約手続きを進めます。

必要な手続き:

  • 契約書の締結(電子契約)
  • 必要書類の提出
  • 入金(最短即日)

ステップ6:取引先からの入金

売掛金の期日になったら、取引先から買い手へ入金されます(3社間の場合)。2社間の場合は、一旦自社で受け取ってから買い手へ送金します。

2社間と3社間の選択

CashBridgeでは、2社間・3社間のどちらにも対応しています。取引先に知られたくない場合は2社間、手数料を抑えたい場合は3社間を選択してください。

実際の活用事例

事例1:急な設備投資が必要になった配信スタジオ

状況:

  • 月末に高額な撮影機材を購入する必要が発生
  • 売掛金200万円があるが、入金は2ヶ月後
  • 銀行融資は審査に時間がかかる

CashBridgeの活用:

  • 売掛金200万円をCashBridgeに登録
  • 3日後に複数のオファーを受領
  • 最も条件の良いオファーを選択
  • 5日後に入金完了、機材購入に成功

結果:

  • 売り手手数料無料のため、ほぼ満額を受領
  • 予定通り機材購入ができ、事業機会を逃さなかった

事例2:季節変動で資金繰りが厳しくなった小売事業

状況:

  • 閑散期で売上が減少、資金繰りが悪化
  • 従業員の給与支払が迫っている
  • 売掛金は100万円あるが、入金は翌月末

CashBridgeの活用:

  • 売掛金100万円をファクタリング
  • 翌日に入金、給与支払に間に合った

結果:

  • 手数料負担なく資金調達できた
  • 従業員への支払遅延を回避
CashBridgeが特に有効なケース - 急な資金需要が発生した - 銀行融資の審査が通らない、または時間がない - 売掛金はあるが入金まで時間がかかる - 複数の条件を比較して最適な取引をしたい - 従来のファクタリングの高額手数料に不満がある

資金繰り表とCashBridgeの連携活用

資金繰り表でCashBridgeを活用する場合の流れは以下の通りです。

1. 資金繰り表で資金不足を予測

3ヶ月後に資金不足が発生すると予測された場合、早めに対策を検討します。

2. 売掛金の確認

現在保有している売掛金の金額と入金予定日を確認します。

3. CashBridgeでファクタリング

資金不足を補える金額の売掛金をCashBridgeで早期現金化します。

4. 資金繰り表に反映

ファクタリングによる入金を資金繰り表に反映させ、資金不足が解消されたか確認します。

5. 継続的な資金繰り管理

資金繰り表を定期的に更新し、必要に応じてCashBridgeを活用して資金繰りを安定化させます。

まとめ

CashBridgeを活用した資金繰り管理のまとめ - 資金繰り表で将来の資金不足を早期発見 - 売掛金をCashBridgeで早期現金化 - 売り手手数料無料で資金繰り計画が立てやすい - 複数オファー比較で最適な条件を選択 - 最短即日で資金調達が可能

※出典:CashBridge公式サイト

よくある質問

Q1: 資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違いは何ですか?

資金繰り表は未来志向の予測ツールであり、これから先の資金の動きを予測するために使用します。一方、キャッシュフロー計算書は過去の実績を記録する会計書類です。資金繰り表は日次・週次・月次で柔軟に作成でき、経営判断に直結する重要なツールです。

Q2: 資金繰り表はどのくらいの頻度で作成すべきですか?

事業の規模や状況によって異なりますが、中小企業の場合は月次での作成が一般的です。資金繰りが厳しい時期は週次、場合によっては日次で作成することをおすすめします。安定期でも最低月次での作成・更新を継続することで、早期に問題を発見できます。

Q3: Excelとクラウド会計ソフトのどちらで作成すべきですか?

初めての方や小規模事業者はExcelテンプレートでの作成が手軽です。事業規模が大きい場合や、複数人で管理する場合はクラウド会計ソフトの導入を検討してください。Excelは柔軟性が高く、自社の事業に合わせてカスタマイズしやすいメリットがあります。

Q4: 資金繰り表で資金不足が予測された場合、どうすればいいですか?

まず、支出の見直しと売上入金の早期化を検討してください。それでも資金不足が解消しない場合は、銀行融資やファクタリングなどの資金調達手段を検討します。特にファクタリングは売掛金を早期現金化できるため、急な資金需要に対応できます。

Q5: 資金繰り表の作成に必要な情報は何ですか?

必要な情報は、売上予測、仕入・経費の支払予定、借入金の返済予定、売掛金・買掛金のサイト(支払期間)、現在の預金残高などです。これらの情報を正確に把握することで、精度の高い資金繰り表が作成できます。

Q6: 売掛金の回収が遅れた場合、資金繰り表はどう修正すべきですか?

回収予定日を実態に合わせて後ろ倒しし、その影響で資金不足が発生しないか確認してください。恒常的に回収が遅れる取引先については、今後の予測でも長めの回収期間を設定するのが賢明です。また、ファクタリングの活用で回収リスクを軽減する選択肢もあります。

Q7: ファクタリングを資金繰り表にどう反映させればいいですか?

ファクタリングを利用する場合、売掛金の入金予定日を早め、同時に手数料を支出として計上します。CashBridgeのように売り手手数料無料のサービスなら、手数料負担なく資金繰りを改善できるため、資金繰り表上の予測がシンプルになります。

Q8: 季節変動が大きい事業の資金繰り表はどう作成すればいいですか?

過去数年分の月別売上データをもとに、季節変動のパターンを把握してください。繁忙期と閑散期で資金の動きが大きく変わるため、年間を通じた資金繰り計画を立て、閑散期の資金不足に備えた準備が必要です。資金繰り表は12ヶ月先まで作成することをおすすめします。

まとめ

まとめのイメージ

資金繰り表は、企業経営において「資金ショート」という最悪の事態を防ぐための必須ツールです。

まとめ

資金繰り表作成のポイント
  1. 資金繰り表は未来を予測するツール

    • 損益計算書は過去、資金繰り表は未来
    • 最低3〜6ヶ月先までの予測を作成
  2. 売上と入金のタイムラグを把握

    • 売上計上日と実際の入金日は異なる
    • 売掛金の回収サイトを正確に管理
  3. テンプレートを活用して効率化

    • Excelやクラウド会計ソフトを活用
    • 自社の事業に合わせてカスタマイズ
  4. 予実管理で精度を向上

    • 月次で予測と実績を比較
    • ズレの原因を分析して次回予測に反映
  5. 資金不足は早期発見・早期対処

    • 資金繰り表で問題を事前に予測
    • 銀行融資、ファクタリングなどの選択肢を検討
  6. CashBridgeで資金繰りを改善

    • 売り手手数料無料で資金調達
    • 複数オファー比較で最適条件を選択
    • 最短即日で資金化が可能

資金繰り表は、一度作成したら終わりではありません。継続的に更新し、実績と比較しながら精度を高めていくことが重要です。

資金繰りが安定すれば、経営者は「今月の支払いは大丈夫か」という不安から解放され、事業成長に集中できます。

今日から資金繰り表を作成し、計画的な資金管理を始めてみてください。そして、資金不足が予測された際には、CashBridgeのようなファクタリングサービスを活用して、柔軟に資金繰りを改善しましょう。


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よくある質問

Q資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違いは何ですか?
A
資金繰り表は未来志向の予測ツールであり、これから先の資金の動きを予測するために使用します。一方、キャッシュフロー計算書は過去の実績を記録する会計書類です。資金繰り表は日次・週次・月次で柔軟に作成でき、経営判断に直結する重要なツールです。
Q資金繰り表はどのくらいの頻度で作成すべきですか?
A
事業の規模や状況によって異なりますが、中小企業の場合は月次での作成が一般的です。資金繰りが厳しい時期は週次、場合によっては日次で作成することをおすすめします。安定期でも最低月次での作成・更新を継続することで、早期に問題を発見できます。
QExcelとクラウド会計ソフトのどちらで作成すべきですか?
A
初めての方や小規模事業者はExcelテンプレートでの作成が手軽です。事業規模が大きい場合や、複数人で管理する場合はクラウド会計ソフトの導入を検討してください。Excelは柔軟性が高く、自社の事業に合わせてカスタマイズしやすいメリットがあります。
Q資金繰り表で資金不足が予測された場合、どうすればいいですか?
A
まず、支出の見直しと売上入金の早期化を検討してください。それでも資金不足が解消しない場合は、銀行融資やファクタリングなどの資金調達手段を検討します。特にファクタリングは売掛金を早期現金化できるため、急な資金需要に対応できます。
Q資金繰り表の作成に必要な情報は何ですか?
A
必要な情報は、売上予測、仕入・経費の支払予定、借入金の返済予定、売掛金・買掛金のサイト(支払期間)、現在の預金残高などです。これらの情報を正確に把握することで、精度の高い資金繰り表が作成できます。
Q売掛金の回収が遅れた場合、資金繰り表はどう修正すべきですか?
A
回収予定日を実態に合わせて後ろ倒しし、その影響で資金不足が発生しないか確認してください。恒常的に回収が遅れる取引先については、今後の予測でも長めの回収期間を設定するのが賢明です。また、ファクタリングの活用で回収リスクを軽減する選択肢もあります。
Qファクタリングを資金繰り表にどう反映させればいいですか?
A
ファクタリングを利用する場合、売掛金の入金予定日を早め、同時に手数料を支出として計上します。CashBridgeのように売り手手数料無料のサービスなら、手数料負担なく資金繰りを改善できるため、資金繰り表上の予測がシンプルになります。
Q季節変動が大きい事業の資金繰り表はどう作成すればいいですか?
A
過去数年分の月別売上データをもとに、季節変動のパターンを把握してください。繁忙期と閑散期で資金の動きが大きく変わるため、年間を通じた資金繰り計画を立て、閑散期の資金不足に備えた準備が必要です。資金繰り表は12ヶ月先まで作成することをおすすめします。

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この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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