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【Mildomとは】サービス終了した配信プラットフォームの歴史と教訓

【Mildomとは】サービス終了した配信プラットフォームの歴史と教訓

公開日
読了目安7

Mildomとは

「Mildomって何だったの?」 「なぜサービス終了したの?」 「任天堂禁止問題って何?」

Mildom(ミルダム)は、中国の配信大手DouYuの日本法人が運営していたゲーム配信プラットフォームでした。

2019年にサービスを開始し、高額な配信者報酬で注目を集めましたが、2024年にサービスを終了。その短い歴史には、配信業界の教訓が詰まっています。

この記事では、Mildomの歴史と終了の経緯、そこから学べることを解説します。

この記事でわかること - Mildomとは何だったか - サービス終了の経緯 - 任天堂禁止問題の詳細 - 配信者が学ぶべき教訓

Mildomの基本情報

Mildom 基本データ
正式名称Mildom(ミルダム)
運営会社株式会社DouYu Japan
親会社DouYu International Holdings(中国)
サービス開始2019年9月
サービス終了2024年9月1日
ジャンルゲーム配信プラットフォーム
特徴高額な配信者報酬

DouYu(斗魚)とは

DouYu(斗魚)は、中国最大級のゲーム配信プラットフォームです。

DouYuについて - 中国でTwitch的な存在 - 2019年にNASDAQ上場 - テンセントが大株主 - 日本市場進出としてMildomを展開

Mildomの歴史

2019年9月:サービス開始

2019年9月、DouYu JapanがMildomをリリース。

日本のゲーム配信市場への本格参入を図りました。

サービス開始時の特徴 - ゲーム配信に特化 - 高画質・低遅延 - 投げ銭機能 - 配信者向け報酬プログラム

2019年〜2020年:積極的な配信者獲得

Mildomは破格の条件で配信者を獲得していきました。

  • 高額な固定報酬(月額数十万円〜)
  • 人気配信者への積極的アプローチ
  • 移籍ボーナス
  • 投げ銭の高い還元率

多くの配信者がTwitchやYouTubeからMildomに移籍しました。

2020年8月:任天堂禁止問題

2020年8月任天堂がMildomでの自社ゲーム配信を禁止

  • 任天堂タイトルの配信禁止
  • マリオ、ゼルダ、スマブラ、ポケモンなど
  • スプラトゥーン、どうぶつの森も対象
  • 大きな話題に

これはMildomにとって大きな打撃となりました。

2020年〜2022年:苦戦

任天堂禁止問題以降、Mildomは苦戦を強いられます。

苦戦の要因 - 任天堂ゲームを配信できない - 競合プラットフォームの成長 - 配信者の流出 - 親会社DouYuの経営問題

2024年8月:サービス終了発表

2024年8月19日、Mildomはサービス終了を発表。

サービス終了の発表
発表日2024年8月19日
終了日2024年9月1日
理由満足いただける品質でのサービス提供が困難

2024年9月1日:サービス終了

2024年9月1日、Mildomは約5年の歴史に幕を閉じました。


任天堂禁止問題の詳細

なぜ禁止されたのか

任天堂はゲーム実況・配信に関するガイドラインを設けています。

任天堂のガイドライン(要約) - 個人の非営利目的の配信は許可 - 指定されたシステムでの収益化は許可 - 法人や団体は別途許諾が必要

Mildomの場合、プラットフォームの仕組み自体が任天堂のガイドラインに抵触した可能性があります。

配信者への影響

任天堂禁止により、多くの配信者が影響を受けました。

  • 任天堂ゲームが配信できなくなった
  • 人気コンテンツを失う
  • 他プラットフォームへの移籍を検討
  • 収益源の減少

業界への影響

この問題は、配信プラットフォーム業界全体に警鐘を鳴らしました。

業界への示唆 - ゲーム会社との関係構築の重要性 - ガイドライン遵守の必要性 - プラットフォームリスクの認識

サービス終了の背景

公式発表の理由

Mildomの公式発表では「事業環境の変化」が終了理由とされました。

推測される要因

  • 任天堂禁止問題の長期的影響
  • 競合プラットフォーム(Twitch、YouTube)の強さ
  • 配信者獲得コストの高さ
  • 親会社DouYuの経営悪化
  • 日本市場での収益化の難しさ

親会社DouYuの問題

DouYu自体も経営的に厳しい状況にありました。

DouYuの状況 - 競合Huya(虎牙)との合併失敗 - 中国国内での競争激化 - 株価の低迷 - 国際展開の見直し

Mildomから学ぶ教訓

配信者への教訓

Mildomの終了は、配信者にとって重要な教訓を残しました。

配信者が学ぶべきこと 1. 単一プラットフォームに依存しない 2. 複数の収益源を確保する 3. ゲーム会社のガイドラインを理解する 4. プラットフォームの持続可能性を見極める 5. 「高報酬」だけで判断しない

プラットフォーム分散の重要性

Mildom終了時、多くの配信者が急な移籍を強いられました。

  • サービス終了リスクの軽減
  • 複数の視聴者層にリーチ
  • 収益源の多様化
  • 交渉力の向上

ガイドライン遵守の重要性

任天堂禁止問題は、ゲーム会社のガイドラインの重要性を示しました。

配信者が確認すべきこと - 配信予定ゲームのガイドライン - 収益化の可否 - 使用可能な音楽・素材 - プラットフォームの許諾状況

Mildom終了後の配信者

移籍先

Mildomの配信者は、主に以下のプラットフォームに移籍しました。

移籍先特徴
Twitchグローバル最大手
YouTube Live検索・アーカイブに強い
OPENREC日本のeスポーツに強い
TwitCasting日本で人気

コミュニティへの影響

Mildom独自のコミュニティは分散を余儀なくされました。

ファンは配信者を追って別プラットフォームに移動するか、離れていくかの選択を迫られました。


日本の配信プラットフォーム市場

Mildom終了後の状況

Mildom終了後、日本の配信プラットフォーム市場は以下のような状況です。

主要プラットフォーム(2025年)
Twitchグローバル最大、日本でも成長
YouTube Live総合力No.1
ニコニコ生放送老舗、独自コミュニティ
OPENRECeスポーツ特化
TwitCasting日本独自、モバイルに強い

新規参入の難しさ

Mildomの失敗は、日本の配信市場への新規参入の難しさを示しています。

  • 既存プラットフォームの強さ
  • 配信者獲得コストの高さ
  • ゲーム会社との関係構築
  • 収益化モデルの確立

よくある質問

Mildomはなぜ終了したのですか?
公式には「事業環境の変化」とされています。任天堂禁止問題競合プラットフォームとの競争親会社DouYuの経営問題などが複合的に影響したと考えられています。
Mildomで稼いでいた配信者はどうなりましたか?
多くの配信者はTwitchやYouTubeに移籍しました。固定報酬を受けていた配信者は、新たな収益モデルの構築を迫られました。
任天堂はなぜMildomを禁止したのですか?
公式な理由は明かされていませんが、Mildomの収益化の仕組みが任天堂のガイドラインに抵触したと見られています。任天堂は他のプラットフォームでの配信は基本的に許可しています。
Mildomに似たサービスは今もありますか?
中国資本の配信プラットフォームとしてはNimo TVなどがありましたが、多くは日本市場から撤退または規模縮小しています。日本ではOPENRECが国産の選択肢として残っています。
配信者はどうやってプラットフォームリスクを回避すべき?
複数プラットフォームでの活動SNSでのファンとの繋がりメールマガジンやDiscordなど自前のコミュニティ構築が有効です。一つのプラットフォームに依存しないことが重要です。

まとめ

まとめ

Mildom まとめ
  1. 概要:DouYu Japan運営のゲーム配信プラットフォーム(2019-2024年)
  2. 特徴:高額な配信者報酬で話題に
  3. 転機:2020年の任天堂禁止問題
  4. 終了:2024年9月1日にサービス終了
  5. 教訓:プラットフォーム分散、ガイドライン遵守の重要性

高報酬で注目を集めたが、約5年で終了した配信プラットフォーム。その歴史は、配信者にとって重要な教訓を残しています。


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※ 本記事の情報は2025年12月時点のものです。 ※ 画像出典:Unsplash

よくある質問

QMildomとは何でしたか?
A
Mildom(ミルダム)は、中国の配信大手DouYuの日本法人が運営していたゲーム配信プラットフォームです。2019年にサービスを開始し、高額な配信者報酬で話題になりましたが、2024年9月にサービスを終了しました。
QMildomはなぜサービス終了したのですか?
A
公式発表では「事業環境の変化」が理由とされています。任天堂ゲームの配信禁止、競合プラットフォームとの競争激化、親会社DouYuの経営問題などが背景にあると見られています。
QMildomの任天堂禁止問題とは?
A
2020年8月、任天堂がMildomでの自社ゲーム配信を禁止しました。収益化を伴う配信が任天堂のガイドラインに抵触したとされ、Mildomにとって大きな打撃となりました。
QMildomから学べる教訓は?
A
配信者にとっては、単一プラットフォームへの依存リスクの重要性を示しました。また、ゲーム会社のガイドライン遵守の重要性、プラットフォームの持続可能性を見極める必要性などが教訓として残りました。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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