【配信者の職業病】腱鞘炎・腰痛・声帯結節…実例と対策を徹底解説
配信者を蝕む「職業病」の実態
「推しのVTuberが声帯結節で休止してしまった…」 「配信者って体壊しやすいの?」 「ゲーム配信始めたけど、腰と手首が痛い」
配信活動には意外と多くの健康リスクがあります。長時間の着座、声の酷使、モニター凝視、マウス・キーボード操作の繰り返し…。
この記事では、実際に健康トラブルを公表した配信者の事例と、予防・対策方法を徹底解説します。
配信者に多い4大職業病
1. 声帯結節・声帯ポリープ(声のトラブル)
VTuberに最も多い職業病が声帯のトラブルです。
声帯結節は、声帯に「ペンだこ」のようなタコができる症状。長時間話し続けたり、高い声・大きな声を出し続けることで発症します。
2. 腱鞘炎(手首のトラブル)
ゲーム配信者・FPS配信者に多いのが腱鞘炎です。
マウスを1日何千回とクリックし、細かいエイム操作を繰り返すことで、手首や指の腱鞘(腱を包む鞘)に炎症が起きます。
3. 腰痛(座りっぱなしによるトラブル)
ほぼ全ての配信者が経験するのが腰痛です。
配信は基本的に座り仕事。5〜10時間のゲーム配信を毎日続けると、腰への負担は相当なものになります。
4. 眼精疲労・ドライアイ(目のトラブル)
モニターを長時間見続けることで、目の疲れやドライアイが発症します。
ブルーライトの影響も指摘されており、睡眠障害を引き起こすこともあります。
VTuber声帯結節の実例
星街すいせい(2022年9月手術)
ホロライブ所属の星街すいせいさんは、2022年9月に喉の手術を受けました。
原因は慢性鼻炎による鼻水が喉に流れ込む症状に加え、軽度の声帯結節が併発していたこと。歌唱力に定評のある彼女にとって、喉のトラブルは活動の根幹に関わる問題でした。約1ヶ月半の休養を経て11月に復帰し、「声を大事にする」ことの重要性を訴えています。
宝鐘マリン(2021年発症・休養)
ホロライブ所属の宝鐘マリンさんは、2021年7月頃から声帯結節の症状が出始め、9月には1ヶ月の活動休止を発表しました。
声帯が内出血していたことも判明し、発声方法の見直しのためボイストレーニングを受けながら療養。テンション高めの配信スタイルで知られる彼女は、喉への負担が大きかったと考えられます。
樋口楓(2023年10月手術)
にじさんじ所属の樋口楓さんは、2023年9月28日に声帯結節の手術を発表し、10月から約1ヶ月半休養しました。
実は2021年に一度発症し、保存療法で治療していましたが再発。今回は手術に踏み切りました。声帯を削る手術のため、術後は声が変わる可能性もあったとのこと。11月末に活動を再開しています。
我部りえる(2024年9月手術)
あおぎり高校所属の我部りえるさんは、2024年8月31日から活動休止し、9月に声帯結節の除去手術を受けました。
3月末から喉の調子が悪く、ステロイド系の薬を使用しながら活動を続けていたとのこと。手術後は約1ヶ月半の休養を経て復帰。術後は以前のハスキーボイスからクリアな声に変化しました。
| 星街すいせい | 2022年9月手術、約1ヶ月半休養 |
|---|---|
| 宝鐘マリン | 2021年発症、1ヶ月休養 |
| 樋口楓 | 2023年10月手術、約1ヶ月半休養 |
| 我部りえる | 2024年9月手術、約1ヶ月半休養 |
腱鞘炎・手首のトラブル事例
「喰われる」現象
配信者界隈では、活動に没頭しすぎて体を壊すことを「喰われる」と表現することがあります。
特にFPSゲーマーやアクションゲーム配信者は、1日数千〜数万回のクリック操作を行います。これを毎日続ければ、腱鞘炎になるのは当然とも言えます。
症状が出やすい人
- FPS・TPSゲームを長時間プレイする人
- マウス感度が低い人(大きく動かす必要がある)
- 休憩を取らずに連続プレイする人
- 手首を固定せず浮かせてプレイする人
プロゲーマーの健康問題と引退
平均引退年齢は23〜25歳
プロゲーマーは一般的なスポーツ選手より早く引退する傾向があります。
理由は複数ありますが、健康問題もその一つ。腱鞘炎、腰痛、反応速度の低下などが引退の引き金になることがあります。
1日12時間以上の練習
海外のプロゲーマーの中には、1日12時間以上練習する人も珍しくありません。
この過酷な練習環境が、若くして体を壊す原因になっています。
- 腱鞘炎による手術・引退
- 慢性的な腰痛
- 睡眠障害
- 精神的なストレス
- 反応速度の低下(加齢)
翔選手の引退(2025年10月)
ZETA DIVISION所属のプロゲーマー・翔選手は2025年10月に引退を発表。「神経機能の不調」により競技を続けることが困難になったと説明しています。
翔選手は2025年3月の「カプコンカップ11」で優勝し、賞金約1億5000万円を獲得した現世界王者でしたが、8月に体調不良で試合を棄権。そのまま活動休止となり、わずか数ヶ月後に引退を発表する形となりました。
今日からできる予防・対策
声帯ケア
- こまめに水分補給(常温の水が理想)
- 加湿器を使用(湿度50-60%を維持)
- 配信前後のボイトレ・ストレッチ
- 無理な高音・大声を避ける
- 定期的に耳鼻咽喉科を受診
腱鞘炎対策
デバイス環境の見直しが重要です。
- マウス感度を上げる(手首の移動量を減らす)
- リストレストを使用する
- 1時間に1回は手首のストレッチ
- エルゴノミクスマウスを検討
腰痛対策
ゲーミングチェアへの投資は最もコスパの良い健康投資です。
| 椅子の高さ | 足裏が床につく高さ |
|---|---|
| 画面との距離 | 50-70cm |
| 座面の奥行き | 太ももの裏に指2本入る余裕 |
| 背もたれ | ランバーサポートで腰をサポート |
| 休憩 | 1時間に1回、立ち上がって歩く |
眼精疲労対策
- 20-20-20ルール:20分ごとに、20フィート(約6m)先を、20秒見る
- ブルーライトカット眼鏡の使用
- モニターの輝度を下げる
- 部屋の照明を適切に(暗すぎも明るすぎもNG)
- 人工涙液(目薬)を常備
配信者が取り入れたい健康習慣
毎日のルーティン
- 配信前:軽いストレッチ、ボイトレ
- 配信中:1時間ごとに5分休憩
- 配信後:目のマッサージ、ストレッチ
週・月単位での心がけ
- 週1日は完全オフを作る
- 月1回は耳鼻咽喉科を受診(声を使う人)
- 定期的にデスク環境を見直す
投資すべきアイテム
よくある質問
まとめ
まとめ
配信者の職業病と対策まとめ- 声帯結節:VTuberに多い。水分補給、加湿、無理な発声を避ける
- 腱鞘炎:FPS配信者に多い。マウス感度を上げ、リストレストを使用
- 腰痛:全配信者共通。ゲーミングチェアへの投資、1時間ごとの休憩
- 眼精疲労:20-20-20ルール、ブルーライトカット
配信活動を長く続けるために、日頃からの予防と早めの対処を心がけましょう。
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※ 本記事で紹介した事例は、各配信者の公式発表やSNSでの報告に基づいています。 ※ 画像出典:Unsplash
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