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【2025年最新】eスポーツ業界マップ|上場企業・主要チーム・競技シーンを徹底解説

【2025年最新】eスポーツ業界マップ|上場企業・主要チーム・競技シーンを徹底解説

公開日
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日本のeスポーツ業界は、2024年にREJECTがApex Legends世界大会で優勝するなど、国際舞台での存在感を高めています。市場規模も年々拡大し、2025年には200億円規模に達する見込みです。

この記事では、eスポーツ業界の全体像を把握するために、上場企業・主要チーム・競技シーン・大会実績を体系的に整理しました。

この記事でわかること - 国内eスポーツ市場の規模と成長率 - 上場企業のカテゴリ別マップ(チーム運営/大会運営/ゲームメーカー) - 主要eスポーツチームと運営企業の関係 - VALORANT・Apex Legends・LoLの競技シーン - 2024年の主要大会・イベント実績

日本eスポーツ市場の現状

市場規模の推移

日本eスポーツ連合(JeSU)が発行する「日本eスポーツ白書2024」によると、国内eスポーツ市場は以下のように推移しています。

国内eスポーツ市場データ(2024年版白書より)
2023年市場規模146.85億円(前年比117%)
2025年予測約200億円
2023年ファン数856万人(前年比110.3%)
2025年ファン予測1,000万人超
市場構成イベント運営37.6%が最大

※出典:日本eスポーツ連合 市場規模データ

市場成長の背景

eスポーツ市場の成長を牽引している要因は主に以下の3点です。

  1. オフラインイベントの復活:コロナ禍明けで大規模イベントが再開
  2. 企業スポンサーの増加:認知度向上により大手企業の参入が加速
  3. メディア露出の拡大:地上波放送やABEMAなどでの配信

一方で、世界市場と比較すると日本は後発であり、中国・韓国・北米に比べて市場規模・賞金額ともに小さい状況です。


上場企業カテゴリマップ

eスポーツ関連の上場企業は、大きく3つのカテゴリに分類できます。

A. eスポーツチーム運営企業

企業名証券コード運営チーム市場
GameWith6552DetonatioN FocusMe東証スタンダード
カヤック3904GLOE経由東証グロース

B. 大会運営・イベント企業

企業名証券コード主要事業市場
サイバーエージェント4751RAGE運営東証プライム
テレビ朝日HD9409RAGE映像制作東証プライム
エイベックス7860RAGEプロデュース東証プライム
GLOE9565イベント制作東証グロース

C. ゲームパブリッシャー

企業名証券コードeスポーツ展開市場
カプコン9697ストリートファイターリーグ東証プライム
コナミHD9766eFootball大会東証プライム
バンダイナムコHD7832鉄拳シリーズ大会東証プライム

上場企業の詳細

GameWith(6552)

ゲーム攻略メディアからeスポーツへ拡大

GameWithは、ゲーム攻略情報サイト「GameWith」を運営する企業です。2017年6月に東証マザーズ(現:スタンダード)に上場しました。

eスポーツ事業の経緯

  • 2021年10月:株式会社DetonatioNを子会社化
  • 2022年12月:「TEAM GAMEWITH」と「DetonatioN Gaming」を統合し「DetonatioN FocusMe」(DFM)にブランド統合

※出典:GameWith プレスリリース

DetonatioN FocusMeの競技実績

  • VALORANT:VCT Pacificリーグのパートナーチームに選出(2023年〜)
  • League of Legends:2021年世界大会で日本チーム初のグループステージ進出、LJL7連覇(2017-2023)
  • 2024年LJLでは福岡ソフトバンクホークスゲーミングに敗れ、8連覇を逃す

事業構造

  • メディア事業(ゲーム攻略サイト)が主力収益源
  • eスポーツ・エンタメ事業は、スポンサー収入、大会賞金、ファングッズ販売などで収益化を図る

GLOE(9565)

eスポーツ専業として国内初上場

2022年11月30日、東証グロース市場に上場したeスポーツ専業企業です。上場時の初値上昇率は約430%を記録し、2022年上場企業の中でトップとなりました。

会社の沿革

  • 2015年11月:ウェルプレイド株式会社設立
  • 2021年2月:株式会社ライゼストと合併し、ウェルプレイド・ライゼスト株式会社に
  • 2022年11月:東証グロース上場
  • 2024年2月:GLOE株式会社に商号変更

※出典:GLOE 商号変更リリース

事業内容

  1. クライアントワークサービス:eスポーツイベントの企画・制作・運営
  2. パートナーソリューションサービス:eスポーツ選手・キャスターのマネジメント

親会社との関係

面白法人カヤック(3904)の連結子会社であり、カヤックグループのeスポーツ事業を担っています。


サイバーエージェント(4751)

RAGE運営でeスポーツイベント市場をリード

サイバーエージェントは、広告事業、ABEMA、ゲーム事業(Cygames)など多角的な事業を展開する企業です。eスポーツ分野では、子会社CyberZを中心にRAGEブランドを運営しています。

RAGEの運営体制

RAGEは、CyberZ・エイベックス・エンタテインメント・テレビ朝日の3社協業で運営されています。

  • 2015年:CyberZがRAGEを立ち上げ
  • 2017年3月:エイベックス・エンタテインメントが参画
  • 2019年7月:テレビ朝日が参画

※出典:CyberZ プレスリリース

RAGEの実績

  • オンライン配信で最高同時接続数41万人を記録
  • さいたまスーパーアリーナでのイベントで約26,000人を動員
  • 2024年1月には池袋に「Café&Bar RAGE ST」を開業

各社の役割分担

企業役割
CyberZ大会・リーグの企画・運営・配信
エイベックスイベント制作・プロデュース
テレビ朝日映像制作・地上波放送

カプコン(9697)

ストリートファイターリーグで格闘ゲームシーンをリード

カプコンは、「ストリートファイター」シリーズを活用したeスポーツ大会を自社で運営しています。

ストリートファイターリーグ 2024

  • 2024年シーズンは12チームに規模拡大(2ディビジョン制)
  • グランドファイナルはパシフィコ横浜で開催、Good 8 Squadが優勝
  • ワールドチャンピオンシップを両国国技館で開催
  • 2025年からEsports World Cupと3年間の提携を発表

※出典:カプコン ストリートファイターリーグ公式リリース


主要eスポーツタイトルの競技シーン

VALORANT

Riot Gamesが開発・運営するタクティカルシューター。日本では特に人気が高く、大規模なオフラインイベントが多数開催されています。

VCT Pacific(国際リーグ)

VCT(VALORANT Champions Tour)Pacificは、アジア太平洋地域の国際リーグです。日本からはDetonatioN FocusMeZETA DIVISIONの2チームがパートナーチームとして参加しています。

チーム2024 Stage 12024 Stage 2
ZETA DIVISION9-10位8位
DetonatioN FocusMe12位-

VCJ(国内リーグ)

VALORANT Challengers Japan(VCJ)は国内リーグで、上位チームはVCT Ascensionへの出場権を獲得できます。

  • 2024 Split 1 優勝:FENNEL
  • 2024 Split 2:FENNELが視聴者数22万人を記録

Apex Legends

Electronic Artsが開発するバトルロイヤルゲーム。日本チームが世界大会で優勝するなど、国際的な実績を残しています。

ALGS(Apex Legends Global Series)

世界規模の公式大会シリーズで、賞金総額は500万ドル規模です。

2024年の日本チームの活躍

大会チーム結果
ALGS Year4 Split1 PlayoffsREJECT優勝(日本初)
PUBG MOBILE GLOBAL OPEN 2024REJECT優勝
PUBG MOBILE WORLD CUP 2024REJECT準優勝

REJECTは2024年、日本eスポーツチーム歴代最高の獲得賞金記録を更新(4.2億円超)しました。


League of Legends

Riot Gamesが開発・運営するMOBA。日本ではLJL(League of Legends Japan League)が国内リーグとして運営されています。

LJL 2024

2024年から6チーム体制となり、PCS(Pacific Championship Series)のエコシステムに参加。

  • 2024 Spring Split 優勝:福岡ソフトバンクホークスゲーミング(SHG)
  • DetonatioN FocusMeの7連覇を阻止

主要eスポーツチーム一覧

上場企業傘下のチーム

チーム名親会社/運営主要タイトル
DetonatioN FocusMeGameWith(6552)VALORANT, LoL

非上場の有力チーム

チーム名運営企業主要タイトル特徴
ZETA DIVISIONGANYMEDE株式会社VALORANTVCT Pacificパートナー
Crazy Raccoon株式会社Samurai工房VALORANT, Fortniteエンタメ×eスポーツ
REJECT株式会社REJECTApex, PUBG MOBILE2024年世界大会優勝
FENNEL株式会社FennelVALORANT2024年VCJ優勝
福岡SHG福岡ソフトバンクホークスLoL2024年LJL優勝

非上場の有力企業

株式会社REJECT

  • 設立:2018年12月(All Rejection Gamingとして)
  • 主な実績:2024年、日本eスポーツチーム歴代最高の獲得賞金記録を更新(4.2億円超)
  • 運営タイトル:PUBG MOBILE、VALORANT、Apex Legends、ストリートファイター6など

REJECTは2024年4月に「ALGS Year4 Split1 Playoffs」で優勝し、APAC Northチームとして初のALGS優勝を達成。さらに「PUBG MOBILE GLOBAL OPEN 2024」でも優勝し、日本チームとして初のシューティングゲーム世界大会制覇を成し遂げました。

※出典:REJECT プレスリリース

GANYMEDE株式会社(ZETA DIVISION運営)

  • 設立:2018年1月
  • 運営チーム:ZETA DIVISION
  • 主な実績:VALORANTで国際大会上位常連、VCT Pacificパートナーチーム
  • 特徴:ゲーミングライフスタイルブランドとしても展開

株式会社Samurai工房(Crazy Raccoon運営)

  • 設立:2018年6月
  • 運営チーム:Crazy Raccoon
  • 特徴:エンタメ×eスポーツの融合
  • 主なイベント:大規模オフラインイベント「CR FES」(さいたまスーパーアリーナで開催)
  • 業務提携:2023年11月、GameWith傘下のDetonatioNと包括的業務提携を締結

株式会社Fennel

  • 設立:2019年
  • 運営チーム:FENNEL
  • 主な実績:2024年VCJ Split1優勝(日本一)
  • 特徴:2024年10月に新ロスター発表、海外からも高評価

2024年の主要イベント・大会

国内大会

大会名開催時期会場動員/視聴者
VCJ 2024 Split1 Finals3月ポートメッセなごや-
CR FES 20244月さいたまスーパーアリーナ-
SFL 2024 グランドファイナル2月パシフィコ横浜-
SFL ワールドチャンピオンシップ3月両国国技館-
東京ゲームショウ20249月幕張メッセ27.4万人
全国都道府県対抗eスポーツ選手権-佐賀東京都3連覇
日本eスポーツアワード20241月パシフィコ横浜MVP:ときど

国際大会での日本チームの活躍

大会名結果チーム
ALGS Year4 Split1 Playoffs優勝REJECT
PUBG MOBILE GLOBAL OPEN 2024優勝REJECT
PUBG MOBILE WORLD CUP 2024準優勝REJECT
Esports World Cup 2024出場複数の日本チーム
VCT Game Changers Championship世界6位ZETA DIVISION GC

業界を取り巻く環境

日本eスポーツ連合(JeSU)の動向

JeSUは、国内eスポーツ団体を統合して2018年2月に設立された組織です。

2024年の主な活動

  • 2024年6月:日本オリンピック委員会(JOC)に準加盟
  • 日本eスポーツアワードの開催(MVP:ときど選手)
  • 全国都道府県対抗eスポーツ選手権の継続開催

※出典:JeSU公式サイト

JOC準加盟は、2026年愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会への選手派遣を見据えた動きです。

オリンピックeスポーツ大会の動向

最新情報(2025年10月時点)

IOC(国際オリンピック委員会)は2024年7月に「オリンピックeスポーツゲームズ」の創設を発表し、当初2025年にサウジアラビアでの開催を予定していました。

しかし、2025年2月に2027年への延期が発表され、さらに2025年10月にはIOCとサウジアラビアの提携解消が発表されました。

ただし、IOCはeスポーツのオリンピック化構想自体は継続する意向を示しています。

※出典:ESPN - IOC, Saudi Arabia cancel 12-year deal


まとめ

日本のeスポーツ業界は、2024年にREJECTが世界大会で優勝するなど、国際的な競争力を高めています。市場規模は2025年に200億円規模に達する見込みで、ファン数も1,000万人を超えると予測されています。

まとめ

記事のまとめ
  • 国内eスポーツ市場は2023年146億円→2025年200億円予測
  • 上場企業は「チーム運営」「大会運営」「ゲームメーカー」の3カテゴリ
  • GLOE(9565)がeスポーツ専業として初上場
  • 2024年はREJECTがApex Legends世界大会で優勝
  • VALORANT、Apex Legends、LoLが主要競技タイトル
  • 2026年アジア競技大会に向けてJeSUがJOC準加盟

参考情報・出典

本記事で参照した主な情報源は以下の通りです。

よくある質問

Q日本のeスポーツ市場規模はどのくらいですか?
A
日本eスポーツ連合(JeSU)発行の「日本eスポーツ白書2024」によると、2023年の国内eスポーツ市場規模は146.85億円(前年比117%)です。2025年には200億円に迫ると予測されています。
Qeスポーツ専業で上場している企業はありますか?
A
GLOE(証券コード:9565)が、eスポーツ専業として国内初の上場企業です。2022年11月30日に東証グロース市場に上場しました。カヤック(3904)の連結子会社で、eスポーツイベントの企画・制作・運営を行っています。
Q日本で人気のeスポーツタイトルは何ですか?
A
VALORANT、Apex Legends、League of Legends、ストリートファイター6などが人気です。特にVALORANTとApex Legendsは国際大会でも日本チームが活躍しており、2024年にはREJECTがApex Legends世界大会で優勝しました。
Q日本の主要eスポーツチームは?
A
DetonatioN FocusMe(GameWith傘下)、ZETA DIVISION、Crazy Raccoon、REJECT、FENNELなどが主要チームです。それぞれVALORANT、Apex Legends、League of Legendsなど複数タイトルで活動しています。
Qeスポーツ大会はどこで開催されていますか?
A
さいたまスーパーアリーナ、両国国技館、幕張メッセ、パシフィコ横浜など大規模会場でのオフラインイベントが増加しています。RAGEはさいたまスーパーアリーナで約26,000人を動員した実績があります。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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