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【収益公開データ集計】切り抜き師は本当に稼げるのか?リアルな収入実態を徹底調査

【収益公開データ集計】切り抜き師は本当に稼げるのか?リアルな収入実態を徹底調査

公開日
読了目安7

「切り抜きで月収100万」は本当なのか?

「VTuberの切り抜きで稼いでる人がいるらしい」 「副業で始めたら月収68万円になった人がいる」 「いや、2024年から収益化停止されまくってるらしい」

切り抜きチャンネルの収益については、成功談と失敗談が入り乱れて実態が見えにくい状況です。

この記事では、実際に収益を公開している切り抜き師のデータを集計し、リアルな収入実態を明らかにします。

この記事でわかること - 収益公開データから見る「本当の収入レンジ」 - 切り抜き特有のRPM(再生単価) - 2024年収益化停止問題の真相 - 事務所別ガイドライン比較 - 今後も稼ぐための戦略

【結論】切り抜き師の収益レンジ

先に結論を示します。公開されているデータを集計した結果がこちらです。

切り抜き師の収益レンジ(公開データより)
トップ層年収800〜1200万円(月収65〜100万円)
上位層月収30〜68万円
中堅層月収5〜20万円
初心者層月収数千円〜5万円
収益化前0円(全体の97%がここで脱落)

「稼げる」のは事実。ただし上位数%に限られるというのが実態です。


収益公開データ①:1200万円稼いだ切り抜き師

にじさんじ切り抜きで3年間の収益

noteで収益を公開した切り抜き師の実績です。

3年間の収益推移
1年目約800万円(月平均65万円)
2年目約300万円(途中でモチベ低下)
3年目約60万円(ほぼ投稿なし)
累計約1,160万円
注目ポイント - 1日で9万円超えの収益を記録した日もある - 投稿をやめても過去動画から収益が発生(3年目60万円) - 「切り抜きの99%は収益化している」と証言

この事例から見えるのは、「当たれば大きいが、継続が難しい」という切り抜きビジネスの特徴です。


収益公開データ②:無職→月収68万円

1ヶ月で収益化を達成した事例

別の切り抜き師が公開したデータです。

項目数値
最高月収68万円
最低月収31,000円(投稿0本の月)
収益化までの期間約1ヶ月
バズるまでの期間2〜3週間

    収益のブレが大きいのが切り抜きチャンネルの特徴です。


    切り抜きチャンネルのRPM(再生単価)

    一般チャンネルとの比較

    RPM(Revenue Per Mille)とは、1,000再生あたりの収益です。

    チャンネル種別RPM目安1再生あたり
    金融・ビジネス系300〜500円0.3〜0.5円
    一般エンタメ系150〜300円0.15〜0.3円
    切り抜きチャンネル100〜300円0.1〜0.3円
    ゲーム実況100〜200円0.1〜0.2円
    子ども向け50〜100円0.05〜0.1円
    切り抜きチャンネルのRPMは一般的なチャンネルと同程度〜やや低めです。「切り抜きだから単価が低い」というわけではありません。

    収益シミュレーション

    RPMを200円と仮定した場合の収益シミュレーションです。

    レベル登録者月間再生数月収目安
    初級2,000人5万回1万円
    中級1万人30万回6万円
    上級5万人150万回30万円
    トップ15万人500万回100万円

    【2024年問題】収益化停止の衝撃

    がるぜん氏の収益化剥奪事件

    2024年7月、切り抜き界隈に激震が走りました。

    • 被害者:ホロライブEN翻訳切り抜きチャンネル「がるぜん」氏
    • 内容:YouTubeから「チャンネルの収益化は無効」との通知
    • 理由:「再利用コンテンツ」ポリシー違反

    YouTubeの見解

    YouTubeは異議申し立てに対し、以下の理由で棄却しました。

    「他者が制作したコンテンツを投稿することは、再利用コンテンツのポリシーに違反している」 「著作権者から書面で許可を得ていても、他人のコンテンツのプロモーションは付加価値とは見なされない」

    衝撃的だったポイント - 著作権者(ホロライブ)の許可があっても関係ない - 切り抜き動画そのものがポリシー違反の可能性 - このルール自体は2020年から存在していた

    なぜ今まで見逃されていたのか?

    実は、切り抜き動画の収益化停止は以前から起きていました。ただし、2024年に入って取り締まりが厳格化された可能性があります。

    時期状況
    2020〜2022年切り抜きバブル。多くのチャンネルが収益化
    2023年一部で収益化停止の報告が増加
    2024年7月がるぜん氏の事例が話題に。厳格化が顕在化
    2024年後半〜新規の収益化審査が厳しくなったとの報告

    事務所別ガイドライン比較

    切り抜き動画を作る際は、元の配信者・事務所のガイドラインを確認する必要があります。

    ホロライブ(カバー株式会社)

    項目内容
    切り抜き許可(ガイドライン遵守が条件)
    収益化OK
    登録制度あり(任意だが推奨)
    メンバー限定配信切り抜きNG
    登録しておくと、問題のある動画をアップした際に一発BANではなく警告をもらえるメリットがあります。

    にじさんじ(ANYCOLOR株式会社)

    項目内容
    切り抜き2025年5月から事前申請必須
    収益化条件付きOK
    登録制度必須(フォーム登録)
    ライバー個別ルール要確認(切り抜きNGの人もいる)

      個人配信者

      項目内容
      切り抜き許可が必要(人による)
      収益化本人の許可による
      確認方法概要欄、SNS、直接連絡

      個人配信者の場合、明確なガイドラインがないことが多いため、直接確認するのが安全です。


      切り抜き師として生き残る戦略

      2024年以降、切り抜きで稼ぐ難易度は上がっています。それでも生き残るための戦略を考えます。

      戦略1:付加価値を加える

      単純な切り抜きではなく、独自の価値を加えることが重要です。

      • 翻訳(日本語→英語、英語→日本語)
      • 解説・考察コメントの追加
      • 複数配信者の発言をまとめた「まとめ動画」
      • テーマ別の編集(名場面集、伏線回収など)

      戦略2:リスク分散

      1つのチャンネルに依存しないことが重要です。

      • 複数チャンネルの運営
      • 複数の配信者・事務所を対象に
      • YouTube以外(ニコニコ、TikTok)への展開

      戦略3:本業との兼業

      収益が不安定なため、専業は推奨しない - 月収のブレが大きい(68万円→3万円など) - 収益化停止リスク - 配信者の引退・炎上リスク

      副業として、本業の収入を補う形が現実的です。

      戦略4:コミュニティとの関係構築

      • 配信者本人に認知されると有利
      • ファンコミュニティとの良好な関係
      • 悪質な切り抜き(釣りサムネ、誤解を招く編集)を避ける

      よくある質問

      今から切り抜きを始めても遅いですか?
      「遅い」とは言い切れませんが、難易度は確実に上がっています。2020〜2022年の「切り抜きバブル」と比べると、競合増加・ポリシー厳格化・ガイドライン改定など、環境は厳しくなっています。始めるなら、単純な切り抜きではなく翻訳や解説など付加価値を加える方向を検討してください。
      収益化までどのくらいかかりますか?
      早い人で1〜2ヶ月、平均的には3〜6ヶ月程度です。ただし、収益化条件(登録者1,000人、総再生時間4,000時間)を満たしても、審査で落ちるリスクが2024年以降は高まっています。
      許可なしで切り抜きを投稿するとどうなりますか?
      著作権侵害として動画削除、チャンネルBAN、最悪の場合は法的措置の対象になります。特に、メンバーシップ限定配信や有料コンテンツの切り抜きは厳しく取り締まられています。
      切り抜き動画のRPMが低いと聞きましたが本当ですか?
      必ずしも低くありません。公開データを見ると、一般的なエンタメ系チャンネルと同程度(RPM 100〜300円)です。「切り抜きだから単価0.1円以下」というのは誤解で、実際は0.1〜0.3円程度が相場です。

      まとめ

      まとめ

      切り抜き師の収益実態

      稼げる人は確かにいる

      • トップ層:年収1000万円以上
      • 上位層:月収30〜68万円
      • 中堅層:月収5〜20万円

      しかし現実は厳しい

      • 収益化到達は全体の3%程度
      • 2024年以降、収益化停止リスクが増大
      • 収入のブレが大きく、安定しない

      今後の生存戦略

      1. 翻訳・解説など付加価値を加える
      2. 複数チャンネルでリスク分散
      3. 専業ではなく副業として
      4. ガイドラインを遵守し、悪質な切り抜きを避ける

      結論:「稼げるが、おすすめはしない」

      切り抜きチャンネルは、うまくいけば大きな収益を得られる可能性があります。しかし、収益化停止リスク、不安定な収入、ガイドラインの厳格化を考えると、2025年現在、積極的におすすめできるビジネスではありません

      それでも始めるなら、「いつ収益化が止まっても構わない」という覚悟で、本業を持ちながらの副業として取り組むことをおすすめします。


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      ※本記事の収益データは、note等で公開されている切り抜き師の自己申告データに基づいています。 ※YouTubeのポリシーは随時変更される可能性があります。最新情報は公式ヘルプをご確認ください。

      よくある質問

      Q切り抜きチャンネルは本当に稼げますか?
      A
      稼げる人と稼げない人の差が激しいのが実態です。公開データによると、トップ層は年間1000万円以上、中堅で月収20〜30万円程度。一方で月数千円〜数万円の人が大多数です。2024年以降はYouTubeのポリシー厳格化で収益化停止のリスクも高まっています。
      Q切り抜き動画の再生単価(RPM)はいくらですか?
      A
      一般的に0.1〜0.3円程度(RPM 100〜300円)と言われています。通常のYouTubeチャンネル(0.2〜0.5円)よりやや低い傾向があります。ただし、投稿頻度を上げやすいため、総収益では逆転することもあります。
      Q2024年の収益化停止問題とは何ですか?
      A
      2024年7月、人気切り抜きチャンネル「がるぜん」氏がYouTubeから収益化を停止されました。理由は「再利用コンテンツ」ポリシー違反。著作権者の許可があっても、他者のコンテンツを使用している時点でポリシー違反とされる可能性があることが判明し、切り抜き界隈に衝撃が走りました。
      Q今から切り抜きを始めても稼げますか?
      A
      難易度は上がっています。収益化停止リスク、競合増加、事務所のガイドライン厳格化など、2020〜2022年頃と比べると厳しい環境です。ただし、独自の解説や翻訳など付加価値を加えるチャンネルは今後も生き残る可能性があります。

      この記事を書いた人

      TK

      モリミー

      Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

      都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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