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【法律解説】スパチャで「○○に投票して」は公選法違反?配信者・視聴者が知っておくべきこと

【法律解説】スパチャで「○○に投票して」は公選法違反?配信者・視聴者が知っておくべきこと

公開日
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スパチャで「○○に投票して」は公選法違反?配信者・視聴者が知っておくべきこと

選挙期間中のYouTubeライブ配信で、こんなスーパーチャット(スパチャ)を見たことはありませんか?

「○○区の皆様、○○○○(候補者名)を応援してください!どうか当選させてください」

実はこれ、公職選挙法に違反する恐れがあります。

2026年1月の衆院選でも、スパチャによる投票呼びかけが問題になりました。配信者も視聴者も、知らないうちに法律に違反しないよう、正しい知識を身につけておきましょう。

この記事でわかること
  • スパチャで投票呼びかけが違法になる理由
  • 公職選挙法142条の6の解説
  • 配信者・視聴者それぞれの注意点
  • 選挙期間中の配信で気をつけるべきこと

何が問題なのか:スパチャは「有料広告」に該当

投票箱に投票する様子

公選法142条の6とは

公職選挙法142条の6は、選挙運動として候補者の氏名を表示したインターネットの有料広告を禁止しています。

ポイントは「有料」という部分です。

  • ✅ 無料のSNS投稿やコメントで応援 → OK
  • ❌ お金を払って目立つ形で投票呼びかけ → 違法の恐れ

スパチャが「有料広告」になる理由

スーパーチャットには以下の特徴があります:

スパチャの仕組み
  1. 金額を支払うことでメッセージが目立つ色で大きく表示される
  2. 金額に応じて一定時間チャット欄の上部に固定される
  3. 他のコメントより視認性が高くなる

つまり、お金を払うことでメッセージを目立たせているわけです。

総務省選挙課の担当者は、毎日新聞の取材に対して次のように回答しています:

「一般論としてインターネット上で有料で候補者の氏名を表示して投票を呼びかけていれば、有料広告にあたる。投稿した人が公選法の規定に抵触する恐れがある」

実際に問題になった事例

2026年1月の衆院選で、ある候補者のYouTube街頭演説ライブ配信中に、500円のスパチャで投票呼びかけのメッセージが送られました。

    この件が報道された後、陣営はライブ配信でスーパーチャットができない設定に変更しました。

    陣営側は「公選法違反にならないように活動をやっているつもりだったが、スーパーチャットが有料広告にあたるとは知らなかった」と釈明しています。

    誰が罰せられる?

    責任の所在
    スパチャを送った視聴者公選法142条の6に抵触する恐れ
    候補者・陣営直接の違反ではないが管理責任の可能性
    配信者(候補者でない場合)基本的には責任を問われにくい

    重要なのは、スパチャを送った視聴者が違法行為をした可能性があるという点です。

    「応援のつもりだった」としても、知らないうちに法律に違反してしまうリスクがあります。

    配信者が気をつけるべきこと

    選挙とスマートフォン

    政治系配信者の場合

      一般の配信者の場合

      政治と関係ない配信であっても、選挙期間中は予期せぬスパチャが来る可能性があります。

      • 政治的なスパチャが来た場合は対応を検討
      • 気になる場合は一時的にスパチャを無効にする選択肢も

      視聴者が気をつけるべきこと

      「推しの候補者を応援したい」という気持ちは理解できますが、スパチャでの投票呼びかけは法的リスクがあります。

      • スパチャで「○○に投票して」と呼びかける
      • スパチャで候補者名を出して応援メッセージを送る
      • メンバーシップギフト等の有料機能で選挙運動する
      • 無料のコメントで応援する
      • 自分のSNSで応援投稿する(氏名の表示は可)
      • 実際に投票に行く
      • 周囲の人に口コミで伝える

      専門家は次のように指摘しています:

      「スーパーチャットはお金を払うことで、メッセージが上に出るようにするわけで、有権者が普通に誰々を応援しますといった投稿とは違う。お金で買っているということを認識して、選挙運動に向き合った方がいい」 ― 湯浅墾道教授(明治大公共政策大学院・情報法)

      ネット選挙のグレーゾーン

      2013年の解禁から取り残された法整備

      ネットを使った選挙運動は2013年に解禁されましたが、当時はスーパーチャットのような機能は存在しませんでした。

      現状の問題点
      • 2013年当時のガイドラインが更新されていない
      • スパチャ、メンバーシップ、投げ銭など新機能への対応が不明確
      • リアルの選挙運動は厳しく規制されるのに、ネットは緩やか
      • 技術の進化に法律が追いついていない

      今後、法改正やガイドラインの更新が行われる可能性もありますが、現時点では「安全側」で行動することが重要です。

      まとめ:知らなかったでは済まない

      まとめ

      この記事のポイント
      1. スパチャで投票呼びかけは公選法違反の恐れがある
      2. 「有料で目立つ形で候補者名を表示」が問題
      3. 違反するのはスパチャを送った視聴者
      4. 配信者は選挙期間中はスパチャ無効が安全
      5. 応援したいなら無料のコメントやSNS投稿

      「知らなかった」では済まないのが法律です。

      選挙期間中は、配信者も視聴者も、ネットでの選挙運動について正しい知識を持って行動しましょう。

      特に政治系の配信を行う方は、視聴者を守るためにも、スパチャの設定を確認しておくことをおすすめします。


      画像クレジット

      本記事で使用している画像の一部は Unsplash より提供されています。

      • A person casting a vote: Photo by Element5 Digital on Unsplash
      • US Elections results on phone: Photo by Maxim Tolchinskiy on Unsplash

      よくある質問

      Qスパチャで投票呼びかけをすると誰が罰せられる?
      A
      公選法142条の6に抵触する可能性があるのは、スーパーチャットを送信した視聴者です。候補者や配信者が直接罰せられるわけではありませんが、陣営としての管理責任を問われる可能性はあります。
      Q普通のコメントで投票呼びかけをするのはOK?
      A
      お金を払わない通常のコメントで投票を呼びかけること自体は、公選法142条の6(有料広告の禁止)には抵触しません。ただし、他の規定(例:戸別訪問の禁止等)に抵触する可能性はあるため、注意が必要です。
      Q配信者として何に気をつければいい?
      A
      選挙期間中の政治系配信では、スーパーチャットを無効にする設定にすることが安全です。実際に、問題が発覚した陣営はスパチャを無効に設定し直しました。
      Q2013年のネット選挙解禁から何が変わった?
      A
      ネット選挙運動は2013年に解禁されましたが、当時はスーパーチャットのような機能は存在しませんでした。法律やガイドラインが技術進化に追いついておらず、グレーゾーンが多く存在しています。

      この記事を書いた人

      TK

      モリミー

      Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

      都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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