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【独自データ】YouTube登録者 vs Twitchフォロワー|日本の配信者クロスプラットフォーム分析2026

【独自データ】YouTube登録者 vs Twitchフォロワー|日本の配信者クロスプラットフォーム分析2026

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【独自データ】YouTube登録者 vs Twitchフォロワー|日本の配信者クロスプラットフォーム分析2026

「あの配信者、YouTubeとTwitchどっちが強いんだろう?」

配信者を応援するファンにとっても、これから配信を始めようとしている人にとっても、プラットフォームごとの勢力図は気になるポイントです。YouTubeの登録者数だけ、あるいはTwitchのフォロワー数だけを見ても、配信者の本当の影響力は見えてきません。

We Streamerでは独自に1,527名の配信者データベースを構築し、日々データを更新しています。今回はその中からYouTubeとTwitchの両方で活動している24名の配信者を抽出し、プラットフォーム間の「比率」を算出しました。

この比率を見ることで、配信者がどちらのプラットフォームに軸足を置いているのか、そしてその背景にはどんな戦略や事情があるのかが浮かび上がってきます。

この記事でわかること - YouTube登録者数とTwitchフォロワー数の「比率」から見える配信者の戦略パターン - YouTube優勢型・均衡型・Twitch優勢型、それぞれの代表的な配信者 - なぜ格闘ゲーム勢はTwitchが強く、切り抜き文化のある配信者はYouTubeが強いのか - これから配信を始める人が参考にすべきクロスプラットフォーム戦略

※本記事のデータはWe Streamer独自のデータベース(1,527名の配信者を収録)から算出しています。

データ分析のイメージ

データの概要と分析手法

1,527名のデータベースから見えた事実

We Streamerが運用するデータベースには、2026年3月時点で1,527名の配信者が登録されています。YouTube Data API v3とTwitch APIを活用し、登録者数・フォロワー数を定期的に取得しています。

この1,527名のうち、YouTubeとTwitchの両方でアクティブに活動している配信者は24名でした。全体のわずか1.6%という数字は、多くの配信者がいまだ単一プラットフォームに集中していることを示しています。

比率(Ratio)の算出方法

本記事で用いる「比率」は、以下の計算式で求めています。

比率(Ratio)= YouTube登録者数 / Twitchフォロワー数
  • 比率 2.0以上 → YouTube優勢型(YouTubeのほうが2倍以上大きい)
  • 比率 0.8〜1.5 → 均衡型(両プラットフォームがほぼ同規模)
  • 比率 0.5以下 → Twitch優勢型(Twitchのほうが2倍以上大きい)

この指標を使うことで、単純な数字の大小ではなく、配信者ごとのプラットフォーム戦略の違いを可視化できます。

クロスプラットフォーム配信者24名の全データ

まず、24名全員のデータを一覧で確認しましょう。

クロスプラットフォーム配信者データ一覧(YouTube登録者数順)
NinjaYT 2,360万 / Tw 1,926.5万(比率 1.2)
MoistCr1TiKaLYT 1,780万 / Tw 578.2万(比率 3.1)
ShroudYT 681万 / Tw 1,131.3万(比率 0.6)
xQcYT 248万 / Tw 1,233.4万(比率 0.2)
加藤純一YT 130万 / Tw 115.9万(比率 1.1)
だるまいずごっどYT 127万 / Tw 96.8万(比率 1.3)
ボドカYT 95万 / Tw 68.3万(比率 1.4)
ありさかYT 74.6万 / Tw 58.6万(比率 1.3)
わいわいYT 59.4万 / Tw 21.3万(比率 2.8)
じゃすぱーYT 31.5万 / Tw 65.9万(比率 0.5)
ウメハラYT 27.4万 / Tw 45.2万(比率 0.6)
ゆふなYT 24万 / Tw 19.6万(比率 1.2)
布団ちゃんYT 20.1万 / Tw 20.4万(比率 1.0)
はんじょうYT 9.6万 / Tw 33.6万(比率 0.3)
ネモYT 2.8万 / Tw 8.6万(比率 0.3)

数字を眺めるだけでも、配信者によって比率が大きく異なることがわかります。ここからは、比率ごとにグループ分けして詳しく分析していきます。

YouTube優勢型の配信者(比率2.0以上)

YouTube優勢型とは、YouTubeの登録者数がTwitchフォロワー数の2倍以上ある配信者です。このグループには、動画コンテンツの蓄積切り抜き文化がファン獲得の源泉になっているという共通点があります。

MoistCr1TiKaL(比率 3.1)- YouTube圧倒的優勢

MoistCr1TiKaL(penguinz0)のデータ
YouTube登録者数1,780万
Twitchフォロワー数578.2万
比率3.1(YouTube圧倒的優勢)
主なジャンルリアクション動画・ゲーム実況・コメンタリー

MoistCr1TiKaL(Charlie White)は、データ上で最もYouTube優勢な配信者です。比率3.1は、YouTubeの登録者がTwitchフォロワーの3倍以上いることを意味します。

この偏りの理由は明確です。MoistCr1TiKaLのコンテンツは短尺のリアクション動画やコメンタリーが中心で、YouTubeのアルゴリズムと非常に相性が良い形式です。Twitchでもライブ配信を行っていますが、ファンの主な接点はYouTube上のアーカイブ動画になっています。

YouTubeのショートフォーム動画やアルゴリズム推薦は、配信をリアルタイムで見ない視聴者にもリーチできるため、YouTube側の数字が膨らみやすい傾向があります。

わいわい(比率 2.8)- 日本人で最もYouTube優勢

わいわいのデータ
YouTube登録者数59.4万
Twitchフォロワー数21.3万
比率2.8(YouTube優勢)
主なジャンルゲーム実況・雑談

日本人配信者の中で最もYouTube優勢なのがわいわいです。比率2.8は、YouTubeの登録者がTwitchフォロワーの約3倍という意味です。

わいわいの場合、YouTubeでのゲーム実況動画の蓄積が圧倒的に多く、過去動画からの新規流入が継続的に発生しています。Twitchでも配信を行っていますが、主戦場はYouTubeと言えるでしょう。

YouTube優勢型に共通する特徴をまとめると:

  • 動画アーカイブの蓄積量が多い
  • 切り抜き動画や短尺コンテンツによる二次拡散がある
  • YouTubeの検索・レコメンドアルゴリズムからの流入が大きい
  • ライブ配信よりも編集済み動画の比率が高い

均衡型の配信者(比率0.8〜1.5)

均衡型は、YouTubeとTwitchの数字がほぼ同規模の配信者です。このグループは両プラットフォームをバランスよく活用しているか、あるいはそれぞれのプラットフォームで異なるファン層にリーチしているケースが多いです。

布団ちゃん(比率 1.0)- 完璧な均等

布団ちゃんのデータ
YouTube登録者数20.1万
Twitchフォロワー数20.4万
比率1.0(完璧な均等)
主なジャンル雑談・ゲーム配信

データ上で最も均等な数字を持つのが布団ちゃんです。比率1.0は、YouTube登録者とTwitchフォロワーがほぼ完全に一致していることを意味します。

布団ちゃんはTwitchでのライブ配信を主軸としながらも、YouTubeにもアーカイブや切り抜きをアップロードするスタイルをとっています。両プラットフォームのファンが自然とバランスよく成長した結果が、この比率に表れています。

加藤純一(比率 1.1)- 日本配信界のレジェンド

加藤純一のデータ
YouTube登録者数130万
Twitchフォロワー数115.9万
比率1.1(ほぼ均等)
主なジャンルゲーム実況・雑談・イベント配信

日本の配信シーンを語る上で欠かせない加藤純一の比率は1.1で、ほぼ均等型に分類されます。

加藤純一は元々ニコニコ動画出身で、その後YouTubeとTwitchの両方に活動の場を広げました。大型イベント配信はTwitch、アーカイブ動画やハイライトはYouTubeという使い分けが定着しており、結果として両プラットフォームで同規模のファンを獲得しています。

加藤純一のケースは、プラットフォームの使い分けが自然に均等成長を生む好例です。Twitchのライブを見逃したファンがYouTubeのアーカイブに流れ、YouTubeで知った新規ファンがTwitchのライブに訪れるという好循環が生まれています。

だるまいずごっど(比率 1.3)

だるまいずごっどのデータ
YouTube登録者数127万
Twitchフォロワー数96.8万
比率1.3(やや YouTube寄り)
主なジャンルFPSゲーム実況・大会配信

だるまいずごっどは、FPS(特にVALORANT)の実況で知られる人気配信者です。比率1.3はやや YouTube寄りですが、均衡型の範囲内です。

大会のライブ配信はTwitch、ハイライト動画やコラボ動画はYouTubeという使い分けが見られます。FPSの競技シーンはTwitchとの相性が良いため、Twitch側の数字も安定して高いのが特徴です。

ボドカ(比率 1.4)

ボドカのデータ
YouTube登録者数95万
Twitchフォロワー数68.3万
比率1.4(やや YouTube寄り)
主なジャンルFPS実況・コラボ配信

ボドカもFPS配信者として人気が高く、比率1.4とややYouTube寄りの均衡型です。YouTubeではコラボ企画やバラエティ寄りの動画も投稿しており、その多様なコンテンツがYouTube側の登録者数を押し上げています。

ありさか(比率 1.3)

ありさかのデータ
YouTube登録者数74.6万
Twitchフォロワー数58.6万
比率1.3(やや YouTube寄り)
主なジャンルFPS実況・エンタメ配信

ゆふな(比率 1.2)

ゆふなのデータ
YouTube登録者数24万
Twitchフォロワー数19.6万
比率1.2(ほぼ均等)
主なジャンルゲーム実況

Ninja(比率 1.2)- 世界的レジェンド

Ninjaのデータ
YouTube登録者数2,360万
Twitchフォロワー数1,926.5万
比率1.2(ほぼ均等)
主なジャンルFortnite・バトルロイヤル系FPS

世界で最も有名なストリーマーの一人であるNinjaの比率は1.2で、均衡型に分類されます。Fortnite全盛期にTwitchで爆発的な人気を獲得し、その後Mixerへの移籍を経て再びTwitchに復帰。YouTubeでもコンスタントに動画を投稿し、両プラットフォームで巨大なファンベースを築いています。

注意
Ninjaは一時期Mixer(現在はサービス終了)に独占契約で移籍したことがあります。プラットフォーム独占は短期的な収益を得られる反面、クロスプラットフォームでのファン獲得を阻害するリスクがあることを示す歴史的事例です。

均衡型配信者に共通する特徴:

  • TwitchとYouTubeで明確な役割分担がある
  • ライブ配信(Twitch)とアーカイブ・編集動画(YouTube)の併用
  • 複数のプラットフォームからのファン流入経路を持つ
  • プラットフォーム障害やポリシー変更への耐性が高い

Twitch優勢型の配信者(比率0.5以下)

Twitch優勢型は、TwitchフォロワーがYouTube登録者の2倍以上ある配信者です。このグループにはライブ配信の文化に根差した活動をしている配信者が多く見られます。

xQc(比率 0.2)- Twitch圧倒的優勢

xQcのデータ
YouTube登録者数248万
Twitchフォロワー数1,233.4万
比率0.2(Twitch圧倒的優勢)
主なジャンルバラエティ配信・ゲーム実況・リアクション

xQcはデータ上で最もTwitch優勢な配信者です。比率0.2は、Twitchフォロワーの数がYouTube登録者の約5倍であることを意味します。

xQcの活動の中心は1日10時間以上にも及ぶ長時間ライブ配信です。Twitchのチャット文化と深く結びついたインタラクティブな配信スタイルは、YouTubeの動画形式では再現しにくいものです。YouTubeにもクリップやハイライトは投稿されていますが、あくまでTwitchのライブ体験が本体であり、YouTubeは補助的な位置づけになっています。

xQcのケースは、ライブ配信のリアルタイム性とチャットのインタラクションがいかにTwitchのファンベースを強化するかを示す典型例です。同じコンテンツでも、リアルタイムで参加する体験とアーカイブで視聴する体験では、ファンの定着度が大きく異なります。

はんじょう(比率 0.3)- スプラトゥーン界のTwitch王

はんじょうのデータ
YouTube登録者数9.6万
Twitchフォロワー数33.6万
比率0.3(Twitch圧倒的優勢)
主なジャンルスプラトゥーン・ゲーム配信

日本人配信者の中でTwitch優勢が最も顕著なのがはんじょうです。比率0.3は、Twitchフォロワーの数がYouTube登録者の3倍以上あることを示しています。

はんじょうはスプラトゥーンのトッププレイヤーとして知られ、Twitchでの長時間ライブ配信が活動の中心です。スプラトゥーンの競技シーンはTwitchで視聴される傾向が強く、コミュニティ自体がTwitchに集中していることがこの比率に反映されています。

ネモ(比率 0.3)- 格闘ゲーム勢のTwitch偏重

ネモのデータ
YouTube登録者数2.8万
Twitchフォロワー数8.6万
比率0.3(Twitch圧倒的優勢)
主なジャンル格闘ゲーム(ストリートファイター)

プロ格闘ゲーマーのネモも比率0.3でTwitch優勢型です。格闘ゲーム(FGC: Fighting Game Community)のシーンは世界的にTwitchが主戦場であり、大会配信やプロ選手の練習配信はほぼTwitchで行われています。

ウメハラ(比率 0.6)- 格ゲーの神もTwitch寄り

ウメハラのデータ
YouTube登録者数27.4万
Twitchフォロワー数45.2万
比率0.6(Twitch寄り)
主なジャンル格闘ゲーム(ストリートファイター)・トーク

「格闘ゲームの神」として世界的に知られるウメハラの比率は0.6で、やはりTwitch寄りです。ネモと同様に格闘ゲームコミュニティの特性が反映されていますが、ウメハラの場合はYouTubeでの切り抜き動画やトーク動画も人気があるため、ネモほどTwitch偏重ではありません。

じゃすぱー(比率 0.5)

じゃすぱーのデータ
YouTube登録者数31.5万
Twitchフォロワー数65.9万
比率0.5(Twitch寄り)
主なジャンルFPS実況・大会配信

じゃすぱーもTwitch優勢型で、比率0.5はTwitchフォロワーがYouTube登録者の2倍であることを意味します。FPSの競技シーン配信がTwitchを中心に行われている影響が見られます。

Shroud(比率 0.6)- 元プロFPSプレイヤー

Shroudのデータ
YouTube登録者数681万
Twitchフォロワー数1,131.3万
比率0.6(Twitch寄り)
主なジャンルFPS・シューティングゲーム全般

元CS:GOのプロ選手であるShroudも比率0.6でTwitch寄りです。圧倒的なエイム力を見せるライブ配信がTwitchの視聴者を引きつけ、「見ていて上手い」というライブ体験がTwitch側のファンベースを大きくしています。

Twitch優勢型配信者に共通する特徴:

  • ライブ配信の長時間・高頻度が活動の中心
  • チャットでの視聴者とのリアルタイム交流を重視
  • 競技シーンやコミュニティがTwitchに集中しているジャンル(格闘ゲーム、FPS大会など)
  • YouTubeは補助的なアーカイブ置き場として利用

なぜプラットフォーム比率が異なるのか?

ここまでのデータを分析すると、比率を左右する要因がいくつか見えてきます。

要因1: ジャンルとコミュニティの所在地

最も大きな要因はジャンルのコミュニティがどのプラットフォームに形成されているかです。

ジャンル別のプラットフォーム傾向
格闘ゲーム(FGC)Twitch優勢(ネモ 0.3、ウメハラ 0.6)
FPS競技シーンTwitch寄り(じゃすぱー 0.5、Shroud 0.6)
バラエティ/長時間配信Twitch優勢(xQc 0.2)
ゲーム実況+切り抜き文化YouTube優勢(わいわい 2.8)
リアクション/コメンタリーYouTube優勢(MoistCr1TiKaL 3.1)
バランス型ゲーム実況均衡(加藤純一 1.1、布団ちゃん 1.0)

格闘ゲームコミュニティ(FGC)は世界的にTwitchが主戦場です。EVO(世界最大級の格闘ゲーム大会)をはじめとする主要大会がTwitchで配信されるため、プロ選手もファンもTwitchに集まります。ネモとウメハラのTwitch偏重は、この構造的な要因によるものです。

一方、日本のゲーム実況文化はニコニコ動画からYouTubeに移行した歴史があり、切り抜き動画という独自のコンテンツ形式がYouTubeでのファン獲得に大きく貢献しています。

要因2: コンテンツ形式の違い

コンテンツ形式とプラットフォームの相性
長時間ライブ配信(5時間以上)Twitch向き
短尺編集動画(10〜20分)YouTube向き
切り抜き・クリップYouTube向き
リアルタイムチャット重視Twitch向き
検索・レコメンド経由の新規獲得YouTube向き
コミュニティ内での認知拡大Twitch向き

Twitchはライブの同時接続者数がプラットフォームのアルゴリズムに直結するため、長時間配信で常にライブ枠を維持する戦略が有効です。xQcの1日10時間以上の配信は、この仕組みを最大限活用しています。

YouTubeは検索エンジンとレコメンドアルゴリズムによる新規視聴者の獲得が強みです。過去動画がアーカイブとして半永久的にアクセス可能であり、何年も前の動画からの流入も期待できます。

要因3: 地域性と言語圏

日本市場には特有の傾向があります。

注意
日本ではYouTubeの普及率がTwitchに比べて圧倒的に高いため、一般層へのリーチを考えるとYouTubeが有利です。一方、コアなゲームファンや海外視聴者にリーチするにはTwitchが有効です。この地域差は戦略を考える上で重要な要素です。

日本の配信者15名中、Twitch優勢型は3名(はんじょう、ネモ、じゃすぱー)にとどまり、大半はYouTube優勢か均衡型です。これは日本のインターネットユーザーの間でYouTubeの浸透度がTwitchを大きく上回っていることを反映しています。

逆に、海外配信者に目を向けると、xQc(0.2)やShroud(0.6)のようにTwitch優勢型が目立ちます。欧米圏ではTwitchの認知度が日本より高く、ライブ配信文化がより深く根付いていることが背景にあります。

要因4: プラットフォームの収益構造

配信者の戦略には収益モデルの違いも影響しています。

Twitchはサブスクリプション(月額課金)とビッツ(投げ銭)が主な収益源で、ライブ配信中のリアルタイム課金が重要です。一方、YouTubeはスーパーチャットに加えて広告収入があり、アーカイブ動画の再生数に応じた継続的な収益が見込めます。

そのため、ライブ配信でコアファンからの直接課金を狙う配信者はTwitch寄りに、広い視聴者層からの広告収入を狙う配信者はYouTube寄りになる傾向があります。

配信者が参考にすべきクロスプラットフォーム戦略

ここまでのデータ分析をもとに、これから配信を始める人や、クロスプラットフォーム展開を検討している配信者に向けた戦略を提案します。

戦略1: まず「主戦場」を決める

データが示す通り、両プラットフォームを均等に伸ばしている配信者は少数派です。まずはどちらかのプラットフォームを主戦場に定め、そこでファンベースを確立することが先決です。

主戦場の選び方
1
自分のジャンルのコミュニティがどこに集まっているか調査する(格闘ゲームならTwitch、ゲーム実況ならYouTubeなど)
2
自分の配信スタイルを考える(長時間ライブ向きならTwitch、編集動画中心ならYouTube)
3
ターゲット視聴者の属性を考える(日本の一般層ならYouTube、コアゲーマーや海外視聴者ならTwitch)
4
収益モデルの優先度を決める(サブスク・投げ銭中心ならTwitch、広告収入中心ならYouTube)

戦略2: サブプラットフォームへの展開タイミング

加藤純一や布団ちゃんのデータが示すように、均衡型の配信者は両プラットフォームで異なる役割を持たせています。

サブプラットフォーム展開の判断基準
主戦場で安定したファンベース(目安: 5万人以上)を築けているか
視聴者から「もう片方のプラットフォームでも見たい」という声があるか
主戦場と異なる形式のコンテンツ(ライブ vs 編集動画)を出す余力があるか
両プラットフォームを運営する時間と体力が確保できるか
各プラットフォームの特性に合わせたコンテンツの出し分けができるか

戦略3: プラットフォーム間のシナジーを設計する

最も成功しているクロスプラットフォーム配信者は、両プラットフォーム間でファンの流れを設計しています。

成功パターン例(加藤純一モデル) 1. Twitchで大型イベントやライブ配信を実施(リアルタイムの盛り上がり) 2. ライブの切り抜き・ハイライトをYouTubeに投稿(新規ファンの獲得) 3. YouTubeで知った新規ファンが次のTwitchライブに来る(コミュニティの拡大) 4. この循環を継続することで両プラットフォームが同時に成長する

戦略4: リスク分散としてのクロスプラットフォーム

NinjaのMixer移籍の事例が示すように、単一プラットフォームへの依存にはリスクがあります。プラットフォームの規約変更、アルゴリズム変更、あるいはサービス終了といった外部要因に対して、クロスプラットフォームで活動すること自体がリスクヘッジになります。

プラットフォームリスクの比較
Twitchの主なリスク規約変更(広告ポリシー、同時配信制限など)
YouTubeの主なリスクアルゴリズム変更(レコメンド、収益化基準など)
両方に共通するリスクBAN、収益化停止、プラットフォーム自体の衰退
クロスプラットフォームの利点片方で問題が起きてももう片方で活動継続可能

戦略5: データに基づく定期的な見直し

比率は固定的なものではなく、配信者の活動内容やプラットフォームの変化に応じて変動します。定期的にデータを確認し、自分の戦略が狙い通りの結果を出しているか検証することが重要です。

定期的な見直しの手順
1
月に1回、YouTube登録者数とTwitchフォロワー数を記録する
2
比率の推移を追い、トレンドを把握する
3
新しいコンテンツや配信形式を試した際に、比率の変化を確認する
4
目標とする比率(YouTube優勢、均衡、Twitch優勢)に合わせてコンテンツ戦略を調整する

今後の展望:2026年後半に注目すべきトレンド

最後に、2026年後半以降のクロスプラットフォーム配信を取り巻く環境変化について触れておきます。

YouTubeのライブ配信強化が進んでいます。YouTubeはライブ配信者向けの収益化ツールやインタラクション機能を拡充しており、これまでTwitchが優位だった「ライブ配信のリアルタイム体験」の差が縮まりつつあります。今後、ライブ配信主体の配信者でもYouTubeの比率が上がる可能性があります。

一方、Twitchの日本市場への注力も継続しています。日本語のUIやサポートの改善、日本のゲーム企業との提携など、日本のユーザー獲得に向けた施策が進んでいます。これにより、日本のTwitch優勢型配信者が増える可能性もあります。

プラットフォーム間の競争が激化することは、配信者にとっては選択肢が増えるという意味でポジティブな変化です。重要なのは、特定のプラットフォームに固執せず、自分のコンテンツと視聴者に最適な組み合わせを柔軟に選ぶことです。

まとめ

YouTube登録者 vs Twitchフォロワーの比率分析から見えた3つのパターン

YouTube優勢型(比率2.0以上): MoistCr1TiKaL(3.1)、わいわい(2.8)など。切り抜き文化やアーカイブ動画の蓄積がYouTube側を押し上げる。

均衡型(比率0.8〜1.5): 加藤純一(1.1)、布団ちゃん(1.0)、だるまいずごっど(1.3)など。両プラットフォームの役割分担が明確で、ファンの循環が生まれている。

Twitch優勢型(比率0.5以下): xQc(0.2)、はんじょう(0.3)、ネモ(0.3)など。ライブ配信中心のスタイルや、Twitchに集中する競技コミュニティが要因。

比率を左右する主な要因は、ジャンルのコミュニティの所在地、コンテンツ形式(ライブ vs 編集動画)、地域性、収益構造の4つ。これから配信を始める人は、まず主戦場を決め、十分なファンベースを築いた後にサブプラットフォームへ展開するのが効果的です。

※データはWe Streamer独自のデータベース(1,527名収録)より、2026年3月時点の数値です。

画像クレジット

本記事で使用している画像の一部は Unsplash より提供されています。

  • データ分析ダッシュボードのイメージ: Photo by Luke Chesser on Unsplash

よくある質問

QYouTube登録者数とTwitchフォロワー数の比率はどう計算しますか?
A
YouTube登録者数をTwitchフォロワー数で割った値です。比率が1.0なら均等、2.0以上ならYouTube優勢、0.5以下ならTwitch優勢と分類しています。
Qなぜクロスプラットフォーム分析が重要なのですか?
A
配信者の強みがどのプラットフォームにあるかを数値で把握でき、新規参入する配信者が戦略を立てる際の参考になります。また、スポンサー企業にとっても配信者のリーチを正確に評価する指標になります。
Q日本の配信者はYouTubeとTwitchどちらが強い傾向がありますか?
A
全体的にはYouTube優勢の傾向がありますが、格闘ゲームコミュニティやFPS競技シーンなど、ジャンルによってはTwitch優勢の配信者も多く存在します。
Qデータベースの1,527名はどのように収集されていますか?
A
We Streamerが独自に構築したデータベースで、YouTube Data API v3とTwitch APIを使用して定期的にデータを更新しています。日本の主要配信者を中心に、海外の著名配信者も含まれています。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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