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ASMR配信の始め方完全ガイド|人気の音・収録環境・収益化まで徹底解説
「ASMR配信を始めてみたいけど、何から始めればいいかわからない」
そんな悩みを持つ方のために、この記事ではASMR配信の始め方を基礎から徹底的に解説します。ASMRとは何か、人気のトリガー(音の種類)、収録環境の作り方、編集のコツ、そして収益化までの道のりまで、すべてを網羅しました。
機材の紹介もありますが、まずはASMRの本質を理解し、自分だけのスタイルを見つけることが成功への近道です。
ASMRとは何か?なぜこれほど人気なのか
ASMRは世界中で数十億回再生される人気コンテンツ
ASMRの定義と歴史
ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response:自律感覚絶頂反応)とは、特定の音や視覚的刺激によって引き起こされる、頭皮や首筋、背中などがゾクゾクする心地よい感覚のことです。
この言葉が生まれたのは2010年。ジェニファー・アレンという女性がFacebookグループを作り、この感覚に名前をつけたのが始まりです。それ以前から「脳がとろける感覚」「頭がゾワゾワする」という体験を持つ人は多くいましたが、共通の言葉がなかったため、共有されることがありませんでした。
YouTubeでASMR動画が本格的に流行し始めたのは2015年頃から。現在では「ASMR」というキーワードでの検索数は年々増加し、トップASMRtist(ASMR配信者)の動画は数億回再生されるほどの人気コンテンツになっています。
なぜASMRは人気なのか
ASMRが人気を集める理由は主に以下の3つです。
1. リラックス効果・睡眠導入
多くの視聴者がASMRを「眠るため」に視聴しています。現代人は常にストレスにさらされており、スマホやPCの画面を見続ける生活で脳が興奮状態にあります。ASMRの優しい音は、そんな興奮状態を鎮め、リラックスした状態へと導いてくれます。
実際、2018年のシェフィールド大学の研究では、ASMRを体験する人は心拍数が低下し、ポジティブな感情が増加することが確認されています。
2. 孤独感の解消
囁き声やロールプレイ型のASMRは、誰かがそばにいてくれるような感覚を与えます。一人暮らしの人、人間関係に疲れた人にとって、ASMRは「寄り添ってくれる存在」として機能しています。
3. 集中力の向上
意外かもしれませんが、ASMRを作業用BGMとして使う人も多いです。特にタッピング音やキーボード音などは、適度な刺激を与えながらも邪魔にならず、集中力を高める効果があるとされています。
ASMRを感じる人・感じない人
ここで重要なのは、ASMRを感じる能力には個人差があるということです。
研究によると、約20〜30%の人はASMRを強く感じ、約50%の人は軽く感じ、残りの約20〜30%の人はほとんど感じないと言われています。
ASMRを感じやすい人の特徴として、以下が挙げられています:
- 開放性(新しい経験への好奇心)が高い
- 神経質傾向がやや高い
- 共感能力が高い
つまり、ASMR配信者として成功するためには、「自分が感じる心地よさ」を追求するだけでなく、「視聴者が何を求めているか」を理解することが重要です。自分自身がASMRをあまり感じないタイプでも、視聴者のニーズを把握すれば十分に成功できます。
人気のASMRトリガー(音の種類)を理解する
トリガーの種類を知ることで自分のスタイルが見えてくる
トリガーとは何か
ASMRにおける「トリガー」とは、心地よい感覚を引き起こす刺激のことです。人によって反応するトリガーは異なりますが、特に人気の高いトリガーがいくつかあります。
ASMR配信を始める前に、どのトリガーが人気なのか、どのトリガーが自分に向いているのかを把握しておくことが重要です。
定番の人気トリガー
1. ウィスパリング(囁き声)
最も基本的かつ人気の高いトリガーです。優しく囁くような声は、多くの人にリラックス効果をもたらします。
囁き声には大きく分けて2種類あります:
- Soft Spoken(ソフトスポークン): 小さな声で話す。完全な囁きではなく、声帯を使った優しい話し方
- Whisper(ウィスパー): 声帯を使わない、息だけで話す囁き声
初心者には Soft Spoken の方が取り組みやすいでしょう。完全な囁き声は技術が必要で、息の音が目立ちすぎたり、聞き取りにくくなったりすることがあります。
2. タッピング(Tapping)
物を指で叩く音です。木、プラスチック、ガラス、金属など、素材によって音が大きく変わります。
タッピングの魅力は、素材さえあれば誰でも始められること。100円ショップで様々な素材のものを買い集めて試してみるのがおすすめです。
人気の高いタッピング素材:
- 木製の箱やボウル(温かみのある音)
- コルク(柔らかい音)
- ガラス瓶(クリアな高音)
- 本の表紙(低めの落ち着いた音)
- プラスチックケース(軽やかな音)
3. スクラッチング(Scratching)
爪で表面を引っ掻く音です。タッピングと組み合わせて使われることも多いです。
マイクの種類によって拾いやすさが異なり、コンデンサーマイクの方がスクラッチング音を繊細に拾えます。
4. イーティング(Eating/Mukbang)
咀嚼音、食べる音です。韓国発の「モッパン」と融合し、世界的に人気のジャンルになりました。
好き嫌いが分かれるトリガーですが、熱狂的なファンも多いです。フライドチキン、ピクルス、蜂の巣(ハニーコム)などが人気の食材です。
ただし、不快に感じる人も多いため、チャンネルの方向性をよく考えてから取り入れましょう。
5. ロールプレイ(Role Play)
特定のシチュエーションを演じるASMRです。美容室、エステ、医療検査、店員さんとのやり取りなど、様々なシナリオがあります。
視聴者を「あなた」として語りかけるスタイルが多く、パーソナルアテンション(個人的な注目)を感じさせることがポイントです。
ロールプレイは難易度が高いですが、ファンがつきやすく、チャンネルの個性を出しやすいジャンルです。
6. ブラッシング(Brushing)
ブラシで何かを撫でる音です。マイクを直接ブラッシングする、カメラ(視聴者の顔に見立てて)をブラッシングするなどのスタイルがあります。
メイクブラシ、ヘアブラシ、ペイントブラシなど、様々なブラシで音が変わります。
7. 水の音(Water Sounds)
水を注ぐ音、泡の音、水中での音など。雨音と組み合わせた環境音的なASMRも人気です。
8. キーボード・タイピング音
メカニカルキーボードのタイピング音は、作業用BGMとしても人気です。キーボードの軸(青軸、赤軸など)によって音が異なり、マニアックなファンも多いジャンルです。
自分に合ったトリガーの見つけ方
すべてのトリガーを試す必要はありません。以下のステップで自分に合ったトリガーを見つけましょう。
ステップ1: 視聴者として体験する
まずは様々なASMR動画を視聴し、自分がどのトリガーに反応するか確認しましょう。自分が心地よいと感じるトリガーは、作る側になっても情熱を持って続けられます。
ステップ2: 再生数・コメントを分析する
人気ASMRtistのチャンネルを分析し、どのトリガーの動画が特に再生されているか確認しましょう。コメント欄には視聴者のリアルな反応があり、参考になります。
ステップ3: 試してフィードバックを得る
実際にいくつかのトリガーで動画を作り、視聴者の反応を見ましょう。最初から完璧を目指さず、まずは試行錯誤することが大切です。
ASMR収録に適した環境づくり
ASMRは「静寂」が命。環境づくりが成功の鍵
なぜ環境が重要なのか
ASMR収録において、環境は機材以上に重要です。
どんなに高価なマイクを使っても、エアコンの音、車の音、隣人の話し声が入っていては台無しです。ASMRは繊細な音を扱うため、ノイズは致命的なダメージを与えます。
逆に言えば、環境さえ整えれば、比較的安価な機材でも十分なクオリティの収録が可能です。
収録場所の選び方
理想的な収録場所の条件:
-
外部からの騒音が少ない
- 道路から離れた部屋
- 上階・下階の生活音が聞こえにくい
- 隣室との壁が厚い
-
室内の反響が少ない
- カーペットや畳の部屋
- 家具や布製品が多い
- 天井が低め(高いと反響しやすい)
-
家電のノイズが少ない
- エアコン、冷蔵庫から離れている
- PCのファン音が届きにくい
現実的な対処法:
理想的な環境がない場合も諦める必要はありません。以下の工夫で環境を改善できます。
- 収録時間を選ぶ: 深夜〜早朝は外部ノイズが最も少ない
- 季節を考慮: エアコンを使わなくていい春・秋は収録しやすい
- 曜日を選ぶ: 平日の昼間は近隣の生活音が少ないことも
簡易防音・吸音対策
予算別の防音対策:
0円でできること:
- クローゼットの中で収録(服が吸音材の役割を果たす)
- 布団を被って収録(「布団ASMR」として実際にやっている人もいる)
- 窓を閉め、カーテンを厚手のものにする
数千円でできること:
- 吸音パネルをマイク周りに設置
- カーペットやラグを敷く
- 厚手のカーテンに変更
- 隙間テープでドアの隙間を塞ぐ
数万円でできること:
- リフレクションフィルター(マイク用の簡易防音)の導入
- 吸音材を壁に貼る
- 防音カーテンの導入
- 簡易防音ブースの設置
マイク周りの環境整備
マイクは非常に感度が高いため、周囲の環境を整えることが重要です。
振動対策:
- ショックマウント(マイクホルダー)を使用
- マイクスタンドを安定した場所に設置
- 机の振動が伝わらないよう注意
反射音対策:
- マイクの後ろに吸音材を置く
- リフレクションフィルターを使用
- 壁から距離を取る
ポップノイズ対策:
- ポップガード(ポップフィルター)を使用
- マイクに対して斜めに話す
- 息が直接当たらない角度を見つける
収録環境チェックリスト
収録前に以下をチェックしましょう:
- エアコン・暖房をオフにした
- 冷蔵庫の音が聞こえない距離にいる
- 窓を閉めた
- スマホをマナーモードにした
- PCのファン音が気にならない
- 同居人に収録中であることを伝えた
- ペットを別の部屋に移した
- 時計の秒針音が入らない
ASMR収録に必要な機材を理解する
機材は「まず始める」ことを優先し、徐々にグレードアップ
機材選びの基本方針
ASMR機材を選ぶ際の基本方針は「まず始めること」です。
最初から完璧な機材を揃えようとすると、費用がかさむだけでなく、「機材が届いてから」「もっといいものを買ってから」と先延ばしになりがちです。
最低限の機材で始めて、自分のスタイルが固まってきたら徐々にグレードアップしていくのが賢明なアプローチです。
マイクの種類と選び方
ASMRで使用されるマイクは主に以下の種類があります。
1. コンデンサーマイク
最も一般的なASMR用マイクです。感度が高く、繊細な音を拾えます。
メリット:
- 高感度で繊細な音を収録できる
- 価格帯が幅広く、予算に合わせて選べる
- 種類が豊富
デメリット:
- 感度が高すぎてノイズも拾いやすい
- ファンタム電源が必要(オーディオインターフェース経由)
- 湿気に弱い
2. ダイナミックマイク
ライブやカラオケでよく使われるマイクです。
メリット:
- 丈夫で扱いやすい
- 環境ノイズを拾いにくい
- ファンタム電源が不要
デメリット:
- コンデンサーマイクほど繊細な音は拾えない
- ASMR向きではない(ただし好む人もいる)
3. バイノーラルマイク
左右の耳の位置にマイクを配置し、立体的な音を収録できるマイクです。「耳型マイク」とも呼ばれます。
メリット:
- 立体的な音像を収録できる
- 「耳元で囁かれている」感覚を再現
- ビジュアル的にもインパクトがある
デメリット:
- 価格が高い
- 使いこなすには慣れが必要
- メンテナンスが必要
初心者におすすめの選択:
最初はUSB接続のコンデンサーマイクがおすすめです。オーディオインターフェースが不要で、PCに直接接続するだけで使えます。
1〜2万円程度の製品で十分なクオリティの収録が可能です。
オーディオインターフェースについて
オーディオインターフェースは、マイクの音をPCに取り込むための機器です。
USB接続マイクの場合: オーディオインターフェースは不要です。マイクを直接PCに接続できます。
XLR接続マイクの場合: オーディオインターフェースが必要です。ファンタム電源(48V)を供給する機能も必要です。
初心者はまずUSBマイクから始め、本格的にやるようになったらXLRマイク+オーディオインターフェースの構成にステップアップするのがおすすめです。
その他の必要機材
ポップガード: 息がマイクに直接当たることで発生するポップノイズを防ぎます。囁き声を多用するASMRでは必須です。
マイクスタンド・アーム: マイクを固定するためのスタンドです。デスクに取り付けるアームタイプが便利です。
ショックマウント: マイクをスタンドに取り付ける際に使用。振動を吸収し、ノイズを軽減します。
ヘッドホン: 収録中のモニタリング用。密閉型がおすすめです。
予算別の機材構成例
1万円以下:最小構成
- USBマイク(5,000〜8,000円)
- ポップガード(1,000円)
- 有線イヤホン(手持ちのもの)
3万円:スタンダード構成
- USBコンデンサーマイク(1〜1.5万円)
- マイクアーム(3,000円)
- ポップガード(1,500円)
- モニターヘッドホン(5,000円)
- 吸音パネル(3,000円)
10万円:本格構成
- XLRコンデンサーマイク(3万円)
- オーディオインターフェース(2万円)
- マイクアーム+ショックマウント(1万円)
- モニターヘッドホン(1.5万円)
- バイノーラルマイク(2万円)
- 吸音材・リフレクションフィルター(1万円)
ASMR動画の収録テクニック
テクニックを磨くことで、同じ機材でもクオリティが変わる
マイクとの距離感
ASMR収録において、マイクとの距離は音質を大きく左右します。
近すぎる場合:
- 低音が強調されすぎる(近接効果)
- 息がマイクに当たりやすい
- ポップノイズが発生しやすい
遠すぎる場合:
- 音が小さくなる
- 環境ノイズが目立つ
- ASMRの親密感が失われる
最適な距離の目安:
- 囁き声:マイクから5〜15cm
- タッピング:マイクから3〜10cm
- ロールプレイ:状況に応じて変化させる
最初は様々な距離で試し録りをして、自分の声やトリガーに最適な距離を見つけましょう。
ゲイン(入力レベル)の設定
ゲインとは、マイクの入力感度のことです。
ゲインが高すぎる場合:
- 音が歪む(クリッピング)
- ノイズが増える
- 小さな音でも爆音になる
ゲインが低すぎる場合:
- 音が小さすぎる
- 後から音量を上げるとノイズも増幅される
最適なゲイン設定:
- 録音レベルのメーターが-12dB〜-6dB程度で振れる
- 最大音量でも0dBを超えない(クリッピングしない)
- 囁き声でも音が拾えている
ASMRは音量の変化が大きいため、余裕を持った設定が重要です。
収録時の姿勢と呼吸
意外と見落とされがちですが、姿勢と呼吸は収録クオリティに影響します。
姿勢のポイント:
- 背筋を伸ばす(声が出やすくなる)
- 肩の力を抜く(リラックスした声になる)
- マイクに対して無理のない角度で話す
呼吸のポイント:
- 鼻呼吸を基本とする(口呼吸の音が入りにくい)
- 話す前に軽く息を吐く(息継ぎの音を減らす)
- ゆっくり呼吸する(落ち着いたペースになる)
トリガー別の収録テクニック
囁き声(ウィスパリング):
- マイクに対して少し斜めに話す
- 息が直接当たらないよう注意
- ゆっくり、明瞭に発音する
- 子音を強調しすぎない
タッピング:
- 爪の長さを揃える(音が均一になる)
- リズムを意識する(単調すぎず、規則的すぎず)
- 強弱をつける(変化があると飽きない)
- 複数の素材を組み合わせる
スクラッチング:
- 爪を清潔に保つ(引っかかりを防ぐ)
- ゆっくりと丁寧に
- 力加減を一定に保つ
ロールプレイ:
- 事前に台本を用意する
- 間を大切にする(無音の時間も重要)
- 視聴者に語りかけるように話す
- 小道具を活用して臨場感を出す
収録中のトラブル対処
突然のノイズが入った場合:
- その場で録り直すか、後で編集でカットする
- 「今の音は気にしないでね」と自然に流す(ライブ感)
- 収録前にノイズ源を特定・排除する習慣をつける
声が出にくい・喉が疲れた場合:
- 無理をせず休憩する
- 水を飲む(常温がおすすめ)
- 収録を複数回に分ける計画を立てる
緊張して声が硬くなる場合:
- 収録前にストレッチや発声練習をする
- 最初の数分は慣らしと割り切る
- 「誰かに話しかける」イメージを持つ
ASMR動画の編集方法
編集で音を「磨く」ことでプロ品質に近づく
編集ソフトの選び方
ASMR動画の編集には、音声編集に強いソフトを使うのがおすすめです。
無料で使える編集ソフト:
- Audacity(音声編集): 無料で高機能。ノイズ除去、イコライザーなど充実
- DaVinci Resolve(動画編集): 無料版でも十分な機能。音声編集機能も強力
- OBS Studio(配信・録画): ライブ配信にも録画にも対応
有料の定番ソフト:
- Adobe Premiere Pro: プロ標準の動画編集ソフト
- Adobe Audition: 音声編集に特化
- Logic Pro(Mac): 音楽制作・音声編集に強い
初心者はまずAudacity(音声)+ DaVinci Resolve(動画)の無料コンビで始めるのがおすすめです。
基本的な編集ワークフロー
1. 素材の取り込み
- 収録した音声・映像を編集ソフトに取り込む
- バックアップを必ず取っておく
2. ノイズ除去
- 環境ノイズ(エアコン音、ハム音など)を除去
- やりすぎると音がこもるので注意
3. 不要部分のカット
- ミスした部分、長すぎる無音をカット
- ただしASMRは「間」も重要なので削りすぎない
4. 音量調整(ノーマライズ)
- 全体の音量を適切なレベルに調整
- ASMRは大きすぎない音量が好まれる
5. イコライザー調整
- 不要な低音をカット(ローカットフィルター)
- 聴きやすい音質に調整
6. 映像との同期
- 音声と映像がずれていないか確認
- 必要に応じてタイミングを調整
7. 書き出し
- 適切な形式・品質で書き出し
ノイズ除去のコツ
ノイズ除去はASMR編集で最も重要なスキルの一つです。
ノイズ除去の手順(Audacityの場合):
- 無音部分(環境ノイズだけの部分)を選択
- 「効果」→「ノイズの低減」→「ノイズプロファイルを取得」
- 全体を選択
- 「効果」→「ノイズの低減」→パラメーターを調整して適用
パラメーターの目安:
- ノイズ低減: 6〜12dB(強すぎると音がこもる)
- 感度: 3〜6
- 周波数スムージング: 3〜6
ノイズ除去の注意点:
- やりすぎると「水中にいるような」こもった音になる
- ASMRの繊細な音が消えてしまうこともある
- 収録段階でノイズを減らす方が結果が良い
音量バランスの調整
ASMRでは音量のダイナミクス(大小の差)が重要です。
コンプレッサーの使用: コンプレッサーは音量の大きい部分を抑え、全体を均一化するエフェクトです。
ASMR では軽くかける程度に留めましょう。強くかけすぎると、ASMRの自然な音量変化が失われます。
推奨設定(参考):
- Threshold: -15dB〜-20dB
- Ratio: 2:1〜3:1
- Attack: 10〜30ms
- Release: 100〜300ms
サムネイルと動画タイトル
編集と同じくらい重要なのが、サムネイルとタイトルです。
サムネイルのポイント:
- 何のASMRかすぐわかる
- 見やすい色使い
- テキストは最小限(スマホでも読める大きさ)
- トリガーとなるアイテムを見せる
タイトルのポイント:
- トリガーの種類を明記(「タッピング」「囁き」など)
- 検索されやすいキーワードを含める
- 長すぎない(60文字以内推奨)
- 英語を併記すると海外からの視聴も狙える
例:「【ASMR】木箱タッピング&スクラッチング / Wood Box Tapping & Scratching」
ASMR配信プラットフォームの選び方
プラットフォームによって視聴者層や収益モデルが異なる
主要プラットフォームの特徴
YouTube
最も利用者が多いプラットフォームです。
メリット:
- 視聴者数が圧倒的に多い
- 検索からの流入が期待できる
- 収益化の仕組みが確立している
- 長尺動画に向いている
デメリット:
- 競合が非常に多い
- 収益化の条件が厳しくなっている
- アルゴリズムの変化に左右される
TikTok
ショート動画に強いプラットフォームです。
メリット:
- 拡散力が高い
- 若い視聴者にリーチできる
- 短い動画で試行錯誤しやすい
- トレンドに乗りやすい
デメリット:
- 長尺ASMRには向かない
- 収益化の金額が低め
- 「深いファン」がつきにくい
Twitch
ライブ配信に特化したプラットフォームです。
メリット:
- ライブならではのインタラクティブ性
- 熱心なファンがつきやすい
- 投げ銭(サブスクライブ、ビッツ)で収益化しやすい
デメリット:
- 配信時間を確保する必要がある
- アーカイブの扱いが難しい
- ゲーム配信者が多く、ASMR層にリーチしにくい
ニコニコ動画
日本独自のプラットフォームです。
メリット:
- 日本人視聴者に特化
- コメントが動画上に流れる独自の文化
- ニコニコ大百科などコミュニティがある
デメリット:
- 視聴者数はYouTubeより少ない
- 収益化の金額が低め
複数プラットフォーム展開のすすめ
一つのプラットフォームに依存するのはリスクがあります。
おすすめの展開パターン:
- YouTube(メイン): 長尺の本編動画を投稿
- TikTok / YouTubeショート: 切り抜きやハイライトで認知拡大
- Twitter/X: 告知・コミュニケーション
- Twitch(任意): ライブ配信でファンとの交流
同じ素材でも、編集の仕方を変えれば複数のプラットフォームで展開できます。
投稿頻度とスケジュール
理想的な投稿頻度:
- YouTube: 週1〜2回
- TikTok / ショート: 毎日〜週3回
- ライブ配信: 週1〜2回
継続可能なペースを見つける:
重要なのは「継続できること」です。最初から毎日投稿しようとして燃え尽きるより、週1回を1年続ける方が成果が出ます。
自分の生活スタイルに合った無理のないペースを見つけましょう。
ASMR配信の収益化方法
複数の収益源を持つことで安定した収入を目指す
YouTube広告収益
YouTubeパートナープログラムに参加すると、動画に広告が表示され、再生数に応じた収益が得られます。
参加条件(2024年現在):
- チャンネル登録者 1,000人以上
- 過去12ヶ月の総再生時間 4,000時間以上
- または過去90日間のショート動画視聴回数 1,000万回以上
ASMR動画の広告収益の特徴:
- 長尺動画が多いため、再生時間を稼ぎやすい
- CPM(1,000回再生あたりの収益)は中程度
- 寝落ち用途だと途中で離脱されることも
収益の目安: 日本のASMRチャンネルの場合、1再生あたり約0.3〜0.5円程度と言われています(ジャンルや視聴者層によって変動)。
メンバーシップ・サブスクリプション
熱心なファンから月額課金を受ける仕組みです。
YouTubeメンバーシップ:
- チャンネル登録者が条件を満たすと開設可能
- 月額90円〜6,000円で設定
- メンバー限定動画、バッジ、絵文字などの特典
Patreon / Fantia / FANBOX:
- 外部のクリエイター支援サービス
- より自由な特典設計が可能
- 早期公開、未編集素材、限定コンテンツなど
メンバーシップで成功するポイント:
- 無料コンテンツで十分なファンを作る
- 限定コンテンツに明確な価値を持たせる
- ファンとのコミュニケーションを大切にする
投げ銭・スーパーチャット
ライブ配信中に視聴者から直接支援を受ける仕組みです。
YouTubeスーパーチャット / スーパーステッカー:
- ライブ配信中に視聴者がメッセージとともに投げ銭
- 金額に応じてメッセージが目立つ表示に
Twitchのサブスクライブ / ビッツ:
- 月額サブスクリプション
- ビッツによる投げ銭
投げ銭で収益を上げるコツ:
- ライブ配信で視聴者とリアルタイムにコミュニケーション
- リクエストに応える姿勢を見せる
- 投げ銭への感謝をしっかり伝える
企業案件・スポンサーシップ
一定の登録者数を持つと、企業から案件が来ることがあります。
ASMR向けの案件例:
- オーディオ機器メーカー
- ヘッドホン・イヤホンブランド
- リラクゼーション関連商品
- 睡眠改善アプリ
案件を受ける際の注意:
- 自分のチャンネルの世界観に合っているか
- 視聴者のためになる紹介か
- 「PR」「広告」表記を忘れずに
グッズ販売
オリジナルグッズを販売して収益を得る方法です。
ASMRtist向けグッズアイデア:
- 音声作品(ダウンロード販売)
- イラスト・デザイングッズ
- アクリルスタンド
- ボイスカード
販売プラットフォーム:
- BOOTH
- Gumroad
- SUZURI
- BASE
人気ASMRtistの分析と学び
成功者のスタイルを分析し、自分なりにアレンジする
世界的に人気のASMRtist
Gibi ASMR(アメリカ)
- 登録者数 400万人以上
- ロールプレイが得意
- 様々なキャラクターを演じる
- 高いプロダクション品質
ASMR Darling(アメリカ)
- 登録者数 250万人以上
- 王道のトリガー動画
- 明るく親しみやすいキャラクター
- 初心者向けの解説動画も
Latte ASMR(韓国)
- 登録者数 200万人以上
- 丁寧なロールプレイ
- 高品質なビジュアル
- 韓国語・英語の二言語展開
日本の人気ASMRtist
hatomugi ASMR
- 日本トップクラスの登録者数
- 囁き声とタッピングが中心
- 落ち着いた雰囲気
- 安定した投稿頻度
もこ田めめめ(VTuber)
- VTuberとしてASMR配信
- キャラクターの魅力で差別化
- ファンとの強い絆
成功パターンの分析
成功しているASMRtistに共通するポイント:
1. 一貫性
- 投稿スケジュールが安定している
- チャンネルの方向性がブレない
- 視聴者が期待する内容を提供し続ける
2. 品質へのこだわり
- 音質・画質が高い
- サムネイルが魅力的
- 編集が丁寧
3. 差別化
- 独自のキャラクターやスタイル
- 他にはないトリガーや企画
- 記憶に残る個性
4. コミュニティ形成
- コメントへの返信
- ファンとの交流
- SNSでの発信
自分だけのスタイルを見つける
成功者を参考にしながらも、コピーにならないよう自分だけのスタイルを見つけることが重要です。
自分のスタイルを見つけるヒント:
- 自分が一番リラックスできるトリガーは何か
- 自分の声や話し方の特徴は何か
- 他の趣味や特技を活かせないか
- 視聴者からのフィードバックで評価が高いものは何か
焦らず、試行錯誤しながら見つけていきましょう。
ASMR配信でよくある失敗と対策
失敗を知っておくことで、同じ轍を踏まずに済む
機材にこだわりすぎて始められない
「もっといいマイクを買ってから」「防音室ができてから」と言い続けて、結局始められないパターンです。
対策:
- まずはスマホ+有線イヤホンでも撮ってみる
- 最低限の機材で始め、収益が出てからグレードアップ
- 「完璧」を求めない
最初から毎日投稿しようとする
やる気に満ちた最初の時期に毎日投稿を始め、1〜2ヶ月で燃え尽きるパターンです。
対策:
- 週1回からスタート
- 「継続できること」を最優先
- 無理なスケジュールは組まない
ノイズを軽視する
「後から編集で消せばいいや」と思って、ノイズだらけの環境で収録するパターンです。
対策:
- 収録前に必ずテスト録音
- 環境ノイズを減らす努力をする
- 編集でのノイズ除去には限界があることを理解する
視聴者の声を無視する
自分のやりたいことだけを追求し、視聴者のニーズを無視するパターンです。
対策:
- コメントを読み、フィードバックを取り入れる
- アナリティクスで離脱率などを確認
- リクエストにも時々応える
他のASMRtistと比較しすぎる
人気ASMRtistと自分を比べて落ち込むパターンです。
対策:
- 比較するなら「過去の自分」と
- 他者は参考にするが、コピーしない
- 自分のペースで成長することを意識
著作権を軽視する
BGMや効果音、画像などで著作権侵害をしてしまうパターンです。
対策:
- BGMはフリー素材か、ライセンス購入したものを使う
- 効果音も同様
- 自分で作成するのが最も安全
ASMR配信を長く続けるためのマインドセット
続けることが最大の成功要因
数字に振り回されない
再生数や登録者数は気になりますが、それに振り回されると精神的に消耗します。
健全な向き合い方:
- 週1回など、決まったタイミングでのみ確認
- 数字の増減で一喜一憂しない
- 長期的なトレンドで判断する
- 「今日できること」に集中する
小さな成功を祝う
最初から大きな成功を期待すると、なかなか到達できずに挫折します。
小さなマイルストーンの例:
- 初めての動画を公開できた
- 登録者10人達成
- 初めてのコメントがついた
- 100再生達成
- 週1投稿を1ヶ月続けられた
「楽しい」を忘れない
収益化や数字を追いかけるあまり、「楽しさ」を忘れてしまうことがあります。
ASMR配信を始めたきっかけを思い出しましょう。視聴者に癒しを届けたい、自分が好きな音を共有したい、そういった純粋な気持ちが原動力になります。
コミュニティを大切にする
一人で黙々と続けるより、仲間がいた方が続けやすいです。
コミュニティの作り方:
- 同じASMRtistとSNSで交流
- コラボ企画を提案
- 視聴者とのコミュニケーションを大切に
- ASMRtist向けのDiscordサーバーに参加
休むことも大切
燃え尽きを防ぐために、適度な休息も必要です。
健全な休み方:
- 定期的な休暇を計画に組み込む
- 「1週間休んでも問題ない」と思える状態を作る
- 収録・編集をストックしておく
- 無理をしない
よくある質問(FAQ)
初心者が抱きやすい疑問に答えます
Q. 顔出しは必要ですか?
A. 必須ではありません。
ASMR配信では顔出しなしで成功している人も多いです。以下のスタイルがあります:
- 手元だけを映す
- イラストやアバターを使用
- 音声のみ(黒画面や静止画)
- VTuberとして活動
むしろ「音に集中してほしい」という理由で顔出ししないASMRtistも多いです。
Q. 声に自信がないのですが大丈夫ですか?
A. 声の良し悪しは主観的なものです。
「いい声」の定義は人それぞれ。低い声が好きな人も、高い声が好きな人もいます。
大切なのは「心地よく聞こえるか」であり、それは話し方や録音環境で大きく改善できます。まずは試してみて、視聴者の反応を見ましょう。
Q. スマホでも始められますか?
A. はい、可能です。
最近のスマホは録音性能が高く、工夫次第で十分なクオリティの収録ができます。
スマホで始めるコツ:
- 有線イヤホンのマイクを使用(スマホ内蔵マイクより良い場合が多い)
- 静かな環境を確保
- スマホを固定して録画
- 編集はPCまたはスマホアプリで
Q. どれくらいで収益化できますか?
A. 人によりますが、半年〜1年が目安です。
YouTubeの場合、登録者1,000人・再生時間4,000時間が条件です。週1〜2回の投稿を継続すれば、多くの人が1年以内に達成しています。
ただし、最初から収益を目標にしすぎると疲れます。まずは「楽しく続けること」を目標にしましょう。
Q. 英語ができなくても海外視聴者を獲得できますか?
A. はい、可能です。
ASMRは言語の壁が低いジャンルです。タッピングやスクラッチングなどは言葉が不要ですし、囁き声も「音」として楽しむ人が多いです。
海外向けのコツ:
- タイトルと説明文に英語を併記
- 字幕をつける
- 海外で人気のトリガーを意識
Q. 批判コメントが怖いです
A. 批判は一定数必ず来るものと割り切りましょう。
どんな人気ASMRtistにも批判コメントはあります。全員に好かれることは不可能です。
対処法:
- 建設的な批判は参考にする
- 悪意のある批判はスルーまたはブロック
- コメント欄の管理機能を活用
- 信頼できる人に相談
まとめ:今日からASMR配信を始めよう
完璧を目指さず、まず一歩を踏み出そう
ここまでASMR配信について徹底的に解説してきました。
長い記事を読んでいただきありがとうございます。情報量が多いので、一度に全部を実践する必要はありません。
今日できる最初の一歩
ステップ1(今すぐ):
- YouTubeで人気のASMR動画を3つ視聴する
- 自分がどのトリガーに反応するか確認する
ステップ2(今週中):
- スマホで試し録りをしてみる
- 自分の声や音がどう聞こえるか確認する
ステップ3(今月中):
- 最低限の機材を揃える(予算1万円でOK)
- 1本目の動画を公開する
完璧な動画は必要ありません。まずは「公開する」という経験をすることが大切です。
ASMRの本質を忘れない
機材や技術も大切ですが、ASMRの本質は「誰かをリラックスさせ、心地よくさせること」です。
視聴者にとって価値のあるコンテンツを作り続けることが、結果的に成功への最短ルートになります。
継続が最大の武器
ASMR配信で成功している人の共通点は「続けていること」です。
最初は再生数が伸びなくても、半年、1年と続けることで必ず成長していきます。焦らず、自分のペースで、楽しみながら続けていきましょう。
あなたのASMR配信が多くの人に癒しを届けることを願っています。
参考:ASMR配信におすすめの機材
最後に、記事中で触れた機材について簡単にまとめておきます。あくまで参考程度にご覧ください。
入門者向けマイク
:::amazon-product asin: B07QDF5K9S title: FIFINE K669B USBマイク description: 入門に最適な価格帯。USB接続で簡単。ASMR初心者の最初の一本として人気。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/61unjpvSm9L._AC_SL1500_.jpg :::
:::amazon-product asin: B08MVGZ67F title: マランツプロ MPM-1000U description: コスパの良いUSBコンデンサーマイク。付属のスタンドとケーブルですぐに始められる。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/71X0FiLlPDL._AC_SL1500_.jpg :::
中級者向けマイク
:::amazon-product asin: B07GSFRH1H title: Blue Yeti USB マイク description: 定番のUSBマイク。4種類の指向性切替。高音質でASMRに人気。ゲイン調整つまみ付き。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/71zAvFNNjPL._AC_SL1500_.jpg :::
:::amazon-product asin: B0BL7JY64H title: Audio-Technica AT2020USB-X description: 老舗オーディオメーカーの高品質USBマイク。クリアな音質でASMRに最適。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/51RxLqfwrjL._AC_SL1080_.jpg :::
バイノーラルマイク
:::amazon-product asin: B07R4QQ6FQ title: 3Dio Free Space バイノーラルマイク description: ASMRtistに人気の耳型マイク。立体的な音像を収録可能。プロ仕様。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/61IaBNR37gL._AC_SL1500_.jpg :::
オーディオインターフェース
:::amazon-product asin: B0C5JRMCTS title: MOTU M2 description: 高音質で定評のあるオーディオインターフェース。XLRマイクを使う場合に。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/61HhgsKSgOL._AC_SL1500_.jpg :::
:::amazon-product asin: B07QR6Z1JB title: Focusrite Scarlett Solo description: 定番のオーディオインターフェース。入門者にも扱いやすい。コンパクトで場所を取らない。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/71A4+dq9mLL._AC_SL1500_.jpg :::
ポップガード・アクセサリー
:::amazon-product asin: B01KHMUQ2M title: Moukey ポップガード description: 破裂音(ポップノイズ)を防ぐ。囁き声ASMRには必須のアクセサリー。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/61CpJj8wC5L._AC_SL1500_.jpg :::
:::amazon-product asin: B082HPWXN7 title: Roycel マイクアーム description: デスクに取り付けるマイクスタンド。高さ・角度を自由に調整可能。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/61Vt-Fn-jIL._AC_SL1500_.jpg :::
モニターヘッドホン
:::amazon-product asin: B00HVLUR86 title: Audio-Technica ATH-M50x description: プロ定番のモニターヘッドホン。収録中のモニタリングから編集まで活躍。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/71dV+wfSdJL._AC_SL1500_.jpg :::
:::amazon-product asin: B0006NL5SM title: Sony MDR-CD900ST description: 日本のスタジオ標準機。正確な音を再現。長時間使用にも耐える耐久性。 image: https://m.media-amazon.com/images/I/71ZL+MwsmRL._AC_SL1500_.jpg :::
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あなたのASMR配信が成功することを心から願っています。
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