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ダイナミックマイク vs コンデンサーマイク|配信に向いてるのはどっち?【完全解説】

ダイナミックマイク vs コンデンサーマイク|配信に向いてるのはどっち?【完全解説】

公開日
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「ダイナミックマイクとコンデンサーマイク、配信にはどっちがいいの?」

マイクを選ぶとき、まず直面するこの問題。「よくわからないからコンデンサーマイクでいいか」と選んでしまうと、後悔することもあります

この記事では、両者の仕組み・音質・使い勝手の違いをわかりやすく解説。あなたの配信スタイルに合ったマイクタイプがわかります。

この記事でわかること - ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの仕組みの違い - 音質・感度・環境音への強さの比較 - 配信スタイル別のおすすめタイプ - それぞれの代表的なモデル - 失敗しない選び方のポイント

ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの基本

まずは両者の基本的な違いを押さえましょう。

ダイナミックマイクとは

ダイナミックマイクの特徴
仕組み振動板+コイル+磁石
電源不要
感度低め
耐久性高い
価格帯3,000円〜50,000円
代表機種SHURE SM58・SM7B

ダイナミックマイクは、振動板(ダイアフラム)に取り付けられたコイルが磁石の中で動くことで電気信号を生成します。

構造がシンプルで丈夫。外部電源も不要。「落としても壊れにくい」というのは本当で、ライブステージなどハードな現場で長年使われてきた実績があります。

ダイナミックマイクの特徴まとめ

  • 感度が低い → 周囲の音を拾いにくい
  • 電源不要 → USB接続やXLR直接接続で使える
  • 頑丈 → 落下や衝撃に強い
  • 湿気に強い → 保管が楽
  • 近接効果が強い → 近づくと低音が増す

コンデンサーマイクとは

コンデンサーマイクの特徴
仕組み振動板+背極板(コンデンサー)
電源必要(ファンタム電源/USB給電)
感度高め
耐久性やや低い
価格帯3,000円〜100,000円以上
代表機種Audio-Technica AT2020・AKG C214

コンデンサーマイクは、2枚の金属板(振動板と背極板)の間の静電容量変化を利用して音を電気信号に変換します。

構造が精密で、繊細な音まで拾える高感度が特徴。ただし、外部電源(ファンタム電源48V)が必要で、湿気や衝撃にやや弱い面もあります。

コンデンサーマイクの特徴まとめ

  • 感度が高い → 繊細な音まで拾える
  • 電源が必要 → ファンタム電源/USB給電
  • 繊細 → 衝撃や湿気に弱い
  • 広い周波数特性 → 高音域まで伸びる
  • フラットな音質 → ナチュラルで編集しやすい

【徹底比較】7つの観点で見る違い

1. 感度(環境音への強さ)

結論:ダイナミックマイクの方が環境音を拾いにくい

タイプ感度環境音
ダイナミック低い(-50〜-55dB程度)拾いにくい
コンデンサー高い(-30〜-40dB程度)拾いやすい

感度の数値が大きい(0に近い)ほど、小さな音まで拾います。

コンデンサーマイクは感度が高いため、エアコンの音、PCファンの音、キーボードの打鍵音、外の車の音...あらゆる環境音を拾いやすいです。

ダイナミックマイクは感度が低いため、マイクの近くの音(主に話者の声)を中心に拾います。

配信環境が整っていない場合はダイナミックマイク 防音室や静かな個室でない限り、ダイナミックマイクの方が環境音対策が楽です。

2. 音質

結論:コンデンサーマイクの方が繊細で高音質

タイプ音質の特徴
ダイナミック中低音が豊か、やや丸みのある音
コンデンサーフラット、繊細、高音域まで伸びる

コンデンサーマイクは、声の微妙なニュアンスや息遣いまで拾えます。歌や朗読など、声の表現力を活かしたい配信に向いています。

ダイナミックマイクは、中低音が豊かで「声に厚み」を感じる音。ただし、コンデンサーほど繊細ではなく、ラフなトークや実況向きです。

とはいえ、SM7Bのようなハイエンドダイナミックマイクは、コンデンサーに匹敵する音質を持っています。価格帯によって音質差は縮まります。

3. 使いやすさ

結論:ダイナミックマイクの方が扱いやすい

タイプ電源取り扱い
ダイナミック不要
コンデンサー必要やや注意が必要

ダイナミックマイクは

  • 電源不要でシンプル
  • 落としても壊れにくい
  • 湿気を気にしなくていい
  • 保管場所を選ばない

コンデンサーマイクは

  • ファンタム電源(48V)が必要(USB接続モデルは不要)
  • 衝撃に弱い(落下注意)
  • 湿気に弱い(保管に注意)
  • 急激な温度変化を避ける

配信初心者や機材管理が苦手な方には、ダイナミックマイクの方がストレスフリーです。

4. 価格帯

結論:エントリーはほぼ同等、ハイエンドはコンデンサーが高い

価格帯ダイナミックコンデンサー
エントリー3,000〜10,000円3,000〜10,000円
ミドル10,000〜30,000円10,000〜30,000円
ハイエンド30,000〜50,000円30,000〜100,000円以上

エントリー〜ミドル価格帯では大差ありません。ハイエンド帯になると、コンデンサーマイクは10万円を超えるモデルも多数あります。

5. マイク距離の許容範囲

結論:コンデンサーは多少離れてもOK、ダイナミックは近づく必要あり

タイプ推奨距離離れた時
ダイナミック5〜15cm声が小さくなる
コンデンサー10〜30cmやや小さくなる程度

ダイナミックマイクは感度が低いため、マイクと口の距離を近く保つ必要があります。15cm以上離れると、声が小さくなったり、環境音との差が縮まったりします。

コンデンサーマイクは感度が高いため、多少離れても声を拾えます。動きながら話す配信や、マイクを視界から外したい場合はコンデンサーの方が楽。

ただし、コンデンサーマイクで離れすぎると環境音も大きく拾うため、適度な距離感は必要です。

6. 接続方式

結論:どちらもUSB/XLRモデルがある

接続ダイナミックコンデンサー
USBあり(少ない)あり(多い)
XLR主流あり

ダイナミックマイクはXLR接続が主流。SHURE SM58などの定番モデルはXLR接続です。USB接続モデルは比較的新しく、SHURE MV7やFIFINE K688などがあります。

コンデンサーマイクはUSB接続モデルが充実。Audio-Technica AT2020USB-Xなど、オーディオインターフェースなしで使えるモデルが多いです。

初心者はUSBマイクがおすすめ XLR接続はオーディオインターフェースが必要。まずはUSBマイクで始めて、ステップアップしたくなったらXLRに移行するのが無駄のない進め方です。

7. 配信以外の用途

結論:用途によって得意分野が異なる

用途ダイナミックコンデンサー
ライブ配信
動画収録
歌ってみた
ポッドキャスト
楽器録音
ライブ演奏

ダイナミックマイクは、ライブ配信やポッドキャストなど「リアルタイム性」が求められる場面に強い。環境音を拾いにくいため、編集なしでも聴きやすい音になりやすいです。

コンデンサーマイクは、動画収録や歌録音など「音質重視・後編集あり」の場面に強い。繊細な音まで録れるため、編集で調整する幅が広がります。


配信スタイル別おすすめタイプ

ゲーム実況・FPS配信

おすすめ:ダイナミックマイク

理由:

  • キーボード・マウスの音を拾いにくい
  • ゲーム中に興奮して声が大きくなっても音割れしにくい
  • 長時間配信でも疲れない(マイク位置を気にしなくていい)
  • 環境音(PCファンなど)を軽減

おすすめモデル

  • SHURE MV7(USB/XLR両対応)
  • FIFINE K688(コスパ◎)
  • Audio-Technica ATR2100x-USB
FPSでは特にダイナミック推奨 足音を聞くためにイヤホン音量を上げると、コンデンサーマイクだとスピーカーからの音漏れを拾うことも。ダイナミックマイクなら、その心配が減ります。

雑談配信・トーク配信

おすすめ:どちらでもOK(環境次第)

静かな環境 → コンデンサーマイク

  • 声の微妙なニュアンスが伝わる
  • 「聴いていて心地よい音」になりやすい
  • 長時間のトーク配信にも向く

騒がしい環境 → ダイナミックマイク

  • 環境音を気にせず配信できる
  • 後処理(ノイズ除去)の手間が減る

おすすめモデル

  • コンデンサー:Audio-Technica AT2020USB-X、Blue Yeti
  • ダイナミック:SHURE SM58(XLR)、SHURE MV7

歌ってみた・ボーカル配信

おすすめ:コンデンサーマイク

理由:

  • 声の表現力を最大限に活かせる
  • 高音域まで伸びる周波数特性
  • 息遣いや細かいビブラートも録れる
  • ミックス・マスタリングで調整しやすい

おすすめモデル

  • Audio-Technica AT2020(定番)
  • Audio-Technica AT2035(AT2020の上位)
  • AKG C214(プロ仕様)
  • RODE NT1-A(ローノイズ)
歌録音では環境を整えることが前提 コンデンサーマイクを使う場合、部屋の反響対策(吸音材など)も重要です。環境が整っていないなら、まずはダイナミックマイクで練習するのも手。

ポッドキャスト・ラジオ配信

おすすめ:ダイナミックマイク

理由:

  • プロのラジオ局でもダイナミックマイクが主流
  • 複数人での収録でも被りが少ない
  • 「ラジオっぽい温かみのある音」になる
  • マイク距離が多少ズレても大丈夫

おすすめモデル

  • SHURE SM7B(ポッドキャスト定番)
  • Electro-Voice RE20(ラジオ局御用達)
  • SHURE MV7(SM7Bの廉価版的位置づけ)
  • MAONO PD400X(コスパ◎)

ASMR配信

おすすめ:コンデンサーマイク(または専用マイク)

理由:

  • 繊細な音を拾う必要がある
  • 高感度が活きる用途
  • 低ノイズが重要

おすすめモデル

  • 3Dio Free Space(バイノーラル専用)
  • RODE NT1-A(低ノイズ)
  • Blue Yeti(切り替え可能)

代表的なモデル紹介

ダイナミックマイクの定番

SHURE SM58

SHURE SM58
価格約12,000円
接続XLR
指向性単一指向性(カーディオイド)
周波数特性50Hz〜15kHz
用途ボーカル・配信・ライブ

ライブボーカルマイクの世界標準。50年以上の歴史を持つ不朽の名作。

  • 圧倒的な耐久性(落としても壊れない)
  • 中音域に厚みのある音
  • ハウリングに強い
  • 世界中どこでも入手可能
  • XLR接続のみ(インターフェース必要)
  • 高音域はやや控えめ
  • 低音が強めに出る(好み分かれる)

SHURE SM7B

SHURE SM7B
価格約55,000円
接続XLR
指向性単一指向性(カーディオイド)
周波数特性50Hz〜20kHz
用途放送・ポッドキャスト・ボーカル録音

プロのポッドキャスターが愛用する定番。マイケル・ジャクソンの「Thriller」録音にも使用された伝説のマイク。

  • 放送品質の音
  • 電磁ノイズに強いシールド構造
  • 環境音を徹底的にカット
  • プロ仕様の信頼性
  • 価格が高い
  • ゲイン(音量)が足りない場合がある
  • オーディオインターフェース必須
  • 重量がある(マイクアーム必須)

SHURE MV7

SHURE MV7
価格約32,000円
接続USB / XLR両対応
指向性単一指向性(カーディオイド)
周波数特性50Hz〜16kHz
用途ポッドキャスト・配信・録音

SM7Bの遺伝子を持つUSB対応モデル。初心者からプロまで幅広く対応。

  • USB/XLR両対応(将来性◎)
  • 専用アプリで細かく調整可能
  • SM7Bに近い音質
  • タッチパネルでゲイン調整
  • SM7Bと比べると音質はやや劣る
  • 価格がやや高め
  • 重量がある

コンデンサーマイクの定番

Audio-Technica AT2020

Audio-Technica AT2020
価格約13,000円
接続XLR
指向性単一指向性(カーディオイド)
周波数特性20Hz〜20kHz
用途ボーカル・配信・楽器録音

宅録・配信の入門機として不動の人気。200万台以上売れたベストセラー。

  • フラットで癖のない音
  • 高いコストパフォーマンス
  • 日本メーカーの安心感
  • 情報が豊富(使っている人が多い)
  • XLR接続のみ(インターフェース必要)
  • ローカットフィルターなし
  • 付属品は最小限

Audio-Technica AT2020USB-X

Audio-Technica AT2020USB-X
価格約20,000円
接続USB-C
指向性単一指向性(カーディオイド)
周波数特性20Hz〜20kHz
用途配信・ポッドキャスト・テレワーク

AT2020のUSB版。オーディオインターフェースなしで高音質を実現。

  • USB-C接続で簡単セットアップ
  • ヘッドホン出力でリアルタイムモニタリング
  • ミュートボタン・音量ダイヤル搭載
  • AT2020の音質をそのまま
  • XLRモデルより価格が高い
  • PCがないと使えない

Blue Yeti

Blue Yeti
価格約18,000円
接続USB
指向性4パターン切替可能
周波数特性20Hz〜20kHz
用途配信・ポッドキャスト・ASMR

指向性パターンを切り替えられるマルチマイク。様々な用途に対応。

  • 4つの指向性パターン(単一・双・無・ステレオ)
  • ゲイン調整・ミュートボタン搭載
  • ヘッドホン出力あり
  • デザインが特徴的
  • サイズが大きい
  • 環境音を拾いやすい(高感度)
  • 重量がある

選び方のポイントまとめ

環境で選ぶ

配信環境おすすめ
静かな個室・防音室コンデンサーマイク
リビング・生活音ありダイナミックマイク
PCファンがうるさいダイナミックマイク
エアコン常時ONダイナミックマイク
外の騒音が入るダイナミックマイク

迷ったらダイナミックマイクから始めるのが無難。環境を整えてからコンデンサーに移行しても遅くありません。

用途で選ぶ

用途おすすめ
ゲーム実況ダイナミック
雑談配信環境次第
歌ってみたコンデンサー
ポッドキャストダイナミック
ASMRコンデンサー
楽器録音コンデンサー

予算で選ぶ

予算ダイナミックコンデンサー
〜5,000円FIFINE K688(下位)FIFINE/MAONO各種
〜10,000円FIFINE K688Audio-Technica AT2020
〜20,000円SHURE SM58(XLR)AT2020USB-X / Blue Yeti
〜35,000円SHURE MV7AKG C214
〜60,000円SHURE SM7BRODE NT1 Kit

よくある質問

初心者はどちらから始めるべき?
配信環境が整っていないならダイナミックマイクがおすすめ。環境音を気にせず配信できます。静かな部屋があるならコンデンサーマイクでもOK。迷ったら、まずはダイナミックで始めて、必要性を感じたらコンデンサーを追加購入するのが無駄のない進め方です。
コンデンサーマイクの環境音対策は?
OBSのノイズ抑制フィルター(RNNoise)やNVIDIA RTX Voiceが効果的です。ハードウェア面では、マイクと口の距離を近づける、ポップガードを使う、リフレクションフィルターを設置するなどの対策があります。それでも気になる場合は、ダイナミックマイクへの切り替えを検討しましょう。
XLR接続とUSB接続、どっちがいい?
初心者はUSB接続がおすすめ。オーディオインターフェースなしで使えます。音質にこだわりたい、将来的に機材を拡張したいならXLR接続を検討。USB/XLR両対応モデル(SHURE MV7、FIFINE K688など)を選べば、後から移行できます。
ダイナミックマイクでも高音質で録れる?
録れます。SHURE SM7Bはプロのレコーディングでも使われる高音質マイク。ダイナミック=低音質ではありません。価格帯によって音質は変わるので、予算に応じて選びましょう。
コンデンサーマイクはファンタム電源が必要?
XLR接続のコンデンサーマイクは、48Vのファンタム電源が必要です。オーディオインターフェースから供給します。USB接続のコンデンサーマイクは、USBから給電されるため別途電源は不要です。
両方持っておくべき?
余裕があれば両方あると便利です。ゲーム実況はダイナミック、歌配信はコンデンサーと使い分けられます。ただし、最初から両方買う必要はなく、まずは1本で始めて、必要性を感じたら追加購入でOK。

まとめ

ダイナミックマイクとコンデンサーマイク、それぞれに長所と短所があります。

まとめ

ダイナミック vs コンデンサー まとめ
項目ダイナミックコンデンサー
環境音拾いにくい◎拾いやすい△
音質中低音が豊か繊細・フラット
扱いやすさ簡単◎やや注意必要
価格同等同等〜やや高い
マイク距離近づく必要あり多少離れてもOK

おすすめの選び方

  • 環境が整っていない → ダイナミック
  • ゲーム実況・FPS → ダイナミック
  • 歌ってみた → コンデンサー
  • ポッドキャスト → ダイナミック
  • とにかく迷ったら → ダイナミック

どちらを選んでも、正しく設置してOBSで調整すれば、視聴者に不快感を与えない配信は可能です。まずは1本選んで、配信を始めてみましょう!

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この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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