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【2026年税制改正】基礎控除引き上げで配信者の節税額はいくら変わる?|インボイス・e-Tax対応も

【2026年税制改正】基礎控除引き上げで配信者の節税額はいくら変わる?|インボイス・e-Tax対応も

公開日
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「2026年の税制改正って配信者に関係あるの?」

「基礎控除が上がるって聞いたけど、いくら節税できる?」

「インボイスの2割特例っていつまで?」

2026年(令和7年度)の税制改正は、配信者・YouTuber・VTuberにとって重要な変更が含まれています。特に基礎控除の引き上げ議論とインボイス制度の経過措置の変更は、直接的に手取り額に影響します。

この記事では、各税制改正項目が配信者にどう影響するかを具体的な試算を交えて解説します。

この記事でわかること - 2026年の基礎控除引き上げの内容と影響額 - インボイス制度の経過措置変更(80%→50%) - 2割特例の適用期限 - e-Tax推進強化の内容 - 配信者の所得別・節税シミュレーション - 今すぐやるべき対策

2026年税制改正の全体像

税制改正のイメージ(2026年2月現在)

令和7年度(2026年度)税制改正大綱に基づき、配信者に影響のある主な改正項目を整理します。

2026年 配信者に影響する税制改正項目
基礎控除引き上げの議論が進行中(現行48万円)
インボイス経過措置2026年10月〜80%→50%に縮小
2割特例2026年9月30日含む課税期間まで(個人は2026年12月まで)
青色申告65万円控除e-Tax or 電子帳簿保存が条件(変更なし)
フリーランス保護契約・支払いルールの強化
注意: 税制改正の内容は国会審議や政令の公布を経て正式に決定されます。本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。最新の情報は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

1. 基礎控除の引き上げ議論

現行制度

現行の基礎控除は合計所得2,400万円以下の場合、48万円です。

現行の基礎控除額
合計所得2,400万円以下48万円
合計所得2,400万円超〜2,450万円以下32万円
合計所得2,450万円超〜2,500万円以下16万円
合計所得2,500万円超0円

引き上げが実現した場合の影響

基礎控除が引き上げられた場合、配信者の手取りは以下のように変わります(試算)。

注意: 以下は引き上げが実現した場合の試算であり、実際の改正額や施行時期は未定です。国会審議の結果によって変わる可能性があります。

試算の前提:

  • 専業配信者(個人事業主)
  • 青色申告特別控除65万円を適用
  • 社会保険料控除は考慮済み

仮に基礎控除が48万円から58万円に10万円引き上げられた場合:

年間所得所得税率節税額(所得税)住民税節税合計節税額
200万円5%5,000円10,000円約15,000円
400万円20%20,000円10,000円約30,000円
600万円20%20,000円10,000円約30,000円
900万円23%23,000円10,000円約33,000円
  • 全ての配信者が恩恵を受ける(所得2,400万円以下)
  • 確定申告の特別な手続き不要で自動適用
  • 所得税だけでなく住民税も軽減される
  • 扶養控除の基準額にも影響する可能性

所得税率の区分と節税インパクト

基礎控除の引き上げ効果を正しく理解するために、日本の所得税率の累進課税構造を押さえておきましょう。

所得税の税率区分(2026年現在)
195万円以下5%(控除額 0円)
195万円超〜330万円以下10%(控除額 97,500円)
330万円超〜695万円以下20%(控除額 427,500円)
695万円超〜900万円以下23%(控除額 636,000円)
900万円超〜1,800万円以下33%(控除額 1,536,000円)
1,800万円超〜4,000万円以下40%(控除額 2,796,000円)
4,000万円超45%(控除額 4,796,000円)
配信者の所得分布: 配信で生計を立てている専業配信者の多くは年間所得300万〜800万円の範囲に集中しています。この層は所得税率10%〜23%に該当し、基礎控除が10万円引き上がれば年間1.5万〜3.3万円の節税になります。「たった数万円」と思うかもしれませんが、10年間で15万〜33万円の差になります。

給与所得控除との関連

会社員として働きながら副業で配信している場合、給与所得控除の見直しも議論されています。給与所得控除の最低額(現行55万円)が引き上げられれば、副業配信者にとっても恩恵があります。

103万円の壁との関係:

「年収103万円の壁」(基礎控除48万円 + 給与所得控除55万円 = 103万円)が引き上げ議論の焦点の一つです。配信者で扶養に入っている方にとっては、この壁が上がることで配信収入をより多く得られる可能性があります。

2. インボイス制度の経過措置変更

2026年10月が転換点

インボイス制度の経過措置が2026年10月に変更されます。

インボイス制度 経過措置の推移
2023年10月〜2026年9月免税事業者からの仕入れの80%を控除可能
2026年10月〜2029年9月免税事業者からの仕入れの50%を控除可能
2029年10月〜経過措置終了(控除不可)

配信者への具体的な影響

影響を受ける配信者:

  1. 企業案件(スポンサー)を受けている配信者

    • 取引先企業がインボイスを求める可能性が高まる
    • 2026年10月以降、免税事業者からの仕入れ控除が80%→50%に低下
    • 企業側の税負担が増えるため、報酬の減額交渉が起きる可能性
  2. 免税事業者の配信者

    • 課税売上1,000万円以下で免税事業者のままの場合
    • 企業案件の受注に影響する可能性
    • 2026年9月までにインボイス登録するかの判断が必要
  3. インボイス登録済みの配信者

    • 2割特例の期限に注意(後述)
    • 消費税の申告・納付が必要
判断のポイント: 企業案件の収入が全体の大きな割合を占める配信者は、インボイス登録を検討する価値があります。一方、個人からの投げ銭・サブスクが収入の中心であれば、免税事業者のままでも大きな影響はありません。

インボイス登録の判断フローチャート

インボイス登録の判断基準 - 企業案件(スポンサー)が収入の30%以上 → 登録を検討 - 企業案件がなく、個人からの収入が中心 → 免税事業者のままでOK - 課税売上が1,000万円を超える → インボイス登録必須(課税事業者のため) - 取引先から登録を求められている → 登録を検討

3. 2割特例の適用期限

2割特例とは

インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった方が利用できる負担軽減措置です。

計算方法: 納付税額 = 売上にかかる消費税 × 20%

通常の消費税計算よりも大幅に納付額が少なくなります。

具体的な試算

年間売上(税込)売上消費税2割特例での納付額本則課税の場合(経費少)
330万円30万円6万円15〜25万円
550万円50万円10万円25〜40万円
1,100万円100万円20万円50〜80万円

期限に注意

  • 個人事業主の場合、2026年分(2026年1月〜12月)が最終適用
  • 2027年分からは本則課税または簡易課税を選択する必要がある
  • 簡易課税の届出は、適用を受けたい年の前年末(2026年12月末)までに提出が必要
  • 届出を忘れると本則課税が適用され、税負担が大幅に増える可能性
今すぐやるべきこと: 2割特例を利用している配信者は、2027年からの課税方式を検討し、簡易課税を選択する場合は2026年12月末までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出してください。

4. e-Tax推進の強化

青色申告65万円控除の条件

2020年以降、青色申告特別控除65万円の適用条件として以下のいずれかが必要です:

  1. e-Tax(電子申告)での確定申告書提出
  2. 電子帳簿保存法に対応した帳簿の作成

紙で提出した場合は控除額が55万円に減額されます。

青色申告控除額の比較
e-Tax + 複式簿記65万円(最大)
紙提出 + 複式簿記55万円
簡易簿記10万円

10万円の差の影響:

所得税率控除額の差(10万円)節税額の差
5%10万円5,000円
10%10万円10,000円
20%10万円20,000円
23%10万円23,000円

所得が高い配信者ほどe-Taxの恩恵が大きくなります。

e-Taxの準備

e-Taxを利用するために必要なもの:

e-Tax準備チェックリスト - マイナンバーカードを取得する - ICカードリーダー or マイナンバーカード対応スマートフォン - マイナポータルへの登録 - e-Taxの利用者識別番号の取得 - 確定申告書等作成コーナーの動作確認

配信者の収入パターン別・インボイス影響シミュレーション

配信者の収入構成は人によって大きく異なります。収入パターン別に、インボイス制度の影響を具体的にシミュレーションします。

パターンA:投げ銭・サブスク中心の配信者

項目金額
年間収入500万円
うちスパチャ・サブスク400万円(80%)
うち企業案件50万円(10%)
うちアフィリエイト50万円(10%)
インボイスの影響小さい(企業案件が少ないため)
投げ銭・サブスク中心の配信者へ: スーパーチャットやサブスクリプションは消費者(視聴者)からの支払いであり、企業間取引ではないため、インボイスの影響は限定的です。企業案件の割合が低い配信者は、免税事業者のままでもデメリットは少ないでしょう。

パターンB:企業案件中心の配信者

項目金額
年間収入800万円
うち企業案件500万円(62.5%)
うちスパチャ・サブスク200万円(25%)
うちグッズ販売100万円(12.5%)
インボイスの影響大きい(企業がインボイスを要求する可能性高い)
  • 取引先企業の税負担が増加するため、報酬が減額される可能性
  • 2026年10月以降、経過措置が80%→50%に縮小し影響拡大
  • 新規の企業案件でインボイス登録が条件になるケースも
  • 他の登録済み配信者に案件を取られるリスク

パターンC:副業配信者(会社員)

項目金額
給与所得400万円
配信副業所得100万円
うちスパチャ60万円
うちアフィリエイト40万円
インボイスの影響ほぼなし(課税売上1,000万円以下、企業案件なし)

5. フリーランス保護法の強化

配信者に関連する内容

フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス保護法)により、配信者が企業案件を受ける際の保護が強化されています。

  • 書面(契約書)による取引条件の明示義務
  • 報酬の60日以内の支払い義務
  • 一方的な報酬減額の禁止
  • ハラスメント対策
  • 妊娠・出産等を理由とした不利益取扱いの禁止

配信者が注意すべき点:

  • 企業案件を受ける際は書面での契約を求める
  • 報酬額、支払い期日、業務内容を明確にする
  • 一方的な条件変更があった場合は相談窓口に連絡
  • フリーランス・トラブル110番(0120-532-110)を活用

配信者の所得別・節税シミュレーション

年間所得200万円の配信者(副業)

年間所得200万円の配信者の節税
青色申告特別控除65万円の節税効果
基礎控除48万円(引き上げ分は別途)
社会保険料控除会社の給与から天引き
小規模企業共済加入していれば全額控除
推定所得税約4〜7万円(各種控除後)

年間所得400万円の配信者(専業)

年間所得400万円の配信者の節税
青色申告特別控除65万円 → 約13万円の節税
基礎控除48万円
国民健康保険約30〜40万円(社会保険料控除)
国民年金約20万円(社会保険料控除)
小規模企業共済(月3万円)36万円の控除 → 約7.2万円の節税
iDeCo(月6.8万円)81.6万円の控除 → 約16.3万円の節税
推定所得税約15〜25万円(各種控除後)

年間所得800万円の配信者(専業・トップ層)

年間所得800万円の配信者の節税
青色申告特別控除65万円 → 約15万円の節税
小規模企業共済(月7万円)84万円の控除 → 約19.3万円の節税
iDeCo(月6.8万円)81.6万円の控除 → 約18.8万円の節税
ふるさと納税上限約14万円(実質2,000円の自己負担)
推定所得税約50〜70万円(各種控除後)

配信者が使える主な控除・節税制度一覧

2026年に配信者が活用できる控除や節税制度を一覧でまとめます。

配信者が使える控除・節税制度
青色申告特別控除最大65万円(e-Tax+複式簿記が条件)
基礎控除48万円(引き上げ議論中)
社会保険料控除国民健康保険+国民年金の全額
小規模企業共済月額1,000〜70,000円(全額所得控除)
iDeCo月額最大68,000円(個人事業主の場合、全額所得控除)
ふるさと納税実質2,000円の自己負担で返礼品(住民税・所得税控除)
経費計上PC・周辺機器・ゲームソフト・通信費など
家事按分自宅の家賃・光熱費の配信利用割合分

配信者の経費として認められるもの

経費項目具体例注意点
配信機材PC、マイク、カメラ、照明、キャプチャーボード10万円以上は減価償却(青色申告なら30万円未満一括OK)
ゲームソフト配信でプレイするゲーム私的利用との按分に注意
通信費インターネット回線私的利用割合を按分
家賃配信スペースの面積割合配信専用スペースの割合で按分
光熱費電気代(PC・エアコン)配信時間の割合で按分
サブスクOBS関連プラグイン、BGM素材、Adobe等配信目的であれば全額経費
衣装・美容VTuberモデル制作費、衣装配信専用であれば経費
外注費動画編集、サムネイル制作支払調書の作成が必要な場合あり
ゲーム機やゲームソフトは全額経費にできますか?
配信で使用する目的であれば経費計上が可能ですが、私的にもプレイする場合は「家事按分」が必要です。例えば、配信でのプレイが70%、私的なプレイが30%の場合、70%を経費として計上します。税務調査で指摘されないよう、配信でプレイした記録(配信アーカイブ等)を残しておくことが重要です。

今すぐやるべき対策チェックリスト

2026年に配信者がやるべき税務対策 - 2025年分の確定申告を3月16日までにe-Taxで提出 - 青色申告未申請の場合は開業届+青色申告承認申請を提出 - インボイス制度の登録要否を判断(企業案件の有無で判断) - 2割特例利用者は2027年以降の課税方式を決定 - 簡易課税を選択する場合は2026年12月末までに届出 - 小規模企業共済・iDeCoの加入を検討 - 会計ソフト(freee, マネーフォワード等)の導入 - 経費の記録を日常的に行う習慣をつける

よくある質問

副業配信者ですが、開業届を出すべきですか?
配信で継続的に収入を得ている場合は、開業届を出して事業所得として申告するメリットが大きいです。青色申告特別控除65万円が使えるようになり、赤字の繰り越し(3年間)も可能です。ただし、収入が少額で一時的な場合は雑所得のままでも構いません。開業届は所轄の税務署に提出するか、e-Taxで電子提出できます。
消費税の簡易課税制度と本則課税、どちらが有利ですか?
配信者の場合、経費に占める消費税額が少ないケースが多い(デジタルサービスやサブスクリプションは仕入税額控除できないものも)ため、簡易課税の方が有利なことが多いです。簡易課税ではみなし仕入率(サービス業の場合50%)で計算するため、実際の経費が少なくても一定の控除が受けられます。
仮想通貨やNFTの収入も確定申告が必要ですか?
はい、仮想通貨の売却益やNFTの販売益は原則として雑所得として申告が必要です。配信に関連するNFT(チャンネルメンバーシップNFT等)の場合は事業所得に含められる可能性もあります。仮想通貨の税計算は複雑なため、専用の計算ツール(Cryptact等)の利用をおすすめします。

まとめ

まとめ

2026年税制改正の配信者への影響まとめ
  • 基礎控除引き上げ: 議論進行中。実現すれば全配信者の手取りが増加
  • インボイス経過措置: 2026年10月〜控除率が80%→50%に縮小。企業案件多い配信者は要注意
  • 2割特例の期限: 個人は2026年12月まで。2027年以降の課税方式を決めておく
  • e-Tax: 青色申告65万円控除のためにe-Tax利用を推奨
  • フリーランス保護法: 企業案件の契約書・支払い条件の保護が強化
  • 今すぐやるべきこと: 確定申告の準備、インボイス登録の判断、2027年の課税方式決定

税制は毎年変わりますが、基本的な対策(青色申告、e-Tax、控除の活用)は変わりません。まずは今年の確定申告を確実に済ませ、将来の税制変更にも対応できる体制を作りましょう。

配信の経費率はどのくらいが目安ですか?
配信者の経費率は一般的に売上の20〜40%程度です。主な経費はPC・機材(減価償却)、通信費、家賃の按分、ゲームソフト、サブスクリプション費用、外注費(動画編集、サムネイル制作等)です。経費率が極端に高い場合は税務調査で指摘される可能性があるため、領収書や使用記録をしっかり保管しておきましょう。
法人化した方が節税になるのはどのラインですか?
一般的に、年間所得が800万〜1,000万円を超えるあたりで法人化の検討をおすすめします。法人税率は約23.2%(中小法人の場合、所得800万円以下は15%)であるのに対し、個人の所得税率は所得695万円超で23%、900万円超で33%となります。ただし、法人化には設立費用、社会保険料の負担増、税理士費用などのコストもかかるため、税理士に相談して総合的に判断しましょう。

画像クレジット

本記事で使用している画像の一部は Unsplash より提供されています。

  • 税制改正のイメージ: Photo by Olga DeLawrence on Unsplash

よくある質問

Q2026年の基礎控除の引き上げ額はいくらですか?
A
令和7年度税制改正大綱では基礎控除の引き上げが検討されています。具体的な金額や施行時期は国会での審議を経て決定されますので、国税庁の公式発表をご確認ください。現行の基礎控除は48万円です。
Qインボイス制度の2割特例はいつまで使えますか?
A
2割特例(小規模事業者の負担軽減措置)は、2026年9月30日を含む課税期間まで適用可能です。つまり、個人事業主の場合は2026年分(2026年1月〜12月)まで適用できます。
Q配信者は青色申告と白色申告のどちらがいいですか?
A
配信で継続的に収入がある場合は、青色申告が圧倒的に有利です。最大65万円の特別控除に加え、赤字の3年繰り越し、30万円未満の一括経費計上、専従者給与の経費計上が可能です。開業届と青色申告承認申請書の提出が必要です。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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