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【2026年】MSI MAG 321UP QD-OLED レビュー|初めてのOLEDに最適な32インチ4K 165Hz入門モデル

【2026年】MSI MAG 321UP QD-OLED レビュー|初めてのOLEDに最適な32インチ4K 165Hz入門モデル

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MSI MAG 321UP QD-OLED レビュー|初めてのOLEDに最適な32インチ4K 165Hz入門モデル

「QD-OLEDモニターを体験してみたいけど、いきなり15万円以上は出せない」 「165Hzと240Hzの違いがどれくらいか分からないから、安い方でいいのでは?」 「初めてのOLEDモニター選びで、何を基準に決めればいいか迷っている」

QD-OLEDゲーミングモニターの世界に足を踏み入れたいと思いつつも、価格面のハードルを感じている方は少なくないでしょう。2026年現在、QD-OLED 240Hzモデルは11万円~14万円台が中心価格帯で、さらにハイエンドモデルになると25万円に達するものもあります。

そんな中、MSI MAG 321UP QD-OLEDは約9~11万円($600~$750前後)という価格で、32インチ4K QD-OLEDの世界に入る「最良のエントリーポイント」を提供しています。リフレッシュレートは165Hzと、240Hzモデルよりは抑えられていますが、QD-OLEDパネルの本質である色表現力、コントラスト比、応答速度は上位モデルと同等です。

この記事では、MSI MAG 321UP QD-OLEDが「初めてのOLEDゲーミングモニター」として最適な理由を徹底的に解説します。165Hzで十分なのか、上位モデルとの差はどこにあるのか、そしてどんなユーザーに向いているのか。購入前に知っておくべきすべてをお伝えします。

この記事でわかること - MSI MAG 321UP QD-OLEDの映像品質と165Hz QD-OLEDの実力 - 初めてのQD-OLEDモニターとして最適な理由と根拠 - 165Hzと240Hzの現実的な差と選択基準 - 上位モデル(MAG 321UPX、MPG 321URX)との比較 - ゲーミング・配信での使い勝手と最適な設定 - 約9~11万円で手に入るQD-OLED体験の価値

MSI MAG 321UP QD-OLEDの基本スペック

クリーンなモニター環境

MAG 321UP QD-OLEDは、MSIの32インチ4K QD-OLEDラインナップにおいて、最も手頃な価格で提供されるエントリーモデルです。「エントリー」とはいえ、パネルの基本性能は上位モデルと同じQD-OLEDを搭載しており、映像品質で妥協しているわけではありません。

MSI MAG 321UP QD-OLED 主要スペック
パネルタイプQD-OLED(Samsung Display製)
画面サイズ32インチ(31.5インチ)
解像度3840 x 2160(4K UHD)
リフレッシュレート165Hz
応答速度0.03ms(GtG)
色域99% DCI-P3 / 100% sRGB
HDR対応DisplayHDR True Black 400
コントラスト比1,500,000:1(実質無限大)
輝度250nit(通常)/ 1000nit(HDRピーク)
映像入力DisplayPort 1.4 x1, HDMI 2.1 x2
USBUSB-C(15W)x1, USB-B(アップストリーム)x1, USB-A x2
KVM機能簡易対応
スピーカーなし
VESA100 x 100mm
重量約6.3kg(スタンド含む約9.0kg)
参考価格約9~11万円($600~$750前後)

スペックシートを見て気づく方も多いと思いますが、上位モデル(MAG 321UPX)との違いは主に2点です。

  1. リフレッシュレートが165Hz(上位は240Hz)
  2. DisplayPort 1.4(上位はDisplayPort 2.1a)

逆に言えば、それ以外のスペック(パネルタイプ、解像度、応答速度、色域、HDR性能)はすべて同等です。QD-OLEDの映像美を体験するという点では、上位モデルと全く同じ体験が得られます。

165Hzという選択の合理性

165Hzは、ゲーミングモニターの世界では「十分にハイリフレッシュレート」と言える数値です。人間の目が認識できるリフレッシュレートの差には個人差がありますが、多くの研究で以下のような傾向が報告されています。

  • 60Hz → 120Hz:ほぼ全員が明確な差を認識
  • 120Hz → 165Hz:多くの人が差を認識
  • 165Hz → 240Hz:訓練されたゲーマーのみ差を認識する場合が多い

つまり、カジュアルゲーマーやRPG・アドベンチャーゲーム中心のプレイヤーにとっては、165Hzは実用上十分なリフレッシュレートです。240Hzとの差を感じるのは、主にFPSゲームの競技シーンで、ミリ秒単位の反応速度が勝敗を分けるような場面に限られます。

DisplayPort 1.4で4K 165Hzは可能か

MAG 321UP QD-OLEDはDisplayPort 1.4を搭載しています。DP 1.4の帯域幅は32.4Gbpsで、DSC(Display Stream Compression)なしでは4K 120Hzまでしか対応できません。4K 165Hzで使用するには、DSC圧縮が必要になります。

DSCは「視覚的にほぼ無劣化」とされる圧縮方式で、VESA規格の一部として標準化されています。実際の使用において、DSCの有無で画質の差を感じることはほとんどありません。DP 1.4 + DSCによる4K 165Hzは、実用上は全く問題のない接続方法です。

なお、NVIDIA RTX 30シリーズ以降、AMD RX 6000シリーズ以降のGPUは、DP 1.4のDSCに対応しています。2世代前以上のGPUを使用している方でも、4K 165Hz接続が可能です。

映像品質:エントリーモデルでも妥協なしのQD-OLED

鮮やかなディスプレイ画面

上位モデルと同じQD-OLEDパネルの実力

MAG 321UP QD-OLEDの最大の魅力は、エントリー価格でありながら、上位モデルと同じQD-OLEDパネルを搭載していることです。Samsung Display製のQD-OLEDパネルは、量子ドット層により高純度な色表現を実現し、有機ELの自発光方式により完全な黒と無限のコントラスト比を提供します。

99% DCI-P3の色域カバー率は、映画制作の標準色域を満たしており、HDRコンテンツを制作者の意図通りに表示できます。Netflixのドルビービジョン対応コンテンツや、HDR対応ゲームの鮮やかな映像を、本来の色彩で楽しめるのは大きな魅力です。

IPSパネルからの乗り換えで感じる差

QD-OLEDの映像品質を最も実感できるのは、IPSパネルからの乗り換え時です。以下のポイントで、その差を強く感じるでしょう。

黒の深さ:IPSパネルの「黒」はバックライトの光漏れにより「暗いグレー」に見えます。QD-OLEDではピクセルが完全に消灯するため、真の黒が表示されます。暗い部屋で映画を見た時に、この差は衝撃的なレベルです。

コントラスト:IPSパネルの一般的なコントラスト比は1,000:1程度です。QD-OLEDの実質無限大のコントラスト比は、明暗の差を劇的に表現します。夜景のシーンで、街灯の眩しい光と暗闇の両方が同時に鮮明に見えるのは、QD-OLEDならではの体験です。

応答速度:IPSパネルの1ms(GtG)でも十分に高速ですが、QD-OLEDの0.03msは桁違いです。FPSゲームでの素早いカメラ移動時に、残像が一切見えなくなるのは、初めて体験すると驚くポイントです。

色の鮮やかさ:sRGB 100%のIPSパネルからDCI-P3 99%のQD-OLEDに移行すると、特に赤、緑、エメラルドグリーンなどの色がより鮮やかに感じられます。ゲームの自然風景やファンタジー世界の色彩が、一段と生き生きと見えるようになります。

HDR体験の本質

DisplayHDR True Black 400認証を取得しており、HDR10コンテンツの表示に対応しています。OLEDパネルはHDRと最も相性の良いディスプレイ技術であり、その理由は「完全な黒」と「高いピーク輝度」を同時に実現できるからです。

IPSパネルのHDRモニターでは、ローカルディミング(バックライトのゾーン制御)によってコントラストを向上させていますが、ゾーンの境界部分で「ハロー」(光のにじみ)が発生します。QD-OLEDではピクセル単位で発光するため、この問題が存在しません。

HDR対応ゲーム(Cyberpunk 2077、Forza Horizon 5、Alan Wake 2など)でのHDR体験は、IPS液晶のHDRモニターとは比較にならないインパクトがあります。暗闘の中のネオンサインの輝き、夕焼けのグラデーション、爆発エフェクトの眩しさ。HDRの本来の意味である「ハイダイナミックレンジ」を、初めて体感できるモニターです。

視野角と画面均一性

QD-OLEDパネルは視野角が非常に広く、上下左右178°から見ても色味の変化がほとんどありません。IPSパネルも視野角は広い方ですが、QD-OLEDは斜めから見た際の輝度低下が少なく、マルチモニター環境でサブモニターとして斜め位置に配置しても、色の正確性が維持されます。

画面均一性についても、QD-OLEDはIPSパネルのバックライトムラのような問題が構造上発生しません。画面全体で均一な輝度と色温度が確保されており、全画面で統一感のある映像が楽しめます。

ゲーミング性能:165Hzの快適なプレイ体験

ゲーミング環境のイメージ

165Hzの実際のゲーム体験

165Hzリフレッシュレートは、毎秒165回の画面更新を意味します。60Hzモニターの約2.75倍の更新頻度であり、マウスカーソルの追従性、キャラクターの動きの滑らかさ、カメラの回転のスムーズさが格段に向上します。

実際のゲーム体験において、165Hzは以下のようなタイトルで快適なプレイを提供します。

FPSゲーム(CS2、VALORANT、Apex Legends):敵の動きがスムーズに表示され、エイムの追従性が向上します。144Hz以上のリフレッシュレートでは、フリックショットやトラッキングエイムの精度向上を体感できます。

アクションRPG(エルデンリング、モンスターハンター):60fpsでは感じるカメラ移動時のカクつきが解消され、戦闘のアクションがより滑らかに表示されます。165Hzの恩恵は明確です。

レーシングゲーム(Forza Horizon、Gran Turismo):高速で流れる風景が滑らかに表示され、臨場感が大幅に向上します。VRRと組み合わせることで、ティアリングのないスムーズな映像を楽しめます。

ストーリーゲーム・アドベンチャー(FF16、スターフィールド):これらのジャンルでは60fps~120fpsが一般的な動作フレームレートであり、165Hzの恩恵は限定的ですが、UI操作やメニュー画面の滑らかさは確実に向上します。

165Hzと240Hzの差を考える

「165Hzと240Hzの差は体感できるのか?」という疑問は、このモニターの購入を検討する際に最も重要なポイントです。結論から言うと、以下のような整理が可能です。

165Hzで十分な方

  • FPSゲームをプレイするが、プロや上位ランカーを目指しているわけではない
  • RPG、アドベンチャー、シミュレーション等が主なゲームジャンル
  • 予算を抑えてQD-OLEDの映像美を体験したい
  • 現在のGPUが4K 240fpsを安定して出すスペックではない

240Hzを選ぶべき方

  • FPSゲームの競技シーンに参加している、または目指している
  • 60Hz→144Hzの違いが明確に分かり、さらに上を求めたい
  • 将来的にRTX 5080/5090クラスのGPUにアップグレード予定
  • 予算に余裕があり、数万円の差に抵抗がない

0.03ms応答速度はリフレッシュレートに関係なく効果あり

重要なポイントとして、0.03msの応答速度はリフレッシュレートに関係なく効果を発揮します。165Hzでも0.03msの応答速度によりゴースト(残像)が一切発生せず、動きの速いシーンでもクリアな映像が維持されます。

この応答速度はQD-OLEDパネル固有の特性であり、165Hzモデルでも240Hzモデルでも同じです。「165Hzだから応答速度が遅い」ということはなく、QD-OLEDの映像のシャープさは同等です。

VRR(可変リフレッシュレート)対応

AMD FreeSync PremiumとNVIDIA G-SYNC Compatible(互換)に対応しており、フレームレートの変動に応じてリフレッシュレートを動的に調整します。ティアリングやスタッタリングを防止し、フレームレートが変動するゲームでもスムーズな映像を提供します。

VRRの動作範囲は48Hz~165Hzで、LFC(Low Framerate Compensation)にも対応しています。4Kの高画質設定でフレームレートが48fpsを下回った場合でも、LFCによりスムーズな映像を維持します。

接続性と実用的な機能

デスク周りのケーブル配線

映像入力端子の構成

MAG 321UP QD-OLEDの映像入力は、DisplayPort 1.4 x1、HDMI 2.1 x2の構成です。上位モデル(MAG 321UPX)がDisplayPort 2.1aを搭載しているのに対し、こちらはDP 1.4です。

前述の通り、DP 1.4でも DSCを使用して4K 165Hzでの接続が可能です。4K 165Hzはこのモニターの最大リフレッシュレートであるため、DP 1.4で性能のボトルネックが発生することはありません。

HDMI 2.1ポートは2基搭載で、PS5やXbox Series Xの4K 120Hz出力に対応しています。VRRやALLMにも対応しており、コンソールゲーミングでも快適なプレイ環境を構築できます。

USB-C 15Wの活用

USB-Cポートは15W給電に対応しています。ノートPCへの実用的な充電は困難ですが、USB-C Alt Modeによる映像出力とデータ転送は利用可能です。

iPadやタブレットをサブデバイスとして接続する場合、USB-C一本で映像出力しながら低速充電も可能です。配信中にiPadでコメント確認やSNSチェックを行う際の接続に便利です。

USBハブ機能

背面のUSB-A 3.2 Gen 1ポート(2基)をUSBハブとして活用できます。ウェブカメラやUSBマイクなど、配信機材の接続に利用可能です。USB-Bアップストリームケーブル経由でPCとデータ通信を行うため、PC側のUSBポートを節約できます。

スタンドと調整機能

付属スタンドは高さ調整(0~110mm)、チルト(-5°~+20°)、スイベル(-30°~+30°)に対応しています。VESA 100 x 100mmマウント対応で、モニターアームへの取り付けも可能です。

重量約6.3kg(スタンド除く)は、32インチモニターとしては軽量な部類で、一般的なモニターアーム(耐荷重8kg程度)でも問題なく支えられます。

初めてのOLEDモニターとしての魅力

初めてのモニター選び

なぜエントリーモデルが「初めてのOLED」に最適なのか

QD-OLEDモニターは、IPSパネルとは根本的に異なる映像体験を提供します。しかし、初めてのOLEDモニターとしていきなりフラッグシップモデル(20万円超)を購入するのは、心理的なハードルが高いものです。

MAG 321UP QD-OLEDは、以下の理由から「初めてのOLED」に最適です。

1. QD-OLEDの本質的な映像美を体験できる 色域、コントラスト比、応答速度、HDR性能はすべて上位モデルと同等です。「OLEDの映像がどれだけすごいか」を知るには、このモニターで十分です。

2. 約9~11万円という心理的なハードル 14万円や25万円と比べて、10万円前後はゲーミングモニターとしては「思い切れる範囲」と感じる方が多いでしょう。特に、5~8万円のIPSモニターから2~3万円上乗せするだけでQD-OLEDに手が届くと考えれば、非常に魅力的です。

3. 165Hzはほとんどの用途で十分 前述の通り、165Hzと240Hzの差を明確に感じるのは限られた場面です。初めてOLEDを使う方は、リフレッシュレートの差よりも、QD-OLEDの映像そのものに圧倒されるはずです。

4. 焼き付きへの不安を最小限のコストで検証できる OLEDの焼き付きが心配で購入を躊躇している方にとって、比較的手頃な価格で実際に使用してみることは、不安を解消する最良の方法です。

QD-OLEDデビューで変わるゲーム体験

初めてQD-OLEDモニターでゲームをプレイした時の印象は、多くのユーザーが「衝撃的」と表現します。特に以下のシーンで、その差は顕著です。

ダークなシーンの多いゲーム:ホラーゲーム(バイオハザード、サイレントヒル)や宇宙ゲーム(スターフィールド)では、漆黒の暗闘の中にわずかな光源が浮かび上がる映像美に息を呑みます。IPSパネルでは「全体的にグレーっぽい」と感じていた暗いシーンが、QD-OLEDでは「本当の暗闇」と「鮮烈な光」の対比として表現されます。

HDR対応の大作ゲーム:Cyberpunk 2077のナイトシティのネオン、Forza Horizon 5の夕焼け、FF16の魔法エフェクト。HDRコンテンツの「明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く」という本来の意図を、QD-OLEDは忠実に再現します。

色彩豊かなゲーム:原神やゼルダの伝説のような、鮮やかな色彩が特徴的なゲームでは、DCI-P3の広色域が真価を発揮します。草原の緑、空のグラデーション、キャラクターの衣装の色がより深く、より鮮やかに表現されます。

配信者にとっての使い勝手

配信環境のセットアップ

32インチ4Kの配信レイアウト

32インチの4K解像度は、配信者にとって最も使いやすいサイズの一つです。Windows 11の150%スケーリングで使用すると、2560 x 1440相当の広い作業領域が確保され、ゲーム画面とOBS、チャット、配信管理ツールを余裕を持って配置できます。

165Hzリフレッシュレートは、配信の観点ではまったく問題ありません。Twitch配信は60fps、YouTube Live配信も60fpsが上限であるため、モニター側のリフレッシュレートが165Hzでも240Hzでも、配信の映像品質には影響しません。配信者自身のプレイ体感の差は出ますが、視聴者が受け取る映像に差はありません。

配信画面の色管理

QD-OLEDの広色域(99% DCI-P3)で表示されたゲーム画面を配信した場合、視聴者のsRGBモニターでは色味が異なって表示される可能性があります。この問題への対処法はいくつかあります。

  1. モニターのsRGBモードを使用する:配信時にsRGBモードに切り替えることで、視聴者と同じ色域で表示。ただし、QD-OLEDの広色域の恩恵が失われる
  2. OBSの色空間設定をsRGBに固定する:モニター表示はDCI-P3のまま、配信出力のみsRGB。最もバランスの良い方法
  3. 気にしない:実際のところ、多くの視聴者は色味の微差に気づかない。ゲームの雰囲気が伝われば十分

個人的には、OBSの出力設定でsRGBを指定する方法をおすすめします。自分はQD-OLEDの鮮やかな映像を楽しみつつ、視聴者にも適切な色で配信できる、最も実用的なアプローチです。

エントリーOLED + サブモニターの構成

予算を抑えたい配信者にとって、MAG 321UP QD-OLEDをメインモニター、安価なIPS液晶をサブモニターとする構成は、コスパに優れた選択です。メインでゲームのプレイ体験を最大化し、サブでチャットやOBS管理を行うという役割分担が明確にできます。

メインモニターに約10万円、サブモニターに2~3万円で、合計12~13万円のデュアルモニター環境が構築できます。上位モデルのMPG 321URX QD-OLED(約14万円)を1台購入するのと同程度のコストで、デュアルモニター環境が手に入ると考えれば、かなりお得です。

OLED Care 2.0と焼き付き対策

MAG 321UP QD-OLEDにも、MSIのOLED Care 2.0技術がフルで搭載されています。エントリーモデルだからといって焼き付き防止機能が省略されることはなく、ピクセルシフト、パネルリフレッシュ、静止画検出と自動輝度調整など、上位モデルと同じ保護機能が利用できます。

焼き付きに関しては、前述の上位モデルのレビューでも述べた通り、通常のゲーミング・配信用途であれば過度に心配する必要はありません。初めてのOLEDモニターとして焼き付きが不安な方も、OLED Care 2.0の自動保護機能に任せておけば、安心して使用できます。

最低限の対策として、以下を意識しておけば十分です。

  • スクリーンセーバーを有効にする
  • 離席時はモニターの電源を切る(または自動スリープを設定)
  • OLED Care機能をデフォルト設定のまま有効にしておく

メリット・デメリット

  • 約9~11万円で32インチ4K QD-OLEDが手に入る最も手頃な価格
  • 上位モデルと同等のQD-OLEDパネル品質(99% DCI-P3、0.03ms、HDR True Black 400)
  • 165Hzはほとんどのゲーマーにとって十分なリフレッシュレート
  • 初めてのOLEDモニターとしての心理的・経済的ハードルが低い
  • OLED Care 2.0による焼き付き対策は上位モデルと同等
  • HDMI 2.1 x2でPS5・Xbox Series X対応
  • 軽量設計(約6.3kg)でモニターアームとの相性が良い
  • 旧世代GPU(RTX 40/30シリーズ)でもDP 1.4+DSCで4K 165Hz出力可能
  • リフレッシュレートは165Hzで、競技FPSでは240Hzモデルに劣る
  • DisplayPort 2.1a非搭載(DP 1.4のみ)
  • USB-C 15Wではノートへの充電は実質不可能
  • 本格的なKVM機能は搭載されていない
  • スピーカー非搭載
  • ABL(Auto Brightness Limiter)による全白表示時の輝度制限
  • 4K解像度を十分に活用するにはミドルハイ以上のGPUが必要

競合製品との比較

モニターの比較検討

MSI MAG 321UPX QD-OLED(約11万円)との比較

最も近い上位モデルとの比較は、購入の最終判断で重要です。両者の差はリフレッシュレート(165Hz vs 240Hz)とDisplayPort規格(1.4 vs 2.1a)の2点です。

約1~2万円の価格差に対して、これらの違いに価値を見出せるかがポイントです。FPSゲームを頻繁にプレイし、将来的にDP 2.1a対応GPUへのアップグレードを予定している方は、上乗せしてMAG 321UPXを選ぶ方が長期的に満足度が高いでしょう。それ以外の方にはMAG 321UPで十分です。

IPS液晶 4K 144Hzモニター(5~8万円)との比較

IPS液晶の4K 144Hzモニターは5~8万円で入手可能で、MAG 321UP QD-OLEDとの価格差は3~5万円です。この価格差で得られるQD-OLEDのメリットは以下の通りです。

  • 完全な黒と無限のコントラスト比
  • 0.03msの超高速応答(IPSの約30倍)
  • 99% DCI-P3の広色域
  • DisplayHDR True Black 400のHDR性能

逆に、IPS液晶の方が優れている点もあります。

  • 焼き付きリスクがゼロ
  • 全白表示時の輝度がABLで制限されない
  • オフィス作業の長時間表示に適している
  • 価格が手頃

ゲーミングと映像視聴がメインであれば、3~5万円の追加投資でQD-OLEDを選ぶ価値は十分にあります。オフィス作業が使用時間の大半を占める場合は、IPSパネルの方が適しています。

WOLED(LG OLED)モニターとの比較

LG DisplayのWOLEDパネルを搭載したモニター(LG UltraGear 32GS95UEなど)も競合製品です。WOLEDはQD-OLEDと比較して以下の特徴があります。

  • QD-OLEDの方が色の純度が高い(特に赤と緑)
  • QD-OLEDの方がDCI-P3色域のカバー率が広い
  • WOLEDはカラーフィルター方式のため、やや暗い傾向
  • WOLEDの方がテキスト表示時のサブピクセル配列が有利な場合がある

総合的な映像品質ではQD-OLEDに軍配が上がりますが、テキスト作業の多さや価格によってはWOLEDも選択肢に入ります。

どんなユーザーに最適か

初めてのOLEDゲーミングモニターを探している方

MAG 321UP QD-OLEDは、文字通り「初めてのOLEDゲーミングモニター」として設計されたかのようなモデルです。QD-OLEDの映像美を体験するのに必要な性能はすべて備えつつ、価格のハードルを最小限に抑えています。

RPG・アドベンチャーゲーム中心のプレイヤー

165Hzのリフレッシュレートは、RPGやアドベンチャーゲームには十分すぎるスペックです。これらのジャンルでは、リフレッシュレートよりもQD-OLEDの色彩表現やHDR性能の方が、ゲーム体験への貢献度が高いです。

予算10万円前後でQD-OLEDを手に入れたい方

約9~11万円という価格帯は、ゲーミングモニターとしては「中~高価格帯」ですが、QD-OLEDモニターとしては「最も手頃」です。限られた予算でQD-OLEDの世界に飛び込むなら、このモデルが最良の選択肢です。

PS5・Xbox Series Xメインのゲーマー

家庭用ゲーム機はHDMI 2.1で4K 120Hzまでの出力であるため、モニター側が165Hzでも240Hzでも恩恵に差はありません。コンソールゲーマーにとって、240Hzに追加投資する意味は薄いです。

よくある質問

DisplayPort 1.4とDisplayPort 2.1aの違いは、このモニターを使う上で問題になりますか?
いいえ。MAG 321UP QD-OLEDの最大リフレッシュレートは165Hzであり、DP 1.4 + DSCで4K 165Hz出力が可能です。DP 2.1aが必要になるのは4K 240Hz以上の出力時なので、このモニターではDP 1.4で性能をフルに引き出せます。将来的に240Hzモニターにアップグレードする際にはDP 2.1a対応GPUが必要になりますが、現時点では心配不要です。
テキスト表示のクリアさはIPSパネルと比較してどうですか?
QD-OLEDのサブピクセル配列はIPSと異なるため、テキスト表示に若干の差があります。初期世代のQD-OLEDではテキストのフリンジ(色にじみ)が指摘されていましたが、2026年世代のパネルではサブピクセル配列の改善と、WindowsのClearType調整により、大幅に改善されています。通常の使用距離(60~70cm程度)では問題にならないレベルです。
PS5で使う場合、120Hzと165Hzの違いは感じますか?
PS5のHDMI 2.1出力は4K 120Hzが上限です。モニター側が165Hz対応であっても、PS5からの入力は120Hzなので、120Hzで表示されます。165Hzの恩恵を受けるにはPCからの接続が必要です。ただし、VRR対応により、PS5の出力フレームレートに応じてリフレッシュレートが動的に調整されるため、120Hz以下のフレームレート時にもスムーズな表示が可能です。
このモニターでHDMI接続のみで使えますか?DisplayPortがないPCでも大丈夫?
はい、HDMI 2.1ポートが2基あるので、HDMI接続のみでも使用可能です。ただし、HDMI 2.1では4K 120Hzまでの対応となり、165Hzのフルスペックは引き出せません。4K 165Hzで使用するにはDisplayPort 1.4(DSC対応)が必要です。

まとめ

まとめ

MSI MAG 321UP QD-OLEDは、約9~11万円という手頃な価格で32インチ4K QD-OLEDの世界に入れる「最良のエントリーポイント」です。

リフレッシュレートは165Hzと、240Hzモデルよりも控えめですが、QD-OLEDパネルの本質的な映像美(99% DCI-P3の色域、0.03msの応答速度、DisplayHDR True Black 400のHDR性能、完全な黒と無限のコントラスト比)は上位モデルとまったく同等です。

165Hzはほとんどのゲーマーにとって十分なリフレッシュレートであり、RPGやアドベンチャーゲーム中心のプレイヤーはもちろん、カジュアルにFPSを楽しむ方にも快適なプレイ環境を提供します。

初めてのQD-OLEDモニターとして、「OLEDの映像がどれだけすごいか」を体験するには、このモデルが最もコストパフォーマンスに優れた選択肢です。QD-OLEDの世界への第一歩として、自信を持っておすすめできるモニターです。

画像クレジット

本記事で使用している画像の一部は Unsplash より提供されています。

  • クリーンなモニター環境: Photo by Samur Isma on Unsplash
  • 鮮やかなディスプレイ: Photo by Stem List on Unsplash
  • ゲーミング環境: Photo by Fredrick Tendong on Unsplash
  • デスク周り: Photo by Elio Santos on Unsplash
  • モニター選び: Photo by Clément Hélardot on Unsplash
  • 配信セットアップ: Photo by Ella Don on Unsplash
  • モニター比較: Photo by Fotis Fotopoulos on Unsplash

よくある質問

Q165Hzと240Hzの違いは体感できますか?
A
FPSゲームをプレイする場合、144Hz→240Hzの差は「分かる人には分かる」レベルです。カジュアルゲーマーやRPG中心のプレイヤーであれば、165Hzで十分に滑らかな映像を楽しめます。競技FPSで少しでもアドバンテージを求める方には240Hzモデルをおすすめしますが、そうでなければ165Hzで後悔することはほとんどありません。
Q4K 165fpsを出すのに必要なGPU性能は?
A
ゲームタイトルと画質設定により異なりますが、CS2やVALORANTなどの軽量FPSではRTX 4070以上で十分達成可能です。AAAタイトルを高~最高画質でプレイする場合はRTX 4080以上が推奨されます。DLSSやFSRなどのアップスケーリング技術を活用すれば、ミドルクラスGPUでも快適なフレームレートを得られます。
QMAG 321UPはMAG 321UPXの下位モデルですか?
A
はい。主な違いはリフレッシュレートで、MAG 321UPが165Hz、MAG 321UPXが240Hzです。パネルタイプ(QD-OLED)、解像度(4K)、応答速度(0.03ms)、色域(99% DCI-P3)などの基本性能は同等です。価格差は約1~2万円で、その差額でリフレッシュレートの向上が得られます。
QIPSモニターからの乗り換えで後悔する点はありますか?
A
画質面で後悔することはまずありません。QD-OLEDの映像美はIPSを大きく凌駕します。ただし、OLEDは焼き付きリスクがあるため、長時間の静止画表示には注意が必要です。また、ABL(自動輝度制限)により全白表示時の輝度が制限される場合があり、オフィス作業中心の方は違和感を感じる可能性があります。
Qこのモニターで動画編集はできますか?
A
十分に可能です。99% DCI-P3の広色域は、動画編集に必要な色域を十分にカバーしています。4K解像度によりタイムラインの視認性も良好です。ただし、プロフェッショナルなカラーグレーディングにはハードウェアキャリブレーション対応のモニターが推奨されます。YouTubeやTwitch向けの動画編集であれば、このモニターの色精度で全く問題ありません。

この記事を書いた人

TK

モリミー

Webエンジニア / テクニカルライター / マーケター

都内で働くWebエンジニア。テクニカルライターをしています。 映画やゲームが好きです。

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