【宅建試験対策】練習 問8 解説：権利関係・請負契約の瑕疵担保責任

📝 注意
この記事は宅建試験対策のための練習問題です。実際の試験問題とは異なります。

この練習問題では、民法の請負契約に関する問題が出題されました。2017年民法改正により「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変更された内容について正確に理解しているかを問う重要な問題です。

問題文

問題
請負に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

選択肢

1. 請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
2. 請負人が仕事の目的物を注文者に引き渡した後に、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことが判明した場合、注文者は、相当の期間を定めて履行の追完を請求することができる。
3. 建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後5年間担保の責任を負う。
4. 仕事の目的物に契約不適合がある場合において、注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求等をすることができない。

正解

正解：3

解説

ポイント解説

💡 重要ポイント
請負契約の契約不適合責任に関する重要事項を整理しましょう。

• 注文者の解除権：完成前はいつでも解除可（損害賠償必要）
• 契約不適合責任：追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、解除
• 通知期間：不適合を知った時から1年以内に通知
• 建物の特則：2017年改正で削除（一般ルールに統一）

各選択肢の検討

✅ 選択肢1：正しい
民法641条により、請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約の解除をすることができます。

✅ 選択肢2：正しい
請負の目的物が契約の内容に適合しない場合、注文者は履行の追完を請求できます（民法559条・562条）。これは売買の規定が準用されます。

✅ 選択肢3：誤り
2017年民法改正により、建物等の請負人の担保責任期間の特則（旧638条）は削除されました。現在は一般的な契約不適合責任のルールが適用されます。

✅ 選択肢4：正しい
民法637条1項により、注文者は契約不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しなければ、契約不適合を理由とする請求等ができなくなります。

関連する条文

民法の該当条文

📖 民法第641条（注文者による契約の解除）
請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。

e-Gov法令検索：民法第641条

📖 民法第637条（目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限）

1. 前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

e-Gov法令検索：民法第637条

📖 民法第559条（有償契約への準用）
この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

e-Gov法令検索：民法第559条

暗記すべき重要事項

📝 暗記事項
請負の契約不適合責任まとめ

項目	内容	備考
追完請求	修補、代替物引渡し、不足分引渡し	売買規定を準用
代金減額請求	追完不能・追完拒絶の場合	催告不要の場合あり
損害賠償請求	債務不履行の一般原則	帰責事由必要
解除	債務不履行の一般原則	軽微な不適合は除く
通知期間	知った時から1年以内	通知のみでOK

2017年民法改正のポイント

• 「瑕疵」→「契約不適合」に変更
• 建物の5年・10年の特則を削除
• 売買の規定を準用する構造に

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まとめ

請負契約は2017年民法改正により大きく変更されました。特に「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」への変更、建物等の特則の削除は重要です。

通知期間が「知った時から1年以内」である点は、売買と共通のルールです。また、注文者の任意解除権（民法641条）は請負特有の制度として、確実に押さえておきましょう。改正内容を正確に理解することが、得点の鍵となります。