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【宅建試験対策】練習 問3 解説:権利関係・時効の中断と完成猶予

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【宅建試験対策】練習 問3 解説:権利関係・時効の中断と完成猶予

【宅建試験対策】練習 問3 解説:権利関係・時効の中断と完成猶予

📝 注意
この記事は宅建試験対策のための練習問題です。実際の試験問題とは異なります。

この練習問題では、民法の時効制度に関する問題が出題されました。2017年民法改正で大きく変わった時効の完成猶予と更新について正確に理解しているかを問う重要な問題です。

問題文

問題
時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

選択肢

  1. 債権者が債務者に対して裁判上の請求をした場合、訴えを提起した時から時効の完成が猶予される。
  2. 債務者が債権者に対して債務の承認をした場合、承認の時から新たに時効が進行する。
  3. 債権者が債務者に対して催告をした場合、催告の時から6か月間は時効が完成しない。
  4. 取得時効の期間満了後に、占有者が所有者に対して所有権を主張した場合でも、時効の効果は生じない。

正解

正解:2

解説

ポイント解説

💡 重要ポイント
2017年民法改正により時効制度が大きく変更されました。

  • 時効の完成猶予:一定期間、時効の完成を阻止する制度(旧:時効の停止)
  • 時効の更新:新たに時効期間が進行する制度(旧:時効の中断)
  • 裁判上の請求:訴え提起時から時効完成猶予+確定判決等で時効更新
  • 催告:6か月間の時効完成猶予(更新効果なし)

各選択肢の検討

✅ 選択肢1:誤り
裁判上の請求による時効の完成猶予は、訴えの提起時ではなく、裁判手続が終了するまで(判決確定等まで)継続します(民法147条1項1号)。単に「訴えを提起した時から」という記述は不正確です。

✅ 選択肢2:正しい
債務の承認は時効の更新事由です(民法152条1項)。承認により、その時から新たに時効が進行します。これは改正前の「時効の中断」に相当する効果です。

✅ 選択肢3:誤り
催告による時効の完成猶予期間は、催告の時から6か月ではなく、「催告後6か月を経過するまで」です(民法150条1項)。微妙な違いですが、正確な理解が必要です。

✅ 選択肢4:誤り
時効期間満了後でも、時効の援用により時効の効果が生じます(民法145条)。時効は期間満了により当然に効果が生じるのではなく、援用が必要です。

関連する条文

民法の該当条文

📖 民法第147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

  1. 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する時までの間は、時効は、完成しない。 一 裁判上の請求
  2. 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

e-Gov法令検索:民法第147条

📖 民法第152条(承認による時効の更新)

  1. 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

e-Gov法令検索:民法第152条

📖 民法第150条(催告による時効の完成猶予)

  1. 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

e-Gov法令検索:民法第150条

暗記すべき重要事項

📝 暗記事項
時効の完成猶予・更新事由まとめ

事由完成猶予更新期間・条件
裁判上の請求手続終了まで猶予→確定で更新
催告×6か月間のみ(再催告不可)
承認×承認時から新たに進行
協議を行う旨の合意×1年間(最長5年まで延長可)
強制執行等手続終了まで猶予→終了で更新

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おすすめの参考書
時効制度は民法改正の影響を大きく受けた分野です。新旧の違いを理解することが重要です。

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まとめ

時効制度は2017年民法改正により大きく変更されました。特に「時効の中断」が「時効の更新」に、「時効の停止」が「時効の完成猶予」に変更された点は重要です。

承認による時効の更新(旧中断)は、実務でも頻繁に問題となる重要事項です。催告は完成猶予効果のみで更新効果がないことも、よく出題されるポイントです。新しい用語と効果を正確に理解することが、得点の鍵となります。

この記事を書いた人

TK

田中 健太

Webエンジニア / テクニカルライター

10年以上のWeb開発経験を持つフルスタックエンジニア。最新の技術トレンドや実践的な開発ノウハウを分かりやすく解説することを心がけています。

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